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「R-TYPE FINAL 2」プレイレポート。名作STG「R-TYPE」シリーズがクラウドファンディングを経て復活
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印刷2021/04/28 12:00

プレイレポート

「R-TYPE FINAL 2」プレイレポート。名作STG「R-TYPE」シリーズがクラウドファンディングを経て復活

 2021年4月29日,「R-TYPE」シリーズの最新作となる「R-TYPE FINAL 2」PC / Xbox Series X / PS4 / Xbox One / Nintendo Switch)がグランゼーラから発売される。
 前作にあたる「R-TYPE FINAL」の発売時点では,シューティングゲームとしての「R-TYPE」シリーズはそれで最後になる予定だった。しかし2019年4月1日に,「R-TYPE FINAL 2」が発表される。当日はエイプリルフールだったが“ウソ”ではなく,3回のクラウドファンディングを経てついに完成。正式なリリースを迎えることとなる。
 ファンが待ち望んだシリーズ最新作は,どのような内容になっているのだろうか。シリーズの原点を振り返りながら,本作の魅力について紹介していこうと思う。

画像集#014のサムネイル/「R-TYPE FINAL 2」プレイレポート。名作STG「R-TYPE」シリーズがクラウドファンディングを経て復活


初代「R-TYPE」が登場したシューティング黄金期


 本作は言わずもがな,1987年にアーケードで発売された横スクロールシューティング「R-TYPE」の系譜を受け継ぐタイトルだ。初代「R-TYPE」が登場した当時,ビデオゲームの最先端を走っていたのがアーケードゲームであった。
 アーケードゲームとは,ゲームセンターに置かれていたゲーム全般を指す。当時はデータ容量やCPUの性能など,ハード面の進歩が著しかった。そのため統一規格のハードで作られる家庭用ゲームよりも,作品ごとに基板が作られるアーケードゲームに最新の技術が投入されていた。
 そんな1980年代のアーケードゲームにおいて,花形とされていたのがシューティングゲームである。1978年に「スペースインベーダー」(タイトー)が大ブームを巻き起こして以来,「ゼビウス」(1983年・ナムコ),「グラディウス」(1985年・コナミ)というSFシューティングの名作が次々と登場した。80年代後半にはシューティング好きなプレイヤー達がゲームセンターに数多くたむろしており,魅力的な新作を期待していたものである。
 「R-TYPE」はそうした空気の中,1987年にアイレムから発売された。その斬新なアイデアと深いゲーム性に,多くのシューティングマニアが熱狂することとなる。「R-TYPE」こそ,当時のマニアが求めていたものであり,なおかつその想像を超えるほどの作品であったと言える。


「R-TYPE」シリーズの基本システムとその斬新さ


 「R-TYPE」シリーズの攻撃システムにおいて,特徴的なものがフォースの存在である。フォースは無敵の攻撃オプションで,自機の前後に装着することができる。前に着ければ前方に攻撃し,後ろに着ければ後方をカバーして攻撃する。
 またフォースは自機から切り離して運用することも可能で,敵の弱点に飛ばして攻撃することもできる。さらに敵の弾を消せるため,バリア代わりにも使える。この様々な用途に使えるフォースこそが,「R-TYPE」シリーズのシステムの要だと言えるだろう。初代「R-TYPE」が生み出したその独創的なアイデアに,当時のプレイヤーは驚かされたものである。
 ちなみにこのアイデアとゲーム性は,のちの多くのゲームに影響を与えている。筆者はこれまで多くの開発者にインタビューを行ってきたが,その中で「ストリートファイターII」(カプコン)のガードシステム,「サムライスピリッツ」(SNK)に登場するナコルルの鷹などは,このフォースのアイデアからインスピレーションを受けていると聞いた。

本作のフォースのシステムは,初代と基本的に同じ。フォースは3段階に成長し,アイテムを取ることで3種類のレーザーを撃つことができるようになる
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フォースを切り離した状態で攻撃すると,フォースから弾を発射する。これをうまく使えば,効果的に敵を倒せる場面がある
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 「R-TYPE」シリーズにはフォース以外にも,特徴的なシステムがある。それが溜め撃ちで強力な攻撃ができる,波動砲である。溜めて威力の高い攻撃ができるというシステムはそれ以前にも存在していたが,シューティングというジャンルに本格的に取り入れたのは初代「R-TYPE」が最初だろう。
 初代「R-TYPE」はこのフォースと波動砲に加え,ミサイルとビットを使い,敵を攻撃する。これらの攻撃方法はシリーズを通して変わっておらず,それは最新作にも受け継がれている。

