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初のR196世代は公式最新版で。NVIDIA,「GeForce Driver 196.21」公開
公式最新版が登場したのは,同2009年11月26日の「GeForce/ION Driver 195.62」以来,2か月弱ぶり。Release 196世代は,公式β版の投入なしに,WHQL認証済みの公式最新版で開幕したことになる。
なお,同2009年12月6日に単体で公開されていた「PhysX System Software 9.09.1112」が統合されたのは,今回が初めてである。
すぐに入手したい人は下に示したリンクを,ダウンロード方法を確認しながら進めたい人は4Gamerの最新ドライバリンクページをそれぞれ利用してほしい。
→Windows XP用GeForce/ION Driver 196.21(112MB)
→32bit版Windows Vista/7用GeForce/ION Driver 196.21(121MB)
→64bit版Windows Vista/7用GeForce/ION Driver 196.21(149MB)
→4Gamer最新ドライバリンクページ
さて,いきなり結論めいたことから述べると,今回の196.21は,「Adobe Flash Player 10.1 beta 2」への対応が謳われた「GeForce/ION Driver 195.81 Beta」をベースに,NVIDIA SLI(以下,SLI)プロファイルのメンテナンスとバグフィックスが行われたものと考えてよさそうだ。
新要素は,下に挙げたSLIプロファイルの追加のみで,これも,一部は195.81β版からの持ち越し。さらに,G80コア版GeForce 8800を除くGeForce 8以降の単体GPUとグラフィックス機能統合型チップセット,IONプラットフォームから,Adobe Flash形式の高解像度ビデオコンテンツ再生時にGPUを利用できるようになっている点も,Release 195世代から変わっていない。
●GeForce/ION Driver 196.21でSLIプロファイルに追加された主なタイトル
- 「Battlefield: Bad Company 2」
- 「City Bus Simulator」(※City Bus Simulator 2010のことだと思われるが詳細不明)
- 「Colin McRae: DiRT 2」
- 「Ferrari Virtual Race」
- 「Greed:Black Border」
- 「James Cameron's Avatar the Game」デモ版(195.81β版で追加済み)
- 「Mass Effect 2」
- 「Mortal Online」
- 「NINJA BLADE」
- 「OPERATION FLASHPOINT: DRAGON RISING」デモ版(195.81β版で追加済み)
- 「Planet 51」
- 「R.U.S.E.」
- 「Serious Sam HD: The First Encounter」
- 「Wings of Prey」(195.81β版で追加済み)
トピックの一つとなるバグフィックスに関しては,下記のとおり,英文リリースノートに記載のあった全項目の和訳を試みた。今回から切り替わったのか,今回限りなのかは分からないが,従来だとOSごとに分けられていたWindows VistaとWindows 7の項目がまとまって,32bit版,64bit版の2項目になったのは注目すべきかもしれない。
●GeForce/ION Driver 196.21で解決した問題(Windows XP)
- デュアルコアCPU搭載環境で,DirectX 9版「Risen」を実行すると,ゲーム中,ひっかかるような挙動が生じる問題
- 「World of Warcraft」のゲームウインドウを同時に二つ開くと,ポリゴンがまたたいたり表示されなくなったりする問題
- GeForce GTX 285搭載環境で,DisplayPortを利用してディスプレイ接続を行っていると,スタンバイからの復帰時にディスプレイ(の表示)が戻ってこない問題
- GeForce 8600 GT搭載環境で,HDTVモードのプレビュー後に「Television Setup Wizard」を実行すると,ウィザードがクラッシュする問題(※「HDTVモードのプレビュー」というのが何を指すのかはよく分からない。原文は「GeForce 8600 GT: The Run Television Setup wizard crashes after previewing HDTV modes.」)
- GeForce 6600搭載環境で「The Sims 3」を起動すると,ブルースクリーンが表示されてクラッシュする問題
- 「Colin McRae: DiRT 2」でSLIを利用するのに,SLIプロファイルが必要になる問題(※問題ではなく,仕様のような気もするが……。上で紹介した「SLIプロファイルに追加された主なタイトル」と対応する項目だと思われる)
- GeForce 8800 GTSのSLI構成時に,ドライバのインストール後,システムを再起動するまで,休止状態やスタンバイのオプションが表示されない問題
●GeForce/ION Driver 196.21で解決した問題(32bit版Windows Vista/7)
- デュアルコアCPU搭載環境で,DirectX 9版「Risen」を実行すると,ゲーム中,ひっかかるような挙動が生じる問題
- IONプラットフォームベースのシステムで「Windows media Player 12」を実行し,ウインドウサイズを変更すると,間欠的に緑色のおかしな表示がなされる問題
