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“ドラマティックフライトシューティング”を謳う本作は,シリーズでおなじみの架空世界「ストレンジリアル」が舞台だ。時代設定は,前作「7」から10年後の2029年で,ソトア共和国の侵攻を受けた中央ユージア連合の物語が描かれる。
5月某日,メディア向けの「1st Look 体験会」が開催された。戦火のなかで個性的な人々が綴る物語と,ギリギリの戦いのなかで生まれる新たな“英雄伝説”の片鱗,そして「特殊兵装」の2種搭載や「連鎖破壊」といった新システムなどを体験できたので,その内容をお伝えしよう。
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また体験会のあとに,エースコンバットシリーズ ブランドディレクター・河野一聡氏と,本作のプロデューサー・下元 学氏へのグループインタビューも行われたので,記事の最後に掲載しておく。
ギリギリの戦いを超えてエースに。空の英雄体験はより“深化”を遂げた
本作の舞台となるストレンジリアル世界の2029年は,「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン」と「エースコンバット3 エレクトロスフィア」の間に当たる。
この時期,主人公の属する「中央ユージア連合」(Federation of Central Usea 以下,FCU)は「ソトア共和国」の電撃侵攻によって国土のほとんどを占領されてしまう。
部隊が散り散りに逃げ延びるなか,戦闘機パイロットである主人公は敵に撃墜され,救命ボートで海を漂うことに。そして,残存戦力のひとつである旧式空母「エンデュランス」に拾われ,艦の一員となる。
“シーヴの翼”と呼ばれる伝説のエースで,FCUの希望の象徴でもあるコープとの出会いと別れを経て,「ジョーカー隊」を率いることになった主人公。元大学講師のプロフェッサー,アクロバットチームのスターであるターシャ,ロック好きのノイズたちとともに,再び戦火へと身を投じるのだ。
![]() ジャン・コープ。プレイ序盤で死亡するが,主人公には彼の声が聞こえるようになる |
![]() エリントン・バクスター(プロフェッサー) |
![]() ターシャ・セヴェルスカヤ |
![]() ウィリアム・コスター(ノイズ) |
イベントシーンは,没入感の高い一人称視点で,カメラはある程度自由に動かせる。見渡せる世界は,リアルで臨場感もあり,序盤から一気に物語へ引き込まれる。
艦内を自由に歩き回れるようなFPS的なシステムではないが,戦闘と戦闘の合間には仲間たちと交流することもでき,感情移入も深まっていく。
エースになった体験を味わえるというシリーズのコンセプトと没入感の高い視点がマッチしており,一人称視点への進化は必然であったと感じた。
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戦闘は,良い意味でシリーズらしい内容だった。
現行機向けの作品だけに,グラフィックスはもちろん向上している。さらに,プレイに応じて機体の汚れ方が変わり,そのままにしておくことも,ボタン1つで清掃することも可能だというから,愛機への思い入れがより深まりそうだ。
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広大な戦場に敵味方の戦闘機や地上戦力が入り乱れ,刻々と状況が変化するなかで戦うのも「ACE COMBAT」ならではの体験である。
敵は多く,味方は少なく,やっと一息ついたと思ったら増援が現れるなど,状況は常にギリギリ。「そんなこといわれても,もう無理だ!」と音を上げたくなるのだが,諦めず戦ううちに希望が見えてくるバランスになっており,絶妙としかいいようがない。
戦闘終了後はお馴染みのリプレイが再生されるのだが,アングルや視点を変えてずっと眺めていられるほどの美しさとカッコよさがあった。
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戦闘に彩りを添えてくれるのが,シリーズお馴染みの無線会話だ。
敵は,伝説のエースである自分に恐れおののき,味方は賛辞を惜しまない。得意満面になれる心地よさは歴代作と同様で,今回のエース体験も極上になりそうな感触だ。
敵味方のパイロットがオープンチャンネルで話をすることもあるのだが,戦闘機パイロットという特殊な死生観を持つプロ同士が,ドライななかに人間味がにじみ出るような会話を交わす様は実にカッコいい。
