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RDNA 3世代のミドルクラスGPU「Radeon RX 7600」性能速報。FHDでは競合のミドルクラスと戦えるがネックは価格か
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印刷2023/05/24 22:00

テストレポート

RDNA 3世代のミドルクラスGPU「Radeon RX 7600」性能速報。FHDでは競合のミドルクラスと戦えるがネックは価格か

 2023年5月24日,AMDは,RDNA 3アーキテクチャ採用のデスクトップPC向けGPUでは初となる,ミドルクラス市場向けGPU「Radeon RX 7600」(以下,RX 7600)を発表した。国内での発売日は5月26日となっている。

RX 7600のリファレンスカード。同形状の製品がグラフィックスカードメーカーから登場するだろう
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 AMDは,RX 7600が「1080p」(1920×1080ドット,フルHD)での推奨設定で60fps以上の性能を発揮すると主張しており,エントリー〜ミドルクラスのゲームPCに適した製品となりそうだ。
 本稿では,そんなRX 7600の性能速報をお届けしたい。

リファレンスカードの製品ボックス(左)と中身(右)。付属品は,オンラインマニュアルへのリンクを入れたQRコードが印刷された紙だけだった
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前世代の1つ上のモデルに匹敵するスペック


 まずは簡単に,RX 7600のスペックを,今回比較対象とする前世代のミドルハイクラスGPU「Radeon RX 6700」(以下,RX 6700)と,競合製品となる「GeForce RTX 3060 Ti」(以下,RTX 3060 Ti)を比較したのが表1となる。

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 ダイ面積は204mm2と,比較対象よりもだいぶ小さめだ。AMDがStream Processorと呼ぶシェーダプロセッサ数は2048基で,前世代の「Radeon RX 6600」(以下,RX 6600)の1792基よりも約14%増えた。RX 6700にはさすがに及ばないが,RDNA 3世代にアップデートされたことによる性能向上分が,どの程度ゲームに影響するのかは見物だろう。

 RDNAアーキテクチャの特徴である大容量L3キャッシュメモリ「Infinity Cache」は第2世代となり,容量はRX 6600と同等の32MBとなっている。第1世代であるRX 6700の80MBに比べると見劣りしてしまうが,世代の差でどの程度カバーできるだろうか。

 動作クロックは,ゲームクロックが2250MHz,ブーストクロックは2625MHzとなっており,どちらもRX 6700を上回る。ゲーム性能への好影響も期待したいところだ。


2連ファン搭載でカード長約205mmと扱いやすいサイズ


 それでは,RX 7600のリファレンスカードを見ていこう。
 カードの表面は,90mm系の空冷ファンを2基備えたクーラーが覆っていて,裏面は金属製と思われるバックプレートが取り付けられている。よくある今どきのグラフィックスカードといったところだ。

RX 7600リファレンスカードの表面(上)と裏面(下)
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 NVIDIAは,GeForce RTX 40シリーズのリファレンスカードで,メイン基板の横幅を短くしたうえで,GPUクーラーの後端を表から裏に空気が抜ける構造にすることで,冷却効率を高めている。それに比べると,Radeon RX 7000シリーズのクーラーは,どれもごく普通の設計といったところ。
 実測のカード長は,約205mmと比較的短めで,厚みも2スロット強,ブラケット上方向のはみ出し部分も10mmない程度なので,Mini-ITX仕様の小型PCケースでも扱いやすいだろう。

カード長は約205mmとコンパクトである。ファンは,ブレードがフレームと一体化したタイプだ
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メイン基板はカードの全長近くまである。ごく普通のグラフィックスカードといった印象だ
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ブラケットからバックプレートがはみ出しているが,ほぼ2スロット厚と言っていいだろう。ブラケット上側(写真左側)のはみ出しも小さい
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補助電源コネクタは,8ピンタイプを1基,カード後端上側に備える
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 補助電源コネクタは,これまた一般的な8ピンタイプのPCI Express(以下,PCIe)補助電源コネクタを1基,カード後端に備えている。真上から電源ケーブルを差し込むタイプだが,カードの背丈は高くないので,ケーブルの取り回しに困ることはなさそうだ。

