インタビュー
「e-Sportsとは何か?」座談会。元プレイヤーと現役のプロゲームチームオーナー,イベントオーガナイザー,情報サイト運営者が大いに語る
一方で日本を見れば,さまざまな「e-Sports団体」が乱立し,それぞれがe-Sportsの,そしてプロゲーマーの“定義”を謳う状況になって久しい。
日本におけるゲームシーンがどうなっているのか,すべてではないにせよ,その一端はお届けできると考えている。
まずは自己紹介から
4Gamer:
本日は遠いところ4Gamerの会議室に集まっていただいてありがとうございます。
松井 悠氏:
まあ,一番遠いのは(高尾山の麓に住んでいる)BRZRKさんですけどね。
4Gamer:
いや,確かに東京の端っこからなんで,僕ですけど! ともあれ,さっそくですが,皆さん,簡単に自己紹介をお願いします。
田原です。最近は「Taharasan」というハンドルネームで活動していますが,以前は「uNleashed」という名前でQuakeシリーズをプレイしていました。「Quake 4」(PC / Xbox 360 / Mac)と「QUAKE LIVE」(Browser)ではスポンサーに協力してもらい,プロゲーマーとして動いていたこともあります。
吉村尚志氏:
「THE WANTED」については話さないの?
田原尚展氏:
ああ,THE WANTEDね……家庭用ゲーム機で発売された「Unreal Tournament 3」(PC / PlayStation 3 / Xbox 360 / Mac)で,僕に勝つと10万円をもらえるという,賞金総額100万円のオンライン対戦を通じたキャンペーンがありまして,それで賞金首になっていたりもしました(関連記事)。
で,いまお話したあれこれの活動は,大学を休学していた2年間にやっていたんですが,大学の卒業後はIT系の会社に入って普通のサラリーマンとして働きました。その後……というかここ2年は,独立して“よろず屋”的に翻訳をやったり,プログラミングしたり,マーケティングしたりといったことを,知り合いを通じてやっています。
4Gamer:
次は松井さんお願いします。
鉄拳シリーズをずーっと遊んでいて,16歳のときに,当時あった「ザ・プレイステーション」という雑誌でライターとしてのキャリアをスタートしました。
ゲーム関連で言いますと,イベントやります,映像作ります,デザイン作ります,Webサイト作ります,オンラインゲームのコンサルティングみたいなこともやります,番組も出ます,BRZRKさんと一緒に東京ゲームショーで7時間配信を2日間やります,といった感じで,ゲームを作ること以外は何でもやりますね。
最近だと,ゲームエンジン「Unity」の広告サービスの立ち上げ担当をしたり,Red Bullさん主催の「Red Bull 5G」でプロジェクトアドバイザーをやったりしています。
e-Sports絡みで言えば,2005年に「World Cyber Games」(以下,WCG)に携わったのをきっかけに色々やりましたが,最近はあまり「イースポーツイースポーツ」言わずにやっていますね。
4Gamer:
現在は会社(グルーブシンク)を経営されていますよね。
です。よく「松井さんの会社ってゲーム関連なんでしょ?」と言われるんですが,全然そんなことはなくて,某携帯電話メーカーさんのサイトのデザインをやったり,ディスプレイメーカーのサイトをやったり,ゲーム以外の仕事も多くやらせていただいています。
4Gamer:
では次に,プロゲームチーム「DeToNator」の代表である江尻さん,お願いします。
もともとは「Alliance of Valiant Arms」(PC,以下 AVA)で,「MaxJam」として活動していました。
35歳になったときに優勝したんですが,それをきっかけに,プレイヤーとしての活動を辞め,チームのマネジメントに専念しようと,本名でGamingDという会社を設立して運営をしています。
4Gamer:
GamingDがDeToNatorの運営母体ということになりますよね。
江尻 勝氏:
そうですね,DeToNatorの選手マネジメントを中心に,スポンサー活動をしたりしていますね。僕達自体は(DeToNatorを)「これがe-Sportsだ」と思って活動しているわけではないんですが,チームの選手育成や,いかにすれば(ゲーム)業界へ貢献できるだろうかということは日々考えています。
4Gamer:
では最後にYossyお願いします。
Yossyという名前で,Negitakuというゲームニュースサイトを2002年から運営しています。もともと「Counter-Strike」(PC)と「Quake III」(PC)が好きで,個人的に情報を色々と集めていたのですが,「それ,外に発信したほうが面白いんじゃないかな」と思ったのが始めたきっかけです。
で,少しずつ大会などのムーブメントがe-Sportsと呼ばれるようになってきたんですが,「日本から海外の世界大会に挑むなんてすごいなあ」と興味を持つようになり,日々,情報を集めて更新している感じですね。
普段は某企業で働いていて,ニュースを書いたりイベントの告知とかしているのですが,まぁ,Negitakuと同じようなことを仕事としてもやっていますね。
田原尚展氏:
もう来年15周年って,こないだ10周年やったばっかりだと思っていたら……。
江尻 勝氏:
いやー,すごいですよね。
「そもそもe-Sportsって何だと思います?」
というわけで,なかなか「濃い」メンバーに集まっていただけたと考えているのですが,さっそく,今回のメインテーマ「e-Sportsとは何か」について,お話していきたいと思います。
そもそも,e-Sportsって何なのでしょう? 定義されていませんよね? 別に「ゲーム大会」でもいいのに,なぜe-Sportsなんでしょうか。
松井 悠氏:
その点ですが,僕はこの5年ほど,東京工芸大学で,これからゲームを作っていこうという生徒に「e-Sportsって何?」っていう話をしています。
4Gamer:
おお,それはものの見事に今回のテーマそのものですね。
ええ。で,僕は「デジタルゲームを競技として捉えるカルチャーとそれを取りまくシーン」こそがe-Sportsなんだよと(学校で)教えています。学生に教える以上,しっかりした定義づけは必要だよな,定義しなきゃならんよなとは思いながらも,実際にはかなり“ゆるく”しているんですよ。
4Gamer:
ふむ。
松井 悠氏:
「Counter-Strikeシリーズこそe-Sportsである」「StarCraftシリーズこそe-Sportsである」みたいな言説はありますけど,じゃあAVAとか「サドンアタック」(PC)は何なの? というね。
日本で“あるある”なのが,定義付けを厳密に求めようとした結果,そのシーンを自ら縛ってしまって狭くしてしまう。
皆さんに聞きたいんですけど,「スーパーマリオブラザーズのタイムアタックをしたときに,これはe-Sportsなのか否か」と言ったら,どう思います?
田原尚展氏:
僕はe-Sportsだと思いますけどね。全然e-Sports。
吉村尚志氏:
そのタイムアタックに明確なルールがあれば,e-Sportsでいいんじゃないですか?
江尻 勝氏:
僕も同感ですね。僕は「デジタルの上で競い合うもの」であれば,タイトルが何であろうとe-Sportsかなと思います。
そもそもみんなが考えるe-Sportsって巨大なスタジアムに巨大なスクリーンがあって,照明で照らされていて……と考える人がいると思いますが,あれだけがe-Sportsかというと,「あれもe-Sports」であって。
儲かるe-Sports,人がたくさん集まっているe-Sports,そうでもないe-Sportsというだけで,別にそれでいいんじゃない? と。
4Gamer:
いろいろカテゴリーはあるけれども,そういうのを全部ひっくるめたうえで,ふわっとした定義付けでいいじゃない,って感じですね。
松井 悠氏:
スポーツってそういうものじゃない?
