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eスポーツ界隈に新たな団体が誕生。申し分のない実績を持つメンバーによる新団体「GCN」は,コミュニティに向いて作られている
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印刷2019/08/22 11:50

インタビュー

eスポーツ界隈に新たな団体が誕生。申し分のない実績を持つメンバーによる新団体「GCN」は,コミュニティに向いて作られている

新しく作られる一般社団法人は「コミュニティのハブ」となる団体。みんなが困っていることの受け皿として活動したい


4Gamer:
 割とどれも難度が高そうで,いまここにいるような人達をもってしても決して容易なことじゃないと思うんですが,ここにいるメンバー構成からして,これは何か新しい組織が作られると思っていいんですか?

豊田氏:
 一般社団法人にしようかな,と。

4Gamer:
 ただの新組織じゃなかった……。さっきはやることリストが3つもありましたけど,じゃあこの社団法人をひと言で表すとどんな言葉になります?

豊田氏:
 一言でいうと? 一言でいうと……。

金子紀幸氏(以下,金子氏):
 「コミュニティのハブ」ですね。

4Gamer:
 脇から答えが。

豊田氏:
 そのまましゃべっちゃってください(笑)。

金子氏:
 コミュニティのハブになるものとしてあるべきものかなぁと思ってます。半分土台のようでもあり,全体を包み込むようなものでもあり。なので100%正しい表現じゃないかもしれないけど「ハブ」というのが一番近いと思います。

4Gamer:
 あぁなるほど。つまり既存のコミュニティを上で束ねて管理しようとしてるわけじゃないんですね。いま僕もようやく気付いたけど,それはいますでにあって活動してるコミュニティが気になるところかもしれない。

豊田氏:
 そうですね,そういうものじゃありません。一緒にやっていくための団体です。

画像集 No.011のサムネイル画像 / eスポーツ界隈に新たな団体が誕生。申し分のない実績を持つメンバーによる新団体「GCN」は,コミュニティに向いて作られている
金子氏:
 それは良い指摘だし,とても強く伝えておきたいんですけど,現状でも地方のコミュニティでしっかりと活動してる人がたくさんいるので,その人たちの仕事なり成果を横取りするつもりは全然ありません。

4Gamer:
 なるほど。モチベ減らしてどうすんだ,っていう話ですよね。

金子氏:
 地方に限った話じゃないんですけど,なんとなくやってるコミュニティがあったり,モチベーションが高く土台もしっかりしていて,バリバリ活動してるコミュニティがあったりと,いろいろな人達がいろいろな形でやってるわけですけど,そういう皆さんの邪魔は一切したくないんですよ。もうそのままぜひ頑張ってしっかりと盛り上げていってほしいです。

4Gamer:
 ではそういうときに,この団体は何をする役割を持つことになるんでしょう?

金子氏:
 ぜひこの団体を「使って」ほしいですね。このメンバーで集まっている以上,必ず何かでお役に立てると思うんです。どんな問題であっても,なんらかのハブやルートは持ってるはずなので。なので話していて思いましたけど,そういう意味ではハブもそうだけど潤滑油とかそういう存在でもあるのかしれません。

4Gamer:
 いまの説明で「コミュニティのハブ」なんだということは分かりましたけど,であれば逆に「コミュニティに属してないプレーヤー」にとってはどういう意味を持つ団体になり得るんだろうかというのが一つ。そしてもう一つは,そこまでのことを考えているのであれば,やはりJeSUとの関わりはどうなるんだろう? というのが一つ。気掛かりな点として浮かんできますね。

豊田氏:
 じゃあ最初の質問から。どうしても格闘ゲームの話になっちゃって申し訳ないんですが,例えば地方で集まってイベントとかをやっているのに,それを周りのプレイヤーが全然知らないということが起こってるんですよね。仮に知られていても,「知り合い誰もいないし」とか「目標がないしなあ」みたいな感じになってしまって人が集まらないとか。

4Gamer:
 まぁ僕もいま,比較的東京から離れた田舎のほうに住んでるので,なんとなくその感覚は分かります。

豊田氏:
 でもそれこそ,例えば首都圏からかなり離れた地方で大会をやるけど,あんまり人が集まってない……という状況になったときには,我々の出番なわけです。この大会で活躍すれば,東京大会や海外大会の出場権がゲットできますよ,とかそういう新しい展開をくっつけたりして。
 地味ではありますけど,そういうことを各地方ごとに繰り返せば,今までそういうイベントには参加しなかったけど,ちょうど近いし行ってみようかな……って思ってもらえるようになったり。

4Gamer:
 あぁなるほど。「コミュニティのハブ」といっても,連絡屋というわけじゃなくて,もしかしたら各コミュニティの大会とかに何かしらのリソースや情報も提供するんですね。

豊田氏:
 そうですね。例えば大会を手伝ってほしいとか,そもそもこういう大会をやってみたいけど,出来るかどうか分からないとか,場所をどうやって探していいか分からないとか,運営をどうしたらいいか分からないとか……。そういう部分で,我々としてはお手伝いができるはずです。

4Gamer:
 つまり人がそこに行ったり,ノウハウを教えてあげたりとか?

