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人工衛星のデータをもとにハイクオリティな3D地球儀を作り上げるAI技術が発表。東京都内の一部地域をAIが再現した3D映像も公開に
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印刷2021/06/01 14:25

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人工衛星のデータをもとにハイクオリティな3D地球儀を作り上げるAI技術が発表。東京都内の一部地域をAIが再現した3D映像も公開に

 2021年5月31日,宇宙開発に関わる投資と研究を行うスペースデータは,人工衛星から取得したデータをもとに建物を含むリアルな地図データを作成するAI技術を発表した。

 この技術は,静止画と標高データをもとに機械学習を行い,地上の構造物を自働で検出し,AIに3Dモデルを自動生成させるというものだ。サンプルとして,東京都内の一部地域をAIが再現した3D映像が公開されている。


 映像には現実と遜色ない質感のビル群に加え,そこを通る人間や車の様子も映し出されており,そのクオリティの高さがうかがえる。かなり注意して見なければ,AIによる再現映像だと見抜くのは難しいだろう。作成したデータは無償での公開を予定しており,VR分野やゲーム,映像制作,自動運転などの“高度なビジュアルが求められる領域”での活用も想定しているとのことだ。

画像集#002のサムネイル/人工衛星のデータをもとにハイクオリティな3D地球儀を作り上げるAI技術が発表。東京都内の一部地域をAIが再現した3D映像も公開に 画像集#003のサムネイル/人工衛星のデータをもとにハイクオリティな3D地球儀を作り上げるAI技術が発表。東京都内の一部地域をAIが再現した3D映像も公開に

 こうしたデジタル地球儀の多くは航空写真をそのまま使用しているが,本技術ではAIが自動生成したテクスチャを使用しているため,著作権や肖像権の問題をクリアしている。今後は創作分野でも本技術が活用されるようになるかもしれない。

スペースデータ 公式サイト


スペースデータ
衛星データからバーチャル空間に世界を自動生成するAIを開発。誰でも使える地球のデジタルツインとして無償公開も予定
人工衛星とAIと3DCGの技術を活用して
世界的な「デジタルツイン」の普及を促進

 株式会社スペースデータ(所在地:東京都新宿区、代表:佐藤航陽)は、衛星データと3DCGを活用してバーチャル空間に世界を自動生成するAIを実験的に開発しました。今後は誰でも無料で使える地球のデジタルツインとしてAIが自動生成した3Dモデルを無償で公開していく予定です。

 「宇宙 × データ」をテーマとした研究開発を行う宇宙スタートアップである株式会社スペースデータは、衛星データと3DCG技術を活用してバーチャル空間にもう1つの世界を自動生成するAIを実験的に開発しました。人工衛星から取得できる地上の静止画像と標高データ(DEM・DSM)に機械学習を行い、地上の構造物を自動で検出・分類・構造化した上で、AIに地上の3Dモデルを自動生成させ、3DCG技術によって石・鉄・植物・ガラスなどの細かな材質も自動的に再現。これらを一つのシステムとして統合することで実現しています。映像は東京都内の一部の地域をAIに再現させたものです。

3DCG of Tokyo created by AI & satellite data
https://youtu.be/P1jAQseouEA

 Google Earthに代表される従来の3D地球儀は衛星写真や航空写真を3Dモデルに貼り付けた形で提供されることが一般的でしたが、俯瞰的な視点での地上を再現するには向く一方で、人間が歩く一人称視点では写真の解像度が足りず劣化してしまい、VR・ゲーム・映像制作・自動運転など高度なビジュアルが求められる領域では活用が進んでいませんでした。

 今回開発したAIアルゴリズムは、従来の3D地球儀が苦手とする人間視点(一人称視点)での3Dモデルを自動生成することを得意とし、近い距離でも景観が劣化しにくいためVRやゲームや映像制作といった三次元空間を人間の視点で動き回るような用途にも活用しやすい利点があります。これは、衛星データに機械学習をかけて地上の構造物の意味(物体の種類・形状・色・材質・高さ・広さ・役割など)をシステムに一度理解させた上で3Dモデルに再変換をかけているため、物体に近づいても景観を劣化させずに表現することが可能になっています。

 また、従来の3D地球儀だと写真に写り込んだ看板や広告などの肖像権や著作権を犯した状態で提供されることが大半で、企業がそのまま活用するのは法的にグレーな状態が続いていました。今回は地上の構造物を学習させた上で、AIによって看板などを除いた確率的に最も近い3Dモデルを自動生成させる手法をとっているので、従来のグレーゾーンの問題も気にせずに利用できるというメリットがあります。

■デジタルツインの世界的な活用を促進
 昨今、現実世界と瓜二つの仮想世界を作って様々なシミュレーションに役立てる「デジタルツイン」が世界中で注目を集めています。都市開発や建築などの従来の用途から、VRや自動運転といった新しい分野での活用も試され始めています。しかし、現実世界の精密な3Dモデルを作るのは非常にコストが高く、各国でも首都圏の一部でようやく基礎的な情報の公開が始まった段階です。

 当社では、「(1)衛星データ活用」「(2)AI技術(機械学習/深層学習)」「(3)3DCG技術」という三つの異なる分野のテクノロジーを融合させることで、現実世界をバーチャル空間上に再構築するAIアルゴリズムの開発を進めてきました。衛星データの活用によって地球全体の情報を広範囲にカバーすることができ、人間の手ではなくAIによって広大な仮想空間が自動生成できるスケーラビリティがある仕組みとなっています。

 今後はAIによって自動生成された地球の様々な地域の3Dモデルを公開していき、誰でも無料で使えるように無償提供していく予定です。年内には先進国の主要都市の3Dモデルを生成できるように衛星データの学習量を増やし、AIアルゴリズムのブラッシュアップを続けていきます。

■株式会社スペースデータについて
 株式会社スペースデータは社名の通り「宇宙 × データ」をテーマとした研究開発を行う目的で設立された宇宙スタートアップです。「テクノロジーで新しい宇宙を作る」をビジョンに掲げ、衛星データと3DCG技術を活用してバーチャル空間に世界を再構築するAIの開発を行っています。短期的な目線での商業化を目的とせず、長期的な視点で世界にインパクトを与え得る先端技術に投資をしています。

会社概要
社名 株式会社スペースデータ
設立 2017年1月
代表者 佐藤航陽
所在地 東京都新宿区西新宿6-15-1 新宿セントラールパークタワー10F
目的 宇宙開発に関わる投資と研究
URL https://spacedata.ai/ja.html
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