- GeForce GTX 295搭載環境で,NVIDIAコントロールパネルからOverride Anti-Aliasing(「アプリケーション設定を変更」)の設定を行うと,「Bioshock」の画面表示がおかしくなったり,正常にレンダリングされていない,黒いつぎはぎのようなものが表示されたりする問題
- GeForce 8800 GTS搭載環境で,「Tom Clancy's Rainbow Six: Vegas 2」を実行すると,「Driver not responding」というエラーが発生して,ゲームがクラッシュする問題
- 「Colin McRae: DiRT 2」でSLIを利用するのに,SLIプロファイルが必要になる問題(※問題ではなく,仕様のような気もするが……。上で紹介した「SLIプロファイルに追加された主なタイトル」と対応する項目だと思われる)
- GeForce 200/8シリーズによるSLI構成時に,クローンモードのプライマリディスプレイ変更を適用できず,再起動する必要がある問題
- GeForce GTX 295のSLI構成時に,「Left 4 Dead」で引っかかるような動きが生じる問題(※Quad SLI動作時のことか,デュアルGPUソリューションとしての通常動作時のことかは分からない。原文は「[SLI], GeForce GTX 295: Left 4 Dead - the game stutters.」)
- GeForce GTX 280/260の3-way SLI構成時に,SLI動作を有効にしてから3DMark06を実行し,コンポーネントビデオもしくはS-Video経由でテレビにディスプレイ出力を行うと,画面に何も表示されなくなる問題
●GeForce/ION Driver 196.21で解決した問題(64bit版Windows Vista/7)
- アスペクト比4:3の設定を行っても,ワイドスクリーンに出力すると,横に引き延ばされて表示される問題
- 高解像度時に,アンチエイリアシングを有効化した状態で「Shattered Horizon」を実行すると,オープニングシーンの画面表示がおかしくなる問題
- IONプラットフォームベースのシステムで「Windows media Player 12」を実行し,ウインドウサイズを変更すると,間欠的に緑色のおかしな表示がなされる問題
- GeForce GTX 295搭載環境で,Cyberlink製のトランスコードソフト「MediaShow Espresso」を実行し,「device option」をクリックすると,「Driver not responding」というエラーが発生する問題
- GeForce GTX 295搭載環境で,NVIDIAコントロールパネルからOverride Anti-Aliasing(「アプリケーション設定を変更」)の設定を行うと,「BioShock」の画面表示がおかしくなったり,正常にレンダリングされていない,黒いつぎはぎのようなものが表示されたりする問題
- GeForce GTX 275搭載環境で「Champions Online」を実行すると,ゲーム中,引っかかるような挙動を示し,さらにパフォーマンスが低下する問題
- GeForce 9600 GT搭載環境で,スリープモードへ移行しても,ファン回転数が最大回転のままとなる問題
- GeForce 8800 GTS搭載環境で「Falcon 4.0: Allied Force」を実行すると,ときおり画面に何も表示されなくなったり,ゲームがクラッシュしたりする問題
- GeForce 8400 GS搭載環境で,NVIDIAコントロールパネルに用意された「Adjust screen size and position」の設定内容が,スリープからの復帰時に保持されない問題
- GeForce 200/8シリーズによるSLI構成時に,クローンモードのプライマリディスプレイ変更を適用できず,再起動する必要がある問題
- GeForce GTX 295のQuad SLI構成時に,CUDA(対応アプリケーション)が4基のGPUすべてを認識できない問題
- GeForce GTX 295のSLI構成時に,「Left 4 Dead」で引っかかるような動きが生じる問題(※Quad SLI動作時のことか,デュアルGPUソリューションとしての通常動作時のことかは分からない。原文は「[SLI], GeForce GTX 295: Left 4 Dead - the game stutters.」)
- GeForce GTS 250のSLI構成時に,「Crysis Warhead」が不安定になったりハングアップしたりする問題
- GeForce 8800 GTXのSLI構成時に,デスクトップ解像度を変更しても,システムを再起動するとその内容が保持されない問題
以上,バグフィックスの規模は,中くらいといったところか。64bit版Windows Vista/7環境で,ドライバレベルのアスペクト比固定拡大に問題があり,ディスプレイ側の機能に頼る(か,あきらめる)しかなかった点にメスが入ったのは重要な改善といえそうだ。また,全体として,特定のゲームタイトルと関連した問題が多く潰されている印象なのも,4Gamer的に見逃せないポイントといえる。
というわけで,今回のリリースは,派手さこそないが,使い勝手を改善する堅実なアップデートであるとまとめておきたい。対応する製品を使っている人なら,自己責任で導入する価値があるはずだ。
- 関連タイトル:
GeForce Driver
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