豊田氏:
 ええ。

4Gamer:
 それは……なかなかいいですね。地方なんかはとくにノウハウもまだあまりないかもしれませんしね。

松田泰明氏(以下,松田氏):
 あとやっぱりお金が足りないというのがすごく多いですね。そういうこともなんとかしてあげられればな,と思います。お金出してくれる会社さんを紹介したりとかも含めて。

4Gamer:
 そういう生々しいところまでいちおう考えているんですね。

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松田氏:
 ある程度以上の規模になると,お金がないことにはイベントは動かせませんからね。
 僕とか,あとここにいる稲葉さんとか豊田さんとか金子さんにも,それぞれにたぶん問い合わせがきてると思うんですけど,いま色んなeスポーツ絡みの団体とか協会とかありますけど,みんな「どうやっていいか分かんない」んですよね。本当にやりたいと思ってるんだけど,何をどうやっていいのか分からない。自治体の協力はどうすれば得られるんですかとか,協賛はどうやって集めてるんですかとか。

4Gamer:
 プレイヤーさんならまだしも団体さんでもそれですか……。

松田氏:
 まぁそういうこともメールとか電話とかでいろいろ聞かれますし,普通に答えられる範囲であれば僕らそれぞれが単独で答えてますけど,こういうときにしっかりとした団体があれば色々受け取れるんじゃないかな,とか。

4Gamer:
 ピュアに受け皿なんですね。みんなが困っていることの。

豊田氏:
 そうなんです。

金子氏:
 この団体は,直接的には一般のプレイヤーにはあまり関係のない団体かもしれないですけど,いままで言ってきたようなことをやっていくことで,間接的に全てのプレイヤーに対してお手伝いしていくことになるのかな……とは思いますね。

4Gamer:
 そうですね。「コミュニティを束ねる」っていうと,コミュニティに属してない人は「俺関係ないしな」ってつい思っちゃうけど,確かにそういうことをやっていくのであれば,間接的とはいえ一般プレイヤーにも深く関わる団体になりそうですね。

豊田氏:
 そうありたいと思ってます。

4Gamer:
 ……となるとますます,JeSUとの関わりが気になるんですけど。

豊田氏:
 ……どこまで言っていいのかな(笑)。

4Gamer:
 なんなりとぜひ。

豊田氏:
 JeSUに関しては。プロゲーマーを世界に派遣したり,オリンピックに選手を送り込んだり,そういう部分をメインで活動してますよね。そういうのは,それこそ政治家だったり国だったり,そういうところとうまく折り合いを付けなくてはならないものだし,そこに関して頑張ってくれるのは良いことだと思います。

4Gamer:
 あれだけのメンツが揃っているのだし,ロビー活動をちゃんとがんばってほしいと思ってます。法規制の部分などにもちゃんと切り込んでほしいですし,それこそがJeSUに期待したい部分ですね。

豊田氏:
 まぁ確かにそうですね。そしてそういうこととは別に,JeSUでも地方支部とか出来てますけど,実際問題として彼らは何をどうすればいいのかたぶん分からないんだと思います。


4Gamer:
 少なくとも,目に見える大きな活動はあんまりないですね確かに。

豊田氏:
 さっき松田さんが話してたように,そういうところからこちらに,ヘルプ依頼みたいな問い合わせが来るような状態ですし。

4Gamer:
 でもまぁそれって逆に言うと,キチンと住み分けが出来ているということですよね。

豊田氏:
 そうなんです。なので,格ゲーを筆頭に,日本国内のゲームのコミュニティだったり,そのゲームに関わる人達をどんどん増やしていって,ゲームをもっと楽しめる土壌を作っていくのが,私達が頑張ろうとしてること……というカッコいい返答はいかがでしょうか。

4Gamer:
 いいと思います(笑)。JeSUはメーカーさんの集まりですから,豊田さん達がやろうとしているようなことはたぶんできないですし,逆にJeSUにしか出来ないこともありますしね。

松田氏:
 4Gamerさんの期待とは違って仲良くしていきたいですね(笑)。

4Gamer:
 いやそんなことないですから……。
 でもまぁ確かにいま言ってたように,立場的にも内容的にも,JeSUには出来ないことも多くあるわけで,そこをフォローできる団体が出来ることは,業界にとってとても喜ばしいことですね。

