プレイレポート
「ポケモンごいた」体験会に参加してきた。日本の伝統ゲームと「ポケモン」の組み合わせは意外なくらいに良好だった!
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「ごいた」といえば,石川県能登町宇出津を発祥とするボードゲームだ。以前までは“知る人ぞ知る日本の伝統ゲーム”という立ち位置だったが,今やその面白さが広く知られ,ボードゲームファンの間ではそれなりに知名度のある作品となった。
「ポケモンごいた」はそのポケモン版にあたるわけだが,“株式会社ポケモン”が制作・販売を手がけることから分かるように,かなり力の入った商品だ。多彩なオリジナルイラストが用いられているだけでなく,ルール習得用のティーチングアプリまで用意されており,その熱量の高さが伝わってくる。
今回,4Gamerでは発売前に実施されたメディア向け体験会に参加してきたので,伝統的なごいたのルールと合わせて注目ポイントをお伝えしよう。「そもそも,ごいたって何?」という人も要チェックだ。
※掲載している画像は開発中のものです。
シンプルながらも奥深い「ごいた」が,もっと遊びやすくなった
まずは,ごいたの基本情報を紹介しよう。
ごいたは2対2のチーム協力型ボードゲームだ。各プレイヤーには8枚のコマ(駒)が手札として配られ,それを最初に出しきったプレイヤーの属するチームが点数を獲得できる。複数回のラウンドを行い,合計150点を先取したチームが勝利だ。
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手番は反時計回りに進むが,たとえ手番が来ても必ずコマを出せるわけではない。自分より前のプレイヤーが出した「攻めのコマ」と同じコマが手札内にある場合のみ,それを「受けのコマ」として場に出せる仕組みになっている。
「受けのコマ」を出せたプレイヤーは,以降のプレイヤーに向けた「攻めのコマ」を新たに1枚出せる。つまり“受け”が成功すれば,一気に手札を2枚減らせるのだ。チームメンバーがうまく受けられるように,“攻め”を考えなければならない。
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ただし,なかなかそう簡単にはいかない事情もある。卓を囲む際にはチームメンバーが対面に座る形になる――つまり,自分の次には必ず相手チームのメンバーが手番を得る。うまく相手チームを避けつつ,仲間だけが受けられる手を探すのが,ごいたのキモになる読み合い要素だ。
それに加えて,点数が「最後に出した攻めのコマ」によって決定されるのも難しいところ。「王(玉)」「飛」「角」といった枚数が少ないコマは高得点だが残し続けるのが難しく,「し(歩)」は枚数が多く残しやすいが得点は低い。そのあたりも考慮しながら勝利を目指す。
全体で2枚しかないコマが手札内に2枚あるならば,それを最後まで残しておけば手番を渡さず勝利まで走り抜けられる――といったような独自のテクニックも多い。しかし,基本的には会話で情報を渡すのは禁じられているので,コマの出し方や受け方で仲間に情報を伝えなければならない。
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| コマの種類 | 枚数 | 点数 |
|---|---|---|
| ミュウツー,ミュウ(王,玉) | 各1枚,計2枚 | 50点 |
| リザードン(飛) | 2枚 | 40点 |
| カイリュー(角) | 2枚 | 40点 |
| ライチュウ(金) | 4枚 | 30点 |
| ピカチュウ(銀) | 4枚 | 30点 |
| ポニータ(馬) | 4枚 | 20点 |
| コラッタ(香) | 4枚 | 20点 |
| ポッポ(歩/し) | 10枚 | 10点 |
ざっくりとルールをまとめると,以下のとおり。親プレイヤー(最初の手番を実行する人)と,全員がパスした場合は手番の処理が異なるので注意してほしい。
また,最初に配られる8枚の手札が大きく偏っていた場合は“手役”が発生して特殊な処理が行われるが,最初のうちはあまり気にしなくてもいいだろう。
| 手番の流れ | |
|---|---|
| 最初の手番 | 手札からコマを1枚選び,裏向きにして,自分の場の上段に置く。その後,コマをもう1枚選び,下段に「攻めのコマ」として置く。 |
| 以降の手番 | ・AかBのいずれかを実行する A:受ける 直前に出された「攻めのコマ」と同じコマを持っている場合,そのコマを「受けのコマ」として上段に表向きに置いてよい。置いたら,下段に「攻めのコマ」を表向きに置く。 B:パスする 持っていない,あるいはコマを出したくない場合,コマを置かず,次のプレイヤーが手番を行う。 |
| 例外処理 | |