初代の波動砲は一直線に飛ぶタイプだったが,「R-TYPEII」で拡散波動砲が登場した。本作ではそれ以外にも,さまざまなタイプの波動砲が存在する
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ステージ3のボスは,波動砲の種類によって倒せる速さが違う。波動砲の種類は,機体選びに関わってくる重要な要素だ
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 本作で採用されているDOSEシステムは,アーケード版には存在しなかった戦闘システムだ。敵弾や敵をフォースに当てて防ぐと,画面の左端に表示されたDOSEゲージが溜まっていく。このゲージを最大まで溜めれば,フォースの攻撃力が上がり,スコアが稼ぎやすい状態となる。そしてこのときに該当するボタンを押すと,威力が高いスペシャルウェポンを発射することができる。

スペシャルウェポンは画面全体を覆いつくす強力な攻撃。使うにはDOSEゲージを溜めないといけないが,それには時間がかかる。ステージ1をクリアした段階では,まだゲージが溜まりきらない
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「R-TYPE」シリーズの新たな進化。プレイを重ねて新たな機体を開発


 80年代にヒットした「R-TYPE」はアーケードから家庭用へと活躍の舞台を移し,シリーズ化されてユーザーを楽しませ続けた。その過程で進化を続け,前作の「R-TYPE FINAL」では非常に多くの機体を使えるようになった。このコンセプトは本作「R-TYPE FINAL 2」にも受け継がれており,プレイするごとに新しい機体が少しずつ増えていくようになっている。
 実際にプレイしてみると,早い時期に開放される機体は,初代「R-TYPE」に登場した“R-9A”を始めとした,比較的オーソドックスなものが多い印象だ。それでも機体ごとに,波動砲の性能やフォースから発射する弾の種類が異なり,十分に個性の違いが楽しめる。中には前作「R-TYPE FINAL」に登場した情報収集専用の偵察機も存在し,「こんな機体もあったな」と,懐かしい気分を味わうことができた。

それぞれの機体には個性があり,フォース着脱時の攻撃が異なる。場所によっては攻略法も変わってくるので注意しよう
画像集#006のサムネイル/「R-TYPE FINAL 2」プレイレポート。名作STG「R-TYPE」シリーズがクラウドファンディングを経て復活

 機体の開発は,ステージをプレイして獲得した資源を消費して行う。資源にはソルモナジウムエーテリウムバイドルゲンの3種類がある。これらの資源はステージによって獲得しやすい種類が異なるが,4ステージくらいまで進めれば資源の偏りも減ってくるので,安定したペースで機体を増やしていけるはずだ。少なくともゲーム開始直後は,機体がなかなか増えなくて困るということはないだろう。

 このようにプレイを重ねて新たな機体を収集し,出撃させる楽しみ方は,家庭用ゲームならではの要素だといえる。収集欲をそそるゲーム性は,純粋なシューティングというよりは,RPGやハック&スラッシュと呼ばれるジャンルに近い。
 このシステムは,家庭で遊ぶシューティングには適していると思う。RPGのように,単純にレベルが上がってステータスが増えるようなシステムは,ユーザーに技量の向上が求められるシューティングゲームには合わない。しかしそれが本作のように,強化された新機体の追加であれば,受け入れやすいのではないかと思う。

機体の開発はR's-Museumで行う。おもに3種類の資源を消費して開発するが,最初のうちはエーテリウムが不足しがち
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特定の機体を開発したり,ステージをクリアーしたりするなど,資源を消費する以外の条件を満たさないと開発できない機体もあるようだ
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機体はステージごとに切り替えが可能


 開発した機体は,12機までハンガーにセットできる。このセットした機体の中から選び,戦闘に出撃することになる。
 本作はステージの間で,機体を選びなおして出撃することも可能だ。ステージによって使いやすい機体を選び,有利に戦いを進めることができる。
 例えばステージ4に登場する敵の一部は,弱点を隠すように設置されており,裏側から攻撃しないとダメージが与えられない。このとき敵に向けて誘導できるタイプのフォースを持った機体を使えば,楽に倒すことができる。確実に先に進みたいなら,このように機体を切り替えていく方がいいだろう。
 また腕に自信のある人なら,様々な機体を試してみるといい。機体の性能が変われば,その強みを生かした新たな攻略法が必要となる。戦い慣れたステージでも,また新鮮な気持ちでプレイすることができるだろう。