田原尚展氏:
そうですね。定義付けできないですね。
松井 悠氏:
だから,「興じている人が『これをスポーツと呼びたい』と言うなら,それでいいんじゃないですか?」ていうくらいの,フワッとした感じで。
ただ,「あなたがやっているのはe-Sportsです」「あなたがやっているのはe-Sportsではありません」という締め付けはしないほうが,お互いハッピーになるんじゃないかなと思います。
江尻 勝氏:
というか,僕はもともとそういう発想ですね。
最近だと,インタビューとかで最後のあたりに「スマホってどう思いますか?」とよく聞かれるんですよ。
4Gamer:
競技性があるとされるスマホタイトル,ですか。
江尻 勝氏:
ええ。
そういうときは,「正直,お金を出して競わせたいっていうなら,e-Sportsとしてやればいいんじゃないですか」と答えています。
むしろ,定義付けして(e-Sportsの定義を)狭めてしまったときに,業界が広がるかと言えば,広がらないかなと。
10年くらい前ですが,海外でe-Sportsの大会やトーナメントを主催している人達に「本気でこれをスポーツだと思っているのか?」というお話をしたことがあるんですよ。
そのときの回答は,「ゲーム大会」ではなく「e-Sports」と言ったほうが,“ゲームの外”の人達をスポンサーとして獲得しやすい,というものでした。e-Sportsと言えばお金が集まり,プレイヤーに還元できるし,会場が大きくなるし,賞金も大きくなる。それでいいんじゃない? という考え方なんですよね。
4Gamer:
建前的に「e-Sports」という単語を使えばお金が集まりやすいと。
松井 悠氏:
e-Sportsという単語を選ばない道があってもいいんですが,その結果として(シーンが)シュリンクしていくよりはいいですよね。
吉村尚志氏:
うんうん。狭まるのはもったいないですよね。
4Gamer:
ところで,そもそもの話として,e-Sportsって単語はどこから出てきたんですかね?
松井 悠氏:
まだ答えが出ていませんが,LANパーティ(のムーブメント)の中から生まれたとは言われています。1989年から1990年代の前半にかけて,北米で生まれたというのが通説です。
田原尚展氏:
僕もそう聞いてます。
吉村尚志氏:
それが,少しずつ広まっていって……。
松井 悠氏:
で,今みんながe-Sportsについて頭を抱えている状況なのかなぁと。
たぶん,本当に最初は,ピザを食べつつ飲み物を飲みながら「いやー,これマジでスポーツっしょ!」みたいな軽いノリで始まったのが起源なんじゃないかなあと思うんですよ。
この話の裏を取りたくて,ずっと調べてるんだけど。
江尻 勝氏:
BRZRKさんとか田原さんて,海外に行ったとき,e-Sportsについて(現地の人達と)討論をしたことってありますか?
4Gamer:
ないですね。
田原尚展氏:
僕もそこまでのはないですね。
江尻 勝氏:
そんな感じで,海外では議論する前に受け入れたんだと思うんですよね。
僕は「Half-Life」あたりからPCゲームをプレイするようになったんですけど,その頃(編注:1998年頃)には,海外でe-Sportsという言葉は使われ始めていましたね。
当時は「Quake IIIがe-Sportsであって,Counter-Strikeなんてものはe-Sportsじゃない」って騒ぐキッズが湧くのが日常茶飯事で,日本国内でもそう言って憚(はばか)らない人達がいました。
4Gamer:
原理主義的な考え方ってコアな人ほど持ちやすいわけですが,Quake III全盛期って,Counter-Strikeを否定したがるQuaker,確かに多かったですよね。
吉村尚志氏:
あー,多かったですね。
田原尚展氏:
「Counter-Strikeは女がやるゲームだ」っていう,性差別的な発言すら横行していました。あとは,「MMOはe-Sportsか」なんて話をしようものなら,FPSサイドから即「笑わせんな」の合唱が始まったり。
4Gamer:
でしたねえ。
田原尚展氏:
正直に言えば,僕自身も(一人のQuakerとして当時は)あまり疑問を持たなかったわけですが,後々,色々なジャンルやシーンが出てきて,LANパーティーの主催もするようになってから思うのは,松井さんと同じ意見なんですよ。
4Gamer:
と言うと?
田原尚展氏:
これこれがe-Sportsだって話ではなく,軽いノリで始まったのを,後から定義づけしようとしている状態だということです。
あくまでもe-Sportsってのは現象であって,「変化していく現象」を枠で括ろうという,無理なことをしているんじゃないかなと。
吉村尚志氏:
なんか,e-Sportsを言葉で定義しようとしている人が日本人には多い印象です。
海外の人は「This is e-Sports」で,「これがe-Sportsじゃん,見て分かんないの!?」って感じだと思うんですよね。e-Sportsはパッションだ! みたいな。曖昧というか,雰囲気でね。
田原尚展氏:
あー,確かにパッションぽい使い方をするのは多い印象ですね。「○○だからe-Sportsじゃない」みたいな,排他的な考え方って,むしろ文脈としてのe-Sportsを追えていない。
本当にそうだと思いますね。定義づけしようとしている人達は「これがe-Sports」って(自分達のいいように)決め込んで,お金を集めたいだけなんですよ。
これだけ多岐にわたるシーンなのに,全体に目を向けないのは,儲かる1つだけを見てe-Sportsと選定しちゃえばさらにお金が集中するからです。儲からないからやらないだけ。
僕なりにシーンを見てきて,色々なパブリッシャさんとも接してきたんですが,お金になるところには代理店さんが集中するんですよ。
でも,お金にならないと分かると,絶対に誰も来ない。“括る”ことで1か所にお金を集めたいだけなのが本当によく分かります。
4Gamer:
僕がPCゲームを遊びだしたのは1996年でしたが,少なくとも当時の日本に,e-Sportsっていう単語はなかったと記憶しています。だから,ゲーム大会という捉え方で海外の大会に行ったりしていたんですけれども,気付いたら自分達のいた場所がe-Sportsになっていた感じがあるんですよね。
そこで江尻さんのおっしゃる「これがe-Sports」な人達の萌芽があったのかもしれません。
吉村尚志氏:
うんうん。
e-Sportsっていつぐらいから日本で言い出すようになったんだろう?
