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開発者が向き合う「悪魔城ドラキュラ」らしさとは? シリーズ完全新作「Castlevania: Belmont’s Curse」のプレゼンレポ&インタビュー
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印刷2026/07/17 16:00

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開発者が向き合う「悪魔城ドラキュラ」らしさとは? シリーズ完全新作「Castlevania: Belmont’s Curse」のプレゼンレポ&インタビュー

 KONAMIが2026年10月15日にリリースする「Castlevania: Belmont’s Curse」(キャッスルヴァニア ベルモンドカース)PC / PS5 / XBOX Series X|S / Nintendo Switch)のメディア向け先行試遊会が行われた。

会場のステージには,ドラキュラの玉座が鎮座していた
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 本作は,1986年リリースの「悪魔城ドラキュラ」(英題:Castlevania)から現在まで続く,ゴシックホラーアクションゲームの最新作だ。

 久々となる完全新作の開発には,ローグライクアクションゲームの名作「Dead Cells」を手がけたEvil EmpireMotion Twinが参加する。両社はDead Cellsと本シリーズとのコラボDLC「Return to Castlevania」で“ドラキュラ愛”を見せつけただけに(関連記事),シリーズのファンからの期待も高いようだ。

 試遊のレポートは別の記事としてまとめているので,本稿ではその前後に行われた本作のプレゼンテーションと,開発者への合同インタビューの模様をお届けしよう。


シリーズ完全新作の一端が明かされた

プレゼンテーション


 プレゼンテーションを行ったのは,本作のプロデューサーを務めるコナミデジタルエンタテインメントの谷口 勲氏。谷口氏は,シリーズ完全新作の詳細を伝えられる喜びを語ってから,説明を始めた。

「Castlevania: Belmont’s Curse」プロデューサー 谷口 勲氏
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プレゼンテーションの冒頭で,Evil EmpireのEmmanuel Nouaille氏とBérenger Dupré氏からのビデオメッセージが流れた
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●シリーズの伝統を受け継ぐアルカナウィップ
 最初に紹介されたのは,シリーズを象徴するアイテムである鞭(アルカナウィップ)を使ったアクションだ。

 特定の場所にアルカナウィップを引っかけて振り子のように移動したり,敵に巻きつけて急接近したりといったことが可能で,これをうまく使って隠されたルートを切り拓く楽しみもあるという。

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 現段階で公開されている情報では移動での使用がメインになっているが,もちろん武器としての役割もしっかり用意されているとのことだ。

●より攻撃的に立ち回れるバトル
 既存のシリーズ作品では,バックダッシュなどを使って敵との間合いを細かく調整し,攻撃を誘ってその隙を突く……といった戦い方が基本となっていたが,本作のバトルはより攻撃的なものになるという。

 前述したように,アルカナウィップで敵との距離を一気に詰めたり,あるいはスライディングで敵の背後に回り込んだりと,より大胆なアクションが展開されるようだ。

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 もちろんアルカナウィップ以外の武器も複数用意されており,それぞれ単体での使用に加えて,アルカナウィップと組み合わせたアクションを繰り出せる。谷口氏は「ゲームを進めていくとスキルや武器がどんどん増え,さらにその組み合わせによって戦い方の選択肢が広がっていく」とアピールした。

●主人公はトレバーの娘,ローズ・ベルモンド
 本作の舞台となるのは,トレバー・ベルモンドの戦いを描いた「悪魔城伝説」から23年後にあたる1499年のパリで,主人公はトレバーの娘であるローズ・ベルモンド。ローズはトレバーとともに,パリを襲う魔物の討伐に向かうが,そこでドラキュラ復活の陰謀に巻き込まれるという。

 谷口氏はストーリーについて,現段階では当然ながら「深くは話せない」としながらも,「正史を描く作品で,その中でも重要な役割を担うものになる」と明かした。

●ステージにはパリ市街も
 最後に紹介されたのは多彩なステージだ。シリーズ作品では,悪魔城の内部がステージになるものが多かったが,本作ではパリ市街の探索もできるという。また,エリアごとに特徴があり,それぞれに違うテーマカラーが設定されているなど,広大でありながらもメリハリのあるプレイが楽しめそうな雰囲気が感じられた。

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 プレゼンテーションを終えた谷口氏は,「プロジェクトメンバー全員,愛を込めて作ってまいりました」と思いを語ったうえで,集まったメディアに向けて「今日の試遊で,みなさまに楽しかったといっていただけると信じております」と呼びかけた。

