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「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた
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印刷2020/11/11 21:48

テストレポート

「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた

 2020年11月10日に発売となったMicrosoftの新世代ゲーム機「Xbox Series X」を,筆者は幸運にも発売日に入手することができた。本製品に関する記事は,すでに4Gamerでも多数掲載しており,ハードウェアに関する情報も詳しく紹介済みだ(関連記事関連記事2)。
 そこで本稿では,Xbox Series Xの本体に関する記事のトリを飾るものとして,お待ちかねの分解レポートをお届けしよう。

今回の犠牲者……主役となるXbox Series X(左)と製品ボックス。なお,製品ボックスの中身や本体の外観写真は,こちらの記事を参照してほしい
画像集#002のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた

※注意
 ゲーム機の分解はメーカー保証外の行為です。分解した時点でメーカー保証は受けられなくなりますので,本稿の記載内容を試してみる場合には,あくまで読者自身の責任で行ってください。分解によって何か問題が発生したとしても,メーカーはもちろんのこと,筆者,4Gamer編集部も一切の責任を負いません。また,今回の分解結果は4Gamerが入手した個体についてのものであって,「すべての個体で共通であり,今後も変更はない」ことを保証するものではありません。


背面パネルを開けて内部を確認


Xbox Series Xの内部には,背面パネルを開けてアクセスする
画像集#003のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた
 横長の筐体を採用していたXbox Oneシリーズは,底面のパネルを開けて内部にアクセスする構造を採用していた(関連記事関連記事2)。それに対して,縦長の筐体になったXbox Series Xは,背面パネルを開けて内部にアクセスする仕組みに変わっている。
 とはいえ,背面をパッと見ても,ネジ孔の類は見当たらない。背面パネルを開けるためのネジは,背面中央にあるライセンス表記や各種認証マークが描かれたシールと,背面下側中央,HDMI出力端子の下にあるシールで隠されているのだ。シールは,はがすと簡単には元に戻せないタイプなので,ユーザーがXbox Series Xの内部にアクセスしたことが,はがれたシールから分かるわけである。
 なお,Xbox Series Xで使われていたネジは,すべてネジ孔が「*」型をしたいわゆるトルクスネジ(トルクスビス)で,ネジ孔のサイズはすべて共通だった。

背面中央のライセンス表記シール(左)と,背面下側にあるシールをはがさないとネジ孔は見えない
画像集#005のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた 画像集#004のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた

 背面パネルを外した状態が,以下の写真となる。上側にある黒い物は空冷ファンで,下側中央にある銀色の構造物は,メイン基板とサブ基板に挟まれた「センターシャシー」だ。センターシャシー左側には,SoC(System-on-a-Chip)用の大型ヒートシンクで,右側には電源ユニットと,写真では視認できないがBlu-rayドライブがある。
 SoC用ヒートシンクの上下に空きがあるものの,ぎっしり詰まった内部という印象だ。

Xbox Series Xの背面パネルを開けて,内部を覗いた状態
画像集#006のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた

 空冷ファンの側面には,Xboxを代表するキャラクターである「マスターチーフ」の顔が刻印されていた。Xbox One Sでも,内部にマスターチーフの刻印があったので,Xbox開発チームお気に入りのお遊びといったところだろうか。

冷却ファンの側面には,マスターチーフの刻印があった
画像集#007のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた

内部のパーツには,センターシャシーに「01」,Blu-rayドライブ背面のカバー部分に「03」と書かれていた。分解や組み立ての順番を示すのかと思ったが,そうではないようだ
画像集#008のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた 画像集#009のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた

 Xbox Series Xの中心部に触れるためには,まだいくつものネジを外さなくてはならないが,空冷ファンだけは,ファン用の電源ケーブルを外すだけで簡単に取り外しが可能だ。
 Xbox Series Xの冷却は,基本的に下側から新鮮な空気を吸い込んで,上側の空冷ファンで上に向かって排気するというシンプルな仕組みである。ファンの周囲を囲むフレームがかなり大きいので,ファン直径も大きく見えるのだが,簡単に測ってみたところ,直径は125mm前後で,市販のPC用120mm径空冷ファンと比べてもそれほど大きなものではなかった。