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空中戦のセオリーは,これまでのシリーズと変わらない。
たっぷり積まれたミサイルを遠距離から放ち,これで仕留められなければ近距離で敵の背後に食らいついて弾数無限の機銃を浴びせるというもので,「リアルな空戦」と「爽快感を重視した,ゲームとしての割り切り」の両立が見事だ。
敵の数はとにかく多いので,誰から落とすかはよりどりみどり。良い意味での“いつもの味”であり,一騎当千の爽快感を味わえる。
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戦場を一歩引いた目で見渡さなければならないのも面白いところである。
「エースコンバットZERO」では,エースの条件として“戦況を読める奴”が挙げられていたが,時には目の前の敵を放置し,危険を承知でターゲットへと突進しなければならないケースも出てくるのだからスリリングである。
例えば,敵のなかにこちらのレーダーを妨害するAWACS(早期警戒管制機)が混じっている場合,ミサイルをロックオンできる距離が短くなってしまう。その際は,いったん戦闘機を放置し,その攻撃をかいくぐりつつAWAC機を落とせれば,戦況も一気に好転するわけだ。
なお,前作の空には,雨や落雷,強風といった仕掛けが用意されており,戦闘に大きな影響を及ぼしていたが,今回はこうしたギミック的な部分は控えめになるとのこと。詳しくは後述の合同インタビューを参照してほしい。
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印象的だったのが「連鎖破壊」と「特殊兵装の2種搭載」といった新要素だ。
連鎖破壊は,ある程度大きな機体を部位破壊することで破片が飛び散り,この破片が他の敵に当たることでさらなる破壊を生み出すというフィーチャーである。
攻略に必要な要素ではなく,狙って出すようなものでもないが,発生しやすくなるように敵が配置されたステージは存在するという。うまく起こせれば爽快だし,敵がそこに実在するというリアルさが感じられた。
![]() 大型機が編隊を組んでいるときは,発生させやすそうである |
シリーズではさまざまな特殊兵装を装備できたが,今回はついに2種を同時に搭載可能になった。対空用のミサイルと対地用の爆弾を同時に積むなど,さまざまな事態に対応できるわけだ。
切り替え操作は,1ボタンを押すだけと簡単なのだが,激しい空戦の中でやるのは意外に難しい。筆者は切り替えを誤り,空中の敵に向けて爆弾を投下するようなヘマを何度もやらかしてしまった。
なお,同じ特殊兵装を2つ積んで弾数を増やすこともできる。習熟度に合わせて活用できるシステムで,戦術の幅が大きく広がりそうだ。
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「ACE COMBAT」らしい派手な舞台設定は今回も健在である。
あるミッションでは停泊する敵艦隊の攻撃が任務となるが,これを阻止するため敵エース部隊が迎撃にやってきた。彼らを倒すと対地攻撃のスタートで,建ち並ぶビルの間やトンネルを抜けてのアクロバティックな戦いが楽しめた。
対地と対空の両方が1ミッションで楽しめる,おいしいものがてんこ盛りにされた丼もののようだ。
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とあるミッションでは,敵の陸上戦艦に立ち向かわなければならない。陸上戦艦は全身が武器の塊で,近づこうものなら猛攻撃を浴びせてくる。恐ろしいのが主砲のレールガンで,発射されると空中に巨大な火球の花が咲き,触れれば大ダメージを受けてしまう。
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発射前にはレーダーに予想被害域が表示されるので,これを見て避けるわけだが,発射頻度がそこそこ高いうえ,偏差射撃でこちらの行く手を狙ってくる。
常に陸上戦艦との位置関係を意識し,射線と直交するようこまめにコースを変えなければならないわけで,もう空戦どころの騒ぎではない。加えて周囲からは敵の戦闘機も襲い掛かってくるので,目と手がもう2組くらいほしくなってくる。
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陸上戦艦を止めるため,対空攻撃をかいくぐってキャタピラを狙い,行く手にあるビルを倒してぶつけるなどの仕掛けも多く,もう最終面のような盛り上がりだった。
