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[TGS 2014]クラウドゲームの新会社「シンラ・テクノロジー」はPC1台では実現できないリッチなゲーム体験の提供とゲーム産業の新しい生態系確立を目指す
既報のとおり,この発表会では,シンラ・テクノロジーが,クラウドの独自技術を活用したサービスを提供することで,これまでになかった新しいゲーム体験の創出と,ゲーム産業における新しい生態系の確立を目指すことなどが語られた。
とくに昨今では,スマートフォンなどの登場によって,ゲームを体験する機会とゲーム人口が増えてはいるが,その半面,ゲーム固有の体験が薄れていく危惧を感じるというのだ。また,大作ゲームは素晴らしいものだが,巨大資本がないと作れないという大きな制約が課されていると語る。
それらをまとめて和田氏は「これまでのビジネスモデルでは,ゲーム産業の生態系を維持できなくなっているのではないか」と表現し,そのような状況の中で,シンラ・テクノロジーでは,「まったく新しいゲーム体験の提供と,ゲーム産業の新しい生態系の確立」を目指すという。
シンラ・テクノロジーが開発したクラウドの独自技術については,後日あらためて詳細が発表されるが,会場内でなされた説明によると,サーバー側のパフォーマンスを大きく向上させることにより,1台のPCやコンシューマ機では実現不可能なゲーム体験を提供するものであり,既存のクラウドゲームとは考え方がまったく異なるという。
また,ビジネス面から見ると,従来のクラウドゲームサービスが既存のタイトルを中心に扱っているのに対し,シンラ・テクノロジーでは,もう一歩踏み込み,クラウドでなければ実現できないゲームを新規開発することで,まったく新しいゲーム体験を提供するという違いがあるとのこと。
関連して和田氏は,このタイミングでシンラ・テクノロジーを発足した理由を,2016年頃にクラウドゲームが世間の注目を集めるであろうことを見越して,デベロッパとともに新規タイトルを開発するためであると説明していた。
シンラ・テクノロジーでは,この技術を使ったクラウドゲームサービスのβテストを,2015年に開始するという。このβテストは,まず2015年初旬に日本でテスター1000人を対象に行われ,続いて北米で行われる予定とのこと。
また,βテストでは,スクウェア・エニックスの次世代エンジンを使った技術デモ「Agni's Philosophy」をリアルタイムで操作できるバージョンをはじめ,「ファイナルファンタジーVII」「Deus Ex: Human Revolution」「Hitman Absolution」「Tomb Raider」といった,同社のヒットタイトルが提供される予定だ。ただし,クラウドサービスの正式稼働時に,これらのタイトルすべてがラインナップされることは保証されないという。これらの詳細についても,続報に期待したい。
「シンラ・テクノロジー」公式サイト
4Gamer「東京ゲームショウ2014」特設サイト
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