| ●自分以外の3人がパスした場合 手札からコマを1枚選び,裏向きにして自分の場の上段に置く。その後,自分の場の下段に新たな「攻めのコマ」を1枚表向きに出す。 ●「王(玉)」に関連する特殊効果 王(玉)は「香」と「し」以外のすべてのコマに対し,受けのコマとして出すことができる。ただし,以下の条件のいずれかが満たされている場合を除き,攻めに使うことができない。 ・すでに王(玉)が受けで使われている。 ・手札内に王(玉)が1枚ずつ存在する。 ・手札の最後の1枚が王(玉)である。 |
|
| ラウンドとゲームの終了 | |
| ラウンド終了 | 誰かが8枚のコマを場に出したら,ラウンドを終了する。 |
| 勝敗の判定 | 条件を満たしたプレイヤーが属するチームが勝利する。 |
| 点数の計算 | 最後に出した攻めのコマに設定された数字に等しい点数を得る。 |
| 特殊な計算 | 最後の持ちゴマが2枚同じポケモンで,受けを伏せてあがれた場合,得点が2倍になる。 |
| ゲーム終了 | 合計150点を得たチームはゲームに勝利する。 |
基本ルールを把握したところで,あらためて本題の「ポケモンごいた」を見てみよう。すべてのコマにイラストが描かれているだけでなく,そのコマで勝利した際の得点や全体の枚数もしっかりと記載されている。
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初心者がごいたを覚えるにあたって最初につまづくポイントは,各コマの役割や点数,枚数を把握する部分なので,そこがサポートされている点は素晴らしい。実際に遊んでみても,ビジュアルの豪華さ以上に,遊びやすさを強く実感できた。
とくに,コマごとの全体枚数の表示は非常にありがたい。「特定のコマが残り何枚あるか」が重要な読み合い要素となるごいたでは,これが表示されているだけでプレイヤーの負担が大きく低下する。将棋に馴染みがない初心者にとっては,なおさらだろう。
コマ自体の材質も好印象だ。絵柄はシャッフルなどでカスれにくいように窪みがついており,背面にはキズが目立ちにくいエンボス加工の細かな模様が施されている。通常の木駒よりやや大きいこともあり,取り回しやすい。
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さらに,パッケージに含まれるプレイマットでは,「受けのコマ」と「攻めのコマ」を置く位置が提示され,手番順を示す矢印,各チームの現在得点を示すトラックまで用意されている。おかげで点数をメモしたり,配置を調整したりする必要がない。このあたりは,1つの商品として非常によくできている。
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同時に展開されるティーチングアプリも,実にクオリティが高い。ルール習得用のアプリと銘打たれているものの,実際にはチュートリアルだけでなく,CPU戦も楽しめる。ゆくゆくはオンライン対戦に対応したバージョンが欲しくなってしまうくらいだ。
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「ポケモンごいた」はパッケージ全体から,「これ(パッケージ)1つで快適に遊べる!」というメッセージが受け取れる。一般的なボードゲームと比較してもコスパは良好なので,初めて遊ぶボードゲームとしても非常におすすめしたい。
| ポケモンごいた | |
|---|---|
| 商品名 | ポケモンごいた |
| 発売日 | 2025年12月18日(木)予定 |
| 希望小売価格 | 2970円(税込) |
| 対象年齢 | 7才以上 |
| プレイ人数 | 4人 |
| プレイ時間 | 20分〜 |
| 発売元 | 株式会社ポケモン |
| セット内容 | コマ計34枚,プレイマット1枚,ルールブック1枚 |
| 販売店舗 | ポケモンセンター,量販店,カードショップ,書店など |
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キーワード
- ANALOG:ポケモンごいた
- ANALOG
- テーブルゲーム
- プレイ人数:1〜4人
- ポケットモンスター
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- ライター:蒼之スギウラ
(C)Pokémon. (C)Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
TM, (R), and character names are trademarks of Nintendo.
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