旧作のコレクションやオールスターものを除いた完全新作としては,2014年の「悪魔城ドラキュラ Lords of Shadow 2」から実に12年ぶりとなるだけに,期待も大きい。そんな本作のメディア向け試遊会が行われ,PC版をゲーム冒頭から3時間ほどプレイできたので,その感触をお届けしよう。
結論からいうと,やりがいがあるアクションと探索を楽しむことができ,新たな要素が数多く取り入れられつつも,初期の「悪魔城ドラキュラ」シリーズを思い出させる作品となっていた。
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主人公のローズ・ベルモンドは,トレバーとサイファの娘
「Castlevania: Belmont’s Curse」の主人公は,ローズ・ベルモンド。「悪魔城伝説」(1989年リリース)の主人公トレバー・ベルモンド(日本版での名はラルフ・C・ベルモンド)と,トレバーとともにドラキュラを倒したサイファとの間に生まれた娘だ。
舞台となるのは,「悪魔城伝説」の物語から23年後のパリ。ローズとトレバーは,闇の軍勢に襲われたこの地に乗り込み,ドラキュラをはじめとした強大な敵に挑む。
ローズはベルモンド一族の人間だけあり,さまざまな武器を使いこなせるが,腕にはドラキュラの呪いが宿っている。果たしてローズとトレバーの父娘はどのような運命をたどるのだろうか?
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本作はローグライクアクションの名作「Dead Cells」を手がけたEvil EmpireとMotion Twinが開発に加わったことでも話題を呼んでいる。「Dead Cells」自体,「悪魔城ドラキュラ」の影響を強く受けており,コラボDLCもリリースされているほどだが,最初にはっきりさせておくと,本作にローグライク要素はない。
「悪魔城ドラキュラ」には,初期作品の高難度アクションと「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」から始まる探索系アクション(今ではメトロイドヴァニアとも呼ばれる)という2つの大きな方向性がある。
シリーズのファンは,本作がどちらに属するものなのかが気になっているだろうが,今回試遊できた範囲での印象は,「探索系アクションをベースに,道中やボス戦では骨太な2Dアクションを楽しめる」といったところだ。
広大なマップは一方通行ではなく,自由に行き来可能だ。要所には「生命の鏡」というチェックポイントがあり,触れるとHPが回復し,周囲のザコ敵が復活する。また,マップに点在する亡霊たちからヒントをもらうことでボスの居場所や弱点が分かり,ボスを倒せば新たな能力が手に入って行動範囲が広がっていく……というのが基本的な流れとなる。
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鞭とさまざまな武器の組み合わせが,移動や攻撃の幅を広げる
ローズは「剣」「ナックル」「大剣」「槍」「片手剣+盾」「鞭」など,それぞれが明確な個性を持った武器を駆使して戦う(なお今回の試遊では,武器としての鞭を体験することはできなかった)。
剣はスタンダードで使いやすく,空中から下に向けて突くと,敵の体でホップできる。ナックルはリーチこそ短いが,連続ヒットさせると威力が徐々に上がっていく特性を持つ。大剣はタメ押しで威力を上げることが可能で,槍は攻撃レンジが広く,ボタンを押しっぱなしにすると投げつけて攻撃できる。片手剣+盾は,ボタンを押していると盾で身を守り,離すと突進攻撃を行う。こういった特徴を状況に応じて使い分けるのが重要だ。
例えば,シリーズお馴染みの「メデューサヘッド」は,今回もローズが触れると石化させられてしまう厄介な敵だ。しかし,攻撃範囲が広い槍を選べば,触れられる前に倒しやすく,石化も避けやすくなる。
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本作のアクションに多彩な広がりをもたらしてくれるのが,シリーズを象徴するアイテムである鞭。本作では,とあるボスを倒すと手に入るようになっており,今回試遊した範囲では,移動アクション用としての印象が強かった。
本作のステージには金やピンクのアンカーが配置されており,ローズが鞭を前者に巻き付けると振り子のようにスイングし,後者に引っかければそこへ向かって一直線に飛んでいく。
通常のジャンプでは届かないような崖に金のアンカーがいくつか配置されていれば,ターザンのようにアンカーからアンカーへと飛び移って登ることが可能だ。
びっしりとトゲが生えた床や天井にポツンポツンとピンクのアンカーが置かれていて,トゲにぶつからないよう飛んでいかなければならないこともある。文字にすると難しそうに感じるかもしれないが,アンカーが色分けされていることで,要求されている動きがすぐに分かり,慣れるまでそう時間はかからない。いかにも危険そうな地形をアクロバティックに渡っていくのは,スリリングで爽快だ。