 その後行われた試遊については,こちらの記事でレポートしているので,確認してほしい。

試遊開始前には,シリーズでおなじみの小ネタをまじえた注意事項(?)が告知された
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“シリーズらしさ”と向き合う様子が語られた

開発スタッフ合同インタビュー


 試遊の終了後,谷口氏と,本作のディレクターを務めるコナミデジタルエンタテインメントの外尾有樹子氏,Evil EmpireのEmmanuel Nouaille氏への合同インタビューが行われた。その模様をお届けしよう。

左から谷口氏,外尾氏。Nouaille氏はオンラインでの参加となった
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――本作の開発に,Evil EmpireとMotion Twinが参加することになったきっかけは,「Dead Cells」のDLC「Return to Castlevania」だったそうですが,谷口さんは具体的に両社のどのあたりの仕事ぶりに感銘を受けてオファーしたのでしょうか。

谷口 勲氏(以下,谷口氏):
 まずは,シリーズについての理解力や愛着です。そして,ゲーム作りのこだわりについても,本当に徹底していると思いました。

 実は「Return to Castlevania」って,当初の想定を大きく超えるボリュームになっているんです。Dead CellsとCastlevaniaのファンのみなさんに,「こういうところまでお届けしたほうが絶対喜んでもらえるよね」といったように,できることをやっているうちに,どんどん膨らんでいきました。

 そういった中でも,「リヒターモード」については,アイデアはあっても無理だろうと思っていたんですが,リリースの少し前に,「谷口さん,サプライズがあります」と,かなりの完成度のものをいきなり見せてもらえたんです。

 そういうふうに,いろいろな人を喜ばせようと,ゲームをどんどん作り込んでいく姿は本当に素晴らしいと感じましたし,感銘を受けました。

――完全新作のリリースということで,ここ数年では移植作品が中心だったシリーズにおける大きな動きになると思いますが,今後の展望をうかがいたいです。

谷口氏:
 正直なところ,具体的に説明できることがあまりないのですが,個人的に思っているところをお話しさせてください。
 僕自身も,初代「悪魔城ドラキュラ」からプレイしているファンの1人ですけれど,ある時期からSNSなどで「探索型のアクションゲームは好きだけれど,Castlevania,悪魔城ドラキュラをやったことがないんだよね」という声を見かけるようになりました。

 このままじゃいけない,何とかしたい,できることからやろうと,まずは過去作を遊べる環境を作ろうとしたものが,コレクション作品です。「Dead Cells: Return to Castlevania」のお話をいただいたときも,新しいお客様に触っていただける機会があるなら取り組もうと。そういった形で一個一個ちょっと積み上げてきました。

 そして最終的には新作が欲しいよねと,いろいろと考えながらやってきた結果が,今回の「Castlevania: Belmont’s Curse」です。新作をお届けできるところまで来たのがまず嬉しいことで,この先が続いていったら,さらに嬉しいですし,そうあってほしいと思っています。

――本作は「悪魔城伝説」から23年後という舞台設定になっていますが,この時代が選ばれたのは,どんな理由からだったんでしょうか。

谷口氏:
 久しぶりの新作ですので,まずは2Dの探索型アクションゲームを作りたい,そしてシリーズの象徴でもあるベルモンド家の主人公を登場させたい,さらに鞭をゲームのコアに据えたいといった考えがあったんです。

 そういった大きな枠組みの条件を満たせる設定を,Evil EmpireさんやMotion Twinさんと話し合った結果,1499年という時代になりました。
 僕が一番好きなシリーズ作品は「悪魔城伝説」なんですが,それが理由ではありません。でも結果的に,「悪魔城伝説」から続くものが作れるようになったのは,嬉しく思っています。

――ベルモンド家の女性が主人公になるのは,シリーズでも珍しいと思いますが,この設定になった経緯を教えてください。

外尾有樹子氏(以下,外尾氏):
 最初から女性に決めていたわけではありません。トレバーとサイファの子どもである主人公は,母がすでに亡くなっている中で,どういう存在として,どう物語を作っていくんだろうということを,Evil Empireさんを交えて話し合う中で,女性の主人公になっていきました。

谷口氏:
 今の説明の通りなんですが,例えば男性の主人公ならどうなっただろうって,開発を進める中で考えることはあって,それはそれでかっこよかっただろうと思います。ただ,今回の物語に合った主人公を目指す中で,自然と女性になっていきました。