 重量も実測で約747gと,今どきのグラフィックスカードとしては軽めである。総じて取り回しは容易で,これまで使っていたPCケースや電源ユニットを,あまり難しいことを考えずそのまま使えるグラフィックスカードと言えよう。性能や将来性を重視して先進的な設計を採用するか,従来との互換性を重視して保守的な設計を採用するかは,どちらが正しいというものではない。ただ,近年のAMDは,保守的な設計を採用する傾向にあるようだ。

重さは750g弱なので,カードホルダー(カードステイ)を使わなくても良さそうだ
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 映像出力インタフェースは,DisplayPort 2.1出力が3基に,HDMI 2.1出力が1基という,ごく一般的な構成を採用している。「Radeon RX 7900 XTX」や「Radeon RX 7900 XT」のリファレンスカード(関連記事)では,DisplayPortの1つをDisplayPort Alternate Mode対応のUSB Type-Cポートにしており,VRヘッドマウントディスプレイやARグラスの「Nreal Air」をつなぎやすくしていたが,RX 7600では価格対スペック比を重視して,USB Type-Cは採用しなかったのだろう。

RX 7600リファレンスカードのブラケット部分。DisplayPort×3,HDMI×1というオーソドックスな構成だ
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RX 6700やRTX 3060 Tiと性能の比較


 それでは,RX 7600のパフォーマンスを確かめてみたい。まずは,テスト環境だが,

今回は前世代の「Radeon RX 6700」(以下,RX 6700)と,競合製品となる「GeForce RTX 3060 Ti」(以下,RTX 3060 Ti)を用意した。テスト環境の詳細は表2のとおり。

表2 テスト環境
CPU Ryzen 9 5950X(16C32T,定格クロック3.4GHz,最大クロック4.9GHz,共有L3キャッシュ容量64MB)
マザーボード MSI MEG X570 ACE(AMD X570,BIOS 7C35v1J)
メインメモリ G.Skill F4-3200C16D-16GIS PC4-25600 DDR4 SDRAM 8GB×2(DDR4-3200の16-16-16-36設定で利用)
グラフィックスカード Radeon RX 7600リファレンスカード
(グラフィックスメモリ容量8GB)
玄人志向 RD-RX6700-E10GB/DF
(Radeon RX 6700,グラフィックスメモリ容量10GB)
GeForce RTX 3060 Ti Founders Edition
(グラフィックスメモリ容量8GB)
ストレージ Samsung Electronics SSD 850 EVO(MZ-75E500,500GB)
電源ユニット Corsair CMPSU-1200AX(定格1200W)
OS 64bit版Windows 11 Pro(22H2,Build 22621.1702)
チップセットドライバ AMD Chipset Drivers 5.02.19.2221
グラフィックスドライバ Radeon:23.10.01.16-230504a1-391962E-PRESS-AMD-Software-Adrenalin-Edition
GeForce:GeForce 531.93 Driver

 ただ,RX 6700搭載カードとして利用した玄人志向の「RD-RX6700-E10GB/DF」は,ブーストクロックが2450MHzから2495MHzに引き上げられたクロックアップモデルなのだが,「GPU-Z」(Version 2.53.0)から動作クロックが取得できないばかりか,MSIのオーバークロックツール「Afterburner」(Version 4.6.5)を使った動作クロックの変更もできなかった。そのため,今回は素の状態のままテストを行っており,表記も「RX 6700 OC」と,リファレンス仕様と異なる点を明記しておく。

 使用したドライバソフトは,「23.10.01.16-230504a1-391962E-PRESS-AMD-Software-Adrenalin-Edition」というもので,AMDがRX 7600のレビュワー向けに配布したものだ。テスト時において,AMDがWebサイトで配布している最新バージョン「AMD Software Adrenalin Edition 23.4.3」が「22.40.51.05-230420a-391252C-AMD-Software-Adrenalin-Edition」だったので,今回のドライバはRX 7600対応だけでなく,それ以外も新しいものへと刷新されているようだ。