松田氏:
 ちゃんと住み分けできると思いますよ。

豊田氏:
 もちろん,手を組んで進めたほうが良さそうなことがあればそうします。でも,お互いが勝手にやりたいことをやっていても,ゴールは一緒なのかな,と。

4Gamer:
 そうですね。最後に目指す世界は同じなのかもしれない。

豊田氏:
 日本でゲームをもっと楽しく……という部分は同じなんだと思います。JeSUは「eスポーツ」という方向からそれをやっていて,こちらは「ゲームが好きな人がもっと楽しめるように」という方向で。ゲームが好きな人がこれからもどんどん増えてほしいし,ゲームを楽しめる場所をどんどん作っていきたいし。

4Gamer:
 そしてゲームで食っていける人もどんどん増やしていきたい,みたいな。

豊田氏:
 おっしゃるとおりです。

4Gamer:
 しかしそんな楽しそうな話を聞くと,やはりこのメンバーが逆に気になるんですが。

豊田氏:
 と言いますと。

4Gamer:
 確かにこの4人が揃えば,格闘ゲーム界隈で出来ないことはないのでは? と思います。実際に第1回のEVO Japanでそのパワーを目の当たりにした身としては。
 でも……格闘ゲーム以外は?

豊田氏:
 それ以外ももちろんいろいろやっていきたいですけど,まず最初のところは……。

金子氏:
 得意分野からしっかりやっていこうかな,と。

稲葉央明氏(以下,稲葉氏):
 そうですね。まずは活動の地盤を。

松田氏:
 僕も最近は「ウイニングイレブン」だったり「ぷよぷよ」だったり,メーカーさんのお仕事で色々やらせてもらってまして,ほかのジャンルも勉強しているところです。

4Gamer:
 スマホは?

松田氏:
 はい,もちろんスマホゲーも。結構いろいろやってますよ!

金子氏:
 まさにノウハウ溜め中なんです。

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稲葉氏:
 ホントいろいろ勉強になりますよ。1試合の時間とか(笑)。

4Gamer:
 あぁ……そりゃそうですね(笑)。

松田氏:
 サッカーゲームなんか,前半15分,後半15分,PKありサドンデスあり……みたいな感じになってて,本物のサッカーさながらに1試合30分とかかかるんですよね。

豊田氏:
 長い!

松田氏:
 だから180人トーナメントとかを普通にやってたら……。

4Gamer:
 え,全試合そのルールなんですか。

稲葉氏:
 ベスト8とか準決勝以降とかで変わる気がする。

松田氏:
 でも15分15分だからねえ。

金子氏:
 ハーフタイムも組んで。

稲葉氏:
 でもそういう時間とか内容とかの違いはあるけど,実は運営の手法とかってそこまで変わらないんですよね。

4Gamer:
 確かにそうかもしれませんね。やってることの本質は変わらないのかも。

松田氏:
 そこまで大きくは変わらないです。あぁでもスマホは結構違うかも。

豊田氏:
 気にしないといけない問題が結構出てくるんですよね。通信だったり。

松田氏:
 ネット環境はねえ。

稲葉氏:
 あと端末ごとにいろいろ違うのがけっこうキツイです。

松田氏:
 会場でやるときも,こちらで用意した端末で戦ってもらうのが一番いいんですけど,やっぱりみんな自分の慣れたのでやりたいんですよね。iPadの人もいれば,Xperiaの人もいて,これらを同じ条件で揃えようとすると不具合もかなり多くて,実際にやってみるとそこもすごく大変です。

4Gamer:
 確かにタッチパネルの触り心地とか全然違うし,全員同じ端末でやれと言われると結構イヤかも。コンソールで言うならゲームパッドが違うようなものですからねえ。

松田氏:
 そう。慣れたのでやらせてあげないと公平じゃないですよね。

稲葉氏:
 まあ最初の頃は「みんな慣れた端末で」という感じでしたけど,最近だと確か大会オフィシャルで端末が決まってる気がします。

豊田氏:
 まあそうしないとちょっとね。

稲葉氏:
 技術トラブルの解決が追いつかないし。

松田氏:
 割り切りも必要だろうね。

稲葉氏:
 格ゲーで言うなら,オフィシャルな大会ではPS4とこのモニターの組み合わせですよ,というのと同じですね。その人にとって最上のパフォーマンスは出してあげたいけど,やはりそれは現時点では難しい。

豊田氏:
 確かに。

4Gamer:
 確かにスマホはいろいろ大変そうですねえ……。

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プレイヤーとして引退しても,ゲームに関わる仕事に就きたい……という人をサポートするのが当面の課題


4Gamer:
 実はいままでに出てきた話題で一番気になってるのは「仕事の創生」でして。

豊田氏:
 以前からそれおっしゃってますよね。

4Gamer:
 はい。結局今のeスポーツ界隈って,選手を持ち上げるだけ持ち上げて何のフォローもしないから,食える人なんてごく一部なわけでしょう? 「賞金の額が!」とか言われたって,そんなものはほとんどの人にとっては関係ないわけですし。