田原尚展氏:
1990年代後半から2000年代初頭かなあ。“俺のe-Sports”みたいなのを押しつける人達が増えた気がする。何なのそれ,みたいな。
吉村尚志氏:
“俺のe-Sports”的な発言をしているけど,皆が違うこと言っているから,統一されたものがないんだよね。ないし,できない。
松井 悠氏:
そんなのいらないと思うんですよ。
人と「スポーツ何やってます?」ってのに対して「走ってます」とか「泳いでます」って感じで,「e-Sports何やってます?」に「『Dota 2』(PC)やってます」とか「『Overwatch』(PC / PlayStation 4 / Xbox One)やってます」みたいな,そんなレベルでいいんじゃないかな,と。
「ゲーム好きです」って言うとモテなさそうだから「e-Sportsやってます」って言い換えるとか,そんな単純なもんでもいい。
4Gamer:
ゲームという名称を使いたくない事情があって,だからこそe-Sportsという単語の重要性が増す部分もある,って感じですかね。
松井 悠氏:
今はe-Sportsって単語に,人それぞれ,色々な感情を入れちゃっているのかなとは思います。
ただ,マーケティングワードとしては秀逸だし,言葉自体がシーン側から生まれてきたのはよかった。
4Gamer:
個人的にですが,e-Sportsという単語が一気に広まったのは,2000年に開催されたWCGのプレ大会「World Cyber Games Challenge」からだと考えています。
田原尚展氏:
WCG自体も大きなキッカケとなったよね。
そういう話題が出るかなと思って,自分のサイトでいつ頃からe-Sportsって単語が使われるか調べてきたんですが,2002年でしたね。
しかもそれは,NegitakuでBRZRKさんにWCGについてインタビューした記事だという。
4Gamer:
えええっ?
田原尚展氏:
日本にe-Sportsを上陸させた元凶がここに! 元祖e-Sports男!
江尻 勝氏:
こういう趣旨だったんですか,今日の集まりって!?
松井 悠氏:
e-Sportsはワシが育てたと言いたくて!
4Gamer:
いや,本当に記憶がないんで,変な汗が出てきた……。
……気を取り直して続けますが,WCG自体,もうなくなっちゃいましたね。
松井 悠氏:
WCGってもともとはSamsung(編注:Samsung Electronicsのこと)がやっていたんだけど,なぜあんなにグローバルな展開ができたかというと,コミュニティがなかった国の予選運営をSamsungの現地子会社が担当していたから,という側面もあって。
そのあたりは,詳しくは『デジタルゲームの教科書 知っておくべきゲーム業界最新トレンド』(※リンクはAmazonアソシエイト)を読んでいただけると分かると思います。
吉村尚志氏:
出た!
田原尚展氏:
宣伝だ!
(笑)。
2006年になると携帯電話がリッチになって,「Samsungの携帯電話を買って,プリインストールのレースゲームでタイムアタックして,その国で1位になった人はWCGにご招待」なんてのもやっていて。この展開は残念ながら日本ではできなかったですが。
マーケティングと,新しいコンテンツのプロモーションと,e-Sportsの組み合わせが,僕の中ではキレイにはまったんですよ。「ケータイe-Sports」って全然アリだと思ったのはあのときが最初。
ともあれ,WCGって80か国くらいが参加していて。その規模の国際大会ってそうそうないから,かなりの大きなムーブメントだったとは言えますね。
4Gamer:
当時聞いた話だと,最初は五輪マークを使うみたいなこと言ってたみたいですね。
当時のIOC(International Olympic Committee,国際オリンピック委員会)会長だったサマランチ氏と話は付いていて,五輪競技にしようなんて動きもあったとか。
吉村尚志氏:
確かに最初の頃は「ゲームのオリンピック」って言ってましたねぇ。
4Gamer:
いまあるe-Sportsの大会のフォーマットって,WCGとCPL(編注:Cyberathlete Professional Leagueのこと)が作ったイメージがありますね。
田原尚展氏:
うん,その2つの存在は大きい。
吉村尚志氏:
確かにそうですね。
4Gamer:
ただ,WCGにせよCPLにせよ,現在のLoLとかDota 2とか,Capcom Cupなどにも通じるやり方で大会を運営してましたが,いわゆる「あの手法」が日本市場に合うのか,という部分はいかがでしょう。
松井 悠氏:
スポーツで重要なのは競技者のコミュニティなんですよ。カオスマップ(Chaos Map,業界地図)の中央に来るのが競技者。
で,e-Sportsの場合には,ゲームを作るデベロッパとゲームを売るパブリッシャ,そしてプレイヤーの三者が真ん中に来ます。その周りに観客とか関連産業がいるんですけど,これって,ほかの(スポーツ)シーンにはないんですよ。競技者のほかに,作る人と権利を持つ人が中央にいるから,三者が完全にe-Sportsの方向を向いていないと,途中で空中分解しちゃうんですよ。
4Gamer:
確かに,向いている方向がバラバラだと成立しませんよね。それに,デベロッパとパブリッシャからすれば,慈善事業ではなく,ビジネスという側面も当然あります。じゃないと食っていけないですから。
田原尚展氏:
そうそう。そこが重要で,「ビジネスとして」ってなったときには,「なんでもe-Sportsでいいじゃん」じゃなくなってくる。
4Gamer:
ただ,ビジネスということを考えると,日本って,条件は揃っている気はしますよね。プラットフォーマーが2社あって,有力なデベロッパも,世界規模で活動しているパブリッシャも多数あります。
松井 悠氏:
そういう部分は海外の人達と話していて話題に必ず上がりますね。「日本にはいい会社がたくさんあるじゃないか! なんでe-Sportsがダメなの?」って。
4Gamer:
海外と比べて,「売ったらおしまい」の考え方が強いんですかね?
松井 悠氏:
ええ。そういう意味では,大手が揃いすぎているからe-Sportsが盛り上がらない,というのは,答えの1つではないかと考えています。
ゲーム系メディアを見てもらうと分かるんですが,広告って,発売直近タイトルをプロモーションするものが多い。売り切りのタイトルを,発売3か月前後から発売後の翌々週ぐらいに合わせてプロモーションをするんですが,その予算を使いきったタイトルはそれ以降,あまりケアしない。
なぜかと言うと,お金や手間をかけても売上にあまり影響がないから。
4Gamer:
はい。
日本のゲーマーって,“お客様”であり続けているんですね。「買っていただいてありがとうございます。発売記念イベントあります,芸人さん来ます,声優さん来ます,発売はいついつです,次もぜひ買って下さい」と接待され続けている。
で,翌年か翌々年に続編が出て,同じことが繰り返される。何もしなくてもネットカフェキャラバンをパブリッシャ側が用意してくれて,行けばガチャを回させてくれて,グッズがもらえて,人がいっぱいいて,下手すれば懇親会にも参加できて。もうメチャクチャ恵まれてる。
一社がそうやって恵まれた環境を作ってしまうと,他社は,やらないとユーザーから「なんだよ,あの会社やんねーのかよ」みたいに言われてしまう。結果として,日本の人達はサービス過剰な状態に慣れきっているわけです。
4Gamer:
日本以外……と言っていいかは分かりませんが,e-Sportsが定着した場所では,少なくともそうではないと。
松井 悠氏:
LANパーティーが発達しているところって,圧倒的に飢餓感があって,「足りねぇ,遊びてぇ。だから集まろうぜ」みたいなのがあるんですよ。
たとえば,そこら中で宣伝に使われている,有名なDreamHackってあるじゃないですか。あれが20年前に,たかだか15人から20人くらいの大学生が大学のカフェテリアに自分のPCを持ち込んで遊んだのがきっかけなんですけど,それを知らないでLANパーティやe-Sportsを語ろうとする人が(日本には)多いんですよ。「いやあ,DreamHackってのがありましてぇ,スウェーデンの田舎町に2万人がPCを持ち込むのですがぁ,これが非常にe-Sportsなんですぅ」みたいなの。
ぶわははははははは。
4Gamer:
突然の大爆笑。その心は?