鞭を使って振り子のように移動するシステム自体は,スーパーファミコン版「悪魔城ドラキュラ」にも登場していた。そこに「悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印」に登場した移動スキル「キルクルス」の自由度とスピード感のエッセンスを加えたような感じ,と表現すればシリーズ経験者には想像しやすいだろうか。
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鞭は敵に対して使うこともできる。敵に巻き付けると,ダメージこそ与えられないが,ピンクのアンカーを使ったときと同じように急接近して,接触すると武器種ごとに異なる技を使える。剣はすれ違いざまに斬りつけて通過し,ナックルはアッパーで打ち上げてそのまま空中連続技に移行可能,槍は突き刺した後に敵を蹴り落とし,片手剣+盾は盾でぶん殴る……と,さまざまな技を出せる。
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今回の試遊では,「ジャンプでは届かない崖の周囲で,飛行型の敵が無限に湧いてくる」という状況に遭遇したが,ここでの正解は,剣を装備した状態で敵に鞭を巻き付け,上方向に斬り抜けて高度を稼いでいくことだった。
また「ホーリーライト」という能力は,敵の攻撃をギリギリまで引き付けて使うとパリィでき,さらにマップに置かれた特定の障害物を消すことができる。鞭にしろホーリーライトにしろ,特殊能力が探索と戦闘の両面で役立つわけだ。
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このように,マップの各所に用意された言葉のない謎かけを,注意力とひらめきで解いていくのが,探索系アクションである本作の醍醐味だ。
そういった謎を解くと,アイテムなどの報酬を得られることが多いが,その中には,シリーズでおなじみの回復アイテム,チキンもある。何もない壁を殴ったら美味しそうなチキンが出てくる,という,初期作品のファンには懐かしく感じられるシチュエーションも用意されていた。
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道中もボス戦も難度は高め。絶望の中で希望を見つけろ
本作ではこうやってステージを進んでいくが,はっきり言うと難度はやや高めだ。ザコ敵の配置はかなり巧妙で,何も考えずに突っ込んでいったのではボロボロにされてしまう。
飛び道具を持つ敵は優先的に仕留め,攻撃をジャンプなどでしっかり避けながら間合いを詰めるといった,2Dアクションゲームの基本を改めて問われることになるだろう。
プレイ中の目標はボス敵の撃破になることが多いと思うが,チェックポイントの鏡からボスの居場所までが遠いこともあるので,その道中をスムーズにクリアすることがボス戦の準備作業として重要だ。
できるだけ消耗しないよう,ザコ敵を着実に処理していくときのほどよい緊張感は,シリーズ初期作品に近いものがある。その一方で,敵に倒された場合はペナルティなしに鏡から再開でき,トゲの床や水中に落ちたときも,わずかなダメージを受けるだけで続行可能になっているなど,現代的な配慮もなされていた。
「難度は高めだが,ストレスは溜まりにくい」「難関を突破するための工夫や練習に集中できる」というプレイ感があり,特に2Dアクションゲーム好きであれば,試行錯誤を楽しめるだろう。
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探索に新機軸が加えられていたのも,興味深いポイントだ。ボスの居場所は最初から分かっているわけではなく,マップのあちこちにいる亡霊からヒントをもらって探索する必要がある。
ここで印象的だったのが「ヒントはあくまでヒントであり,立てなければならないフラグではない」という点だ。今回のプレイ中,アクシデント的にとある地形へ入り込んでしまったのだが,その先がボス「メデューサ」の隠れ家となっていた。つまり偶然正解にたどり着いてしまったわけだ。
結局は,メデューサのヒントを持った亡霊4人のうち,3人をすっ飛ばしていたようだ。メデューサの撃破後に亡霊からヒントをもらう体験は,それはそれでなかなか面白かった。
このタイプのゲームでは,「ヒントを聞いてフラグを立てなければ(=条件を満たさなければ)ボスの部屋の扉が開かない」といった処理がされることが多い。しかし本作では,偶然にたどり着く可能性を否定しないゲームデザインがなされている。一度クリアした後のRTA的なやり込みも楽しくなりそうだ。
メデューサの隠れ家を見つけたときの驚きには,何もない壁を叩いてチキンが出てくるシーンと同じように,「悪魔城ドラキュラ」に代表されるファミコン時代の雰囲気を感じた。単に昔のキャラが出るだけにとどまらず,こういった体験にまでシリーズへの敬意が込められているようだ。
