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[TGS 2021]協賛型セミナー「Women in Gaming」をレポート。ゲーム業界で活躍する女性たちが語る働き方,Facebookのダイバーシティの取り組みとは
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印刷2021/09/30 13:28

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[TGS 2021]協賛型セミナー「Women in Gaming」をレポート。ゲーム業界で活躍する女性たちが語る働き方,Facebookのダイバーシティの取り組みとは

 東京ゲームショウ2021のビジネスパーソン向けウェビナーにて,協賛型セミナー「Women in Gaming」が2021年9月29日に配信された。Facebook協賛によるこのセミナーでは“ゲーム業界における女性”に焦点を当て,女性層に支持されるゲームのトレンドや戦略,ゲーム業界でよりポジティブにキャリアを積んでいくために求められること,Facebookが実施する女性社員支援の取り組みについて語られた。

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※掲載している画像は配信映像をキャプチャしたものです。

■出演者
LINE
執行役員 兼 ゲーム事業本部事業本部長
奥井麻矢氏

ミクシィ
執行役員/モンスト事業本部 本部長
根本悠子氏

フェイスブック シンガポール
ディレクター APACゲーミング
サンディア デバナサン氏

フェイスブック シンガポール
クライアント・ソリューションズ・マネジャー,グローバル・ゲーミング
村木沙耶氏

フェイスブック ジャパン
クライアントパートナー,コマース事業部/Women@ Facebook Japan リード
豊井みのり氏

フェイスブック ジャパン
クライアントソリューションマネジャー,通信/製造業界
陶 沙氏

フェイスブック ジャパン
クリエイティブショップ責任者・D&I カウンシル リード
富永久美氏


 セミナーのオープニングでは,サンディア氏によって「ゲーマーの約半数は女性が占めるが,ゲーム業界で活躍する女性の割合は4分の1未満」というゲーム業界の現状が述べられた。氏は,体型も背丈も性別も違う人々のニーズを満たし,多様性に対応できる従業員を集めることはゲーム会社にとってのミッションであるとし,雇用の面における多様性の確保には企業側からの働きかけが必要であると主張。あわせて,今回のセミナーを日本や世界の舞台で活躍している女性のリーダーを紹介する1つの機会とし,配信で紹介されるキーノートが多様性を実現するためのアイデアとして役立ってくれればとコメントしていた。

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LINE GAMEのカジュアルゲームはなぜ女性たちの心をつかむのか?


 ゲストにインタビューする形で語られた最初のトピックは,多くの女性ユーザーに支持されるLINE GAMEの開発理念とビジネス戦略について。LINE GAMEは2012年11月にサービスの提供を開始し,「LINE ポコポコ」などのパズルゲームをはじめとしたカジュアルゲームのほか,「ジャンプチ ヒーローズ」といったコア層向けタイトルがリリースされている。なかでもカジュアルゲームのラインナップが豊富なことからLINE GAMEのユーザー層は女性比率が高く,幅広い年齢層に親しまれているという。カジュアルゲームは女性でも手に取りやすく,コツコツとステージをクリアするタイプのゲームはとくに人気が高いと奥井氏は述べていた。

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 村木氏から「女性ゲーマーのポテンシャルを最大化するための戦略」を尋ねられると,奥井氏は「ゲームが趣味ではない一般の人たちに向けて楽しい体験を提供すること」「ビジュアルにおいても一定の層にだけ好まれるものを目指さないこと」をポイントとして挙げた。

 LINE GAMEで提供するタイトルの多くが簡単なカジュアルゲームであることから,基本的には幅広い層に向けたゲーム設計が重視されている。とくにカジュアルゲームにおいては,男性だから,女性だからではなく,どうすれば普段ゲームを遊ばない人に面白く感じてもらえるかを常に意識して開発に取り組んでいるそうだ。特定の層を狙い撃ちするのではなく,リーチする層を広めに設定したことで結果的に女性ユーザーを多く獲得できたと奥井氏は話した。また,この開発理念はゲームのビジュアルにも共通しており,女性だけが喜ぶデザインにはせず,男女問わず手に取りやすいキャラクター,色合いにも気を遣っているとのことだ。

 「ゲーム制作やマーケティングにおいて,女性ゲーマーのエンゲージメントを高める工夫」を聞かれると,奥井氏は「UIの面では直感的な理解のしやすさを重視している」と答えていた。というのも,ゲーマーにとっては“当たり前”なものであっても,ゲームになじみのない人にとっては直感的に分かりづらいものは往々にしてあるからだ。加えてパズルゲームジャンルでは,かわいい,なつかしいキャラクターの人気が高いことを受け,そういったキャラクターをコンスタントに提供するよう心がけているという。


