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「Radeon Software Crimson Edition 15.11」の更新内容まとめ。一部に謎が残るも,文句なしに大規模アップデートだ
すでにダウンロードして導入済みというRadeonユーザーも多いと思うが,Catalystを置き換えるRadeon Softwareには,従来どおりのフルパッケージ版インストーラとは別に,必要なコンポーネントだけダウンロードしてインストールできる「AMD Minimal Setup」も用意されている。通信環境が同じなら,どちらを選んでも大差はないはずなので,好みのものを入手すればいいだろう。両方ダウンロードする必要はない。
というわけで,すぐに入手したい人は下に示したリンクを利用してもらえればと思う。
→64bit版Windows 10用Crimson 15.11
→32bit版Windows 10用Crimson 15.11(※Radeon R9 Fury・R9 300・R7 300シリーズは非対応)
→64bit版Windows 8.1&7用Crimson 15.11
→32bit版Windows 8.1&7用Crimson 15.11(※Radeon R9 Fury・R9 300・R7 300シリーズは非対応)
→ノートPC向けの64bit版Windows 10用Crimson 15.11
→ノートPC向けの32bit版Windows 10用Crimson 15.11(※Radeon R9 M300・R7 M300・R5 M300シリーズは非対応)
→ノートPC向けの64bit版Windows 8.1&7用Crimson 15.11
→ノートPC向けの32bit版Windows 8.1&7用Crimson 15.11(※Radeon R9 M300・R7 M300・R5 M300シリーズは非対応)
→64bit版Windows 10・8.1・7用Crimson 15.11チップセットドライバ
→32bit版Windows 10・8.1・7用Crimson 15.11チップセットドライバ
→4Gamerの最新ドライバリンクページ
「Display Driver」のバージョンは15.
もう1つは,その記事でAMDの担当者が「Radeon SoftwareはATI Radeon HD 5000シリーズ以降に対応している」と明言しているのに対し,実際に公開されたRadeon Softwareは「Graphics Core Next」世代のGPUへの対応しか謳われていない点だ。しかも,infファイルを覗いてみると,ATI Radeon HD 5000シリーズが製品リスト入りしていないのに対し,ATI Radeon HD 4000〜2000シリーズの製品が多くリスト入りしていたりしており,いよいよなんだか分からない。本件についてはAMDに問い合わせているので,回答が得られたら追ってお伝えしたいと思う。
※2015年11月25日18:00頃追記
AMDから「対応GPUはリリースノートの記載内容が正しい」と,回答が得られた。つまり,Crimson 15.11が正式に対応するGPUおよびAPUはGraphics Core Next世代のものとなる。ただ,Graphics Core Next以前の世代に向けたβ版Crimson 15.11は入手可能なのだが,このβ版がどういう意図で公開されているのかは分からない。
なお,新要素以外にも,Radeon R9 390X搭載環境で「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド」がクラッシュする問題など,バグフィックス周りも注目度はなかなか高い。一発めということで不安はあるかもしれないが,対応製品を使っているなら,Radeon Softwareの明るい未来のためにも,積極的に試してみてはどうだろうか。
ただし,これはお約束だが,ドライバのインストール作業は自己責任となる。公式のアンインストールユーティリティを使ってCatalystをいったんアンインストールしてから導入するなら,まず問題は起こらないと思うが,念のため。
#### 以下,英文リリースノートまとめ ####
●Radeon Software Crimson Edition 15.11の対応GPU
- Radeon R9 Furyシリーズ
- Radeon R9 300・200シリーズ
- Radeon R7 300・200シリーズ
- Radeon R5 230シリーズ
- Radeon HD 8500以上のRadeon HD 8000シリーズ
- Radeon HD 7700以上のRadeon HD 7000シリーズ
- Radeon R9 M300・M200シリーズ
- Radeon R7 M300・M200シリーズ
- Radeon R5 M300・M200シリーズ
- Radeon HD 8500M以上のRadeon HD 8000Mシリーズ
- Radeon HD 7700M以上のRadeon HD 7000Mシリーズ
- AMD A-Series APU with Radeon R7・R6・R5・R4・R3 Graphics
- FX-8800P with Radeon R7 Graphics
- AMD E-Series APU with Radeon R2 Graphics
●Radeon Software Crimson Edition 15.11における性能向上
((※比較対象は「Catalyst 15.7.1」))
- 「Fable Legends」のDirectX 12ベンチマークで最大20%
- 3840
× 2160ドット解像度の「Fable Legends」で最大13〜14%」-3840 × 2160ドット解像度の「Ashes of the Singularity」で最大12〜14% - 3840
