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App Storeの販売手数料を15%に引き下げ。中小アプリデベロッパ向けの新たなパートナープログラムをAppleが発表。2021年1月1日から
Apple、App Store Small Business Programを発表
新しいApp Store Small Business Programに開発者は大いなる可能性を見る
「App Store Small Business Program」と名付けられた新たなプログラムは,パートナーとして現在登録されているゲームメーカーおよび個人のうち,年間アプリ販売の総売り上げが100万ドルに達していないデベロッパを対象にしたもの。売り上げが100万ドルに達した時点で,その年の残りの期間の販売手数料が15%から30%に引き上げられる仕組みだ。
また,100万ドルを売り上げたデベロッパでも,翌年にそれを超えられなかった場合は15%に引き下げられるとのことで,チェック方法の詳細などについては,後日デベロッパ向けに改めて発表されることになるようだ。
App Storeがスタートしたのは2008年8月で,2019年にはApp Storeのエコシステム全体が5190億ドル(約55兆円)に達したと発表されている。この数字はAppleの販売手数料売り上げだけでなく,App Storeを舞台にしたすべての経済活動を広範に網羅したものだが,同社の利益を支える重要なバックボーンに成長したことは間違いないだろう。
Apple、App Store経済圏を通じて、2019年には5000億ドル以上の規模の経済活動を促進
しかし,8月24日に掲載した連載記事でもお伝えしたように,多くのアプリ開発者がAppleの30%という販売手数料に不満を示すようになってきた。2020年に入ってからは,Appleが独占禁止法に抵触しているのではないかという調査を欧州連合が進めており,今回の新たなパートナープログラムの発表には,そうした批判をかわす狙いもあるかもしれない。
現在,スマートフォンのアプリ市場の約25%を占めるといわれるApp Storeだが,最新の発表によれば180万タイトルがラインナップされており,40か国語をサポートした175のストアを展開,45種類の通貨が利用され,180におよぶ支払い方法に対応。毎週10万を超える新作アプリがAppleのチェックを受け,そのうち90%が24時間以内にApp Storeに並ぶという。
Appleは,この「App Store Small Business Program」により,中小規模のデベロッパでも競争力を維持し,次回作への投資が行いやすい環境が整備されるとしている。デベロッパ視線に立ったエコシステムが構築され,Appleの言う「より信頼のできるストア」としてのApp Storeを期待したい。
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