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ブラジルにみる「プレイヤー中心主義」の極意。Riot Gamesがコミュニティの情熱をマーケティングの核心へと変える手法とは?[gamescom latam 2026]
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印刷2026/05/07 19:35

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ブラジルにみる「プレイヤー中心主義」の極意。Riot Gamesがコミュニティの情熱をマーケティングの核心へと変える手法とは?[gamescom latam 2026]

 ブラジルのサンパウロで開催されたゲームイベントgamescom latam 2026で,Riot Gamesによる「ライブフィードバックを通じてプレイヤー主導の世界を築く」(Riot Games: Building Player-Driven World Through Live Feedback)と題したセッションが行われた。

 参加したのは,Riot Games本社のLead of Creative Communityであるマット・ブッシュホルツ(Matt Bushholtz)氏,Global Social Media Marketing Leadのノエミ・クート(Noemi Coute)氏,そして「チームファイト タクティクス(TFT)」のSenior Directorであるデレック・チャン(Derek Chan)氏。モデレーターはゲームジャーナリストのディーン高橋(Dean Takahashi)氏が務めた。

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 セッションタイトルは一見,運営側による一方的な手法の提示にも聞こえる。しかし,その核心は,ゲーマーコミュニティが放つ「生の熱量」をいかにして開発の意思決定に直結させるかという,極めて実践的なコミュニティ運営の方法論だ。ブラジルという世界屈指の熱量を持つ市場で,開発チームがいかにプレイヤーの声を拾い上げ,それを「リーグ・オブ・レジェンド」「VALORANT」「チームファイト タクティクス」といったタイトルに反映させているのかが紹介された。

 「ブラジルのプレイヤーは,ミームの戦争があれば間違いなく世界一だ」。登壇したRiot Gamesの開発陣がそう語る背景には,ブラジル支社が14年間にわたって現地のコミュニティマネジメントで培ってきた,オーセンティックな運営手法があるようだ。
 同社のブラジル拠点には,現地文化を呼吸するように理解する「ライター(Riot社員)」が常駐し,ソーシャルメディアを通じて100%ブラジル人のためのコンテンツを発信し続けているという。

Riot Brazilのサンパウロオフィスは,南国らしい雰囲気が印象的だ
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 その象徴的な事例が,「チームファイト タクティクス」における「ドラゴンのバグ」のエピソードだろう。宇宙飛行士バードがUFOでユニットを連れ去る際,本来は対象外のPvEモンスター「ドラゴン」まで連れ去り,あろうことか自分のボードに配置できてしまうという深刻なバグが発生した。
 しかし,このカオスな状況を面白がったコミュニティの反応を受け,開発チームはこれを即座に修正するのではなく,あえてゲーム内の仕様として受け入れ,期間限定でそのまま遊べるようにしたという。
 こうした「遊び心のある不備」をコミュニティとの対話の道具に変えてしまう柔軟さは,まさにライブサービスの極意といえるかもしれない。

 セッション後半では,話題は「コミュニティからのフィードバックの取捨選択」という運営の本質へと及んだ。Riot Gamesでは,内部の専門チームによるデータ分析に加え,特定のキャラクターをこよなく愛するプレイヤーを企画段階で招集する「Council of Mains」(メイン使用者の評議会)を組織しているという。
 例えば,「リーグ・オブ・レジェンド」のチャンピオンであるモルデカイザーの新作スキンにおいて,コミュニティから「モルデカイザーらしくない」と懸念の声が上がった際には,RedditやDiscord,各地の地域オフィスを通じて熱狂的なファンを招集。15人ほどの評議会メンバーのうち,実に5人がブラジル人プレイヤーだったという。
 彼らとの濃密な議論を経てデザインを修正し,最終的にコミュニティが「これこそ自分たちの愛するキャラクターだ」と納得できる形で,新たなアートを実装するに至ったそうだ。

ブラジルの「LoL」コミュニティでは絶大な人気を誇るモルデカイザー。ポルトガル語圏では「Mordekaiser es numero uno」(モルデカイザーが一番!)というミームも存在するほどだ
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 「我々はあえて語りすぎず,プレイヤーに発見の手綱を委ねることにした」と開発陣は語る。この言葉には,ゲーマーコミュニティを単なる消費者ではなく,ゲーム世界をともに形作る「パートナー」として捉える,同社の思想が表れているのかもしれない。
 ともすれば「不満の表明」か「過度な忖度」に陥りやすいゲーマーコミュニティと運営者の関係だが,どこか肩の力を抜きつつも真剣な議論を好むブラジル人の気質のようなものがうかがえるセッションとなっていた。

 ブラジルの圧倒的なエネルギーを燃料に,Riot Gamesが実践するプレイヤー中心主義のマーケティングは,今やグローバルな運営モデルの最前線を切り開いているといえそうだ。

gamescom latam 2026のRiot Gamesブースは,多くの来場者で賑わっていた
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