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  • Cygames
  • 発売日:2026/07/09
  • 価格:【Standard Edition】
    パッケージ/ダウンロード版:6930円(税込)
    【Special Edition】
    ダウンロード版:9900円(税込)
    「GRANBLUE FANTASY: Relink - Endless Ragnarok アップグレードキット」
    【Standard Edition】
    ダウンロード版:3960円(税込)
    【Special Edition】
    ダウンロード版:6490円(税込)
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圧倒的な物量には最速30点の試行錯誤で挑む。「GRANBLUE FANTASY: Relink - Endless Ragnarok」の誰もがかっこよく戦えるバトルの舞台裏[CEDEC 2026]
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印刷2026/07/28 17:19

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圧倒的な物量には最速30点の試行錯誤で挑む。「GRANBLUE FANTASY: Relink - Endless Ragnarok」の誰もがかっこよく戦えるバトルの舞台裏[CEDEC 2026]

 ゲーム開発者向けカンファレンスCEDEC 2026にて,「『GRANBLUE FANTASY: Relink - Endless Ragnarok』のバトル制作事例 〜最高のキャラゲーを目指して〜」と題したセッションが行われた。

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 登壇したのは,Cygamesで「GRANBLUE FANTASY: Relink - Endless Ragnarok」PC / Nintendo Switch 2 / PS5 / PS4)のプレイヤー担当エンジニアのリーダーを務めた平手 聡氏と,バトルパートのリーダーとしてバトル全体を統括した三木 達氏だ。キャラクターの魅力を最大限に引き出すバトルはどのように形作られ,ゲームの腕前に関係なく誰もがかっこよく戦えるバトルが実現したのか。プランナーとエンジニア双方の視点からその工夫が語られた,講演の模様をレポートしよう。

写真左から平手 聡氏,三木 達氏
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攻めの気持ちよさを重視した誰もがかっこよく戦えるバトルを目指して


 「GRANBLUE FANTASY: Relink」および,拡張コンテンツである「Endless Ragnarok」の開発にあたり,掲げられたのは「最高のキャラクターゲーム」というゲームコンセプトだった。そのコンセプトを実現するため,バトルデザインにおいては2つのピラー(設計指針)が立てられている。

 ひとつは,「グランブルーファンタジー」というIPを基にした作品として,アクションを通じてキャラクターの魅力を体験できること。もうひとつは,原作とはジャンルの異なる作品として,アクションゲームに不慣れな人でも楽しめることだ。

 これらのピラーを実現するうえで,より具体的な方針として掲げられたのが「攻めの気持ちよさを重視した,誰もがかっこよく戦えるバトル」だったと三木氏は語る。すでに確立されたキャラクターの印象を損なわず,その魅力を存分に味わってもらうため,プレイヤーの攻めの気持ちよさをバトルの土台に据えたという。

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 2つのピラーを指針に据えたバトルデザインは,キャラクターそれぞれで異なる遊びを実現するという,本作のミッションへとつながっていく。「Endless Ragnarok」には全28種類の操作キャラクターが登場し,そのすべてで個性を生かした異なる遊びを目指している。

 さらに,とことん遊び込んだ人にも新たなアクション体験を届けるべく,特徴の異なる3つのマスタースタイルまで用意されているときた。となれば,考えるべきバリエーションは28キャラ×3種の計84種。バトルデザインにおいては,この圧倒的な物量が大きな課題として立ちはだかったという。

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 そこで開発チームが重視したのが,イテレーション(試行錯誤)の速度だった。3Dアクションのバトル制作では,仕様書どおりに作っても実際に触ると面白くないという問題が往々にして起こる。だからこそ素早く試して素早く直す,というわけだ。
 三木氏は,「最初から80点を目指すのではなく,まずは最速で30点を叩き出すこと」を合言葉にしたと語る。必要最低限のモーションでまず動かし,2〜3日中には仮実装。最速では,その日中に遊びを確認するスピード感で精度を上げていったそうだ。

 このスピーディな試行錯誤を支えたのが,チームでの向き合い方だ。キャラクター企画のネタ出しは,ディレクターやプランナーだけでなく,エンジニアやアーティストも含めたプレイヤーチーム全員で行った。そして,何が面白いキャラクターなのかを必ず言語化し,目指す体験の共通認識を作ることを徹底したという。この言語化によって,差別化不足による手戻りをほとんど防げたと三木氏は振り返っていた。

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美少女錬金術師カリオストロの仮実装の様子。錬成物を呼び出して攻撃するアイデアを,シンプルなモーションの組み合わせで検証している
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 加えて,この物量をさばくために,アクション要素を全キャラクター共通のものと固有のユニークなものに分類したという。移動や奥義といった共通要素はデータ構成をフォーマット化し,固有要素は制御方法ごとにアクションデータの単位で整理する。こうすることで,モーションや効果はパラメータ調整だけで差し替えられ,新規キャラでも他キャラの構造を流用しやすくなる。この地道な下ごしらえが,84種を作り切る土台になっていった。

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戦闘を支える“強く賢い仲間AI”はあえて隙を作る設計に


 セッションの内容でとくに興味深かったのが,オフラインでのパーティプレイの楽しさを担保する仲間AIの設計だ。仲間との連携を要としたゲームであるからこそ,仲間AIの挙動はプレイヤーの満足感に直結する部分といえる。弱すぎれば爽快感に欠け,また強すぎれば理想とする攻めの快感を得づらくなってしまうからだ。

