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新CPU「Broadwell」と次世代Atom「Bay Trail」が披露。組み込み向けの新SoC「Quark」も発表されたIntel Developer Forumレポート その1
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印刷2013/09/12 00:00

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新CPU「Broadwell」と次世代Atom「Bay Trail」が披露。組み込み向けの新SoC「Quark」も発表されたIntel Developer Forumレポート その1

 北米時間2013年9月10日から12日まで,Intelはサンフランシスコにて,毎年恒例の開発者向けイベント「Intel Developer Forum」(以下,IDF)を開催した。
 3日間行なわれるこのイベントは,ハードウェア/ソフトウェア開発者に向けて,Intelの現行製品と次世代製品に関する情報を公開し,対応製品の普及を促進するために開かれるものだが,その年後半から翌年にかけて登場する新CPUやプラットフォームに関する情報が多数公開されるので,IT業界人やウォッチャーにとっても,重要なイベントとなっている。

初めてのIDF基調講演に臨んだBrian M. Krzanich氏(CEO,Intel)
 今回のIDF 2013(以下,IDF13)では,2013年5月に同社CEOに就任したBrian M. Krzanich(ブライアン・クルザニッチ)氏が,基調講演に登壇して「IDFデビュー」を飾った。IDFでは毎年,同社CEOが初日の基調講演を務めるのが慣例となっており,今後のIntelが目指す方向性を語ることになっている。
 ただし,今回の基調講演はクルザニッチ氏による独演会というわけではなく,同氏と同じく,5月にIntelの社長(President)に就任したRenée J. James(レニイ・ジェームズ)氏も講演の一部を担当するなど,役割分担が行われていた。1日めに開催された基調講演の概要をレポートしよう。

14nm世代のCoreプロセッサ「Broadwell」

プロセス開発は順調で2014年末には登場


 基調講演で大きく取り上げられたのは,「Broadwell」(ブロードウェル,開発コードネーム)と「Bay Trail」(ベイトレイル,同)という2種類のプロセッサだ。まずは,2014年に登場する予定の,次世代CoreプロセッサであるBroadwellに関する話題が取り上げられた。

次世代CoreプロセッサであるBroadwellは,「世界最初の14nm SoC」だという
Core i7・i5・i3・M(Broadwell)
 よく知られているように,Intelは製造プロセスの更新とCPUアーキテクチャの改良を,毎年交互に繰り返す“Tick-Tock”(チクタク)戦略によって,製品をアップデートしている。最近の例でいえば,第3世代Coreプロセッサこと「Ivy Bridge」は22nmプロセスを導入した“Tick”で,第4世代Coreプロセッサこと「Haswell」は,同じプロセスを使いながらアーキテクチャを改良した“Tock”に当たるというわけだ。
 2014年に登場予定のBroadwellは,製造プロセスを14nmに変更した“Tick”に当たるプロセッサである。現状の22nmよりもさらに微細化の進んだ14nmプロセスで製造されることで,消費電力や動作周波数といった特性がどう変化するのかは,Broadwellの成否を握る非常に重要なポイントだ。

クルザニッチ氏が披露したBroadwell搭載ノートPCのデモ機。動作していることは分かるのだが,具体的なデモやベンチマーク結果の公表はなかった
Core i7・i5・i3・M(Broadwell)
 今回の基調講演では,Broadwellのアーキテクチャについて詳細な解説が行われず,「14nmプロセスの開発は順調である」といったアピールに終始した。2014年末には製造体制が整い,Broadwellをメーカーに提供開始できるだろうとのこと。そうなると,順調に行けば2014年末から2015年初頭のタイミングで,Broadwellを搭載したPCが市場に登場しそうだ。
 講演では,Broadwellの試作品を搭載したというノートPCが披露されたものの,その動作デモが披露されなかったのは残念だった。


22nmプロセスとアーキテクチャ更新が行われるAtom

ARM系プロセッサに対して性能/消費電力で優位に


Intelはタブレットに対して,CoreプロセッサとAtomの2本立てで攻め込む。どちらもWindowsとAndroidに対応する
Core i7・i5・i3・M(Broadwell)
 Broadwellは2014年末の登場で,大きな話題とはいえ具体的な情報は乏しかった。それに対して,年内に製品が出荷されるBay Trailは,まさに基調講演の主役としてスポットライトを浴びていた感がある。

 新世代のタブレット向けAtomプロセッサであるBay Trailでは,CPUコアのマイクロアーキテクチャが,「Silvermont」(シルバーモント,開発コードネーム)に変更されるという,Atom始まって以来の大変革がやってくる。
 開発コードネーム「Clover Trail」の名で知られる,現在のAtom Z2500世代は,32nmプロセスで製造されていた。これはPC用のCPUで言うなら,2011年に登場した第2世代Coreプロセッサ(Sandy Bridge)と同じ世代のプロセス技術だ。それがSilvermontベースの世代になると,Ivy BridgeやHaswellと同じ22nmプロセス世代に移行する。Silvermontでは,22nmプロセスへの移行とアーキテクチャの変更により,既存のAtomと比べて2倍の性能を実現すると言われている。

スマートフォン向けの次世代Atom「Merrifield」を搭載したスマートフォン試作機を披露。ただし,こちらもデモはなし
Core i7・i5・i3・M(Broadwell)
 基調講演でIntelは,スマートフォン用のSilvermontベースのスマートフォン用Atom「Merrifield」(メリーフィールド,開発コードネーム)を使った,スマートフォンの試作機を公開し,その開発が順調であることを示した。
 Intelにとって22nmプロセスは,Ivy BridgeやHaswellの製造で十分な実績を積んだものだ。とはいえ実際には,同じプロセスルールをベースにするとはいえ,性能を重視したPC用CPUに使われるトランジスタと,消費電力を重視したモバイル向けCPUやSoC(System-on-a-Chip)に使われるトランジスタは,厳密には異なる。共通部分は多いものの,スマートフォンやタブレット用のプロセッサを22nmプロセスで製造するとなれば,Intelにとっても未知数の部分がないわけではない。