豊田氏:
 まぁ正直そうですね。

4Gamer:
 もちろん賞金額は多いに越したことはないですし,そこに向かって精進するのは素晴らしいことです。でも喫緊の課題はそこじゃなくて,選手じゃない人も,選手じゃなくなった人も,選手を支える人達も,いかにみんなが食べていけるのかを考えることが大事だと思うんです。今はまだ。業界団体も僕らメディアも,好き勝手に選手を美化してるけど,彼らの生活をサポートしてるわけじゃないですからね。

金子氏:
 「プロゲーマー」なるものが変な風に切り離されちゃったから,余計にそこの乖離は感じますね。

4Gamer:
 まだまだ立ち上がって間もないジャンルなんだから,業界全体でフォローとサポートをしていくフェーズだと思うのに,そこは全然できてないなぁ,と思うわけです。4GamerもTredsredのスポンサーとなっていますけど,それにしたってめっちゃ大きい額……というわけではないです,もちろん。でもそれで,彼の練習時間が少しでも長く作られるだろうし,そうやって強くなるんだろうし。

豊田氏:
 そうですね。確かに練習量は問題だと思います。

4Gamer:
 一部のトッププロをのぞいては,仕事の合間に練習したりして,こんなに強い日本の選手達は本当にすごいと思うけど,だからこそもっと強くなってほしいわけですよ。毎日仕事してバイトして,その合間に練習して……ということを続けても世界の舞台で勝つのは難しいだろうし。

豊田氏:
 まったくそうですね。世界のプロプレイヤーは本気で一日使って練習してますし。

4Gamer:
 ……ということもあって,仕事の創生という部分にはとても興味津々なんです。

豊田氏:
 まず自分達のところで雇うというのは,一番簡単な解決ですよね。

4Gamer:
 社団法人で?

豊田氏:
 ええ,社団法人で。ただ,いま話に出たような「プレイヤーをやりつつ」という話になると,僕らが直近でやろうとしてることとはちょっと変わってきちゃうかなと思ってます。

4Gamer:
 あ,そうなんですね。一人で興奮してすみません(笑)。

豊田氏:
 いえ(笑)。どちらかというと,プレイヤーとしてはもう引退して,ただその後もゲームに関わる仕事に就きたい……となったときに,そこに対してなんらかの助け船が出せればいいなと思ってます。いまの自分達が影響を及ぼせる範囲って,やはりどうしても限られてしまうので。

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4Gamer:
 雇用絡みは責任も重いですし,それは確かにそうですね。

豊田氏:
 例えばゲーム出してるメーカーさんだったりとか……ですかね。あとはデバッグ関係だったりゲームの配信だったり,あとイベントスタッフだったり……。

松田氏:
 解説者とかも。

豊田氏:
 そう,実況解説だったりとか,ライターだったりとか。

4Gamer:
 あぁそれは4Gamerも何か協力できるかもしれませんね。

豊田氏:
 選手としてはうまく残れなかったけど,このあともゲームに関わる仕事がしたいという人達に「こういう仕事がありますよ」と伝えられれば嬉しいなと思います。僕ら自身,いままでゲームばっかりやってきたからこそ知ってることもありますし(笑)。

松田氏:
 まぁでも仕事の創生が一番難しそうだよね。

4Gamer:
 なので気になるんですよね。
 今は,選手になれなかったらはいおしまい,おつかれさまー,みたいな感じじゃないですか。

豊田氏:
 そうですね。

4Gamer:
 最近ではだいぶ好転した感じはするけれど,日本でのゲームの社会的地位はまだまだ誇れるものというわけではないので,そういう部分も若干災いしてる気がするけれど。

松田氏:
 でも昔じゃ考えられないぐらいのレベルの企業が,いっぱい入ってきてくれてるじゃないですか。けっこう凄いことですよね。

4Gamer:
 確かにそうですねえ。

金子氏:
 業界内を回るお金の量も増えてる気がするので,ここにマッチング……じゃないけど紹介みたいなことができればいいなと。もちろんその仕事をやるかどうかはその人次第なんですけど,こういう仕事がありますよ,こういう活動がありますよ,というのは見せられると思います。

豊田氏:
 まぁ人材紹介業の資格を取るわけではないですしね。
 あと,それこそ以前4Gamerさんにも出ていただいたTOPANGAの「就活準備講座」というイベントがあるんですけど,そこからもう一歩踏み込んで,その場でゲームに関わる就職活動ができる……みたいな感じとか。

2018年2月25日に,TOPANGA主催で行われたトークイベント「TOPANGA 就活準備講座」(関連記事
画像集 No.014のサムネイル画像 / eスポーツ界隈に新たな団体が誕生。申し分のない実績を持つメンバーによる新団体「GCN」は,コミュニティに向いて作られている

4Gamer:
 ゲーム版の就職セミナーみたいな?

豊田氏:
 はい。ゲームに関わる企業に出展していただいて,それぞれのブースで就職活動してもらうようなことができたらいいなと思ってます。

4Gamer:
 でもそういう話を重要視するのであれば,複数の大きい会社とガッツリ組んじゃったほうがラクなんじゃないかと思うんですけど。

豊田氏:
 人材紹介的な意味でどこかの会社さんとガッツリ組むことはないですね。動きづらい部分も増えてしまいますし。でも例えば大会なんかは,毎年いろんな会社さんとお話しして主催の会社さんを変えて……という感じでやってみたいな,とは思ってます。

4Gamer:
 なるほど。ってことはこの団体は大会の主催にはならない……?

豊田氏:
 いや,もちろんGCNと組んでやる感じで。

4Gamer:
 GCN?

豊田氏:
 あ,ごめんなさい。そもそも団体の名前を言ってなかったですね(笑)。

4Gamer:
 あぁ,ここのことか(笑)。なんの省略系ですか。

豊田氏:
 Gaming Community Network

4Gamer:
 シンプルだった!

豊田氏:
 ゲームをやる人だけでなくて,観て楽しむ人もそうですが,ゲームに関わる人すべてにとって楽しめることができる団体になりたい……という意味で「Gaming」にしました。

4Gamer:
 ちなみにその大会なんかは,今ぼんやりと「いつごろからやろうかなー」って考えてるようなタイミングはあるんですか。目処みたいな。

豊田氏:
 できれば来年にはやりたいな,と思ってるんですけど。

4Gamer:
 妥当ですけど,もう7月だし(編注:インタビューは7月に行われている)意外と時間ないですよね。

豊田氏:
 あんまり遅いとブームがすぎちゃうんで……。
 日本国内で人が集まって,遊んで,戦って,「楽しいな,またやりたいな」って思ってもらうためには,遅すぎは良くないと思ってるので。


今の「eスポーツ」は単なるブームかもしれないので,この状況に甘んじることなく次の一手を打っておきたい


4Gamer:
 ん,いまさらりと言ってましたけど,これはブームだと思っている?

豊田氏:
 今の段階だとまだ「ブームでしかない」と思ってます。

4Gamer:
 では,遅かれ早かれこの波は去っていく,と。

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豊田氏:
 ええ。なのでそれが去る前に,どれだけ土台がしっかりできるかが重要で,いま頑張ってるわけです。でも逆に,今はまだ「ブームの絶頂」だとは思ってないですけどね。

4Gamer:
 まだまだ上がる?

豊田氏:
 まだ上がると思ってます。これがもし上がり切ったタイミングだったら,もう本当にやばくてどうしよう,みたいな感じですけど。でもいまeスポーツに興味を持ってくださってる企業さんはどんどん増えてる状態なので,しばらくは大丈夫かと。

松田氏:
 でも大きい会社さんはブームだとは思ってないんじゃないかな。一過性だったら絶対参入してこないような大きい会社さんも入ってきてるし。

金子氏:
 定着しつつあるものと「単なるブームに乗っかってきてるだけのもの/サービス」が分離してきてる印象ですね。

4Gamer:
 さっきも言いましたが,僕は当時のセカンドライフに感じた印象とちょっと空気感が似ていて,まだ不安定だと思ってます。このままだと一過性で終わっちゃうかも……という不安というか。でもこれって,それぞれ温度差があると思うんですよね。正解が分かれば誰も苦労しないわけで。

豊田氏:
 そうですね。自分はやはりまだブームだと思ってます。すべてにおいて。結果としてブームじゃなくて,順調に成長して根付くのであれば,ただの取り越し苦労だったわけで,それはそれでとてもいい話ですし。なんていうか「こんな状況に甘んじていたらダメだ」という危機感から来ているので,どうしてもそういう言動になっちゃうんですけどね(笑)。

4Gamer:
 物事は常に悪いほうに考えておけば,酷い目に遭わなくて済みますよ(笑)。

豊田氏:
 そうです(笑)。まぁただ真面目な話,この規模になってくるとさすがに自分だけじゃ無理なので,誰かと協力して,手を取り合ってやらなきゃダメだなとなったときに,誰に声をかけるべきだろうと考えて……。

4Gamer:
 それがこの三人?

豊田氏:
 はい。一緒にやってもらえるなら,これほど心強い味方もいないですしね。実際に第1回目のEVO Japanで初めてこの顔合わせでご一緒させていただいて。皆さんのパワーは,もうね,なんというか。

4Gamer:
 いやあ……こちらも重々理解してます。目の前で見てましたし。

豊田氏:
 この四人で組んだなら,本気で何かをやろうとしているのが伝わるかな,というのもありますし。

4Gamer:
 プレイヤーからも,業界からも?

豊田氏:
 はい。

金子氏:
 メーカーの人達からしたら,面倒くさい奴らが来たなぁ,っていう感じになるかもしれませんけど。
 でもその信頼感というのがすごく重要だと思ってまして,こういうことやる時に「なんだよあいつら,あとから来て邪魔しやがって」みたいに思われるのが一番悲しいわけですよ。

4Gamer:
 そういうつもりは微塵もないわけですしね。

金子氏:
 それどころか,できれば一緒に出来ることはしたいし,手伝えることがあれば手伝いたいし。そういう部分が,このメンバーであれば,少なくとも格ゲー界隈には伝わりやすいかな,というのはちょっと思ってます。

4Gamer:
 なるほど。

松田氏:
 あと実はメーカーさんとの付き合いもかなり長いんですよ。そういうことも,業界全体を盛り上げていこうと思ったらやはり大きい要因だと思いますよ。面倒くさい奴ら……っていうのはまぁ冗談としても,もう30年この業界にいるわけで。

4Gamer:
 そんなに長いんですね。

松田氏:
 約30年ですね。イベントの仕事を始めてからもう……10年以上かな。だから偉いとかそういう話じゃなくて,メーカーさんも「誰オマエ?」とはならないはずなので,いろいろな話が出来るし,いろいろなことを動かしやすいと思うんですよ。少なくともほかの人がやるよりは。


金子氏:
 メーカーさんとコミュニティとのつなぎとかね。

松田氏:
 公式のイベントや案件もやらせてもらってるので,コンプラ関係なんかももうバッチリ把握してますよ(笑)。

4Gamer:
 まぁでも確かに,これだけの大きい規模の話を立ち上げるメンバーとしては,今考え得るベストメンバーかな?

豊田氏:
 そうですね。

松田氏:
 「有料のイベントやるので許諾ちょうだい?」みたいな問い合わせもメーカーさんにめっちゃあるみたいで。さすがに断るけどあとを絶たないらしいですよ。

4Gamer:
 あぁ……そういうところからなんだ。

松田氏:
 鉄拳使わせて? ドラゴンボール使わせて? ストV使わせて? とか。いくらなんでも最低限守らないといけないルールがあるわけで,そういうところは任せてくれればうまくできますし。

稲葉氏:
 ていうかPlayStationなんかは,そもそも商業利用禁止ですからね(笑)。

4Gamer:
 でも逆に言うと,そういう人がわらわら湧いてくるほどにはなったんですね,この業界は。それはそれで望ましい方向とも言えますよね。

豊田氏:
 確かにそうですね。

4Gamer:
 でもその「コミュニティの活性化」って,具体的にはどういうことをするんでしょうか。コミュニティとひと言でいっても,規模もレベルも様々だし。それを底上げしましょう,活性化しましょうというときに,一体どんなことから始めるのかな,と思ってまして。

豊田氏:
 いまおっしゃったように,それぞれでだいぶ違うと思うんですよね。それこそ,例えばウメブラさんなんかは,自分達だけで十分いろいろ出来るので,我々のお手伝いなんか必要ないと思われるレベルの団体でしょうし(※),そういうところに関しては……協賛営業の協力だったりとか。

※ウメブラは2019年7月25日に一般社団法人を作り,事実上法人化した(関連記事)。

松田氏:
 いろいろメーカーさんとつないだりとかね。

4Gamer:
 小さいところは?

豊田氏:
 小さいコミュニティに対しては,それこそ機材の貸し出しだったり人材の提供だったり。

4Gamer:
 なるほど。でもそれは,どういう連絡ルートになるんだろう。
 例えば……自分の住んでる群馬を引き合いに出すと――知ってました? 群馬県はけっこうeスポーツが盛んなんですよ!――群馬の小さいサークルが「大会やりたいけどプレステってどうやって集めればいいんだろう」と思ったときに,ヘルプ依頼をどういう風に出すのかなと思って。

豊田氏:
 普通に社団法人のホームページを作るので,そちらに問い合わせていただく感じですかねえ。

4Gamer:
 支部とかそういうものは?

豊田氏:
 支部はそのうち作りたいとは思ってますけど,いきなり最初からそういう運用体制にはできないと思ってます。仮に作ってもうまく回るようなことはないだろうし。

4Gamer:
 いきなり地方支部を作る場合もありますが,そこはなかなかドライに見てますね。

豊田氏:
 流れとして,まずちゃんと「こういう団体が出来ました」という認知をしてもらって,実際にその地方のコミュニティを盛り上げたいとか,自分の住んでる地域をもっと盛り上げたいとか,そういう人達と話をして,じゃあ一緒にやろうとなった時に,いろいろお手伝いさせていただく感じでしょうか。
 そういうことを積み重ねていって,一番理想の形として,47都道府県のそれぞれに「一緒にやらせていただいてる人」がいて代表として立ってる状況になれたなら。

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4Gamer:
 確かにいい形ではありますね。中央から派遣されてるわけじゃないから無理もないし。でも,それならなおのこと早く支部を作らないと,そもそも日本全国から来るお願いなんかを捌くのは厳しいのでは?

