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Ada世代のミドルクラスGPU「GeForce RTX 4060 Ti」と「GeForce RTX 4060」が発表に。4060 Tiは5月24日発売
GeForce RTX 4060 Tiは,グラフィックスメモリ容量が異なる2製品がラインナップされており,メモリ容量8GB版は399ドル,国内では6万9800円前後で5月24日に,メモリ容量16GBは499ドル(約6万8000円)前後で2023年7月に発売の予定だ。
GeForce RTX 4060は2023年7月に発売の予定で,メーカー想定売価は明らかになっていない。
GeForce RTX 4060 TiとGeForce RTX 4060は,どちらも「AD106」と呼ばれるGPUコアをベースとしたGPUである。
NVIDIAが公開したブロック図によると,AD106はフルスペックの場合,シェーダプロセッサである「CUDA Core」を128基と,L1キャッシュメモリやテクスチャユニット,レイトレーシング用演算ユニット「RT Core」が1基,AI処理向け行列積和算ユニット「Tensor Core」を4基まとめた「Streaming Multiprocessor」(以下,SM)を,36基実装している。つまり,フルスペック版AD106のCUDA Core総数は,4608基(36 SM×128基)となるわけだ
それに対して,GeForce RTX 4060 TiのSM数は,フルスペック版よりもSM数が2つ少ない34基となっているので,CUDA Coreの総数は4352基(34 SM×128基)となる。
GeForce RTX 4060になると,SM数はさらに減って24基となるので,CUDA Core総数は3072基(24 SM×128基)という計算だ。
GeForce RTX 4060 Tiのブロック図 |
GeForce RTX 4060のブロック図 |
NVIDIAが公開したGeForce RTX 4060 TiおよびGeForce RTX 4060と,前世代製品である「GeForce RTX 3060 Ti」および「GeForce RTX 3060」の主なスペックを表にまとめてみた。
GeForce |
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GPUアーキテクチャ | Ada Lovelace | Ada Lovelace | Ampere | Ampere |
GPUコア | AD106 | AD106 | GA104 | GA106 |
SM数 | 34 | 24 | 38 | 28 |
シェーダプロセッサ数 | 4352 | 3072 | 4864 | 3584 |
RT Core数 | 34 | 24 | 38 | 28 |
Tensor Core数 | 136 | 96 | 152 | 112 |
ベースクロック | 2310MHz | 未公開 | 1410MHz | 1320MHz |
ブーストクロック | 2535MHz | 未公開 (約2440MHz?) |
1665MHz | 1777MHz |
CUDA Core (TFLOPS) |
22 | 15 | 16 | 13 |
RT Core (RT FLOPS) |
51 | 35 | 32 | 25 |
Tensor Core (TOPS) |
353 | 242 | 130 | 102 |
メモリタイプ | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリクロック | 18GHz相当 | 未公開 | 14GHz相当 | 15GHz相当 |
メモリインタフェース | 128bit | 128bit? | 256bit | 192bit |
グラフィックスメモリ容量 | 8,16GB | 8GB | 8GB | 12GB |
TGP | 160W | 115W | 200W | 170W |
表を見てのとおり,GeForce RTX 4060 Ti/4060は,CUDA Core数やSM数では前世代のGeForce RTX 3060 Ti/3060に負けている。しかし,アーキテクチャの改良に加えて,動作クロックの高さによって理論性能値では上回るようだ。
それに加えてNVIDIAは,GeForce RTX 4060 TiやGeForce RTX 4060における性能面での利点として,DLSS 3,とくに「DLSS Frame Generation」(補間フレーム生成)をアピールしている。
補間フレーム生成については,西川善司氏による解説記事で詳しく説明しているが,簡単に言えば,テレビの倍速駆動技術に用いられている補間フレーム生成の仕組みを,ゲームグラフィックスに応用したものだ。DLSS 3の補間フレーム生成に対応したゲームであれば,この仕組みでフレームレートを高められる。
NVIDIAが公開した性能比較のグラフを見る限り,GeForce RTX 4060シリーズは,前世代からは着実に性能が向上しているものの,補間フレーム生成なしだと劇的というほど高性能ではない。しかし,補間フレーム生成が機能するゲームでは,大幅な性能向上を実現できるようだ。
冒頭でも触れたとおり,国内での販売価格は,GeForce RTX 4060 Ti 8GBモデルが7万円前後なので,ミドルクラス市場向けとしては,やや割高感は否めない。とはいえ,前世代から大きな性能向上を見せているGeForce RTX 40シリーズのミドルクラスとなれば,ゲーマーから大きな注目を集めることは間違いないだろう。
NVIDIAのGeForce公式Webページ
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GeForce RTX 40
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