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  • ブロッコリー
  • 発売日:2021/03/18
  • 価格:【限定ユニヴェールコレクション】1万2300円(税別)
    【通常版】7800円(税別)
    【ダウンロード版】7800円(税別)
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「ジャックジャンヌ」に万雷の拍手と最大級の賛辞を贈りたい。人間の内面を深く描く物語,石田スイ氏の作家性に圧倒されるブロッコリー最新作
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印刷2021/03/18 00:00

レビュー

「ジャックジャンヌ」に万雷の拍手と最大級の賛辞を贈りたい。人間の内面を深く描く物語,石田スイ氏の作家性に圧倒されるブロッコリー最新作

 Twitterで時折,自分の好きなゲームを挙げるハッシュタグを見かけることがある。古いものから新しいもの,ジャンルもさまざまなタイトルがつぶやかれているのを見ていると,ゲーム好きならやはり誰の心にも忘れられない思い出があるのだなと感じる。
 そして今回,筆者の“生涯大切にしたい一作”にも新たに加わる作品ができた。それが「ジャックジャンヌ」である。

画像集#002のサムネイル/「ジャックジャンヌ」に万雷の拍手と最大級の賛辞を贈りたい。人間の内面を深く描く物語,石田スイ氏の作家性に圧倒されるブロッコリー最新作

 「ジャックジャンヌ」は,漫画「東京喰種トーキョーグール」の作者である石田スイ氏が原作やシナリオ,世界観設定,キャラクターデザインおよびプロデュースを担当したブロッコリーのNintendo Switch用新作タイトル。石田氏とブロッコリーによる新プロジェクトとして2019年3月15日に発表され,ついに本日(2021年3月18日)リリースを迎えた“少年歌劇シミュレーションゲーム”だ。

 そんな「ジャックジャンヌ」を一足先にじっくりプレイする機会を得た筆者は,途中で何度も強く心を揺さぶられ何度も涙を流した。どこがそれほどまでに素晴らしいのか,なぜ筆者が「生涯大切にしたい一作」と言い切れるのか――その衝撃を,この作品の魅力を,本記事で少しでも届けられたらと思う。

画像集#001のサムネイル/「ジャックジャンヌ」に万雷の拍手と最大級の賛辞を贈りたい。人間の内面を深く描く物語,石田スイ氏の作家性に圧倒されるブロッコリー最新作

「ジャックジャンヌ」公式サイト

〜プログラム(目次)〜

物語の素晴らしさについて語る(人間の内面を“深くえぐる”物語とそれらを彩るイラスト,音楽,そして声優の演技の凄み)

キャラクターの魅力について語る(宝石のように煌めくキャラクターたちの魅力)

システムの面白さについて語る(ストレスなく,とにかく先に進めたくなるシステム)

とはいえ恋愛についても語りたい(人生を彩る“恋愛”という要素)

語り尽くせない「ジャックジャンヌ」の魅力(このままでは書き終わらないのですが,まとめます)


人間の内面を“深くえぐる”物語とそれらを彩るイラスト,音楽,そして声優の演技の凄み


 まずは,本作の根幹となっているストーリーの魅力を語りたい。この項については筆者自身,「少々語りすぎたかな……」と思うところもあるが,ここで書き記したことを知ったうえでも十分に没入でき,そして圧倒される物語となっているので,気になる人は読み進めてほしい。

―あらすじ(公式サイトのSTORYより)―

 男性だけで構成された劇団,玉阪座。

 男性が女性も演じる玉阪座は,役者を育てつつ公演を行うユニヴェ−ル歌劇学校も有しており,そのどちらが行う公演も,圧倒的に煌びやかな世界が観る人の視線を1秒たりとも逃さない。

 ユニヴェール歌劇学校では狭き門を突破して入学した才能ある生徒たちが4つのクラスに分かれて演劇を学び,ユニヴェール内で最優のクラスという称号を勝ち取るため,競い合っていた。

画像集#003のサムネイル/「ジャックジャンヌ」に万雷の拍手と最大級の賛辞を贈りたい。人間の内面を深く描く物語,石田スイ氏の作家性に圧倒されるブロッコリー最新作 画像集#004のサムネイル/「ジャックジャンヌ」に万雷の拍手と最大級の賛辞を贈りたい。人間の内面を深く描く物語,石田スイ氏の作家性に圧倒されるブロッコリー最新作

 演劇の道を諦めていた主人公「立花希佐」は,とある出来事がきっかけで,2つの約束を条件にユニヴェール歌劇学校の生徒になることを特別に許可される。その条件とは,1年の最後にある最終公演で主演になること。そして,女であることを隠し通すこと…

 自身の夢を叶えるため,所属するクラスのため,「歯車」となって仲間たちと絆を深めていく主人公。仲間たちと過ごした先に主人公を待ち受ける未来とは……?

