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日米の男女で好まれるゲームアプリの分析など,興味深いデータが披露された「Mobile Leaders Summit 2022」のセッションをレポート
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印刷2022/03/25 16:36

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日米の男女で好まれるゲームアプリの分析など,興味深いデータが披露された「Mobile Leaders Summit 2022」のセッションをレポート

 data.aiは,2022年3月23日と24日にオンラインセミナー「Mobile Leaders Summit 2022」を開催した。その中で実施された,セッション「2022年,ゲーム業界は引き続き『変革真っ最中』。国内外最新ゲーム業界トレンドのご紹介」のレポートをお届けする。

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■国内のモバイルゲームのダウンロード数と収益は前年比で微減するも,2020年の急成長の反動

 data.aiの日本ビジネス責任者である上村洋範氏は,2021年における日本のモバイルゲームのダウンロード数と収益(手数料含む)が,前年からそれぞれ,94%と97%に微減していると指摘する。
 特に収益は,data.aiがアプリ市場の観測を始めてから初めての前年比減少になるのだが,同氏としては,この微減は市場がシュリンク(縮小)したのではないと見ているという。

 原因については,2020年の市場が,コロナ禍もあって2〜3年分の成長を達成したこともあり,その反動が2021年の前年比微減という形で現れたのだという。事実,非ゲーム分野におけるダウンロード数と収益は,100%と125%という数値になっているので,確かに市場の縮小というわけでもないようだ。
 ほかの先進国でも,モバイルアプリの平均利用時間は増え続けており,特にブラジルやインドネシア,韓国といった上位市場では,1日に5時間以上になる。これは,睡眠を除いた生活時間の1/3にも相当しており,モバイルアプリが,いかに生活に馴染んでいることが分かる数字だ。

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 また,ダウンロード数は前年から減少しているものの,2020年春頃には,広告収益型のカジュアルゲームや,「どうぶつの森 ポケットキャンプ」iOS / Android),「マリオカート ツアー」iOS / Android)が健闘,同年の夏以降は「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」iOS / Android),「原神」PC / PS5 / PS4 / iOS / Android),「ウマ娘 プリティーダービー」iOS / Android / PC),「東方ダンマクカグラ」iOS / Android),「二ノ国: Cross Worlds」iOS / Android)が人気を呼んだという。

 収益に関しては,「ウマ娘 プリティーダービー」が「モンスターストライク」iOS / Android),「パズル&ドラゴンズ」iOS / Android),「Fate/Grand Order」iOS / Android)の上位御三家をごぼう抜きにしての1位を達成。一方で収益が減少したモバイルゲームもあり,遊ぶゲームを乗り換えたであろう人口移動が見られるという。
 なお,「Pokémon GO」iOS / Android)や「ドラゴンクエストウォーク」iOS / Android)といった位置情報ゲーム2本は未だ上位で,コアなファンを掴んでいる状態だ。

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■非ゲームアプリでは,コロナ禍もあって書籍やショッピング系が成長

 これが非ゲームアプリになると,2020年春先と2021年春先にグラフのスパイクが見られる。
 2020年は,コロナ禍における在宅生活に対応するため,エンタメや漫画,ビジネスにショッピング系アプリをダウンロードされたことが理由として挙げられる。
 2021年は,「LINE」「PayPay」「セブン-イレブンアプリ」が伸びており,月額980〜2480円(税別)の新料金形態LINEMOの開始や,超PayPay祭の開催,そして「セブン-イレブンアプリ」におけるPayPay対応などが要因と見られている。

 収益に関しては,漫画などブック系が前年比で141%,エンタメ系(動画配信)が112%,ソーシャル(マッチング系及びライブ配信系)が118%と成長。若年層が収益を押し上げているのではないかと予想した。

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■Z世代とミレニアル世代,非ゲームアプリの利用傾向に有意な差は見られず

 こうなると気になるのが,世代ごとのMAU(Monthly Active Users。月ごとのアクティブユーザーの数)や利用時間に差はあるのかどうかだ。初のデジタルネイティブであるZ世代(1990年代中頃〜2010年代初頭)と,その前のミレニアル世代(1980年代初頭〜1990年代中頃)について,2020年と2021年のデータを基にした比較が行なわれた。

 アプリの利用状況は,どちらの世代もMAUと利用時間は長くなっている。利用時間が伸びたものも,ソーシャル系やファイナンス系と,特に大きな違いはない。ショッピング系や決済系のアプリも伸びており,生活の中にモバイルアプリが浸透しているのが分かる。ミレニアル世代はデジタルに親しんできたこともあり,デジタルネイティブのZ世代と,大きな違いはないようである。

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■ゲームアプリ市場,日本と海外では人気アプリに大きな違いが

