新作インディー紹介イベント「Day of the Devs」，発表情報まとめ。集英社ゲームズ最新作「UN:me」ほか，6タイトルの新作が世界初公開に

　「The Game Awards」の直前となる本日（2025年12月10日），インディーゲームを対象とするデジタルショーケース「Day of the Devs: The Game Awards Edition」が配信された。


　Day of the Devsといえば，2012年から開催され続けている新作インディーゲームの発表＆紹介イベントだ。インタビューなどを最小限として，インディーゲームの新作情報を伝えることに焦点をあてた内容になっている。今回の配信で取り上げられたタイトルは以下のとおり。

タイトル	発売時期	日本語	リンク
Awaysis	未定	あり	Steam
初公開タイトル LUCID FALLS	未定	あり	Steam
Rock Beasts	未定	なし	Steam
Streich Mancer	未定	あり	Steam
初公開タイトル Virtue and a Sledgehammer	2026年内	あり	Steam
Beastro（ビーストロ）	未定	あり	Steam
初公開タイトル UN:me	2026年内	あり	Steam
SOUNDGRASS	未定	あり	Steam
The Dungeon Experience	未定	あり	Steam
初公開タイトル Scramble Knights Royale	未定	あり	Steam
MIRRIA	2026年内	なし	Steam
Big Hops	2026年1月12日	なし	Steam
初公開タイトル Corgi Space	発売中	なし	Steam
Into the Fire	2026年内	あり	Steam
Dogpile	未定	なし	Steam
Unshine Arcade	2026年内	なし	Steam
ムーミントロール：冬のぬくもり	2026年内	あり	Steam
Demon Tides	2026年2月19日	あり	Steam
初公開タイトル Frog Sqwad	2026年内	あり	Steam
Astro Mine	2026年内	なし	Steam
Find your Words	2026年内	なし	Steam

　ここから先は，発表された完全新作タイトルと，日本語対応の作品を中心にピックアップして紹介していく。いずれもSteamストアページがあるので，気になるゲームを見つけた人はウィッシュリストに加えておこう。

17-BIT

「Awaysis」

　魔王に支配された浮遊島「アウェイシス」の頂上を目指して冒険する，新作アクションアドベンチャーゲーム。スピードを乗せると剣戟の威力が増したり，敵や物を叩きつけて攻撃したりと，物理演算要要素を生かしたバトルシステムが特徴になっている。


　音楽を手掛けるのは，「MOTHER2 ギーグの逆襲」「大乱闘スマッシュブラザーズX」などで知られるサウンドクリエイターの田中宏和氏だ。かわいい動物をモチーフにしたキャラクターたちの戦いを，独特なビットサウンドが彩ってくれる。


　イベントで紹介されたゲームプレイ映像では，パズルのようなギミックを解いていく様子や，NPCと会話して新たな装備品を獲得する様子など，バトル以外にもさまざまな要素が確認できた。最大4人での協力プレイが可能とのことで，友達とワイワイと喋りながら楽しめそうな作品だ。

Eldamar Studio

「LUCID FALLS」

　一人称視点の完全新作ホラーアクション「LUCID FALLS」が発表され，Steamストアページが公開された。地獄から這い出たようなおぞましい怪物がはびこる“明晰夢”の世界で，主人公は自らの力を駆使して脱出を目指すことになる。


　明晰夢というだけあって，プレイヤーは世界そのものをある程度コントロールする力を持っている。公開されたトレイラーでは，重力を操ってオブジェクトを浮かせたり，光を敵に照射して攻撃したりと，さまざまな力を使って世界に干渉する様子を確認できた。


　具体的なゲームシステムなどは把握できなかったが，悪夢を表現する独特なアートスタイルを生かしたゲーム内容になっているようで，Steamストアページでは「雰囲気がすべて」とハッキリ書かれている。内容が気になる人は，ストアページをウィッシュリストに加えておこう。

Triangle Wave

「Stretchmancer」

　あらゆるものを変形させる“ストレッチの力”を操る魔法使い「ストレッチマンサー」となって，悪の帝国を撃退する一人称パズルアドベンチャー。手をかざした物体を自由自在に伸び縮みさせる特殊なアクションを駆使し，さまざまな難所を切り抜けていこう。


　伸縮の自由度は想像以上に高く，ひとまとまりの存在であればまとめて変形させられる。たとえば，部屋自体を横に引き伸ばして檻の隙間を広げたり，細い道を押し広げて巨大な通路にしたりと，本作ならではの攻略法を楽しめる。


　90年代のカートゥーン作品にインスパイアされた，コミカルでちょっとイカれたキャラクターたちや，ゲームを彩る独特なアイテムの数々も注目ポイント。キャラクターの音声はフルボイス（英語）となっており，物語や世界観にもこだわりが感じ取れる。