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 プレイヤーである主人公の立花希佐(苗字固定で名前は変更可能)は女性で,性別を偽って男子校に入学する……という導入部分を聞くと,本作をいわゆる“女性向けシミュレーション”だと捉える人も多いかもしれない。もちろんそういった側面(恋愛描写)もあるにはあるのだが,筆者が感じた「ジャックジャンヌ」の核はそこではない。
 重きを置かれているのは,周りの仲間たちとどう絆を深めていくのか,ライバルと戦って壁を乗り越えるのか,そして,人間として成長していくのか――だ。

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 石田氏と十和田シン氏(「東京喰種」ノベライズなど)の共同制作によるシナリオを読み進めて感じたのは,一人ひとりの“人間”の描き方が極めて秀逸で,この作品が最初に想像していた何倍も圧倒的な人間ドラマだったこと。同時に,学生である彼らにとっての「今ここにしかない時間」はあまりに尊く,そして眩しく,まさにキャッチコピーどおりの“青春群像劇”という表現がふさわしい。

画像集#008のサムネイル/「ジャックジャンヌ」に万雷の拍手と最大級の賛辞を贈りたい。人間の内面を深く描く物語,石田スイ氏の作家性に圧倒されるブロッコリー最新作

 ユニヴェール歌劇学校には,新入生を迎えた春から3年生が卒業する次の春までの1年間で,新人公演,夏公演,秋公演,冬公演,そして最終公演(ユニヴェール公演)の5つの公演があり,それらがゲームを進めるうえでも重要なポイントとなっている。
 ストーリーに登場する演目は,主に希佐が所属するクラス「クォーツ」のものなのだが,まず驚かされるのが,それらの公演がフルサイズの舞台になっているところ。「多少アレンジすればこのまま実際に上演できるのでは?」と感じるほどのボリュームなのだ。

画像集#009のサムネイル/「ジャックジャンヌ」に万雷の拍手と最大級の賛辞を贈りたい。人間の内面を深く描く物語,石田スイ氏の作家性に圧倒されるブロッコリー最新作

 その演目で描かれる物語では,登場人物たちがそれぞれの役を通して己を見つめ,他者と触れ合い,自分でも気づかなかった一面を見つけて開花させて成長していくのだが,演目や役,それを演じるキャラクター自身がリンクした構成が秀逸で,いやもう,実によくできている。新人公演から最終公演に至るまで,すべての公演の準備から本番までをじっくりと丁寧に描いているため,登場人物それぞれが何に悩み,どうやって自分の殻を破る覚悟を決めたのかが,痛いほどに伝わってくるのである。

画像集#010のサムネイル/「ジャックジャンヌ」に万雷の拍手と最大級の賛辞を贈りたい。人間の内面を深く描く物語,石田スイ氏の作家性に圧倒されるブロッコリー最新作

 役を演じる難しさだけでなく,己という存在について深く悩み,結果としてそれを人前で晒すことになる舞台――それはある種,残酷な場所だ。しかし,だからこそ上演が終わる瞬間,得られるカタルシスは格別なものになる。彼らの心境を知るプレイヤーは,舞台の上の演者自身として,優れた演目を観る観客として,2つの視点で舞台を体験でき,その二重構造によって深い感動が味わえるのだ。

画像集#011のサムネイル/「ジャックジャンヌ」に万雷の拍手と最大級の賛辞を贈りたい。人間の内面を深く描く物語,石田スイ氏の作家性に圧倒されるブロッコリー最新作

 そうした素晴らしい物語が“心”に直接訴えかけてくるものなら,絵は“目”をとおして心を揺さぶるものと言える。驚くことに,本作に登場するスチルはすべて石田氏が自ら描き下ろしたものとのこと。その数はなんと160点以上。これはもう,どこがどう素敵だという説明は必要ないだろう。物語を彩る美しいスチルの数々は,まさにこの作品の“華”だと言いたい。

画像集#012のサムネイル/「ジャックジャンヌ」に万雷の拍手と最大級の賛辞を贈りたい。人間の内面を深く描く物語,石田スイ氏の作家性に圧倒されるブロッコリー最新作

 本作が極めて上質な1作となったのは,音楽の力も大きい。劇伴と歌曲制作を担当したのは,国内外で高い評価を受けているアーティストで,米ドラマ「Love Is___」や国内ドラマ「中学聖日記」,映画「朝が来る」などの音楽プロデュースや楽曲提供でも知られる小瀬村 晶氏だ。
 ストーリー部分で流れる音楽は,丁寧に作られた映画のようなスケールがあり,公演で流れる歌曲は,鼻歌を歌いたくなるようなキャッチーで楽しい曲から,思い出すだけで泣けてくるような感動的な曲まで,実にバラエティに富むものとなっている。
 歌曲は公演の内容と密接した関係にあり,歌詞にも深い意味が込められており,味わい深く,そして考えさせられるものがある。それは筆者の頭の中で,ゲームをプレイしていないときでも,たくさんの曲がぐるぐる回っているほどだ。