大切なのは1人の人間としての意志と背中を押す環境づくり


 2つめのトピックは,ミクシィの根本氏に聞くゲーム業界における女性の働き方,キャリアについてだ。「女性として働くにあたって大変だったこと,得られた教訓」について村木氏から質問が飛ぶと,根本氏は「ジェンダーでのカテゴライズにこだわらず,個人としての意志や意識を持つことが大切」だと話した。

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 これはゲーム業界に限った話ではないと前置きしたうえで,アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み,偏見)や取り巻く環境の影響によって個人の考え方や価値観が左右され,内向きにシュリンクしてしまうことがあると述べる根本氏。そういった外的要因やライフステージの変化,無意識の思い込みから,自身にブレーキをかけてしまい出世の機会を見送ってしまうケースもあり,就業者や管理職の男女比率に偏りが出ている側面があるのではないかと氏は考えているという。

 だからこそ,自身を性別でカテゴライズせず無意識の偏見にとらわれない“個人としての意志”を持つことが大切であり,あわせて1人1人の意見や考えが受け入れられる環境,カルチャーづくりを企業ぐるみで取り組む必要があると強調。そういった取り組みが結果的にダイバーシティにもつながり,数珠つなぎ的に女性進出の促進にも寄与するのではと投げかけていた。

 加えて,個人の意見に耳を傾け背中を押してあげられる環境は,個々の自信につながりキャリア形成にも影響を与えるとし,「考えを口に出し,どんな形であれ実行できた人は伸びる」「打席に立って積み重ねた成功や失敗が糧になるものだ」と氏の経験も述べられていた。


Facebookが日本で取り組む女性社員支援活動とDIE


 最後のトピックは,Facebookの女性社員支援活動「Women@」とダイバーシティ&インクルージョンについて紹介された。

 「Women@」とは,ダイバーシティとインクルージョンをサポートする活動の1つで,キャリア,カンパニー,カルチャー,コミュニティの4つを軸に活動プランが立てられている。女性だけのコミュニティのように思うかもしれないが,豊井氏によると職場環境で関わる男性(アライ)も深く関係しているという。Facebookが大切にしている“アライシップ”は,同盟,支援を意味する“Ally(アライ)”が語源となっており,当事者でなくともマイノリティグループと共感し,寄り添い,支援することを意味しているそうだ。このアライの存在は女性の働きやすい環境作りには必要不可欠なものであるという認識で,企業ぐるみでアライシップにも真剣に取り組んでいると豊井氏は説明していた。

「Women@Facebook」では,女性社員同士をつなげ信頼できるコミュニティを作ること,個人やプロフェッショナルスキルの発展をサポートすること,優秀な女性が働き続けたいと思える職場環境を形成し,女性特有のインサイトを活かすことで世界にインパクトを与えられるプロダクトを出し続けることをミッションに掲げているという
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 会社の枠組みを越えた活動を行う「Women@」のコミュニティ「Connected Women Tokyo」の活動にも触れられた。Google,Twitter,メルカリ,Facebookの4社で取り組むこのコミュニティでは,社員同士の横のつながりを提供しながら,取り組みの認知,成功事例,課題を共有できる場を設けているという。今後,上記4企業以外も参加できる機会を設けるのでその際はぜひ参加してほしいと陶氏がコメントしていた。

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 Facebookのダイバーシティ&インクルージョンの取り組みに話が及ぶと,富永氏が「多様な属性・考え方のダイバーシティ,仲間外れや置いてきぼりにしないインクルージョン,そしてFacebookではそこに“エクイティ”を加えたDEI」を掲げていると説明。このエクイティは,同じものを同じだけ与える“平等”を意識したものではなく,個人のニーズに合わせ組織的な障壁を取り除き,公平な機会を与えることを指すという。

 Facebookではこの“DEI”を実現するために,FIND(見つける),GROW(育てる),KEEP(維持する),APPLY(適用する)の観点が重視されているとのこと。例えば,面接の候補者に男女それぞれの人材が含まれるようにする決まりを設けたり,すべての社員が成長できるようなトレーニング,サポートを提供したり,自分らしくのびのび働ける環境作りに力をいれたりといったことが挙げられる。これは多様なコミュニティ作りを応援し“人と人とがより身近につながる世の中を実現する”Facebookのミッションを実現するために,DEIが重要であるという考えから成り立っているそうだ。最後に富永氏は,セミナーで紹介した取り組みの数々からインスピレーションを感じ取ってもらえたらとコメントし締めくくった。

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