 キャラクターの魅力を損なわず火力に貢献し,初心者のお手本にもなり,連携を先導できる,強く賢いAI。開発チームが理想とする仲間AIを実現するにあたり,本作ではキャラクター単体を動かす“キャラクターAI”と,戦況を俯瞰して指示を出す“メタAI”の二軸での実装を目指したと平手氏は説明する。

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 キャラクターAIの設計方針は明快だ。AI専用の行動を組むのではなく,プレイヤーの処理をそのまま使い,AIはキー入力のエミュレートだけを行う。専用に作り込むと,プレイヤー側で調整した内容がAIに反映されないといった不具合が起きかねないためだ。

 大まかな意思決定は全キャラクター共通のBehavior Treeで行い,攻撃や移動のキー入力が伴うエミュレートはFSM(Finite State Machine)が担う。攻撃まわりの遊びはそれぞれのキャラクターで異なるため,攻撃行動だけは個別に実装したという。例外的なAI調整をしやすいよう,各キャラクターの担当エンジニアがAIの実装も兼ねる体制を取った点も,本作らしい工夫だ。

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 しかし,ここでAIが賢すぎるという課題にぶつかってしまう。最速で最適行動を繰り出すあまり,攻撃性が高すぎてプレイヤーが活躍する前に敵を屠ってしまうのだ。そこで導入されたのが“構え歩き”だった。
 前後左右に身構えながら移動するこの動作の間,AIは一部の指示を除いて行動しない。戦闘力を落としすぎないよう,ごく短い時間に留めつつ,一定の間を意図的に生み出してあえて隙を作らせたのだ。

 次に課題となったのが,回避行動だ。AIに攻撃を事前に回避させるには,担当者に専用の判定を用意してもらう必要があり実装コストが大きい。そこで事前に避けるのではなく,攻撃が当たらなかったことにして回避する方式を採ったという。ただしジャンプで避けるべき攻撃など,事前回避が必要なものだけは例外的に専用対応を行ったとのことだ。

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 もう一方のメタAIは,プレイヤーや敵の情報をリアルタイムに集め,各キャラクターAIへ的確な指示を出す司令塔の役割を担う。たとえば,追従時には味方同士の衝突判定をなくしたうえで,重なって見栄えが悪くならないよう,メタAIが各キャラクターの立ち位置を計算して自然に散らばらせる。奥義連携も統括しており,チェイン中のゲージ上昇量まで計算し,確実にフルチェインがつながると判断したタイミングでのみ発動を指示してくれる。

 また,敵がすでに状態異常にかかっているか,同じ指示を受けたキャラクターがいないかを確認し,強力なアビリティの無駄撃ちを防ぐ。フィールドが広く連携に間に合わない場面では,プレイヤー向けの参加距離制限をAIだけ無視させることもある。単体のAIでは成し得ない気持ちのいい連携は,この司令塔があってこそ実現していたということだ。

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プレイヤーのための機能がもたらした開発現場への恩恵


 IPファンのなかにはコンシューマ向けゲームに不慣れな人も多い。コントローラをまともに握ったことがない人にも安心して手に取ってもらうため,バトルの操作を補助するアシストモードとフルアシストモードが実装されている。
 アシストモードは移動操作と任意の攻撃ボタンを押すだけで,技や回避を駆使して自動的に戦ってくれるモード。フルアシストモードは,さらに操作を簡略化し,プレイヤーが移動操作を行うだけで自動で戦ってくれるモードになっている。

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 機能の仕組みを一言で表せば,攻撃ボタンの入力を状況に応じて最適な操作へ置き換えるというものだ。プレイヤーの入力を代理入力へ変換するこの発想は,仲間AIと同じ考え方に立っている,と平手氏は説明する。

 実装にいたるまでの課題となったのが見栄えのワンパターン化だった。アシストモード中のキャラクターは常にカメラの中心に映り続けるため,毎回同じ最適行動を繰り返すと安っぽく見えてしまう。そこで最適行動だけを選ばず,コンボルートを散らしたり連打回数を抑えたりと,キャラクターごとに変化のある戦い方を専用のFSMで作り込んだという。

 また,プレイヤーキャラクター以外を操作する特殊なミニゲームや,道中の障害物への対応など,メインストーリーを最後まで滞りなく進められるよう,戦闘以外でも数多くの例外対応を重ねたとのことだ。

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 このアシストモードは,開発プロセスにも恩恵をもたらしたと平手氏は語る。ひとつは,ゲームを自動で進めるオートプレイの戦闘部分にそのまま流用でき,自動テストとの相性がよかったことだ。

 もうひとつの恩恵として挙げられたのは,複雑なAI制御の不具合を発見しやすい点だ。画面中央でAIの挙動を確認できるため,少しでも怪しい動きがあればテスト中にすぐ不具合として報告が上がっていたという。なかには,アシストモードの不具合として報告されたものの,その根本原因が仲間AI側でも使われているメタAIにあったというケースも数多くあった。

 このように通常のゲームプレイでは気づきにくいAIの不具合の発見にも,アシストモードが寄与していたとは興味深い。遊びやすさのために実装した機能が,巡り巡って作品全体の完成度を押し上げたユニークな事例だろう。

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 今回のセッションを振り返ってみると,「最高のキャラクターゲーム」というコンセプトは,バトルデザインから開発フロー,仲間AI,アシストモードに至るまで,あらゆる工夫の中心に据えられていたことが分かる。キャラクターの魅力を存分に味わえること,そしてアクションが苦手でも楽しめること。相反しかねない2つの目標を,物量と真正面から向き合う開発術と,随所の力技で両立させたのが「GRANBLUE FANTASY: Relink - Endless Ragnarok」というゲームなのだ。


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