× 2160ドット解像度の「Call of Duty: Black Ops III」で最大5% - 3840
× 2160ドット解像度の「Tom Clancy's Rainbow Six Siege」で最大5% - 3840
× 2160ドット解像度のβ版「Star Wars: Battlefront」で最大3%
●Radeon Software Crimson Edition 15.11における新要素
・Radeon Settingsの新採用
・新しいインストーラ
- ドライバのインストールソフトに新しいユーザーインタフェースを採用し,導入に必要なクリックの回数を低減
- Liquid VRの全仕様を公式グラフィックスドライバとして初めてサポート。仮想現実対応のヘッドマウントディスプレイのメーカーやパートナー企業による認証を受けているとされる
- 据え置き型ゲーム機の開発者が積極的に活用しているAsynchronous ShadersをPCで利用可能になった(関連記事)
(※すでに利用可能だったはずで,なぜ今回あらためて新要素扱いになっているのかはよく分からない)
・Flip Queue Optimization
・FreeSyncの拡張
・Custom Resolution新規対応
・Frame Pacingの拡張
・Frame Rate Target Control新規対応
・Carrizoにおける動画再生品質の強化
- 24/30fpsのビデオをCyberlink製ビデオプレーヤーソフト「PowerDVD 15」で再生するとき,Fluid Motionを利用可能になった
- エッジエンハンス(Edge Enhancement)が利用可能になった
- インタレース式のコンテンツに対するデインタレース処理を改善した
- ビデオ再生およびゲーム実行時,Frame Rate Target Control利用時の消費電力を従来よりも低減
(※リリースノートには,対応GPUがRadeon R9 Fury,Radeon R9 390,Radeon R9 380,Radeon R7 360の各シリーズと限定されているが,この点についてAMDのソフトウェア担当であるTerry Makedon氏は「GPUを限定しているわけではなく,効果のとくに大きい製品シリーズを代表してリストアップしている」と述べていた)
・適応型Dinamic Contrast新規採用
・DisplayPort 1.2→HDMI 2.0変換に対応
- 利用には認証済み変換アダプターが必要
●Radeon Software Crimson Edition 15.11で解決した問題
- 「Grand Theft Auto V」でTDR(Timeout Detection and Recovery)が発生してアプリケーションがクラッシュする問題
- Radeon R9 390X搭載環境で「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド」のDirectX 11モードを実行すると,ゲームがクラッシュすることのある問題
- Radeon SoftwareからWebコンテンツを閲覧しようとしたとき,標準ブラウザが使われない問題(※βテスト中にあった問題が解決したということだろうか。原文は「The AMD Radeon Settings application will use the system default browser when launching web content」)
- CrossFire構成時にVsyncを有効化して3Dアプリケーションを実行すると,実行中,クラックルノイズ(※「ボン」といったノイズ)が発生する問題
- Radeon搭載環境でAutodesk製3Dモデリング&レンダリングソフト「3ds Max 2016」の起動時にアプリケーションがクラッシュすることのある問題
- Radeon R9 300&200シリーズ搭載環境で,Lockheed Martin製フライトシミュレータ「Prepar3D」の起動時にTDR(Timeout Detection and Recovery)が発生し,アプリケーションがクラッシュすることのある問題
- AMD製CPU/APUとGPUを搭載するWindows 10環境で,OS標準のストアアプリ「映画&テレビ」をから動画をフルスクリーン再生すると,TDR(Timeout Detection and Recovery)エラーが発生することのある問題
- CrossFire構成時に「Assassin's Creed Syndicate」でフレームレートが上がらないことのある問題
- CrossFire動作の有効/無効を切り替えると,セカンダリGPUがエラーコード43を表示することのある問題
- Intel製CPUとAMD製GPUを組み合わせて搭載するWindows 7およびWindows 8.1プリインストールのノートPCでFreeSyncが機能しないことのある問題
- 「Assassin's Creed Syndicate」で,ゲーム内の雨がゲーム内のキャラクターに落ちるとき,画面がちらつくことのある問題
- Wireless Displayと接続したシステムで「Windows Media Player」からBlu-ray Videoの再生を試みると,BSoDが発生することのある問題
- 「Skype」で1080p解像度でのビデオチャットに接続しようとするとシステムがハングすることのある問題
- 「Tom Clancy's Rainbow Six Siege」で画面表示がおかしくなることのある問題
- 3Dアプリケーションの実行と同時にYouTube再生も行っているとFreeSyncが機能しない問題
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