空冷ファンは,背面パネルを開ければ簡単に取り外せる(左)。大きなファンに見えるが,フレームが大きいだけでファン直径自体はPC用空冷ファンで一般的な120mm径と大差ない(右)。ちなみにこのファンは,冷却用部品メーカーであるAavid Thermalloy製だった
画像集#010のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた 画像集#011のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた

Blu-rayドライブはスロットインタイプの薄型で,Lite-on Technology製のSerial ATA接続タイプだった。ただ,ドライブユニットの電源コネクタは,PC用のSerial ATA電源コネクタとは違う仕様なので,市販のPC用光学ドライブと交換できるものではない
画像集#012のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた
 本稿はXbox Series Xの分解方法説明するためのものではないので,分解プロセスの詳細は省くが,背面パネルを開けたあとは,底面側にある円形のスタンドを外したうえで,底面にある数本のトルクスネジを外すだけで,センターシャシーを含む主構造物やBlu-rayドライブなどを筐体から取り外せるようになる。
 順序としては,筐体からセンターシャシーの基板に伸びているケーブルを外したうえで,Blu-rayドライブの後端側を覆うカバー,Blu-rayドライブから伸びるケーブルとドライブユニット本体,そしてセンターシャシーを含む主構造物を外すという流れだ。筆者は,スタンドの外し方が分からずに少々手間取ったが,主構造物を取り出すまでの手順に難しいところはないと感じた。


大きなセンターシャシーにゴムバンドでまとめたヒートシンクや電源ユニット


 Xbox Series Xの筐体から取り出した主構造物を見ていこう。金属製(※素材は非公開,見た目はマグネシウム合金に似ている)で大きなセンターシャシーに,ヒートシンクと電源ユニットが固定されているので,手に持つとけっこう重さを感じる。

筐体から引き出したXbox Series Xの主構造物
画像集#013のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた

 この構造物で面白いのは,写真を見ても分かるように,黒くて幅広なゴム製のバンドによって,ヒートシンクとセンターシャシー,電源ユニットを囲んで密着させていることだ。トルクスネジで締めるだけでは飽き足らず,ゴムバンドで圧迫することでもヒートシンクやセンターシャシーと基板類を密着させて,放熱効率を高めようということだろうか。

センターシャシー左側のSoC用ヒートシンク(左)。アルミニウム合金製らしいフィンの下に,銅製の放熱プレートがある。右はセンターシャシー右側で,黒いバンドで巻かれているのが電源ユニットだ。電源ユニットから伸びる短いケーブルは,プラスチック製のケーブル止めで金属のカバーに固定されていた
画像集#015のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた 画像集#014のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた

筐体ケースの内部に書かれていた刻印。右にうっすらと見える2つの時計型をした刻印は,ケースの製造時期を示すもので,2020年8月製造であるようだ
画像集#016のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた
 ちなみに,主構造物を取り外すと筐体内部が見えるのだが,筐体の内側にはMicrosoftのロゴマークやシリアルナンバー,ケースのナンバーらしいものに加えて,「SABIC」と「LOTTE」の文字もあった。SABICとは,大手樹脂メーカーであるSaudi Basic Industriesの略表記で,Xbox One Sの筐体にも名前があった企業である。
 一方のLOTTEは,おそらく合成樹脂の大手メーカーであるLotte Chemicalのことだろう。Xbox Series Xの筐体ケースは,この両社が製造に関わっているのだろう。

 ゴムバンドを外して,各パーツを見ていこう。まずセンターシャシー右側にある電源ユニットだが,PC用の小型電源ユニットであるTFX電源ユニットよりもさらに小さいものだ。ラベルに書かれたスペックを見る限り,定格出力は315Wで,PlayStation 5の内蔵電源ユニットが定格出力350Wであるのに比べると,35W低いことになる。