Emmanuel Nouaille氏
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Emmanuel Nouaille氏(以下,Nouaille氏):
 お2人の話にあったように,ある瞬間に「女性にしよう」と決めたわけではありません。描きたい物語にとって,ふさわしいキャラクターを求めた結果です。

 特に,サイファの呪いが子に受け継がれる設定を考えたときに,母と娘であったほうが,感情的なつながりや,母親の敵を討つという思いも強くなるだろうと思いました。そうやって作り上げていった主人公がローズです。継承,家族,犠牲といった本作のテーマが,女性主人公で一層力強いものになったと思っています。

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――シリーズのファンと新規プレイヤーの両方がプレイすると思いますが,難度調整で気をつけた点や工夫したところを教えてください。

谷口氏:
 本作では,KONAMIはIPオーナーの立場から,IPらしさなどの視点から大枠を作らせていただいて,その枠組みの中で最高のゲームを作り上げることを目指してきました。

 先ほどの試遊で,「プレイフィールがいい」「操作していて気持ちいい」と思っていただいたら嬉しいのですが,まずはそういうものを作りたいと。そのうえで戦略的,攻撃的にバトルができる,選択肢の多いゲームにしてきたので,人によっては難しく感じる部分があるかもしれません。

 それでも,アクションゲームが得意でなくても楽しめるよう,レベルアップシステムを用意して,それでも難しい方のために難度調整も可能にしていますので,多くの方が満足できるものになっていると思います。

外尾氏:
 単に易しいゲームにはしたくないと思っていました。「悪魔城伝説」もそうですが,シリーズの初期作品から,苦しんだ末に先を見たときの喜びがあると思うんです。
 なので,手触りがいいアクションの中でも,ボタンを連打すればいいようなものではなく,しっかり遊べるものを目指して作り込んでいきました。

 ただ私は,シリーズが続く中でレベル制が導入されたことがいいところだとも思っていて。それがあることで,物語とか世界観を楽しみながら先に進むっていうこともできますから。

 シングルプレイゲームですので,オプション画面で自分に合った難度をカスタマイズできるようにもしています。自分がちょうどよくプレイできる設定を見定めて,最後まで楽しんでいただきたいです。

Nouaille氏:
 フェアなゲームにすることを念頭に置いて開発してきました。ある程度歯ごたえのある難度を設定しつつ,昔からのファンにも,新規プレイヤーにも入りやすいようにしています。
 プレイヤーが段階的にゲームの仕組みを理解し,目的を達成するために必要な知識や自信を一つずつ自然に習得していく。例えば硬い敵に遭遇した場合でも,自分なりのプレイやスキルによって倒せるような作りにしています。

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――ゲームの舞台となるのが1499年のパリということですが,完全新作として新たな世界観を構築するにあたってのグラフィックス表現について聞かせてください。特に注目してほしい部分は,どういったところになるんでしょうか。

谷口氏:
 まずパリになった経緯についてお話しさせてください。本作ではまず物語や時代設定を先に決めていったんですが,1499年でやりますとなったときに,当時すでに大都市であったパリがすごく適しているよねと。
 久しぶりの新作ですので,ヨーロッパのどこかという思いは漠然とあったんですが,パリにはゴシック様式の建物がたくさんあって,トーンやテーマ性が本作とすごくマッチしているところから,ゲームの舞台としました。

 また,グラフィックス表現としては,まず美しくありたいことはもちろんですが,アルカナウィップであちこち飛び回るゲームを作るにあたり,視認性もしっかり担保するようにしました。彩度やコントラストをちょっと強めにして,見やすくしています。

Nouaille氏:
 1499年という時代を選んだのは,現実味があり,かつ説得力のある世界観で物語を描きたかったからです。歴史的な背景を取り入れることで没入感が高まりますし,壮大なファンタジーの伝承に深く根ざした,シリーズならではの豊かな物語を展開することも可能になります。
 プレイヤーはカタコンベ(地下納骨堂)やノートルダム大聖堂といった実在する名所を目にすることになりますし,ジャンヌ・ダルクのような歴史上の著名な人物にまつわる要素もあります。

 視覚的にも非常に印象的なもの,超自然的な雰囲気を作り出したいと考えて,「ジャッロ」という映画のジャンルからインスピレーションを得ています。シリーズ第1作の「悪魔城ドラキュラ」が映画と強い結びつきを持っているように,私たちも刺激的で色彩豊かで,美しくゴシックな世界観を表現したいと思いました。