江尻 勝氏:
それ,もうメチャクチャ有名な(日本においてe-Sportsに関わる勧誘の話があると必ずと言っていいほど出てくる)資料で,僕,それもう何百回見たかなと(笑)。
松井 悠氏:
結局,バックグラウンドのストーリーが分からないのに,「LANパーティーなるものを開催すれば何万人集まります,地方で開催すれば町おこしになります」云々という話になる。まあ,騙されて金を出す人は,それで勉強すればいいだけの話なんですけれども。
ただ,乗せられてお金出して,それで盛り上がらなかった結果,「e-Sportsってダメじゃん,人集まらないじゃん」ていう話になるとつらいなあ,と。
江尻 勝氏:
そうなんですよ。(主催者,参加者とも海外とは温度差があって,)日本ではとくに,無料のイベントがあったとしても,「で,俺らをどれくらい楽しませてくれるわけ? そのイベントは?」って姿勢なんですよね。
これが海外だと,「俺ら行って,勝手に楽しむから,場所用意して待っておけよ」になる。だから大会とかの盛り上がり方も全然違う。
松井 悠氏:
日本では普通,発売から5年以上経ったゲームを「遊ぼうぜ」って言って人が集まってくるところに,そのゲームパブリッシャが金を出すわけがないんです。
「金を出してくれるところはないけど俺たちは遊びてぇんだ」ってなったら,「自分達で場所代を払おうぜ」となるのが当たり前の流れなんじゃないかなあと思います。もちろん,それをやってる人達は日本にもいる。田原さんとかね。
e-Sportsは「儲かる」のか
4Gamer:
さて,金が絡むと,次に出てくるのは「e-Sportsは儲かるのか」というテーマですが。
儲けようと思えば儲けられると思いますよ。
4Gamer:
と言いますと。
松井 悠氏:
以前は興行ビジネスとデバイスメーカー・スポンサー周りという小さい規模だったのが,Free-to-playのゲームが出てきて少し風向きが変わってきたんです。
Free-to-playのタイトルでe-Sportsをすることで,ゲームパブリッシャにもお金が入ってくるようになった。いま,Valveが,「Counter-Strike: Global Offensive」(PC / PlayStation 3 / Xbox 360 / ,以下 CS:GO)で,パッケージを売ったうえで課金によるマネタイズを成立させている。
だからおそらく,e-Sportsでパブリッシャは儲かっている。……というか,e-Sportsだけで食っているんじゃなくて,「自腹で大会を開催する必要を感じ,それをやって(投資を)回収できる程度はマネタイズできている」が正解なんじゃないかなと思いますね。。
個人的には,e-Sportsの賭博サイトがどれくらい儲かっているのか気になりますけど,そのあたりは分からないですね。田原さんご存じないですか?
あれは賭博の人達がe-Sportsに入ってきただけですからね,構造としては。ただ,アメリカのファンタジースポーツとかも(盛り上がりは)すごいですよ,今。
江尻 勝氏:
そういえば,なんて会社だったか忘れましたけど,「日本でもファンタジースポーツという名前で賭けサイトをやりたいんですが,協力してもらえませんか」って言われたこと,ありましたね。ヤバそうなのでお断りしましたけど。
田原尚展氏:
僕の法律知識の範囲内で語らせてもらうなら,日本でファンタジースポーツを実現するのは無理ですね。どうするつもりだったんでしょうかねえ?
江尻 勝氏:
なんか,日本でやりたいけど案がなくて,とりあえずDeToNatorに声をかけてみただけっぽいんですよね。で,とりあえずプロゲーマーの選手をファンタジースポーツに入れてみて……といった感じで。
吉村尚志氏:
僕のところにも,そういうところから広告出したいってよく来ますね。
松井 悠氏:
ただ,ベッティング自体について僕は別に否定的じゃなく,たとえば「AさんとBさんが戦うのでどちらが勝つか投票しましょう」みたいなのがあったとして,直近の戦績はこうだとか,決まり手はなんだというデータが出てくれば出てくるほど,その競技に関する知識ができて,観戦者として面白いという側面もあるんですよね。
4Gamer:
仮に日本でそういうのをやるとしても,法改正が必要になりますよね。場外馬券売り場みたいにきっちりコントロールしないとですし。
あと,それをやるうえで大事なのは,プレイヤーをしっかり守る仕組みを作ること。下手すれば死人が出るから。
あとは,賭博関連なんで,法律もいろいろあるでしょうし……。そのあたりは詳しい人にお任せしますが。
吉村尚志氏:
CS:GOとかDota 2は公式でそういう仕組みを入れていて,課金アイテムを買って,どこが勝つか投票するというのをやっていますが,あれだと売上が選手に還元されるし,予想しているほうも楽しい。当てたいからデータを調べたりと知識も深まる。
何か問題ないやり方を実現できるなら,シーンとして広がりそうですよね。
田原尚展氏:
「賭博」だと,現金を賭ける,違法性のある行為となりがちだけど,(どちらが勝つか予想するという意味での)ベッティングが,ゲームを楽しむ,楽しく観戦するというスパイスになるというのはありますよね。
吉村尚志氏:
決勝戦で,どちらのチームがより多く応援されているのかが,パーセンテージで出るだけでも見ている側は面白い。
田原尚展氏:
そうそう。プレイヤーの細かいスタッツを見るのも面白くなる。
松井 悠氏:
そこでさらにコーチ屋(=予想屋)が成立するようになるとさらに面白い。
4Gamer:
そうなったらYossyさん,Negitakuの持つデータとかって一財産じゃないですか。
うちはそこまでじゃないですよ。でも,HLTV.orgというCounter-Strikeの大きなサイトは全試合のデータ持ってますね。
田原尚展氏:
そういうスタッツサイトは一定の地位にきますよね。実際,見ていても面白いし。
4Gamer:
スポーツ化していくとスタッツ系のサイトの需要度が一気に高まりますよね。
田原尚展氏:
スタッツは大会の配信でも表示されるとなぜかテンションが上がる。
吉村尚志氏:
最近の大会で増えてきましたよね,ラウンドごとの成績とか細かいデータを表示するようになってきた。
4Gamer:
最近はESL oneとかDreamHackとかも,そのあたりに力を入れている印象があります。
松井 悠氏:
日本のテレビ曲が,ゲームをバラエティ番組としてじゃなくスポーツ番組として……。それまでスポーツ番組を手がけていた人が本気でやったらどんなコンテンツができあがるかというのは気になりますね。
ELEAGUEとかですかね。まさに,スポーツ番組みたいな感じでやってますし。
松井 悠氏:
「e-Sportsを見る仕組み」というのは昔と比べれば全然進歩していて,今では動画で見られる。
田原尚展氏:
いや,本当にそうですよね。
吉村尚志氏:
昔のストリーミングなんて30人くらいしか見られなかった。それと比べると,今は比べ物にならないほどいい環境になってますね。
4Gamer:
昔は大会の結果を先に知って,そのあとリプレイファイルをダウンロードして見るという手順が必要でしたからね。で,見た後にチャットで試合内容について話し合うって感じでした。今ではそれが全部並列に,同時進行でいけてしまう。
主催側からすると,1998年とか99年あたりだとサーバーを建てられないから,サーバーを持っている事業者に話を持って行ったり,趣味でサーバー運営をしていた,お金持ちのアラフォーの人にお願いをしたりといった感じでした。クラン戦に至っては,1か月くらい前に日程を決めて,サーバーを確保して……って,今では考えられないくらい時間をかけてやってましたよね。
4Gamer:
さっき出てきたHLTV.orgが,2000年代の初期にCounter-Strikeの観戦システムを公開したのが,リアルタイム観戦の最初だったと記憶しています。
吉村尚志氏:
あれでようやく,同時に観戦できる人数が5000人くらいになったんですよね。「世界大会の決勝で5000人とかすごい!」と言っていたのが,今ではTwitchで数十万人同時視聴とか,桁が全然違う。
日本のe-Sportsは盛り上がっているのか
4Gamer:
さて,今の話の流れに関連しますが,日本のe-Sportsというテーマで必ず出てくる話題は,「これから盛り上がりますか?」というものです。今回お集まりの方々は何度も何度も聞かれたんじゃないかと思いますが,いかがでしょうか。
僕の周りにはプロゲームチームをやってる人,大会運営している人,行われた試合の話をずっとしている人がたくさんいて,Twitterにも山のようにいる。それって,僕の周りではメチャクチャ流行っているってことですよね。
でも,会社に行くと誰も知らなかったりして。
僕,昼休みにお弁当を食べながらTwitchの配信とか見ているんですけど,「何を見ているんですか?」って聞かれると,説明に困るんです。
4Gamer:
そういうときはなんて言うんですか?