Deconstructeam / Selkie Harmour

「Virtue and a Sledgehammer」

　完全新作アクションアドベンチャーゲーム「Virtue and a Sledgehammer」が2026年内にリリースされることが発表され，アナウンストレイラーが公開された。


　故郷に帰ってきた主人公が見たものは，人間のフリをするアンドロイドたちの群れだった。変わり果てた故郷を叩き壊すため，主人公はスレッジハンマーを握って戦うことになる。昔懐かしい建物を，そこに残った思い出ごと叩き壊していくのだ。


　本作のデベロッパには，「The Cosmic Wheel Sisterhood」を手掛けたDeconstructeamと，スペイン・アイルランドの開発者によるSelkie Harmourの名前が並んでいる。両社が共同で作品を手掛けるのは「Many Nights a Whisper」に続き2作目だ。前作は1時間ほどで楽しめる短編作品なので，方向性が気になる人はそちらを参考にしてみよう。

集英社ゲームズ

「UN:me」

　ヒストリアが手掛ける完全新作タイトル「UN:me」がアナウンストレイラーとともに発表され，Steamストアページが公開された。4つの魂を宿した少女の中から“偽物”を探り当て，それらを排除していくまでの過程が描かれるという，ホラーアクションアドベンチャーゲームだ。


　少女が不思議な迷宮を探索することで，それぞれの魂が持つ特性に触れられる。探索中は4つの魂のうち1つが表層に現れ，精神の奥底にある不安や恐怖を強調する形で世界が変化していくので，その様子を観測し，本物ではない魂を発見しなければならない。

　公開された映像は，少女が秘めるそれぞれの魂が自身の状況と不安について語る様子や，超現実的な空間を探索する姿を確認できる。空間の様子は不規則に切り替わり，それが魂が抱える精神状態を示していることがうかがえる。


　本作を開発するヒストリアは“Unreal Engine専門ゲームデベロッパー”を謳っており，月面探索シミュレーター「REAL MOON」などを手掛けている。今後の動向が気になる人は，公式Xアカウントをフォローしておこう。

Bone Assembly

「The Dungeon Experience」

　（自称）起業家の弱小マッドクラブが作り出した“ダンジョン探索トレーニングプログラム”に挑む，一人称視点のコミカルなアドベンチャーゲーム。マッドクラブは，ダンジョンを攻略すれば「経済的自由という真の至福」を手にできると語るが……。


　ダンジョンはかなりギリギリの予算で作られているようで，いろいろなところにアラが見える。机の足が四つん這いのゾンビだったり，渡される武器が霧吹きだったりと，その出来栄えはお粗末と言わざるを得ない。

　進行の合間にはダンジョンマスターとしてマッドクラブが語りかけてくれるが，それもなかなか上手くいかない様子。ただ，実際にモンスターたちが参加しているのは間違いないようで，なにげに人徳（？）はあるのかもしれない。


　Steamストアページでは，マッドクラブによる本作の紹介が掲載されているので，ぜひチェックしてみてほしい。説明文の最後にはながーい注釈がついており，そのあたりも含めて本作の雰囲気がよく分かる内容となっている。

Funktronic Labs

「Scramble Knights Royale」

　「Wave Break」や「The Light Brigade」といったアクション作品を手掛けてきたFunktronic Labsの新作タイトル「Scramble Knights Roiyale」が発表され，Steamストアページとアナウンストレイラーが公開された。


　Scramble Knights Roiyaleは，最大32人のプレイヤーが参加する見下ろし型のバトルロイヤル系アクションゲームだ。島にやってきたプレイヤーたちは，マップを探索しながら装備品を収集しつつ，生き残りを目指して戦うことになる。

　バトルロイヤル系のゲームとして比較的珍しく，近接アクションがゲームの中心となっており，マップ内にはショップやダンジョンなども登場する。どんなビルドを組み上げるかによって戦い方が大きく変化するようそもあり，本作ならではの戦略が楽しめそうだ。


　今回の発表に合わせて，Steamストアページではプレイテストの募集がスタートしている。プレイテスト専用の特典も用意されるとのことなので，参加してみたい人は早めにアクセスのリクエストを済ませておこう。

FIN JI / Adam Atomic

「Corgi Space」

　「TUNIC」を手掛けたFIN JIと，同社を経営するAdam Atomic氏による完全新作タイトル「Corgi Space」が発表され，それと同時にSteamとitch.ioで発売された。価格は580円（税込）で，対応言語は英語のみ。


　Corgi Spaceは，数分から1時間程度で遊べる短いゲームがたくさん収録されたアラカルト型のゲームだ。荷物を届けてランクを上げるローグライトパズル「カイパー・カーゴ」，ポーカーの役を駆使したミニローグライク「ケイブ・オブ・カード」，爆弾倉庫番パズル「モール・モール」，ローリングオンリーのソウルライク「ラット・ドリーム」など，その内容はさまざま。