 続いてのテーマは,ゲームアプリ市場について。グローバルでジャンルの推移を見ると,ダウンロード数ではハイパーカジュアルゲームのアクション,パズル,シミュレーション,支出では4Xマーチバトル(ストラテジー),MMORPG,チームバトルRPGがそれぞれベスト3となっている。

 ジャンルはdata.aiの分類によるもので,4Xマーチバトルでは「ロードモバイル」iOS / Android),MMORPGは「僕のヒーローアカデミア」(※海外で2020年にサービスを開始した「My Hero Academia: The Strongest Hero」と思われる」),チームバトルRPGでは「Hero Wars」がそれぞれトップの人気であるとのこと。

 日本の2021年ゲームアプリ市場では,「ウマ娘 プリティーダービー」がダウンロード数と収益でともにトップを獲得。ダウンロード数は,「Among Us」PC / iOS / Android / PS5 / Xbox Series X / PS4 / Xbox One / Switch),「Project Makeover」と比較的新しいゲームアプリが2位と3位に続くものの,収益では「モンスターストライク」「Fate/Grand Order」といった古株が上位となっており,日本市場の性質が伺える。

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■ゲームアプリについても,Z世代とミレニアル世代には傾向の違いはほぼなし

 ゲームアプリについても,Z世代とミレニアル世代の傾向比較が行われた。こちらも傾向の差はあまりなく,どちらの世代でも「ウマ娘 プリティーダービー」や「LINE:ディズニー ツムツム」iOS / Android),「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」が人気に。女性の比率が高くなっているのも,両世代で共通だという。
 Z世代に「原神」が,ミレニアル世代に「Project Makeover」がランクインしているところがわずかな違いだ。

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■日米の同世代を比較。人気タイトルこそ違うが,好まれるジャンルの傾向は似たものに

 しかしMAUの多いタイトルを,日米の同世代で比較すると共通しているものがほとんどない。例えばZ世代で見ると,アメリカのトップ3が「Roblox」iOS / Android / PC / Xbox One),「Among Us」「Pokémon GO」なのに対し,日本では「Pokémon GO」「モンスターストライク」「パズル&ドラゴンズ」となるといった具合だ。
 ただし,タイトルこそ違うものの,世代が上になるほどパズルやマッチ3が好まれる傾向は,日本でもアメリカでも変わらないのが面白い。

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■日米の男女を比較。共通タイトルがほとんどない中,男性は日米どちらも「Pokémon Go」がトップに

 日米問わず,性別ごとにMAUの高いタイトルという視点だと,男性はRPGやストラテジーを好み,女性はマッチ3やシミュレーションを好む傾向が見られるという。
 日本の男性では,「Pokémon GO」「モンスターストライク」「パズル&ドラゴンズ」が,アメリカの男性では「Pokémon Go」「Call of Duty Mobile」iOS / Android),「クラッシュ・ロワイヤル」iOS / Android)がそれぞれトップ3になる。
 2位以下のタイトルが全く共通していないところを見ると,「Pokémon GO」の人気がいかにグローバルなものであるかが伺える。

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 日本の女性のトップ3は,「LINE:ディズニー ツムツム」「Pikmin Bloom」iOS / Android),「トゥーンブラスト」iOS / Android)。アメリカの女性は,「Roblox」「Among Us」「Candy Crush Saga」iOS / Android)となる。 日本ではパズル系,アメリカではマルチプレイヤー系が強いのが特徴だ。

 「Pokémon GO」がランクインしていない代わりに「Pikmin Bloom」が入っており,同じ位置情報ゲームでも男女で違いがあるのも興味深い。日本の女性人気では,4位に「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」が入っており,“比較的複雑なリズムゲームであることを考えると,こちらも面白い傾向である”と上村氏は語った。

 最後に上村氏は,国内モバイルゲーム市場を「カジュアルゲーム」「コアゲーム」「位置情報ゲーム」「没入感の強いゲーム」に区分。位置情報ゲームに関しては,「単独でいちジャンルとして成り立っており,ほかのゲームや異業種とのコラボを積極的に展開,新しい市場を開拓している」と注目する姿勢を示した。

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●まとめ
  • 日本のゲームアプリ市場ではダウンロードと支出が微減しているが,data.ai は2020年の急成長の反動と見ている
  • 日本では古参のゲームアプリが強い中,「ウマ娘 プリティーダービー」がダウンロード数と支出の両方で1位を獲得
  • 日本のミレニアル世代とZ世代の傾向に大きな違いはないが,男女で好まれるゲームアプリは異なっている
  • 日本とアメリカでMAUトップのゲームアプリを見ると,男性同士と女性同士でも好みに大きな違いが見られる。その中でも「Pokémon GO」だけは日米の男性で共通1位
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