吉村尚志氏:
それを一言で説明する方法が見つからないんですよ。
なので「ゲームの世界大会を見ているんです」ていう話をする。そこで「どんなゲームなんですか?」って聞かれると,また説明が難しい。MOBA系だととくに。
田原尚展氏:
絶対聞かれるよねそれ。
松井 悠氏:
そこで「これがe-Sportsだよ」で済むと楽なんだけど……。
4Gamer:
「へー,これがそうなんだ」ってところまで認知されてくれればいいですよね。そこまで持っていくにはメディア側もがんばらなきゃいけないんですが。
江尻 勝氏:
実は,そこに対して思うことがあるんですよ。
4Gamer:
はい。
江尻 勝氏:
うちのDeToNatorって,台湾に進出していたりと,海を超えて最前線で戦っているわけですよ。それに対してe-Sportsだのなんだのワイワイ言ってるメディアさんがどれだけ来たかというとゼロ。
4Gamer:
吉村尚志氏がNegitakuで取材をかけたくらいですよね。
ええ。e-Sportsは日本では云々,海外ではこうだ! とか言ってる割には,全然そういう情報を広げてくれないし,見にも来ませんでした。もう,そうなったら自分たちがメディアになるしかないのかなって。
で,海外プロチームの人に直接聞いたんですが,彼らも同じような理由で自らメディアになった。で,自分たちから情報を発信したり色々やっているんですが,大きなメディアさんと比べると力不足。
そんな状況で,よく知らない人に「e-Sports盛り上がってないじゃん」て言われるとガックリ来てしまう。「いやいや,すげぇやってるから! 情報としてちゃんと出てないだけ!」って思うんですよ。
だから,日本のメディアさんでe-Sportsが云々と言っているところは,もう少し一緒に頑張りましょうよと思いますね。もちろん,僕らを取り上げろ,載せろというわけじゃないですし,取り扱ってもらえるように,僕達も,もっともっと頑張らないとダメなんですけど。
4Gamer:
4Gamerとしても,この業界で活動しているライターとしても耳が痛いですね……。
田原尚展氏:
e-Sportsを知らない層に届けるための解決策にメディアはなり得るというのは,そのとおりでしょうね。
あとは,単純にゲーマーの数を増やすってのも1つの方法かなと。
それこそスマホゲーって,僕達のような“PC FPS族”とはまったく違う人達がやってるわけじゃないですか。
でもそういうスマホ畑の人達が彼らなりの方法で展開して,(それがe-Sportsという文脈で)ある程度広がるっていう話になれば,Yossyが昼休みにMOBAのTwitch配信を見ていて,それを「これがe-Sportsだ!」って説明したとき,「あぁ,普段プレイしているスマホゲーとは違うけど,それもe-Sportsね」って通じるような感じになるのかなと思います。
吉村尚志氏:
身近なところだと,ゲームを知らない友達をイベントに連れて行ってみるってのでもいいのかな? とりあえず感じさせる。
田原尚展氏:
そうそう,そんな軽い感じでいいんじゃないかな? それこそイベントがもっと親しみやすいと入りやすいんだろうけどさ。
4Gamer:
実際,「盛り上がっている」のか,「これから盛り上がるのか」という観点ではいかがでしょう。
2011年とか2012年なんですが,あの頃は毎週末のように大会があって,ネットカフェでイベントがあって,年に1度は大きな大会があって,日本人が海外の大会に出たりしてましたよね。つまりe-Sportsはすでに盛り上がっている。
そういう質問をしてくる人の頭の中には,各都市に巨大なスタジアムがあって,ローテーション式で大会が開催されるプロリーグがあるのかもしれないけど,そういう未来はたぶん来ない。
でも,好きなゲームを遊んで,配信を見て,それを見ている人がコメントをワチャワチャ書いたりっていうのを見て,それだけ当たり前に皆がゲームに触れているのに,「盛り上がっていない」と思うなら,あまりにも周りが見えてないんじゃないかな,と。
ちなみに,Negitaku.orgで一番アクセス数が多かった時期っていつくらいですか?
吉村尚志氏:
一番多かったのは月に100万PV行った頃かなぁ。
江尻 勝氏:
えっ,月でですか!? すごい。
田原尚展氏:
僕がアクティブに書き込みをしていた時代だと思うので,それよりもうちょっと前じゃないかな。12年くらい前?
吉村尚志氏:
BRZRKさんとかがやってたクランのDeadlyDriveとか,初期の4DemensioNが活躍していた頃になるのかな?
だいたい2005年とか2006年くらいに,海外で活躍できる可能性のあるゲームチームが日本から出てきて盛り上がっていたんですが,(2008年の)リーマン・ショックでスポンサーが離れて,シーンのパワーが衰えたんだよね。
田原尚展氏:
ちょうどその頃,僕もQuake 4で海外に行ったりしましたけど,リーマン・ショックを契機として,ほとんどの大会が消滅しましたからね。
江尻 勝氏:
えっ,そんなに?
田原尚展氏:
もう,ほぼ全滅。
江尻 勝氏:
えぇぇぇぇぇ!?
松井 悠氏:
俺,CPLを中国の投資連合に売ったっていう人に会いましたよ。
「アラブの投資連合が金を出した」っていう話の中で,中国の投資連合に売っぱらったって人と。中国で。
中国の投資連合が権利を買った後で,1回だけCPL開催しましたよね?
松井 悠氏:
そうそう,そのとき現場にお呼ばれして。
田原尚展氏:
おおおおお,面白えぇ。
松井 悠氏:
なんでアラブの投資連合の人がここにいないんだって話を聞いたら……。ここからは言えない。
田原尚展氏:
タマ取られちゃいそうですね。
プロゲーマーに注目が集まるということ
4Gamer:
日本におけるシーンを見渡してみると,最近はテレビでもたまにプロゲーマーの話題が出るようになってきました。選手にスポットライトが当たるのって,「バーチャファイター2」の「鉄人」以来ですよね?
