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Razer,Ultrabook「Blade Stealth」を本日発売。Thunderbolt 3接続の外付けグラフィックスボックス「Core」は「近日発売」
「RazerのノートPC」でありながら,単体GPUを搭載しないという思い切った仕様を採用する製品だ。別途用意されるThunderbolt 3接続の外付けグラフィックスボックス「Razer Core」に,ユーザー側で2スロット仕様のグラフィックスカードを差すことで,「ゲームPC化」を図れるようになっている。
ラインナップと価格は以下のとおり。当面は,直販ストアの日本語版「RazerStore」のみでの受付となり,流通やサポートは,デジカが担当するという。なお,現時点では,キーボードの配列は日本語しか選択できないが,後日英語配列も選択可能になるとのこと。
- 解像度3840
× 2160ドット液晶搭載,ストレージ容量512GB:18万4800円(税別),19万9584円(税込) - 解像度3840
× 2160ドット液晶搭載,ストレージ容量256GB:16万4800円(税別),17万7984円(税込) - 解像度2560
× 1440ドット液晶搭載,ストレージ容量256GB:13万9800円(税別),15万984円(税込) - 解像度2560
× 1440ドット液晶搭載,ストレージ容量128GB:11万9800円(税別),12万9384円(税込)
イベントでTan氏が挙げたRazer Blade Stealthの特徴は,デザイン,ディスプレイ,性能の3点にあるという。
まずデザインについて,Tan氏は,薄さと軽さをアピールした。氏によると,
薄型軽量のUltrabookが珍しくない昨今では,特筆するほどの薄さではないのが正直なところではあるが,後述するスペックと合わせて考えると,高スペックながら薄型のノートPCとはいえそうだ。
キーボードは,Razer製品ではお馴染みである「Razer Chroma」(以下,
2つめの特徴として挙げられたディスプレイは,解像度の高さと色域の広さが特徴である。ディスプレイには,12.5インチサイズのIGZO液晶パネルを採用。QHDモデルは2560×1440ドット,UHDモデルでは3840×2160ドットと,2種類の解像度を選べるようになっている。Tan氏は,「AppleやDell(の競合製品)よりも高精細である」とアピールしていた。
さらに,どちらのモデルでも,Adobe RGB比100%という広色域をサポートしているので,写真や映像の色再現性も優秀だ。ただ,液晶パネルがタッチ対応であるため,外光の反射が目立つグレアパネルであるという点は,人によっては気になるかもしれない。
3つめの特徴である性能で注目すべき点は,Thunderbolt 3対応のUSB Type-Cポートを備えるところだろう。これはRazer Coreとの接続にも利用する高速I/Oインタフェースであり,既存のUSB 3.0を超える高速なデータ転送が可能である。
その他のスペックも見てみると,CPUにはSkylake世代の「Core i7-6500U」を搭載し,メインメモリ容量は8GB(※増設不可)。内蔵ストレージには,PCI Express接続のM.2 SSDを採用しており,QHDモデルは容量128GBか256GB,UHDモデルは容量256GBか512GBの3種類から選択可能だ。単体GPUは搭載していないので,グラフィックス機能は,CPUに統合された「HD Graphics 520」となる。
これだけのスペックを備えながら,価格が比較的安価な点が,Razer Blade Stealthの重要なところである。Tan氏は,Dellの「XPS 13」,Appleの「MacBook Air」(※13インチモデル)とRazer Blade Stealthのスペックや価格を比較した表を披露し,スペックはどの項目でも競合より優れており,しかも価格が安いことをアピールしていた。
Razerでは,この高い価格スペック比を武器に,ゲーマーだけでなく一般のPCユーザーにもRazer Blade Stealthを売り込みたいと考えているという。ゲーマー以外の知名度が高くはないブランドであるうえ,販売形態がオンライン販売のみとなると,ゲーマー以外のPCユーザーにはハードルが高いのではないかと思う。だが,そういった点が気にならないゲーマーであれば,Razer Blade Stealthは魅力のある製品となるかもしれない。
Razer Coreは国内市場にも近日登場
Razer Blade Stealth専用の周辺機器ではないが,外付けグラフィックスボックスであるRazer Coreについても簡単に説明された。
Razer Coreとは,Thunderbolt 3でPCと接続する拡張ユニットで,これをつなげば高性能な単体GPUを持たないPCでも,内部に組み込んだデスクトップPC用グラフィックスカードを利用できるという機器だ。PCと接続したり着脱したりするときには,Windowsの再起動は不要であるというのも利点であろう。
なお,製品にはグラフィックスカードは含まれておらず,AMDやNVIDIAの対応グラフィックスカードを別途用意する必要がある。