　いずれも懐かしいドットアートが用いられており，サクッと楽しめる作品を探している人にはちょうどいいゲームになるだろう。それぞれのゲーム開発秘話も含まれているとのことで，FIN JIやAdam Atomic氏のファンには特にオススメできそうだ。

Starward Industries

「Into the Fire」

　「The Invincible」を手掛けたStarward Industriesが，2026年のアーリーアクセス開始に向けて開発を進めている新作タイトル「Into the Fire」のゲームプレイ映像が公開された。


　Into the Fireは，火山が吹き上がる「ダンテ諸島」に挑むアクションアドベンチャーゲームだ。島には独自の神話が存在し，炎の精霊が荒れ狂っている。プレイヤーは消火ショットガン，地震スキャナー，破壊用の消防斧などの道具を備えた探索者となって，炎に巻き込まれた人々を救助しつつ，噴火の謎を探ることになる。

　攻略には時間制限があり，救助と探索は素早く行わなければならない。どの場面で，どんなガジェットを使えば適切に攻略できるかを考えながら行動する必要がある。公開された映像では，ジップラインで長距離を移動する姿や，崩落によって階下に落ちてしまうシーンなどを確認できた。

Hyper Games

「ムーミントロール：冬のぬくもり」

　「スナフキン：ムーミン谷のメロディ」を手掛けたHyper Gamesによる，ポイント＆クリック型のパズルアドベンチャーゲーム。冬眠の最中に目覚めてしまったムーミントロールが，ひとりぼっちの世界で“冬を追い払う”ために未知の世界を冒険する姿が描かれる。


　冒険の舞台はムーミン谷だが，吹雪がふきすさぶ真冬ではまったく違う姿に変貌してしまっている。その世界は厳しくも美しい，見たこともない寂しさと美しさに満ちていた。仲間や家族はもちろんどこにもおらず，どうにかして1人で世界を冒険しなければいけない。

　トーベ・ヤンソン氏による「ムーミン谷の冬」に着想を得た作品とのことで，本作ではやわらかな日常とはひと味違った物語が展開される。同社が手掛けるムーミン作品の第2弾にあたり，直接的な続編ではないものの，基本的なシステムやアートスタイルは共通しているとのこと。


　今回の発表に合わせて，ティザーデモ（体験版）の配信が開始された。体験版はSteamストアページから確認できるので，興味を持った人はダウンロードして遊んでみよう。

Fabraz

「Demon Tides」

　個人開発者のFabraz氏が手掛ける3Dアクションゲーム「Demon Tides」の最新トレイラーが公開され，発売日が2026年2月19日に決定したことが発表された。


　Demon Tidesは，悪魔の少女Beebz（ビーブズ）が悪魔の女王を目指して戦う「Demon Turf」シリーズの続編にあたる作品だ。過去シリーズでは2Dで描かれたキャラクターが，3D空間を飛び回る独特なアートスタイルが採用されていたが，本作では全キャラクターが3Dで描かれる。

　新たな舞台となるのは，広大な海が広がるRagnar's Rockと呼ばれる場所だ。Beebzは移動式拠点「フロート・ファッショニスタ」に乗り込み，クルーたちと共に世界を冒険することになる。変身によるスピード感あふれるアクションは前作からさらにパワーアップし，より洗練された3Dプラットフォーマー作品へと進化したという。


　また，本作にはオンライン要素も取り入れられている。ゴーストとスピードランのタイムを競う直接的な競争要素だけでなく，壁に描いたラクガキを全世界で共有するなど，ゆるやかなつながりを楽しめる要素もあるようだ。

Panic Stations

「Frog Sqwad」

　「Fall Guys」に携わった開発者たちによって設立されたゲームスタジオ「Panic Stations」による完全新作タイトルとして「Frog Sqwad」が発表され，近日中にプレイテストが実施予定であることが明らかにされた。


　Frog Sqwadは，カエルたちが「スワンプキング」に捧げる食べ物を求めて飛び回る協力型アクションゲームだ。カエルは舌を伸ばして貼り付けることで，オブジェクトを引っ張ったり，スイングして遠くに渡ったりできる。さらに，仲間に舌をくっつけて橋を作るなど，さまざまな使い方ができるようだ。

　スワンプキングの空腹度は少しずつ増加し，ノルマをこなせなければプレイヤーたち自身が食事にされてしまう。探索を成功させて手に入れたゴールドを使って新しいアイテムを確保し，より効率よく食料を集められるように動かなければならない。


　Panic Stationsの設立が発表された当初，同スタジオのメンバーであるJoe Walsh氏は「ゲームはもっと面白く，バカバカしいものであるべき」というコメントを発表していた（関連記事）が，まさにその言葉にふさわしい作品になりそうだ。遊んでみたい人は，Steamストアページをウィッシュリストに加えておこう。