業界動向
カプコンとコーエーテクモの特許侵害訴訟,最高裁がコーエーテクモ側の上告を退ける
この訴訟は,コーエーテクモゲームスが販売する「真・三國無双」「戦国無双」,および「零」の各シリーズに関して,2件の特許権(特許第3295771号※1,特許第3350773号※2)を侵害しているとして,カプコンが2014年7月4日付けで大阪地方裁判所に提訴したもの。コーエーテクモゲームスは2019年9月11日付けの二審判決(関連記事)を不服として上告(関連記事)していたが,これが棄却された。
※1 特許第3295771号:敵キャラクターなどの存在を振動で知らせる仕組みに関する技術
※2 特許第3350773号:シリーズ化されたゲームソフトの作動時,前作をゲーム機に読み込ませることでキャラクターなどが追加される仕組みに関する技術
コーエーテクモゲームスは上告棄却による影響について,二審判決で認められた損害賠償金などついてはすでに引当済みであり,令和3年(2021年)3月期の同社グループの業績に与える影響は軽微であること,本件訴訟の対象となった2件の特許権についてはいずれもすでに存続期間の満了により権利が消滅しており,今後の同社製品の開発・販売に影響を及ぼすことはないとニュースリリースで伝えている。そして,決定については真摯に受け止め,これまでの本件訴訟の経緯をあらためて精査し,製品開発に活かしていくとしている。
コーエーテクモゲームスのニュースリリース「上告棄却の決定に関するお知らせ」(※PDFファイル)
- この記事のURL: