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ゲーミフィケーション研究を助成する「FOST賞」,第12回授賞式レポート。受賞にMMORPGベースの多言語教育コンテンツなど
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印刷2019/03/07 19:07

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ゲーミフィケーション研究を助成する「FOST賞」,第12回授賞式レポート。受賞にMMORPGベースの多言語教育コンテンツなど

 公益財団法人 科学技術融合振興財団(foundation for the Fusion Of Science and Technology。以下,FOST)は本日(2019年3月7日),「第12回FOST賞授賞式」を東京都内で開催した。

左から,東海大学名誉教授 白鳥 令氏,日本大学生物資源科学部獣医学科 教授 堀北哲也氏,広島大学大学院 工学研究科 福井昌則氏,早稲田大学理工学術院 教授 菱山玲子氏,FOST理事長 襟川陽一氏
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公益財団法人 科学技術融合振興財団(FOST) 公式サイト


 FOSTは,“シミュレーション&ゲーミング”をキーワードに,社会におけるいわゆるゲーミフィケーションの促進と助成を目的とした組織であり,FOST賞は同組織が支援・助成した研究の中から,もっとも優れたものを表彰するもの。
 授賞式の会場では,平成30年度の研究の中から若手研究者を対象とする「FOST新人賞」,およびゲームの研究・開発・応用に関連して社会貢献した人物または人材を対象とする「FOST社会貢献賞」,そして本命である「FOST賞」受賞者の発表が行われた。

 第12回FOST賞に選出されたのは,早稲田大学理工学術院 教授 菱山玲子氏だ。研究課題は「Gラーニング空間の多言語化による外国人向け老舗企業探索ラリーの開発と実践」で,選出の理由は,現実世界を舞台にリアルなGラーニング(MMORPGをベースとする教育コンテンツ)空間を想定し,ゲーム性の高いウォークラリーを多言語で提供する試みにより,外国人向けの教育コンテンツの開発と評価を行った,とのことである。
 加えて,これまで主に教室内で展開していたGラーニング環境が,社会的な情報空間と融合する意義を,都市活性化および外国人に対する学習効果の両面から考察できるようにした点も評価された。なお本研究で開発したWebアプリは,広くリアルな空間を利用したGラーニングに適用可能であり,新たな社会教育活動を展開しているそうだ。

 菱山氏は,2011年に第4回FOST賞に選出された「科学技術コミュニケーションの可能性を拡げるサイエンスカフェと参加型ゲーミングシミュレーションの融合」をきっかけとして,社会的な情報空間におけるGラーニング環境の研究を始めたとコメント。また日本の伝統芸能などをゲームと融合し,新しいコンテンツとして時間軸・空間軸を超えて発信していきたいとも話していた。

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 第6回FOST新人賞には,広島大学大学院 工学研究科 福井昌則氏が選出された。研究課題は「数学的ゲーム・パズルを用いたモデリングのスキル向上を目指すプログラミング学習のデザインと実践」で,選出の理由は,高校生の創造的態度とプログラミングの意識に関する調査を行い,その結果に基づき,数学的ゲーム・パズルを用いて,生徒がモデリングする際の創造的態度を高めるプログラミング教育の題材を開発したこと,またその題材を実際に活用し効果を測定したことである。

 福井氏は,この研究をさらに進めていった成果が認められ,日本学術振興会の特別研究員に認定されたことを会場にて報告するとともに,「海外での活動も展開していきたい」と意気込みを見せていた。

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 第8回FOST社会貢献賞には,日本大学生物資源科学部獣医学科 教授 堀北哲也氏が選ばれた。授賞の理由としては,「獣医師等を対象としたカードゲーム『やぐら鶴』を用いた緊急時のチームコミュニケーショントレーニングに関する研究」を実施し,即席チームのコミュニケーションの増進とトレーニングの効率的運用のための効果検証を,平成28年から平成30年にわたり全国で30回以上行ったことにあるという。
 またオーストラリアでも同様の検証を行い,「やぐら鶴」の成果を世界牛病学会や日本薬学教育学会などで発表したことが,ゲーム的手法の社会的評価を大きく高めるものと認められたそうだ。

 堀北氏によると,口蹄疫や鳥インフルエンザ,豚コレラなどの発生に獣医師がチームを組んで対応するとき,一人一人は優れたスキルを持っているのに,うまくコミュニケーションが取れないため,まったく機能しないという事態を解消するべく「やぐら鶴」を開発したとのこと。基本的にチームビルディングを学ぶゲームで,獣医師に限らずほかの分野にも応用が利くため,「社会全般のコミュニケーションを円滑にするための活動を展開していく」と語っていた。

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公益財団法人 科学技術融合振興財団(FOST) 公式サイト

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