サブ基板上に固定されている電源ユニット(左)。定格出力は315Wで,入力電圧は100〜240V対応だった(右)。Lite-onグループ製だ
画像集#017のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた 画像集#018のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた

電源ユニットを取り外した状態。灰色のケーブルがマザーボードに電力を供給するもので,黒いケーブルは電源コネクタにつながっていた
画像集#019のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた

センターシャシーから取り外せる無線通信用モジュールが載った子基板。筐体の前方から見ると,下側の左寄りにある
画像集#020のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた
 センターシャシーには,無線関連のモジュールを載せた2つの子基板も取り付けられていた。そのうち1つは,外さないとメイン基板にアクセスできない仕組みだ。外した子基板に取り付けられていたモジュールには,MACアドレスやMicrosoftの社名,各種認証マーク(※日本のいわゆる技適マークもあり)を書いたシールが貼られていた。
 モジュール上にある認証ID「C3K1889」を米国連邦通信委員会(以下,FCC)のWebサイトで調べると,Microsoft製の「Dual-band wireless accessory radio」であるとだけ書かれている。仕様の推測ができる情報は見当たらない。

電源ユニットで隠れていた,もう1つの無線通信用モジュール
画像集#021のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた
 一方,電源ユニットを外さないとアクセスできない部分にある子基板上の無線通信用モジュールには,「C3K1888」という認証IDが書かれていた。こちらはFCCのWebサイトで確認すると,Microsoft製の「802.11a/b/g/n/ac 2T2R dual-band wireless LAN radio」であると分かる。つまり,Xbox Series XのWi-Fi 5(IEEE 802.11ac)対応無線LAN機能を担当するのは,こちらのモジュールであろう。

 1つめの無線通信用モジュールが何かだが,Xbox One Sでも2つの無線通信用モジュールを備えていたことから推測するに,おそらくはゲームパッドとのワイヤレス通信を担当するものではないだろうか。Dual-bandとは,Bluetoothでも使われる2.4GHz帯と,Xbox Oneシリーズのゲームパッドが使っていた5GHz帯の周波数に対応するという意味であろう。


いよいよSoCとご対面


巨大なヒートシンクは,ベイパーチャンバー式の銅製プレートと一体化している
画像集#023のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた
 話をセンターシャシー上の部品に戻そう。センターシャシーは非常にたくさんのトルクスネジで電源ユニットやケーブルカバー,そしてサブ基板と固定されており,分解するには相応に手間がかかる。めげずに分解を進めていくと,SoCが載ったメイン基板と,I/Oインタフェース類が載ったサブ基板に分離できた。
 まずはメイン基板から見ていこう。メイン基板は,筐体内で右側面側にあり,巨大なヒートシンクと銅製の放熱プレートがガッチリと取り付けられている。かなり重量のある構造物なので,重さを量ってみたら約1255gもあった。

メイン基板とヒートシンクを合わせた重量は約1255gある(左)。ちなみに,メイン基板を外したヒートシンク単体では約918g(右)だった
画像集#024のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた 画像集#029のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた

 メイン基板の裏側には,アルミニウム合金製と思われる大きなカバーのほかに,ペースト状の熱伝導材が貼られた金属製のカバーが2つあるのが目を引く。
 このうち,以下の写真で左側下寄りにあるのはXbox Series Xの内蔵SSDをカバーしているもので,左側上寄りにあるのは,拡張SSDである「Expansion Card」用のスロットだ。内蔵SSDはともかく,Expansion Card用スロットにまで熱伝導材を貼り付けてあるのは,少々驚いた。

メイン基板の裏面に当たる側。水色をしたペーストのようなものは熱伝導材で,センターシャシーに貼り付いて熱を伝える
画像集#022のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた