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そして,ボス戦は厳しくも手応えが感じられるものになっていた。今回の試遊範囲には,「怪物」「ジャンヌ・ダルク」「メデューサ」の3体が用意されていた。ボスは多彩な技を持ち,ゴリ押しでは突破できない。ひとつひとつの技にしっかり対処して攻略しなければならず,その方法を見つけていくことがバトルの醍醐味となっている。
ボスは体力が減るごとに攻撃パターンが増えていき,より手ごわくなっていく。当然ながら,相手の技を見切るためには練習が必要で,後半戦から加わる技を見切るには,前半戦を安定して突破しなければならない。そのため,ボス戦は終始緊張感が高いものになっていた。
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当初は攻撃する隙さえ見つからずボコボコにされていたのが,1発殴れるようになり,相手の攻撃を避ける方法も分かり……とプレイは徐々に安定していく。すると,ボスは新技や既存の技+αの攻撃を繰り出してきて,こちらを惑わせてくる。
とはいえ,これまでに上達した成功体験があるため,新技にも立ち向かっていく気になる。つまり,アクションゲームの楽しさをしっかり味わえるということであり,ゴリ押しでは抜けられないからこそ喜びは強くなると感じられた。
このようにキッチリとパターンを決める必要があるボス戦だが,ランダムな揺らぎがあるのも面白いところだ。ボスまでの道中には燭台があり,壊すとアイテムが手に入るのだが,中には「回復薬の使用回数を増やす」という品もある。通常だと回復薬は3回使えるのだが,このアイテムが2つも手に入り,5回で臨めたこともあった。やる気も俄然アップするというわけで,ユニークなシステムといえるだろう。
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そして,特筆すべきは,対処法が確立していない時のボスは本当に強く厄介で,取り付く島もないように見えることだ。怪物にしろメデューサにしろ,初めて戦ったときはとても倒せるようには感じられず,正直なところ絶望を覚えた。しかし,試行錯誤とちょっとした気付きが積み重なり,「もしかして勝てるのではないか」という希望が生まれ,最後には勝つことができたのだ。
本作におけるボス戦の面白さは,練習に加えて,気付きの部分にもあると思える。その喜びを損なわないため,本稿では攻略のヒントになるようなことは書かないが,まずはできるだけまっさらな状態でボスたちに叩きのめされてほしいと思う。
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こうして倒したボスは,本作の新要素「タロット」に宿る「アルカナ」となり,ローズの旅を助けてくれる。
アルカナは「MP」を使って特殊攻撃「スペル」が繰り出せるもので,旧シリーズの「サブウェポン」に相当する。今回の試遊では火球発射,ブーメランのようなクロス(十字架)投擲,石化光線の発射,火柱の噴出といったスペルが確認できた。
それぞれのアルカナには「●回敵に当てる」「石化した敵を落下ダメージで倒す」など,アルカナの効果を使った戦い方のお題が用意されており,その条件を満たすと,アルカナをパワーアップするためのポイントが手に入る。
そのポイントを振る項目も複数あり,例えばクロスの場合は「2個まで続けて投げられるようになる」「敵との距離が遠いほどダメージが上がる」「帰ってきたクロスを受け取るとMPが回復する」となっていた。お題を意識したプレイをすると,サブウェポンがどんどんパワーアップしていくわけで,このあたりは現代的な要素といえそうだ。
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新旧両シリーズのエッセンスがうまく組み合わされているのに加え,現代的な配慮も多く,しっかりとした2Dアクションを楽しめる本作は,確かにCastlevania(悪魔城ドラキュラ)シリーズの新作であると感じられた。
前述の通り,シリーズには初期の高難度アクションと中期以降の探索系アクションという2つの方向性がある。両者をブレンドするのは難しいところだが,本作では探索系アクションをベースとしながらも,随所にファミコン時代を思わせる要素が取り入れられており,実に楽しいゲーム体験であると感じられた。
なお,製品版にはさまざまな難度設定が用意されており,これを設定すれば初心者も楽しめる。シリーズ未経験の人が最初に触れるタイトルとしてもよさそうだ。
※ゲーム画面は開発中のものです。





















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