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別のミッションでは,敵兵器の部品を運ぶ巨人機「大陸間輸送機ポダルゲ」を追撃することになった。雲の中ではレーダーが制限される上,AWAC機の妨害もあるので,巨人機の航跡を目で見て探さなければならない。
ポダルゲは,プロペラや翼など全身が当たり判定の塊であり,自由に部位破壊できる。鈍重なポダルゲにまとわりつき,機関砲を好き放題に浴びせかけかれるのは気持ちがいい。さらに飛び散った破片は,連鎖破壊を引き起こすため,とても爽快に感じられたのだ。
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シリーズの良さをそのままに,より向上したビジュアルで新たな空の英雄体験を目指す
体験会のあと,「ACE COMBAT」シリーズブランドディレクターである河野一聡氏と,「ACE COMBAT 8: WINGS OF THEVE」のプロデューサーである下元 学氏への,メディア合同インタビューが行われた。
作品のコンセプトや制作秘話が明かされているので,興味のある人はぜひ読み進めて欲しい。
![]() 左から,下元 学氏と河野一聡氏 |
――7年ぶりの新作ですが,開発の経緯とスタートした時期を教えてください。
下元 学氏(以下,下元氏):
前作のセールスが好調だったこともあり,2020年から「ACE COMBAT 8: WINGS OF THEVE」の開発を始めています。
――30年続いてきたシリーズとして,変わらないポイントと新しくした部分を教えてください。
河野一聡氏(以下,河野氏):
新作でも“エースパイロット体験”と,自由自在に飛び回って熱いドッグファイトができるところ,自分自身の判断で戦う部分は変えていません。つまり,シリーズのコンセプトは変えていないわけです。
下元氏:
その中で,プレイフィールをより現代風にしたり,コンセプトを深掘りする“深化”を進めています。
河野氏:
グラフィックスの向上に加え,“ビジュアルに機能を含めた”ことは大きな変化ですね。例えば,低い高度では雨が降るなど天候の変化がありますが,高度を上げて雲を抜けると青空が広がります。繰り返し遊ぶうち,雨を見て自分の高度が低いことを意識するようになるんですね。
また,飛行機雲やキャノピーに反射した光が索敵の助けになったり,敵機に攻撃を当てた際に噴き出すダメージ煙で損傷を推測できたりと,ビジュアルがゲームのメカニクスから出してくるサインとしての機能を持っています。見た目がキレイになる進化と,深掘りの深化をしているわけです。
下元氏:
もちろん,高度計を見れば高度はわかります。しかし,ゲーム中に高度計を見るのは,うまくて慣れた方でないとできません。今回の方式だと,直感的に高度が分かりますし,初心者の方にもより優しいものにできたんじゃないでしょうか。
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河野氏:
あとは,ゲームの裏側の設計を大きく変えています。
敵へのダメージですが,過去作では敵に表示される「コンテナ」(敵を囲う枠)部位に攻撃が当たり,そのほかの部分は当たり判定がありませんといった形でした。
そのため,機銃などで攻撃するときはコンテナ部分を狙ってください,とゲーム側の都合を押し付けてプレイしていただいていたところがありました。
しかし,これでは時代遅れだろうということで,ダメージ関連の設計をすべて見直しました。大型機の機体は,コンテナ表示されない部分であってもダメージを与えられます。
また,搭載された兵器を破壊すると,爆発のダメージが本体に入るようになりました。結果として,同じ大型機でも,プレイの仕方に応じてやられ方が変わるようになっています。
今まで通りにコンテナが出る部位を狙ってクリアもできますし,状況によっては機関砲で最速撃破もできるなど,自由度がアップした設計になっています。
――シリーズの歴史も長いですが,今回初めて触れる人でも問題なくプレイできるでしょうか。また,これまでの作品とストーリー上のつながりはありますか。
下元氏:
物語は本作だけで完結しているので,初めての方でも楽しんでいただけます。ただし,前作をご存じの方であれば,おっと思えるようなシーンも入れてありますよ。
ゲームの難度ですが,従来作の経験者に向けた「ベテラン」のほか,少し簡単な「パイロット」,さらにストーリーだけ追いたい方に向けた「ルーキー」を用意してあります。