内部には2スロット仕様のグラフィックスカードが装着可能となっており,サイズは310(W)×152(D)×44(H)mm,最大消費電力は375Wまでのグラフィックスカードを組み込むことが可能だ。
背面には,PCとの接続用に使うThunderbolt 3対応USB 3.1 Type-Cポートが1つと,USB 3.0 Type-Aポートが4つ,Gigabit Ethernet対応の有線LANポートがあった。グラフィックスカードだけでなく,キーボードやマウス,LANケーブルなどをつないでおくドッキングステーション的な使い方も可能なわけだ。
なお,Razer Coreに対応するGPUとしては,表のGPUが挙げられている。これ以外のGPU,とくに発表されて間もない「GeForce GTX 1080」などは,今後動作検証が済めば,対応していくのではないだろうか。
AMD | Radeon R9 Fury,Radeon R9 Nano,Radeon R9 300シリーズ,Radeon R9 290X,Radeon R9 290,Radeon R9 285 |
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NVIDIA | GeForce GTX TITAN X,GeForce GTX 980 Ti,GeForce GTX 980,GeForce GTX 970,GeForce GTX 960,GeForce GTX 950,GeForce GTX 750 Ti,GeForce GTX 750 |
さてTan氏は,Razer Coreを日本市場に投入することを明言したのだが,すでに発売済みの北米市場でも出荷が間に合っていないため,日本では「近日発売」(Tan氏)というステータスだそうだ。
国内価格は,北米市場における499ドル(税別)に近いものになるが,北米市場における「Razer Blade Stealth本体とセットで購入したときは100ドル引き」というキャンペーンは,日本だと両製品の発売時期がズレることから,形を変えて展開予定という。
今までの外付けグラフィックスボックスは,メーカー独自仕様で汎用性や安定性に欠けるものばかりで,なかなか普及することがないソリューションだった。しかし,Razer Coreがスタンダード的な地位を固めることで,ゲーマーが安心して利用できるものとなれば,ゲームPCの世界に新風を吹き込むことになるかもしれない,といっては大袈裟だろうか。
Razer Coreが適切な価格で国内販売されることを期待したい。
●Razer Blade Stealthの主なスペック
- CPU:Core i7-6500U(2C4T,定格クロック2.5GHz,最大クロック3.1GHz,共有L3キャッシュ容量4MB)
- メインメモリ:PC3L-14900 DDR3 SDRAM 4GB×2
- GPU:HD Graphics 520(※CPUに統合)
- ストレージ:SSD(PCI Express M.2,256/512GB)
- 光学ドライブ:なし
- サウンド:オンボード
- 有線LAN:なし
- 無線LAN:IEEE 802.11ac(Bluetooth 4.1対応)
- 液晶パネル:12.5インチワイド,IGZO(IPS),解像度3840
× 2160ドット(352ppi),または解像度2560×1440ドット(235ppi),グレア(光沢),タッチ対応 - 入力インタフェース:日本語/英語キーボード(Anti-Ghosting対応,配列は注文時に選択),タッチパッド
- 外部接続インタフェース:Thunderbolt 3(USB Type-C)
× 1,USB 3.0(Type-A) × 2,HDMI 1.4b(Type A) × 1,3.5mmミニピンヘッドセット入出力 × 1 - 本体サイズ:321(W)
× 206(D) × 13.1(H)mm - 重量:1.25kg
- OS:64bit版Windows 10
- 保証期間:未公開
- 発売予定時期:2016年5月26日
●Razer Coreの主なスペック
- PCとの接続インタフェース:Thunderbolt 3
- 外部接続インタフェース:1000BASE-T LAN(RJ45),USB 3.0
× 4 - 対応グラフィックスカードサイズ:152(W)
× 310(D) × 44(H)mm(※2スロット仕様まで) - 対応GPU(AMD):Radeon R9 Fury,Radeon R9 Nano,Radeon R9 300シリーズ,Radeon R9 290X,Radeon R9 290,Radeon R9 285
- 対応GPU(NVIDIA):GeForce GTX TITAN X,GeForce GTX 980 Ti,GeForce GTX 980,GeForce GTX 970,GeForce GTX 960,GeForce GTX 950,GeForce GTX 750 Ti,GeForce GTX 750
- 電源容量:500W
- 本体サイズ:104.9(W)
× 339.9(D) × 218.4(H)mm - 保証期間:未公開
- 発売予定時期:近日
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