松田氏:
 完全に信頼して任せるわけなので,ある程度見定めたいと思ってるんですよね。なのでまず一緒にいろいろと……というところからやってみたいです。

豊田氏:
 そうですね。もちろん最初のうちが大変そうだなぁ,というのはこちらも分かっているので,それぞれのエリアに代表をさっさと立ち上げたいとは思ったんですけど……最初によく分からないまま「この人でいいだろう」って選んで問題が発生したときに,一体なんのための組織なんだっけ,となるかなと思いまして。

4Gamer:
 大変なことを承知で,速度より確実性を選んだというわけですね。

豊田氏:
 はい。最初は一緒にいろいろやらせていただいて,そうやって一緒にやっていく中で「この人にはこのエリア全体をまとめてもらいたいな……」という人を見つけていくというか。それが,半年かかるのか一年かかるのか,もっとかかるのか,そこはちょっと分からないですけど。

4Gamer:
 やはりエリア内から上げていく感じなんですね。

豊田氏:
 そうですね。その地方の人こそが,その地方を盛り上げたいと思ってるわけですし。

4Gamer:
 一番モチベーションが高いですしねえ。


ゲームを愛する人達のために何が出来るかを考えたら,「eスポーツ」という文字を入れないことになった


4Gamer:
 何となくやりたいことは見えてきました。

松田氏:
 何かをみんなとやりたいけど,やり方が分からない人は本当にたくさんいるんですよ。
 例えばEVO Japanのサイトでサイドトーナメントを申し込んできてくれた人とかを見ても,地域で30人ぐらいで,公民館とかで遊んでるんだけど,こういうのがあるんだったら,僕たちがやってるゲームも面白いんだということを,ちょっとでも見せたいよね,ってなって。そういう人達を心から応援したいですね,僕は個人的に。

4Gamer:
 内情は1回目しか見てませんが,恥ずかしながら,サイドトーナメントの応募があんなに来るとは思っていませんでした……。

松田氏:
 福岡に関しても,予想の倍ぐらい来てましたよ。

4Gamer:
 みんなやりたいんだなあ。

金子氏:
 初回が結構うまくいったからだと思うんですよね。割といろんなタイトルで出来たし。

稲葉氏:
 あのときに「あぁこれなんだな」って思えたよね。

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豊田氏:
 でも初回のEVO Japanは,ほんと色んな意味ですごかったですけどね。ボランティアの人の協力なかったら,無事に家に帰れたかアヤシイ。

金子氏:
 いやあ,いっぱいありましたね(笑)。

松田氏:
 その話なら3時間ぐらいできますよ?(笑)

4Gamer:
 当事者としてはホントすみません……。

松田氏:
 いえいえ,ホント楽しかったですよ。

豊田氏:
 あれはホントに楽しかったし,いい経験になったと思います。あれを乗り越えられたので,どんなイベントでも全然いける気がする(笑)。

金子氏:
 凄かったからねえ。

4Gamer:
 褒められてるんだか怒られてるんだか,分からない感じになってきた……。

金子氏:
 でも初回のEVO Japanのボランティアの人達って,中にはメチャクチャ出来る人がいて,そういう人達にはちゃんと「給料」を払えたらいいのになぁ,って思ってました。

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4Gamer:
 あぁ,そうですよね……。

豊田氏:
 そういう状態が作れるのはベストですね。

4Gamer:
 ボランティアって善意と体力の切り売りになりがちなので,いつか必ず限界が来ると思うんですよね。本人達はまったく悪くないんだけど限界に来ちゃう。そりゃそうですよね,みんな自分の生活や仕事があるし。
 だから「ボランティア」っていう存在はとても貴重で大事で助かるけど,それに甘えちゃよくないなというのは実感します。ちゃんと給料を払って食べていけるようにしないとな,って。

豊田氏:
 まったくそうですね。

4Gamer:
 そういう一助にもなりそうなので個人的にも期待してますが,そういう諸々をこの4人で全部やるんですか?

豊田氏:
 いやあ……この4人だけでなんでも全部できるわけじゃないので,ゲーム業界を盛り上げていきたい人達と一緒に楽しくやりたいな,と。

4Gamer:
 それは端的に言うと,ボランティアスタッフの門戸を開くということ?

豊田氏:
 それもありますが,「仕事」として一緒にやっていきたい人も含まれます。

4Gamer:
 お。

豊田氏:
 正直なところ,一般社団法人ってきっとこういうことをやらなきゃダメだよな,こういう機能が必要だよな,というのは何となく分かってるつもりなんですけど,いざ動かしてみたら絶対「うわ,こんなことも必要なのか」っていうことが,どんどん出てくると思うんです。

4Gamer:
 まぁそうですよね。

豊田氏:
 なので,その都度強化して……という感じですかね。とりあえず,まずは実際にローンチしてみて,そこから整えていこう的な。

4Gamer:
 それはそれで素晴らしいと思いますけど,活動の原資はどこからきてどれくらい持つものなんですか?

豊田氏:
 もうすでに何社かの企業さんにお話させていただいていて,協力しますよ,と言っていただけてるのも何件かあります。

4Gamer:
 スポンサー的な?

豊田氏:
 そうなりますね。

4Gamer:
 じゃあしばらくは大丈夫そうですね。

豊田氏:
 それプラス,この4人が「ここで利益を上げて給料もらわないと生活が止まっちゃう」という人達ではないので,最初のランニングコストもけっこう低くて済むはず……というのもあります。

4Gamer:
 ……にしてもなかなか重責ですよこれ。

豊田氏:
 はい,そうですね。けど,もし思ってることが全部やれたら,業界を変えられる団体になれると思いますし。

金子氏:
 ちゃんと出来るように頑張りたいですね。

豊田氏:
 この四人で集まって「こういうところはなんとかしたほうがいいよね」っていうのが共通認識としてあって,それを解消するために団体を作りませんか,とお話ししたときにみんなに快諾してもらったので,そこは本当に嬉しかったです。

4Gamer:
 聞いてる限り,既存の団体ともハレーションは起こさない気がしますね。

金子氏:
 ちゃんとやってるコミュニティ……が一番気になりますね。
 そこと喧嘩しないでちゃんと一緒に出来れば,この先も大丈夫だと思います。

画像集 No.024のサムネイル画像 / eスポーツ界隈に新たな団体が誕生。申し分のない実績を持つメンバーによる新団体「GCN」は,コミュニティに向いて作られている

豊田氏:
 もちろん介入しなきゃいけないわけじゃないので,とくにヘルプは必要ないからいいよ,と言ってくれればそれを妨害するつもりとか一切ないですし。

4Gamer:
 最初のほうで聞いた気もするけど「管理するわけじゃない」っていうやつですね。

金子氏:
 ええ。そこは本当に強く伝えておきたいです。そういうつもりは一切ないです!

豊田氏:
 でも逆にいうと「なんにも分かんないしやることも決まってないけど,全部よろしく」みたいな話だとお断りさせていただきますよ,きっと(笑)。

4Gamer:
 あくまでも「お手伝い」である,と。

豊田氏:
 ええ。こういうイベントをやりたいんだけどノウハウがまったくなくて,協力してもらえないだろうか……とか。あくまでも「協力」ですから。でもその協力の範囲が,かなり強力ですよ。自分達のところを盛り上げたいという意思とモチベーションのある人にこそ手を貸したいですね。

4Gamer:
 前向きな人は徹底的にフォローすると。

豊田氏:
 はい。

稲葉氏:
 今頑張ってる人達や,もっと頑張っていきたいっていう人達を,どんどん増やすのが使命だと思ってます。都心でも地方でも,ちゃんとしっかりやっている人達,そういう人達のお手伝いができればいいな,って。

4Gamer:
 まぁ聞けば聞くほど「eスポーツ団体」ではないですよね。

豊田氏:
 そうですね。

金子氏:
 まったく違いますよ。なので,今後出すであろうプレスリリースにも「eスポーツ」の文字は一切入れてないです。ゲームを愛する人達のために何が出来るだろう……からスタートしてるので。

4Gamer:
 いいですね。業界はeスポーツ一辺倒で,ちょっとどうかと思うところもあるし。

金子氏:
 まぁeスポーツの要素はもちろん無視できないですけどね。

4Gamer:
 そりゃあもちろんです。

金子氏:
 バズとかを考えたらeスポーツという単語を使ったほうがいいかなとも思ったんですけど,でも根っこはやはり「ゲームが好きな人が,もっと楽しくゲームを遊べるようにしたい」なので。

4Gamer:
 それはいままでの話で伝わってきますよ。

金子氏:
 僕らの活動が盛り上がって,それが結果として「eスポーツ」と重なっていくのであれば,それはそれでゲーム好きな人にとって嬉しい話なのでまったく問題ないですしね。

4Gamer:
 GCNという団体名にも「e」って入ってないですしね(笑)。

金子氏:
 そう(笑)。入れてないのは,やっぱそういうつもりじゃないから。
 ちなみにGCNっていろいろ深い歴史があるネーミングなので,分かってくれる人も少しはいると思います!

4Gamer:
 コミュニティ全体を盛り上げて,ゲーム業界そのものを盛り上げてくれることに大いに期待してます。ありがとうございました。

画像集 No.002のサムネイル画像 / eスポーツ界隈に新たな団体が誕生。申し分のない実績を持つメンバーによる新団体「GCN」は,コミュニティに向いて作られている

―――2019年7月9日収録

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