 だが22nmプロセスでスマートフォン用SoCを製造することには,Intelにとって大きなメリットがある。なぜなら,この分野で競合となるARM系プロセッサは,そのほとんどがTSMCとGLOBALFOUNDRIESという大手ファウンダリ(半導体製造事業者)で製造されている。そしてこれらのファウンダリは,22nmプロセスでSoCを製造,供給する能力を持たない。そのため,現在主流のスマートフォンやタブレット向けSoCは,その多くが28nmプロセスで製造されているからだ。
 それゆえに,Intelが22nmプロセスでAtomベースのSoCを製造可能になると,競合に対して消費電力面で非常に有利となる。28nm世代のARM系SoCと同程度の性能でいいならば,より低消費電力なSoCが実現できる。また逆に,同程度の消費電力にするならば,ARM系SoCより高い性能を実現できるようになるというわけだ。


IntelのSoCに他社のIPを載せる?

これまでになかったSoC「Quark」を発表


 BroadwellとBay Trailは,現行製品を更新するものとしてすでに知られた存在で,IDF13の基調講演で語られるのは当然といった雰囲気があったが,隠し球的に発表された「Quark」(クォーク,開発コードネーム)と呼ばれるプロセッサは,今までのIntelにはない製品だった。
 Quarkは組み込み向けのプロセッサだが,Intelが内部すべてを設計するAtomとは異なり,外部のSoCベンダからの注文に応じて,それらの企業が保有するIP(プロセッサ回路の設計情報)と組み合わせることで,カスタム化されたSoCを製造するというものだ。ただし,そのカスタムSoCをIntel以外のファウンダリでも製造可能とするのかについては,情報がなかった。

Core i7・i5・i3・M(Broadwell)
クルザニッチ氏が披露した,Quarkファミリーの「Quark X1000」……といっても小さすぎて,写真ではほんの小さくしか写せなかった
Core i7・i5・i3・M(Broadwell)
Quarkはx86系の命令が実行可能なSoCで,他社のIPと「論理合成」(Full Synthesizable)が可能……,つまり他社の持つ機能を組み合わせたSoCを作れるというもの

Quark X1000を使って作られた試作品のデバイス。身につけられる程度の機器に使われるので,低消費電力化は必須だ
Core i7・i5・i3・M(Broadwell)
 基調講演では,「Quark X1000」という型番のSoCが披露された。これは主に「IoT」(Internet of Things)と呼ばれる,機器同士をネットワーク化するシステムや,ウェアラブル機器への応用を想定したものであるようだ。これらの機器は,Wi-FiやBluetoothなどを介してインターネットと接続し,オンラインサービスと組み合わせて動作する。身につけられる体重計や万歩計のようなものが,該当する機器だろうか。
 これらは,機器としては比較的小さめなので,小さなバッテリーで長時間動作する必要がある。さらにインターネット接続機能も必要であるうえ,自分が接続されているネットワークを理解して,自動的にサービスを運営しているサーバーへと接続しなくてはならない。そのため,比較的高度なネットワーク処理をこなせる,言うなれば初期のスマートフォン程度の性能を,低消費電力で実現することが求められる。

Quarkファミリーの開発ボードサンプル
Core i7・i5・i3・M(Broadwell)
 Quark X1000はAtomよりも小さく低消費電力で,フットプリントでは5分の1,消費電力が10分の1になるという。おそらくQuarkのアーキテクチャは,32bitのx86アーキテクチャではないかと思われる。なぜなら,数年前にIntelは,PentiumをFPGA※1で実現したものを公開したことがあった。Pentium程度のプロセッサを最新のプロセスで作れば,IoT用途への応用には十分だろう。
※1 Field-Programmable Gate Array。プログラムで構成可能な汎用チップ。


PC用CPUからSoCへ ビジネスの方向転換を見せたIntel


 AMDはPlayStation 4やXbox Oneのプロセッサで,JaguarコアやGCN世代のGPUに,ソニー・コンピュータエンタテインメントやMicrosoftのIPを組み合わせたカスタムSoCを設計することに成功した。x86プロセッサに他社のIPを組み合わせるというQuarkのアプローチは,これと似たものであるように見えるかもしれないが,ターゲットとしている製品はまったく異なるものであり,むしろARM系プロセッサが使われている組み込み系SoCに,切り込んでいくものではないだろうか。

 今回の基調講演では,IntelがCPUやPCの製造サポートといったPC中心のビジネスから,さまざまな回路を集積して,特定目的に利用するSoCのビジネスへと明確な方向転換をしたように見えた。Atom系プロセッサは,スマートフォンやタブレット,サーバー用など用途ごとに製品の持つ機能を明確に分けていこうとしているし,Quarkファミリーに至っては,特定製品にだけをターゲットとしたSoCを作るためのものだ。
 今年Intelは,CEOや社長だけでなく,多くの役員も交代した。IDFはその昔,Intel本社のあるサンノゼで開催されていた時代があったが,当時活躍していた役員は,もう誰も見かけなくなった。会社そのものが世代交代することで,Intelのビジネススタイル自体が大きく変わりはじめる。2013年のIDFは,まさにそうした節目を実感させるイベントであるように思える。

IDF13 San Francisco 公式Webページ

  • 関連タイトル:

    Core i7・i5・i3・M(Broadwell)

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    Atom

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