※イタリアで生まれたホラー作品の1ジャンルで,強烈な色彩やスプラッタ要素などが特徴

――本作はタロットカードがモチーフの1つとなっていますが,これを採用した理由を教えてください。

Nouaille氏:
 本作の時代性から,マルセイユ版のタロットカードをオマージュしたオリジナルのタロットカードを入れようと考えました。
 タロットカードは古くから存在する神秘的,魔術的,オカルト的なもので,ゴシックらしさとも親和性がありますし,サイファの力にも強く紐づくものなので,ローズと彼女の絆や愛にも通じるんじゃないかと思います。
 また,タロットカードとアルカナシステムは,本作の物語や世界観を形作る重要な要素になっています。

――本作のタイトルが「悪魔城ドラキュラ」ではなく「Castlevania」になったのはなぜでしょうか。

谷口氏:
 率直に申し上げまして,本当に悩んだんですよ。僕だけではなく,開発チームで悩みに悩みました。

 本作をこれまでのファンのみなさんに楽しんでいただきたいですし,それと同じぐらい,新しいファンの方,初めてこのシリーズに触れる方にもたくさんプレイしていただきたいと思っています。
 
 現在は情報がネットを経由して伝わっていきますが,そういう中での伝わりやすさのようなものを考えたときに,Castlevaniaにしようと決断しました。

 僕自身も子どものころから「悪魔城ドラキュラ」に馴染んでいる人間なので,すごく悩みましたし,簡単に決めたことではありません。今回はこちらが適切なんじゃないかとチームとして考えた末の決断です。

――本作では「悪魔城伝説」の主人公,トレバー・ベルモンドが登場しますが,国内版の名前である「ラルフ」にならなかったのも……。

谷口氏:
 はい,似たような答えになってしまって申し訳ありませんが,こちらについても悩みに悩んで,相談して相談して出した決断です。情報の伝わり方であったりとか,気になったプレイヤーさんが調べたときの理解のしやすさみたいなところで,今回はトレバーにしようと。

――本日試遊して,もちろん新しい「Castlevania」だと感じましたが,シリーズ初期からのプレイヤーとしては,ところどころで懐かしさもありました。シリーズを継承している要素として,気に入っているものや,ご自身が希望してゲームに入れたものがあれば教えてください。

谷口氏:
 本当にたくさんあるんですけれど,代表的なところではレベルアップシステム,RPGシステムは絶対に入れたいという話をしていました。従来通りのシステムである必要はないけれど,頑張って何度もチャレンジすれば,いつかは前に進めるようにと。
 これは本当にこのシリーズの良さでもあると思いますし,僕自身も歳を取ってアクションがちょっと辛い時があるので,そういう人でも楽しめるようにしたいと思っていました。

外尾氏:
 私も本当にたくさんありますが,最初からではなく,ゲームを作っていく過程で入ってきたものも多いんです。燭台を壊すとアイテムがドロップするとか,壁を壊したら肉が出てくるとか。
 Evil Empireのみなさんとは,「今私たちが作ってるものって,悪魔城らしいんだっけ?」といったディスカッションを重ねてネタ出しをして,それをゲームシステムに散りばめていきました。

Nouaille氏:
 強いて言うならすべてですが,やっぱり鞭でしょうか。シリーズを象徴するものだと思いますし。そのほかでは,探索型のゲームであること,そしてシリーズ作品でおなじみのボスが登場することですね。長年のファンと新たなファン,両方のみなさんに楽しんでもらえると嬉しいです。



 本作の発表時,「Evil EmpireとMotion Twinが参加するなら,『Dead Cells』寄りのゲームになるのかもしれない」と感じた人は多いのではないだろうか。

 だが,本作はDead Cellsに代表されるローグライクアクションとは大きく違うプレイ感のゲームとなるようだ。ローグライクアクションは,ランダム要素による“流れ”にうまく乗り,ときには自分が思いもしなかったような勢いで難所を突破することが面白さの1つになっているが,本作は地道にマップを探索してさまざまなヒントを集め,敵の動きをよく観察し,少しずつ戦い方を身に付けていくゲームになっている。

 こういったストイックなプレイは,開発チームが「悪魔城らしさ」を追求した結果だろうと思う。久しぶりに登場するシリーズ最新作に期待したい。

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