 テスト内容は,4Gamerのベンチマークレギュレーション26.1をベースに,時間的都合から「3DMark」(Version 2.26.8098),「Call of Duty: Modern Warfare II」(以下,CoD: MW2),「God of War」の3種類のみテストを実施した。AMD独自の超解像技術「FSR」や,NVIDIA独自の超解像技術「DLSS」は,今回のテストでは使用していない。
 なお,3DMarkに関しては,リアルタイムレイトレーシング性能を確認すべく,「Port Royal」と「DirectX Raytracing feature test」も追加している。
 テスト解像度は,AMDがRX 7600のターゲットに1080pでのゲームプレイを想定しているため,1920×1080ドットと2560×1440ドットの2種類と,高負荷での挙動も見るために3840×2160ドットを追加し,計3つを選択している。


クロックアップしたRX 6700を上回る性能で,RTX 3060 Tiを超える場面も


 それでは,3DMarkから順にテスト結果を見ていこう。グラフ1は「Fire Strike」の総合スコアをまとめたものだ。

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 RX 7600のスコアは,RX 6700 OCと勝ったり負けたりのいい勝負を演じている。RTX 3060 Ti比では,高負荷になると差を広げられているものの,テスト解像度が1920×1080ドットであるFire Strike“無印”では,ほんのわずかだが上回ったのは評価できる。

 続いてグラフ2は,Fire Strikeの総合スコアから「Graphics score」を抜き出したものとなる。

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 基本的に総合スコアを踏襲しており,RX 7600はRX 6700 COと肩を並べている。RTX 3060 Tiに対しても,Fire Strike“無印”であれば,4%ほど引き離している点は見どころといえよう。

 GPUとCPU両方の性能が効いてくる「Combined test」の結果をまとめたものが,グラフ3だ。

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 ここでユニークなのは,RX 7600は,1920×1080ドットでRX 6700 OCの後塵を拝しながら,それ以外の解像度で逆転をはたしていることだ。このテストは,GPUにとってもかなり描画負荷が高いものだが,RDNA 3アーキテクチャに有利なテストなのかもしれない。ただ,RTX 3060 Tiには,1割近くも差を付けられる場面もあり,あまりいいところがない。

 次に,DirectX 12のテストとなる「Time Spy」の結果に移ろう。グラフ4は,総合スコアをまとめたものだ。

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 Fire Strikeと同様に,Time SpyでもRX 7600は,RX 6700 OCとほぼ横並びの結果を残している。しかし,RTX 3060 Ti比を見ると,Fire Strikeとは異なり,RX 7600は8〜10%程度の差を付けられてしまっている。DirectX 12では,RX 7600の伸びが今ひとつなのかもしれない。

 続くグラフ5はTime SpyのGPUテスト結果となる。

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 ほぼ総合スコアと似た傾向を示しているものの,CPU性能の影響がなくなるため,RTX 3060 Tiとの差は10〜12%程度まで開いてしまっている。Time SpyはFire Strikeよりも描画負荷が高く,そうした場面はRX 7600はあまり得意ではないようだ。

 もうひとつのDirectX 12のテストとなるグラフ6の「Speed Way」では,より顕著となる。

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 RX 7600は,RX 6700 OCを約7%ほど離している点は評価できるものの,RTX 3060 Tiには,なんと約52%もの大差を付けられてしまった。これは,DirectX 12での性能差に加えて,RDNA 3世代のレイトレーシングユニットが,NVIDIAの第2世代レイトレーシングユニット「RT Core」に性能面で及ばない影響が大きいのではなかろうか。