吉村尚志氏:
そうですよね。ハドソンの「キャラバン」とバーチャファイターの鉄人は,日本における競技的な流れ(の源流から連なる存在)なのかなと僕は思っています。
キャラバンといえば高橋名人ですが,いまは促進機構(筆者注:e-Sports促進機構)の代表をされていますよね。
松井 悠氏:
(高橋名人について言うなら)“ゲーミング天下り”というのが成立するのであれば,それはそれでいいと思う。
江尻 勝氏:
言葉の響きがちょっと可愛いですね。“マイルド”で。
でもその話で重要なのって,「俺をその座に座らせろ」とかじゃなくて,ゲーマーであることの先に何があるのか,のほうで。
個人的に,ただプロゲーマーを目指すんだけじゃなくて,「その道を目指す過程で,こういうスキルセットを身につけておくと,こういう道が広がるんだよ」って,周りの人が言えるようになるといいなあと思っています。
「○○選手を目指すんだ!」っていう志は素晴らしいけど,もしその目標となる選手が10年,20年,あるいは100年に一度の逸材だった場合,目指す道って酷でしかない。それでもその選手を目指しなさいというのではなくて,たとえばALIENWAREと契約しているネモ選手のように,サラリーマンとして生活しつつもスポンサー企業と契約して,大会での優勝を目指す道もある。そういうやり方もゲームを楽しむための仕組みとしては全然アリだと思うし,目指すとしても多様性があっていい。
ほかのすべてを捨てて,全リソースを突っ込まないと認めないみたいのも違うんじゃないかな。「そんなんで勝てるほど甘くねぇよ」って言われたら,そりゃそうでございますと答えるしかないんだけど,色々な道があっていいんじゃないかなと。
江尻 勝氏:
プロゲーマー論になってきたんで逆にお聞きしたいんですが,メディアに対して給料いくらですって言ったりするじゃないですか? 僕は基本的に,そういうのって言う必要ないんじゃないかなと思うんですが。
松井 悠氏:
ぶっちゃけ,そういうの聞くのは恥知らずで,「人の年収聞いて何をしたいの?」とは思いますね。
4Gamer:
プロスポーツ選手は年俸を出すものだという固定観念があるのかもしれないですね。
田原尚展氏:
まぁプロ野球とかがいい例ですよね。あれは推定額ですけど。
吉村尚志氏:
正直,プロゲーマーが給料をいくらもらっているとかよりも,賞金をいくら獲っているかの方が興味ありますね。
松井 悠氏:
結局,もらってるもらってないの情報って「あいつもらってないんだ,やーい!」か,「あいつもらってんのに勝てねぇんだ,やーい!」にしかならないから,情報があっても関係ないんですよ。
自分が現場にいて思うのは,ゲームは悪であるという考えがまずあって,それに対して「お金をもらえているから善だよ」と(先んじて,「ゲームは悪である」という考えへの反論として)言いたがる人が多いことなんですよね。
田原尚展氏:
あー,そう言いたがる人っていますよね。
江尻 勝氏:
お金の話ばかりが先行しちゃうと,何が目的なのかが変わってきちゃう選手も多いんですよ。
そもそも,「なんで金の話をお前にしなきゃならないの?」っていうのが分かってない人が多すぎる。
4Gamer:
普通だと「なんぼもらってるの?」なんて聞かれたら,「お前,何聞いてんの?」ってなりますよね。
江尻 勝氏:
僕が参加したオフラインイベントで「DeToNatorっていくらくれるんですか?」って直接聞いてくる人がいたんですよ。
田原尚展氏:
それはプレイヤーの子?
江尻 勝氏:
ええ。だから「馬鹿じゃねーの?」って言ったんですよ。そんなヤツとしゃべりたくねぇよと。
4Gamer:
あと,あるチームから別のチームの選手に対して「いくらもらってるの?」とかありそうですね。引き抜きの材料にできそうですし。
江尻 勝氏:
いや本当にそれ,あるんですよね,厚顔無恥というか。
開示することがプロゲーマーは当たり前みたいに考えている人が,僕は不思議でしょうがない。
BRZRKさんは実際どうでした? 現役時代っていろいろ言われませんでしたか?
4Gamer:
僕は日本においてプロ市場ができる前に活動を停止したので,とくに金銭的な動きはなかったかな? それに,金なんて自分で作って海外の大会に行けばいいと思ってたし。(田原氏に向かって)どうだった?
田原尚展氏:
うん。最初は自分も200万くらい貯金作って,それを元手にいろいろ出かけてたからなぁ。スポンサーがついて固定給でもらえるってお話をいただいたときの感想も「おぉすげぇじゃん! 一気に助かった!」みたいな感じ。
松井 悠氏:
へえ。「助かった!」なんだ。「儲かった!」じゃないんですね。
貯金は結構していて,留学の代わりに行くってノリでしたから。
「行動した結果として人と出会って縁に恵まれ,活動が延長できた」ってだけですね。別にスポンサーがなかったらなかったで,資金が尽きたときに活動を止めてただろうし。
でも,ゲームの配信をやっていて「いくらもらってるの?」って聞かれることはありましたよ。でも,僕のときは悪い雰囲気じゃなくて,純粋な興味として聞いちゃったみたいな印象は受けましたけど。
吉村尚志氏:
お金をもらっているから,プロスポーツ選手みたいなのと同じ捉え方しているんじゃないですか?
田原尚展氏:
それもそうなのと,あと,e-Sportsの定義が冒頭にありましたけど,これって,「プロゲーマーの定義」にも関わってくる話だと思うんですよね。
江尻 勝氏:
あー,うんうん。
吉村尚志氏:
いろんなプロゲーマーがいますもんね。
そもそもプロゲーマーに定義付けは必要なのか
4Gamer:
いいタイミングだと思うので皆さんにお聞きしますが,プロゲーマーとは何かという定義付けは必要だと思いますか。
江尻 勝氏:
いや,僕はいらないと思いますよ。
松井 悠氏:
「俺,今日からプロ」でいいんじゃないですか?