ヒートシンクをメイン基板裏側から固定しているX字型クランプ
画像集#025のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた
 メイン基板裏の大きな金属カバーをはがすと,今度はX字型をしたクランプが現れた。これはヒートシンクをSoCに密着させるための金具で,トルクスネジでしっかり固定すると,非常に強い力でヒートシンクを固定できる。とはいえ,単にネジ止めされているだけなので,付け外しはそれほど難しくない。
 このクランプを外すと,ヒートシンクをメイン基板から取り外せるようになり,いよいよSoCとご対面だ。

ついにSoCとメインメモリが姿を現した
画像集#026のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた

 SoCの表面は,PC用CPUでおなじみのグリスでヒートシンクに貼り付けられている。グリスを除去して半導体ダイを直接見られるようにすると,Xboxのシンボルマークの右に,「PROJECT SCARLETT」の刻印があった。「Project Scarlett」とは,Xbox Series Xの開発コードネームである。
 ダイ自体は22×16.3mmほどで,面積は358.6mm2になる。

Xbox Series XのSoC。Xboxのシンボルと「PROJECT SCARLETT」の文字が目を引く。製造は「TAIWAN」とある。半導体製造受託企業であるTSMC製だ
画像集#027のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた


 SoCの周囲には,メモリチップが3個,4個,3個と計10個並んでいる。これらはMicron Technology(以下,Micron)製のGDDR6メモリチップで,容量は総容量は16GBだ。メモリチップの表面にある刻印を眺めていると,「D9WZX」と書かれたメモリチップが6個,「D9WCW」が4個あることに気付いた。

SoCの周囲を囲むメモリチップには,「D9WZX」と「D9WCW」の2種類がある
画像集#028のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた

 MicronのWebサイトで調べると,前者は「MT61K512M32KPA-14:B」という容量16Gbit(2GB)のメモリチップで,後者は「MT61K256M32JE-14:A」という容量8Gbit(1GB)のメモリチップであることが分かる。つまり,2GB×6と1GB×4で,合計16GBのメインメモリを構成しているわけだ。単純に考えると,2GB×8で16GBを構成するほうがシンプルではないかと思うのだが,メモリインタフェースの幅(※320bit)を広げることによる性能面での利点を取ったのだろう。

金属製カバーを外すと,出てきたのはPCでよく見るM.2 SSDだった。ただしサイズは小さい
画像集#030のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた
 メイン基板の裏側あったSSDも確認してみよう。PS5がメイン基板上にフラッシュメモリを搭載していたこともあり,Xbox Series Xも似たような仕組みかと思っていたのだが,金属製のカバーを外した内部には,PC用マザーボードでお馴染みのM.2スロットに小さなM.2 SSDが接続されていたので,ちょっと拍子抜けした。
 SSDを取り外すと,裏面にはWestern Digitalの社名と「SN530」の型番が書かれたシールがあった。型番で調べると,Western DigitalがPC用に展開しているPCI Express 3.0 x4対応のSSDであることが分かる。PS5の内蔵SSDが,12チャンネルという特殊な仕様の高速コントローラを使っているのに比べると,実にごく普通のSSDだ。スペック的にも逐次読み出し速度は最大2400MB/s,逐次書き込み速度は最大1950MB/sなので,PC用としてもそれほど高速ではない。

Xbox Series Xのメイン基板に取り付けられていたM.2 SSD「SN530」
画像集#031のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた 画像集#032のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた

 汎用SSDを使い,インタフェースもPC用と同じとなれば,「ユーザーによるSSDの交換も可能なのではないか」と思う人もいるだろう。ただ,Xbox Series XのSSDスロットは,「M.2 2230」と呼ばれる非常に小さいタイプのSSDにしか対応しないサイズだ。M.2 2230対応でストレージ容量が1TBを超えるSSDは,まだ存在しないようなので,容量の大きなSSDに交換したくても,現状では不可能だ。
 将来的に,M.2 2230対応で容量2TBクラスのSSDが登場する日も来るかもしれないが,かなり高価なものになるのは確実であるうえ,そもそも,Xbox Series X内蔵SSDの中身を他のSSDにコピーできるかどうかも分からない。分解すると製品保証が失われることも考慮すると,ユーザーによる内蔵SSDの交換は,考えないほうが良さそうだと思う。


サブ基板のチップセットはXbox One用の改良版?