 リアルタイムレイトレーシング性能をもう少し見ていこう。Port Royalの結果がグラフ7だ。

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 RX 7600は,RX 6700 OCに約9%の有意な差を付けた。RX 6700のレイトレーシングユニット数は36基だが,それに対してRX 7600は32基と,数だけ見ると減っているのだが,しっかり性能で上回っている点を見ると,このあたりしっかり強化されていることが窺える。とはいえ,RTX 3060 Tiには約28%ほどの差が付いてしまっており,リアルタイムレイトレーシング性能は競合製品に対して物足りなさが否めない。

 それは,もうひとつのレイトレーシング性能を測るDirectX Raytracing feature test(グラフ8)でも同じだ。

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 RX 7600はRX 6700 OCを約56%も引き離しているものの,それでもRTX 3060 Tiとの差は約41%ほどあり,差を詰められていない。

 では,実際のゲームではどうなのか。グラフ9〜11は,CoD MW2の結果となる。

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 RX 7600の平均フレームレートは,RX 6700 OCを3〜7%程度上回り,1920×1080ドットでは100fpsを超えている点は評価できる。RTX 3060 Tiに対しても,3840×2160ドットでこそ逆転を許してしまうものの,それ以外の解像度では2〜5%程度上回る性能を発揮している点は立派の一言だ。
 最小フレームレートを見ても,RX 7600が2560×1440ドット以下の解像度で,RX 6700 OCやRTX 3060 Tiを超える性能を示しており,AMDが想定するとおり,1080pでのゲームプレイでは優れた性能を有すると言っていい。

 それに対してRX 7600の性能が今ひとつ伸び悩んだのが,グラフ12〜14の「God of War」だ。

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 RX 7600の平均フレームレートは,RX 6700 OCにも届いておらず,RX 3060 Tiには21〜54%程度の差を付けられてしまった。しかし,1パーセンタイルフレームレートを見ると,RX 6700 OCに届いていないのは平均フレームレートと同じだが,2560×1440ドット以下の解像度であれば,RTX 3060 Tiに6〜17%程度の差を付けている。とくに1920×1080ドットでは,RTX 3060 Tiの1パーセンタイルフレームレートが50fps強であるのに対して,RX 7600は60fpsを超えており,この差はゲームプレイにおいてかなり大きい。

 さらに,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,テストシステム全体の最大消費電力を計測してみた。グラフィックスカード単体の消費電力ではないことに注意してほしい。Windowsの電源プランは,「バランス」に設定。ゲーム用途を想定し,無操作時にもディスプレイ出力が無効化されないよう指定したうえで,各テストを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点をタイトルごとの実行時としている。
 その結果がグラフ15だ。

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 RX 7600は,ゲームプレイ時にRX 6700 OCよりも若干増えてはいるが,RTX 3060 Tiに比べると,58〜76W程度も低い値を示している。RX 7600のTotal Board Powerは165Wで,AMDは定格出力550W以上の電源ユニットの使用を推奨しており,消費電力が抑えめで扱いやすいGPUと言ってよさそうだ。


1080pでの利用なら魅力的な存在

ただ価格がこなれてこないと存在感は薄い


 速報という簡易な形だが,テスト結果を見る限り,RX 7600の性能は,RX 6700と同等かそれ以上と言ってよさそうだ。AMDが想定する1080pであれば,RTX 3060 Tiを凌駕する場面もあり,ミドルレンジ向けGPUとして立ち位置は悪くない印象だ。消費電力が抑えられている点も高評価だ。

 RX 7600の価格は269ドル(約3万7000円)とされ,日本では4万円台後半から5万円前後になる見込みだ。ただ,この価格では,少し上乗せするとRX 6700の上位モデル「Radeon RX 6700 XT」搭載モデルに手が届くので,もう少し実勢価格がこなれてこないと旨味はなさそうだ。

 今回は十分なテストが行えなかったので,NVIDIAのミドルレンジ向けGPUと合わせて,次のテストでその立ち位置を明確にしてみたい。

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AMDのRadeon RX製品情報ページ

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    Radeon RX 7000

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