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韓国の学生14人が作る卒業制作ゲームのゴールはどこか。釜山のインディーイベントでルーキー2部門受賞の「Soom」開発チームに聞く[BIC2026]
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印刷2026/08/18 18:29

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韓国の学生14人が作る卒業制作ゲームのゴールはどこか。釜山のインディーイベントでルーキー2部門受賞の「Soom」開発チームに聞く[BIC2026]

 BIC2026の会場で,筆者がブース前を通りがかるたびに試遊の待ち列を見かけたのが,トップビューのアクションアドベンチャー「Soom」だ。開発は,韓国・釜山の東西大学校(トンソ大学校)ゲーム学科に通う学生14人からなるチームSmallBootsで,本作は卒業制作にあたる。

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ブースの来場者は,グッズの減り方から逆算しておよそ100人。グッズ制作には大学側のサークル支援制度のようなものがあり,サークルの予算から捻出したそうだ
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 2日続けて列が途切れなかったので,最終日の朝イチにプレイしに行ってみた。会場にいた開発者にプレイしながら話を聞いてみて,学生による作品だと気づいた。

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 韓国の学生作品は,そのままリリースできそうな印象なのに,リリースの予定を聞くと「うーん」という顔をされることが多い。PC向けの配信プラットフォームがたくさんある時代なので,出すだけなら簡単そうだが,そうでもないらしい。
 せっかくなので,どのように制作を進め,ゴールをどこに置いているのか,といった話も聞いてみた。

左から,イ・ジュヒョン氏(3Dアート),キム・ジュミ氏(2Dアート),ハ・ミョンジュン氏(QA),ヒョン・ガウン氏(アート)
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 Soomは,封印から目覚めたトーテムの神「リフ」となり,人間の欲望から生まれた怪物に立ち向かうアクションアドベンチャーだ。
 アートは,見た目からも感じられるように「Sky 星を紡ぐ子どもたち」をイメージしているという。森や遺跡を探索し,トーテムを集め,ボスと戦う。

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 雰囲気が良く,BIC2026のルーキー部門では,「Excellence In Art」「Excellence In Game Design」の2つのアワードを受賞している。

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 「Sky 星を紡ぐ子どもたち」といえば戦闘のない作品なので,なぜ戦闘を取り入れたのかと聞くと,企画担当が卒業制作でアクションゲームを作りたかったことが出発点だという。
 攻撃とパリィを軸にした戦闘で,ゲーム部分は「ゼルダ」シリーズと,トップビューのソウルライク「Death's Door」を参考にしている。

パズル要素も道中にある
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 チームは当初15人でスタートし,現在は14人。グラフィックスが特徴的なので,アート担当が多いのかと聞いたところ,メインで担当しているのは3人だという。ただ,モデリングには14人全員が何らかの形で関わっている。
 大学の学科では企画,プログラミング,アートの3分野に分かれているが,履修次第でほかの分野も学べるため,「バンドで少しずつ別の楽器も弾けるような感じ」で,皆ほかの領域も多少できるそうだ。

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 皆が多少できるなら,アートの方向性で迷いが生じそうなものだ。バンドでも,「音楽性の違いで解散」というのはよく聞く話だろう。
 序盤は各々が好みのスタイルで描き始め,写実寄りと独自のテイストが混在し,色の明暗もバラバラだった。「このままでは終わらん」となり,開発中盤に1人がテクスチャを一手に引き受け,方向性を一本化した。
 色味だけは決まっていたので,まったく違うものにはならなかったそうだ。

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 そもそも,学生はどうやってチームを組むのか。同学科では在学中に3本のゲームを作る。1本目が2年後期,2本目が3年前期,そして3本目は3年後期から4年後期までの1年間をかけて卒業制作に取り組む。

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 まず企画担当がプレゼンを行い,教授陣と学生の投票で5〜6本に絞られ,残った企画に対して他ポジションの学生が志望を出す。
 企画の総数があらかじめ制限されているため,人数の偏りが起きにくい仕組みだ。加えて,プレゼン前に「一緒にやらないか」と声をかけ合うことも多く,過去のプロジェクトで手応えのあったメンバーが再結集するケースもある。

 今回話を聞いたアート担当の1人も,1本目のチームがうまくいったので迷わず合流したという。もう1人は途中からの参加で,自分が見た当初の企画書とは内容が変わっていたと笑っていた。

 では,卒業制作のゴールはどこにあるのか。答えは明快で,「G-STARの大学ブースに出展すること」だった。
 まず8月末ごろに教授陣による審査があり,そこを通過した作品がG-STARの舞台に立つ。完成度は本人たちいわく「10段階で8〜9」。明確な締切ラインが引かれているというより,教授が制作過程を継続的に見ているという運用らしい。

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 正式リリースについては,教授が「いけそう」と判断した作品には支援の話が持ちかけられ,企画担当を通じてメンバーの同意を取ったうえで進むかどうかが決まるという。
 費用面まで大学が見てくれるのかについては,自分たちもまだ経験していないので分からないと前置きしつつ,支援はしてもらえると認識しているとのことだった。

 リリースには細かい調整やバグ取りも必要になる。会場では開発者が近くにいてサポートできるが,オンラインではそうはいかない。14人もいるので,リリースするにしても,さまざまな合意が必要だ。
 作品の出来栄えに関係なく,リリースには越えなければならないハードルがいくつもある。教授や学校側のサポートがあるかどうかなど,学生作品には学生作品ならではのハードルも重なる。そもそもゴールはリリースだけではないのだと,改めて実感した。

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