「あなたはプロゲーマーですか?」って聞かれて「はい」って答えられるかどうかと,第三者から「プロゲーマーだよね」って認識されるか。それをクリアできていれば問題ないんじゃないですか。
松井 悠氏:
韓国みたいにライセンス制度があれば定義付けは可能だけど,日本はまだそこまでいっていない。日本でプロゲーマー制度なんてものをやろうとすると,ゲーマーがみんなしてその機構をフルボッコにすると思う。
江尻 勝氏:
自分はプロチームを作って運営していて,まさにど真ん中にいるわけじゃないですか。(その立場から言わせてもらうと)ライセンスなんていらないし,興味もない。第三者から見てもそう見えるようになってきたときに「僕はプロゲーマーです」って言ってほしいなと思うんです。
4Gamer:
2000年を少し過ぎて,プロゲーマーという職業が世界的に認知されだしたタイミングだと,プロゲーマーって「スポンサーを獲得して,賞金で食べている」のが最低条件みたいな雰囲気がありました。
それと比べると最近は,必ずしもその条件に合致しなくてもプロゲーマーになれるような,緩い感じにはなりましたよね。
吉村尚志氏:
うん,そうですよね。
田原尚展氏:
当時,プロゲーマーって名乗る人が少なかったのはそういった(不文律としての条件のような)ものがあったからかもしれないですね。
4Gamer:
緩くなって,同時にシーンが大きくなったことを受けて,ガチガチな頃には二の足を踏んでいた企業がスポンサーになりやすい環境になってきたのかなと,個人的には考えているのですが。
田原尚展氏:
それが一番大きいかな? スポンサーが付きやすくなったよね。
松井 悠氏:
というか,言葉の定義に,必要以上にこだわらないほうがいいんじゃないですかね。
田原尚展氏:
すごくイヤなのが,「プロゲーマーとは」って議論を皆で楽しくやっていくところに,“べき論”での会話へ持っていきたがる人が出てくるケース。「賞金で食っている人だけがプロゲーマーであるべきだから,これはプロゲーマーではない」みたいな論調があまりにも多すぎて,結局縛ってしまっている。
4Gamer:
プロのレーサーって,優勝できなくてもプロレーサーですし,ゴルフにもレッスンプロとかいますもんね。ライセンス制度はありますけど。
田原尚展氏:
もっと緩〜く考えていったほうが,多様性が生まれるんじゃないかと思いますね。最初の入り口が狭くてよいことはあまりない。
というか僕は「e-Sportsはどうでもいい派」に近いというか,ビジネスとしてのe-Sportsというより,「どう面白いか」しか見てないんですよね。
その観点から言わせてもらうと,プロゲーマーという肩書きも,それによってその人の活動が広がったり周りが楽しめたりするなら,それでいいじゃんという感じ。
松井 悠氏:
そういえばこのあいだね,とある人の紹介で,カバディの……。
江尻 勝氏:
えっ?
田原尚展氏:
カバディ!?
吉村尚志氏:
すごいところきちゃった。
松井 悠氏:
カバディで日本代表のキャプテンをやっている,下川正將さんという方と会ったんですけど。
アジアインドアゲームズ(筆者注:現在は「アジアインドア・マーシャルアーツゲームズ」)で採用されていましたよね。
吉村尚志氏:
すげぇ情報だ(笑)。
松井 悠氏:
実は,「今後,オリンピックの正式種目入りを目指している」って点では,e-Sportsとカバディって同じポジションなんですね。
その日本チームのキャプテンの方って,シーズンに入るとインドのムンバイで,カバディのプロリーグに出ている。オフシーズンになると日本に戻ってきて,築地の魚市場で夜中から昼間まで働いた後に練習へ行く。
田原尚展氏:
やばい,話がすげぇ面白くなってきた。
松井 悠氏:
で,いま日本は勝てないんですって。韓国がメチャクチャ強い。
田原尚展氏:
カバディで韓国?
松井 悠氏:
もちろん,問答無用で強いのはインドとパキスタン。
吉村尚志氏:
ああ,本場ですね。
松井 悠氏:
ただ,アジアインドアゲームズでカバディが採用されると分かった途端,韓国はものすごいリソースを投入して,選手を育て始めた。
良いとか悪いじゃなくて,これは,グローバルに何かを競おうとしたときの正しいリソースの使い方なんですよ。
田原尚展氏:
うんうん。
松井 悠氏:
日本はどうなんですか? って聞くと,そもそも競技人口が足りない。観戦者も足りない,ルールも分かっていない。だから選手が強くなれないって。
4Gamer:
日本のゲームシーンと似ていますね。
松井 悠氏:
で,いま何が一番足りないんですか? って聞いたら「筋トレの時間」が足りないって言うんですよ。
4Gamer:
筋トレですか。
仕事をしてから練習なので,練習場所で筋トレしている暇がない。練習場所は選手が集まるから,みんながいるときにしかできないフォーメーションの練習をする。それ以外の時間で満足いくようなフィジカルトレーニングができない。
作戦レベルでは動けてるけど,フィジカルで負けてしまうんだと。
吉村尚志氏:
うーん,大変ですね。
松井 悠氏:
彼はインドから日本に帰国すると,各地を回って,次の世代になる小学生達のために体験会を開いている。正直に言って,すごくいいなと思いました。
田原尚展氏:
やべぇなぁ,カバディすげぇがんばってる。興味出てきた。
松井 悠氏:
まじめにゲームの話をするとき,ゲームのことしか知らないのって,論外だと思うんですよ。だから,色んなことを学ぶと,もっとゲームの色んなことが分かるようになる。
「国内の各種団体が手を取り合ってe-Sportsの発展を目指す未来」はやってくるのか
4Gamer:
いま日本国内にはさまざまな形でe-Sportsが展開されています。海外で勝負するDeToNatorのようなチームもあれば,国内リーグで切磋琢磨するところもあり,松井さんようなアプローチもある。
その根底にあるのは全員が全員,「ゲームを盛り上げたい」って気持ちで,共有できる部分はあるはずですが,どうすればみんなで一緒にやっていけると思います?
松井 悠氏:
ものすごくぶっちゃけると,e-Sportsって儲からないのに時間は食うけど,みんな好きだからやっている。この状況で,「彼は気にくわない奴かもしれないですけど,(e-Sportsの明るい未来のために)一緒にやってください」と言われても,「なんで一緒にやんないといけないんだ?」ってのはありますね。
江尻 勝氏:
あぁ,ありますね。
「e-Sports普及のため,協力してください」って言われても,「嫌なこってす」ていうのがあるわけです。
自分達は誰かに言われて,金もらってやってるんじゃなくて,自分で草刈りしながら道を切り開こうとしている。ほかの人達が何をしていようが関係ないし,ときには「あいつの道の作り方は気に入らん。道普請が緩い!」とか思いながら,ふと,遠くを見るとソイツが見えることもある。
端から見れば一緒にやったほうが効率的だろうし,しっかりした道ができるかもしれないけど,なんで俺が好きなことをやってんのにアイツと協力しなきゃならないんだというのは,皆の心に共通してあるんじゃないかな。
4Gamer:
もっと盛り上がっては欲しいけども,そのために自分達の信念を曲げることだけはしたくないと。
田原尚展氏:
「一緒にやればいいじゃん」っていう外からの声は,10年くらい前からあるんですよ。
そういう人達は,「e-Sportsを盛り上げるために」一緒にやればいいじゃないって言うわけですけど,その人達の目指しているe-Sportsと,すでにe-Sportsのシーンにいて盛り上がっている人達との間で,目指している将来のe-Sports像って,全然違うんじゃないかなと。
江尻 勝氏:
ああ,それは確かに。
吉村尚志氏:
すごく的確だ。
田原尚展氏:
「そういうのもひっくるめて一緒にやればいいじゃない」って言いますけど,冒頭の「なんでもe-Sports」じゃんて感じで。
「お前のe-Sportsと俺のe-Sportsは違う」ってのは当然あるだろうし,「そもそも人として嫌いだからお前とは組まない」「やらない」ってのもある。恐らく複合的な理由があって,「一緒にやる」ことにはなっていない,というのはありますね。
松井 悠氏:
スポーツっていうものに「体育」「武道」みたいなものを持ち込んで,「普段のしこりやわだかまりは横に置いておいて」なんて,ピュアなものを求めてるのかもしれないけど,「知るかそんなもん!」てのがある。
逆に,こっちがピュアで相手がピュアじゃない場合,なんで俺がそっちの土俵に乗らなきゃならんのだよって思うこともありますね。
田原尚展氏:
「ビジネスとしてドカーンとe-Sportsやりましょうよ!」って気合いの人もいるし,それこそ「e-Sportsをスポーツにしましょう。スポーツだからこそ健全なものであり教育的なものであり,素晴らしいカルチャーにしましょう」って人もいる。
松井 悠氏:
こう言うと身も蓋もないんですけど,「e-Sportsを盛り上げましょう」って言っている人達は,たいてい,ゲームから何の経験も得ておらず,感動も受けていない。だって,もしそうだったら,「このゲームすげえ面白いんですよ! 大会やりたいっすよね!」っていう話が出てくるはずなんですよ。
なぜそのゲームを選んだのか聞かれて,「e-Sportsを盛り上げるためです」って,それは本末転倒もいいところでしょう。そこに僕はものすごい嫌悪感を覚えます。
だから「盛り上げましょう」って近付いてくる人より,「これやってんだけど一緒にやらない?」って人のほうが僕は好みです。
何が良い,何が悪いとかじゃないですからね。色々な方向でバラバラに模索するってので問題ないと思いますよ。
松井 悠氏:
ちなみに僕,そろそろ本気のe-Sportsイベントを仕掛けてみたいと思ってるんですよ。
4Gamer:
おお?