ステージをクリアした後のリザルト画面では,機体の変更が可能。最初は新機体を試しながら楽しみ,難しいステージに進んだら慣れた機体に切り替えて遊ぶことができる
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ステージ4に登場する敵と戦うときには,フォースを切り離したときに敵に向けて誘導して動くタイプが有利。他の種類のフォースでは,敵をすべて倒すのは難しい
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横スクロールシューティングならではの地形との戦いが楽しめる


 本作は地形が存在する,典型的な横スクロールシューティングである。敵の弾数はそれほど多くないが,入り組んだ地形や,敵の体当たりには注意が必要だ。
 そのため,弾避けのテクニックよりも,まず地形や敵のパターンを覚えることが必要とされる。繰り返しプレイして適切な進路を選び,攻略パターンを作っていくのである。このゲーム性は,初代「R-TYPE」からシリーズを通じて引き継がれている。

 体験版で公開されたステージ1は,地形が複雑ではなく,登場する敵もそれほど強くない。そのため,初代からシリーズをやりこんできたプレイヤーにとっては,少し物足りないかもしれない。
 しかしステージ2以降は,いかにも「R-TYPE」らしい,凝った地形と敵が登場する。後半のステージに行くほどやりごたえが出てくるので,シューティングマニアも納得できるはずだ。
 本作のような横スクロールシューティングに慣れていないプレイヤーにとって,最初の難関はステージ2のボスだろう。このボスは2つの四角いコンテナ状の敵なのだが,左右どちらかに弱点があり,弱点の逆方向から撃ってもダメージが与えられない。
 この敵を倒すには,フォースを後ろに付けて攻撃する必要がある。最初は苦労するかもしれないが,フォースの使い方を学ぶには適したボスだと感じた。

ステージ2のボスは,初代のステージ6に登場したドップを思わせる四角い物体。フォースを後ろに着けて,弱点めがけてレーザーを撃ち込む必要がある
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ステージ3は人工知能研究所が舞台。後半には,初代のステージ3に現れた巨大戦艦を思わせる攻撃が待っている
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初心者は難度を低くして遊ぶのがオススメ


 本作は5段階の難度が用意されており,ゲーム開始時に選択できる。シューティングに慣れている人ならNORMALの難度で始めても問題ないだろうが,初心者にとっては少し難しいかもしれない。
 難度の違いは,おもに敵の耐久力や,弾を撃つ頻度に関係してくる。あまりシューティングに自信がないなら,最初は下から2番目の難度であるKIDSでプレイするのがお勧めだ。まずは低い難度で敵の出現パターンを覚え,対策を立てていくといい。
本作は敵の撃つ弾数の違いよりも,敵の攻撃パターンを覚えているかどうかが攻略のポイントになる。難度を低くしても敵の登場パターンは変わらないので,易しすぎてつまらない,ということにはなりにくい。ミスしないようになってから,難度を上げていくというのもひとつの遊び方だ。

難度は5段階あるので,自分に合った難度を選ぼう。“難易度選択”の場面では,デモシーンのスキップを選ぶこともできる
画像集#013のサムネイル/「R-TYPE FINAL 2」プレイレポート。名作STG「R-TYPE」シリーズがクラウドファンディングを経て復活


令和の時代に横シューの新作を遊べる喜び


 昭和の終わりに初代「R-TYPE」が発売されてから,早くも30年以上が経過した。当時学生だったプレイヤーは,今では50代前後になっていると思われる。時代が経つにつれ,人気のゲームジャンルは大きく変わっていった。そんな移り変わりの激しい中で,ここまで一つのシリーズが愛され続けているというのは,なかなかあることではない。
 本作は「R-TYPE FINAL」と同様に,多くの機体を開発していくというコンセプトを採用している。しかし戦闘においては,初代「R-TYPE」のゲーム性を受け継いでおり,シューティングゲームとしての核は80年代そのままといえる。
 古株のファンとしては,この時代に横スクロールシューティングの新作が楽しめることを,素直に喜びたいと思う。そして初代をリアルタイムで遊んだことのない人たちも,ぜひ本作にチャレンジしてみてほしい。本作のような横スクロールシューティングには独特の面白さがあり,それはどの時代にも通じる,普遍的な魅力を持っていると思うからだ。

「R-TYPE FINAL 2」公式サイト

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