アクションが苦手な人でも安心してプレイできますので,シリーズ初の方もぜひプレイしてみてください。
――ジャンル名が“ドラマティックフライトシューティング”になっている理由は何でしょう。
下元氏:
前作をプレイされた海外の方を中心に,「ジャンル名が『フライトシューティング』なのに,まさかストーリーがあると思わなかった」というお声をいただくことが多かったからです。
過去作をプレイした方にはご存じのとおり,プレイヤー自身が英雄になっていく体験を大事にしているシリーズですから,物語性があることを伝えたいという理由から“ドラマティック”の単語を付けました。
――ストーリーモードに一人称視点を採用した理由を教えてください。
河野氏:
プレイヤーさんご自身が英雄になっていくストーリーですが,シネマシーンが3人称だと,自身がどこにいるか分からない……という点に疑問を感じたからです。
今回は,仲間たちと同じ地面に立って,空では一緒に戦う体験を大事にしたいということで,“あなた”がモニターの向こう側に降り立った一人称としました。
ただ,全てが一人称というわけではありませんし,一人称ならではの出会いなど,色々な仕掛けがありますよ。
――キャンペーンモードのボリュームは,どのくらいありますか。
下元氏:
前作に比べて増えています。体験会に参加した皆さんのペースですと,戦闘機集めやトレーニングまで含めて25時間くらいでクリアできると思います。ボスもたっぷり,ミッションのバリエーションもたっぷりです。
――ミッションのバリエーションについて教えてください。
河野氏:
30周年ということで,これまでのいいところを見直してみようというコンセプトで,さまざまなものを用意しました。シリーズを続けていくうちに消えたようなものも含めて,ミッションバリエーションやメカニクスを作りましたので,期待してもらえればと思います。
――ゲームモードは,どんなものがあるのでしょうか。
下元氏:
ストーリーを追うキャンペーンモードはもちろんのこと,シリーズ最大規模のオンラインモードが登場します。オンラインモードについては,続報をお待ちください。
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――ビジュアル表現において注力したポイントを教えてください。
河野氏:
“奇麗なだけでなく,機能を持ち合わせたビジュアル”が課題となっています。
先にお話しした雲や雨のように,機能を持つビジュアルがプレイヤーにサインを発していて,ここから予測や推測を立てて戦う,判断の自由を広げたビジュアルになっています。
――開発にあたって,実機取材やロケハンは行いましたか。
河野氏:
サウンドは,真夏の沖縄で実機の音を収録してきました。
下元氏:
いつ飛んでくるか分からない戦闘機に向け,ガンマイクをひたすら構え続ける地獄のような収録でしたね(笑)。
河野氏:
また,実際の空母がそのまま博物館になっている場所に赴き,資料を収集したり,レーザースキャンやフォトグラメトリも行いました。
それというのも,今回は100km四方のマップ内に空母と戦闘機とハンバーガーが1/1スケールで同居する世界だからです。
今までのシリーズは2倍スケールで作っていたんですが,カメラが寄るとどうしても違和感が出てしまっていました。今回,主人公の一人称カメラから見ても何の問題もないのは,こうした取材の賜物です。
下元氏:
爆発音を収録する際は,実際に火薬を爆発させたり,シネマティックシーンでは複数のマイクを使って立体的な音を録るなどして,プレイヤーさんが同じ空間にいる感覚を表現しています。
できれば,7.1.4チャンネルなど最高の環境でプレイしていただきたいですね。
――本作を開発する際,影響を受けたコンテンツはありますか。
下元氏:
前作でコラボさせていただいた有名戦闘機映画には,大きな影響を受けています。特に,空戦時に仲間の顔が写っているカットなどは,あの映画から取り入れたものですね。
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――今後,一般に向けた試遊の機会は予定されていますか。
下元氏:
選べるステージは限られていますが,7月以降にイベントを準備しています。ぜひ最新作を触っていただきたいです。
――今回,強化パーツを従来のコスト制から「ARMS」「BODY」「MISC」というカテゴリ&枠数制にした狙いを教えてください。
下元氏:
オンラインモードで,戦闘機のロールを含めた遊びを成立させるため,戦闘機ごとの特色を出したいということで,今回の方式にしました。オンラインモードには,もう一歩踏み込んだ機体カスタマイズがありますので,改めての機会に説明させていただければと思います。
――「MISC」枠に「増槽」という装備がありましたが,どういった機能を持つのでしょう。
下元氏:
入れるかどうかは揉めたんですが,メカニック班が「戦闘機のカッコよさを扱う以上,増槽がないのはどうなんだ」「どうしても増槽を付けたい」ということで実装しました。
ゲームとしての機能はありませんが,特殊兵装ボタンを押すと切り離してごっこ遊びができるパーツですね。
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――連鎖破壊は狙って起こす,クリアに必須の仕組みなのでしょうか。それとも偶発的に発生するものなのでしょうか。
河野氏:
連鎖破壊を必殺技のようにしたくないし,起こせないとクリアできないということでもありません。地上にあるオイルタンクのようなものを除き,偶発的に発生することを考えています。空中に飛んでいる敵機を狙って落とし,これを敵にぶつけるなんてことは狙ってできるものではありませんから。
ただ,爆撃機が並んで飛んでいる際,ミサイルより機関砲を使うと大きな残骸が出るため,当たる確率が高いといったことはあります。
ゲームとは,水槽のような器を棒でかき混ぜるものであると考えると,ゲームは器,機関砲やミサイルは棒になります。魔法や連続技,超必殺技なんてものが使えない戦闘機である以上,ゲーム性を深くするには棒をシンプルにして,器側のリアクションをいかに変えるかになります。
シリーズの歴史でも,機関砲は使う人とそうでない人が分かれるんですが,今回ゲームの器側の懐を深くしていくと,ここにアプローチする手段である機関砲とミサイルの使い方も変わってきたということですね。
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――戦闘機をゲームに登場させる際,ライセンサーからの許諾を得ておられるわけですが,印象に残ったやりとりはありますか。
河野氏:
ライセンサーの方々は,自社の戦闘機が精密に再現されているかを非常に気にされます。
我々としても間違いがないよう制作を進めますが,戦闘機は軍事機密の塊であるため,公開情報だけで作るにも限界があるんです。
いただける情報の中には世に出ていないものもありますが,できるだけ正解に近づけていく作業を進めました。なお,戦闘機を選択した際の説明文も,ライセンサー様のご意向が反映されたものです。
――ドラマに関するこだわりを教えてください。
河野氏:
インゲームのカットシーンではドラマを作るのが大変でしたね。セリフの間を1秒開けるかどうかで感情が変わってきますから,声優さんの演技をチェックしながら再生タイミングをこだわって決めています。
また,ゲーム内のBGMがインタラクティブミュージック的になっていて,プレイヤーさんがいつプレイを終えても違和感なくドラムの音で締めくくるよう,リアルタイムでコントロールするといったこともしています。
――前作では,落雷をはじめとしたギミックや,無人機で苦しめられたプレイヤーも多いです。今回はどのようになっているのでしょうか。
河野氏:
確かに,前作では「無人機よりは有人機と戦いたい」「落雷に苦労した」といったお声も多かったため,色々と見直しました。
例えば,敵との戦いも魅力的な有人機との対決を多くし,無人機はその補佐として使っています。雷は自分から積乱雲に近づかない限り当たりません。戦いの最中,自ら積乱雲に入ることもできますが,ここはプレイヤーさんの判断に任せる作りになっています。
――最後に,ファンの方々にコメントをお願いします。
下元氏:
本作は,過去のシリーズ作品に触れていない方も楽しんでいただけるように作っています。
新しいゲームジャンルに挑戦する意味でも,手に取っていただけるとうれしいです。シリーズファンの皆さんには,30年の歴史をギュッと凝縮したようになっていますので,安心して発売日をお待ちください。
河野氏:
30年の歴史は,皆さんのご支持があってのことなので,感謝しています。
ここまでシリーズを続けさせていただき,ありがとうございました。……といっても「ACE COMBAT」が終わるわけではありません。7年かかっただけの内容にはなっていますので,ぜひ楽しんでいただければと思います。
――ありがとうございました。
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