松井 悠氏:
プレイヤーとパブリッシャ,デベロッパ,オーディエンスのすべてが「これはe-Sportsである」という合意した下でe-Sportsイベントをやってみたい。Red Bull 5Gは僕の中ではe-Sportsじゃなくて,全力で投げる変化球的イベントなんだけど,そろそろ全力でストレートを投げたいなと。なので,もしそんなデベロッパさんやパブリッシャさんがいたらぜひ(笑)。
江尻 勝氏:
実は僕も大会を考えています。僕は大会って興行にしていかないと駄目だと考えていて,最初は規模は小さくてもいいから良い試合を見せて,ショウとして成立させたい。
これは司会ではなく,BRZRK個人としての意見ですが,そろそろ大会の視聴とか観戦でお金を取っても良いんじゃないかなと思うんですよ。
確かにタダはありがたい,でも,そういうところできちんと金が発生するようになれば,よりベターな大会になると思うんですよね。
松井 悠氏:
極端な話,金がなければ配信で,金があれば会場へ,でもいいと思う。
吉村尚志氏:
会場へ直接行かないと分からない空気感とかありますからね。僕は本当は家で配信を見ているほうがサイトの更新とかが楽だけど,会場の雰囲気とか空気感が面白くて会場に足を運ぶかな。
田原尚展氏:
ぶっちゃけ,野球のスタジアム席もそうですよね。遠くて分からないことが多いし,実況なんてないし。でもワーワーできる。あれが空気感なんですかね?
僕は(以前)野球をやってて,球場にもよく足を運んでたんですけど,あの,階段を上って,一気に開けた空間に入ったときの開放感はすごいですよ。あと音による臨場感。
うちのチームの遠征で台湾とか韓国に足を運ぶことがあるんですが,台湾だったら「Garena e-Sports Stadium」,韓国だとAfreecaTVの「Freecup studio」といった具合に,e-Sportsの試合を見せられる大きな配信スタジオがあるんですよ。(それがいま言った球場の空気感に近い。)でも,日本にはそういった物がないのは残念ですね。
4Gamer:
規模でいうとニコファーレと同等とかですか?
江尻 勝氏:
そんなレベルでは足りないですね。とくにFreecup studioはテレビのスタジオで,品質がとてつもなく高いんですよ。200人とか入るキャパなんですが,主催者の人に無料で貸し出している。くどいですが,そういうのは日本だとないですね。
KeSPA(Korean e-Sports Association)のようなプロリーグが10年以上続いている国だと,何がショウアップに必要なのかが明確に分かっているんですよね。だから,観客に見せる技術も育っていくし,番組進行周りも育つし,視聴率も高い。日本でe-Sportsという文化を成り立たせるなら,見せ方についてもっともっと力を入れないと駄目なのかなと危機感を覚えて帰国しました。
松井 悠氏:
うまくマネタイズができないんですよね。スタジオの維持費もばかにならないのでニワトリとタマゴの話になっちゃいます。
4Gamer:
ゴールというか,目標となる方向は見えているけど,今はみんな色々な方向で模索しているから辿り着いてないという感じでしょうか。
松井 悠氏:
正解があるわけじゃないし,何年何月までにパイを大きくしなさいって決まりがあるわけでもない。たぶん,僕らにとってライフワークなんですよ。好きでやってるから,そこに試行錯誤はある。僕と江尻さんは似た方向を向いてるのかもしれないけど,途中でお互いに道が別れることもあるだろうし,それはそれでOKだと思っています。
もう今のフェーズって「身銭切ってる人」「時間を使っている人」「他所から金を引っ張る人」って分かれ始めちゃってる。だから,もう一度最初から仕切り直すことができない。とくに身銭切ってる人と,金を引っ張ってきている人はまさにそうで,走り続けざるを得ない。
まぁ,各自がやりたいようにやれば良いんじゃないですか? 自分の道を続けていれば道が交じり合う可能性はありそうだし。
松井 悠氏:
ほんとそう。「e-Sports? そんなの知らねぇよ」って人は別にそのままでハッピーにゲームライフを過ごせると思うし,知らないと損とか知っているべきというモノでもない。
何かやりたいなと思ったときに必要なのは間違いなく当事者意識で,是非はともかく,「e-Sports SQUARE AKIHABARA」は身銭を切ってスタジオ作った。台湾のリーグに突撃する人もいるし,自分達でいろんな企業からお金を引っ張り出している人もいる。それぞれが当事者になって取り組んでいる。
江尻 勝氏:
各ポジションで信念持ったやり方を続けることですかね。続けることが一番大事。個人的には,まだ日本のe-Sportsはまだまだ拡大フェーズだと思う。
松井 悠氏:
ちなみに今日本でe-Sportsを一番うまくやってるのはサイバーエージェントだと思いますね。e-Sportsっていうものに対して何が一番大事なキーワードかというと「タイトル」と「メディア」と「場」。
タイトルとしては「Shadowverse」(PC / Android / iOS)があって,メディアとしては「OPENREC」や「AbemaTV」がある。しかもリアルのイベントとして「RAGE」もある。それがうまくいかなかったとしても,彼らにはどんどん知見が溜まっていく。
グループ会社の中でタイトルとメディアとイベントが揃っているんで,今一番強いんじゃないですか? 彼らのイベントがこの先2〜3年と続くなら,日本でものすごい存在感を持つと思います。
4Gamer:
結論としては,「色々な道があってe-Sports」くらいでしょうか。駄洒落ですけど。
というわけで,本日はありがとうございました。とても濃ゆい内容だったので次もやりたいですね。
田原尚展氏,松井 悠氏,江尻 勝氏,吉村尚志氏:
えっ?
4Gamer:
えっ?
(2016年夏に収録。撮影:佐々山薫郁)
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