センターシャシー単体の重量は約447.5gだった
画像集#035のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた
 センターシャシーから外したサブ基板も確認しよう。
 サブ基板で目を引くのは,背面側に並んだインタフェース類と,Xboxのシンボルマークが刻印された大きめのチップだ。

サブ基板上にはXboxマーク付きの大きなチップがあった
画像集#033のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた

チップを拡大したところ。「XBOX ONE」の文字がある
画像集#034のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた
 Xboxマーク付きのチップをよく見ると,「XBOX ONE」の名前と「T6WD5XBG-0004」という型番が目に止まる。見覚えがあったので,Xbox One Sの分解記事を確認すると,I/Oチップセット(サウスブリッジ)と思われるチップに「T6WD5XBG-0003」の刻印があったと書いていた。これから推測すると,このチップはXbox Series XのI/Oチップセットで,Xbox One用に作られたものに小改良を加えたものであると考えられる。
 有線LANやUSBといったインタフェース類は,Xbox Series XでもXbox Oneシリーズから大きな変化がないため,小改良で十分に対応できるということなのだろう。


PS5に比べるとシンプルな構成だが,コストは相応にかかった構造だ


 さて,駆け足だがXbox Series Xの内部を見てきた。途中で苦戦したところもあったが,基本的には分解も組み立ても比較的容易であったと思う。

Xbox Series Xの全部品
画像集#036のサムネイル/「Xbox Series X」分解レポート。PS5とは別の方向性でコストのかかった内部構造をチェックしてみた

 一通り分解しての印象だが,Xbox Series Xは,公式の分解動画で見たPS5とは,かなり方向性が異なる機械だなと感じた。
 PS5は,サブ基板を使わずにマザーボード1枚に集約していることや,フラッシュメモリチップをマザーボードに直付けしていること,SoCの熱伝導材に液体金属を利用する点など,極めて独自性の高い構成を採用している。これは,設計や部材に相応のコストがかかるものの,高い性能を実現できる利点があるという。

 一方のXbox Series Xは,PS5ほど独自性のある構成ではなかった。メイン基板やサブ基板以外にも細かい基板を複数使った構成は,既存のXbox Oneシリーズを継承したものであり,SSDやSoCの熱伝導材も特殊なものではない。素性の知れたパーツを組み合わせて,手堅く作ったゲーム機と言えるだろうか。

 ただ,Xbox Series Xも,内部のコストはかなりかかっていると感じた。ネジの本数だけでも驚くほど多く,ヒートシンクやセンターシャシー以外にも,ケーブル類を覆ったり,基板を保護したりする金属製のカバーを複数使っている。これらはトータルでのコストを高める要因のはずだ。Blu-rayドライブからの振動を抑制するためか,ほかの部品との接触部分にスポンジを付けた小さな金属製パーツを取り付けているところもあり,ていねいな作りだなと思う半面,別部品を使う必要があるのだろうかと首をひねる面もある。
 あくまでも推測だが,Xbox Series Xの世代が進むに従って,これらの金属製カバーやパーツ類は,センターシャシーやそれ以外の部品に統合されていくのではないだろうか。それにより,ゲーム機全体での製品コストを下げることも可能になるだろう。

 PS5の作り込みとは異なる方向性ではあるが,Xbox Series Xもまた,500ドル程度という価格面の制限があるなかで,最大限に性能とコストのバランスを取ろうとしていることが,今回の分解でよく理解できた。
 最後に,分解したXbox Series Xは,組み立て直して無事に起動したことを報告しておく。……ネジが2本余ったのは見なかったことにしたい。

Xbox Series X/S本体 公式Webサイト

  • 関連タイトル:

    Xbox Series X/S本体

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