 そして,この「ジャックジャンヌ」という物語をさらに素晴らしいものに昇華しているのが,キャラクターボイスを担当する声優陣の力だ。
 主人公の希佐をはじめとした1年生たちには舞台経験がなく,序盤の演技は心もとない。それが,物語が進み,いろいろな経験を積むことで,人間としても役者としても成長していくのだが,そういった成長や変化が,キャストたちの絶妙な声の演技によって,より“リアル”に表現されているのだ。

画像集#016のサムネイル/「ジャックジャンヌ」に万雷の拍手と最大級の賛辞を贈りたい。人間の内面を深く描く物語,石田スイ氏の作家性に圧倒されるブロッコリー最新作

 元より経験がある2年生や3年生,実力をつけたあとの1年生の,“芝居を変えた”ときの演じ分けも凄まじい。たとえば稽古中などの本当にちょっとしたセリフも,アプローチを変えた瞬間やキャラクター自身に迷いがあるときといった微妙な心境の違いや変化が,声を聞いただけでしっかりと伝わってくるのだ。

画像集#017のサムネイル/「ジャックジャンヌ」に万雷の拍手と最大級の賛辞を贈りたい。人間の内面を深く描く物語,石田スイ氏の作家性に圧倒されるブロッコリー最新作
画像集#018のサムネイル/「ジャックジャンヌ」に万雷の拍手と最大級の賛辞を贈りたい。人間の内面を深く描く物語,石田スイ氏の作家性に圧倒されるブロッコリー最新作

 これらの演技はとてつもなくち密で,感情や芝居の変化は,こちらが想像できるものの何倍も細かいと思ってもらっていい。さらにキャストは,“自身の演じるキャラクターが,演者として舞台上で担当する役を演じる”わけだが,それらも想像以上の表現で,よりゲームの登場人物が“血が通った人間”であると感じさせてくれる。
 キャストたちの熱量のある演技に触れれば,「なぜその声優が選ばれたのか」という理由が,すべての登場人物において深く納得できるはずだ。

 「ジャックジャンヌ」は,こうしたさまざまな要素に彩られながら,ひとつひとつのページをめくるように,丁寧に綴られていく物語である。

画像集#019のサムネイル/「ジャックジャンヌ」に万雷の拍手と最大級の賛辞を贈りたい。人間の内面を深く描く物語,石田スイ氏の作家性に圧倒されるブロッコリー最新作


宝石のように煌めくキャラクターたちの魅力


 それでは,本作に登場するキャラクターを紹介していこう。ネタバレはさけつつ,彼らや各クラスの魅力について一言を添えていきたい。

画像集#054のサムネイル/「ジャックジャンヌ」に万雷の拍手と最大級の賛辞を贈りたい。人間の内面を深く描く物語,石田スイ氏の作家性に圧倒されるブロッコリー最新作

 ユニヴェール歌劇学校には,石の名を冠した4つのクラスがあり,物語のメインで描かれるのが,主人公の希佐とそのクラスメイト6名だ。実は筆者もかなりの石好きなのだが,「石は水晶(クォーツ)にはじまり水晶に終わる」と言われるほど奥が深い。クォーツという石が,透明でありながら,他の鉱物を取り込んで姿を変えたり,結晶同士が複雑に組み合わさって成長したりするなど,いくつもの表情を見せるからなのかもしれないが,その名を持つ希佐たちのクラスは,あらゆる可能性を秘めた集まりだと言えるだろう。


■主要キャラクターとなる,希佐とクォーツのクラスメイトたち
立花希佐(たちばな きさ)/CV:寺崎裕香
画像集#055のサムネイル/「ジャックジャンヌ」に万雷の拍手と最大級の賛辞を贈りたい。人間の内面を深く描く物語,石田スイ氏の作家性に圧倒されるブロッコリー最新作


 本作の主人公。男性役でも女性役でもこなせる可能性を持つ希佐は,まさに透明なクォーツそのものだ。筆者的にこの作品の魅力は,少年と少女,双方の魅力を持ち合わせた稀有な存在の彼女ありきといっても過言ではないと思っている。

―――キーワード―――

■希佐が入学する「ユニヴェール歌劇学校」とは
 男性のみで構成された劇団「玉阪座」が有する,役者を育てつつ公演を行う男子校。公演ではすべての役柄を男子生徒が演じ,男性役は「ジャック」,女性役は「ジャンヌ」と呼ばれる。その中でも主役を演じる役やその人物をそれぞれ「ジャックエース」「アルジャンヌ」と呼ぶ。

■希佐の兄・立花継希(たちばな つき)とは
 ユニヴェール歌劇学校で伝説的なジャックエースとして活躍し,卒業後は玉阪座に入座した。しかしその後,突如として失踪。現在は行方がわからなくなっている。

主人公・立花希佐の兄,継希
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高科更文(たかしな さらふみ)/CV:近藤孝行
 クォーツの3年生で,女性役の中でも主役格であるアルジャンヌを任されている。ひょうひょうとしていながらも,ひとたび舞台に立てば華やかで迫力ある舞踏を披露し,観る者を虜にする。普段はもう「これはモテる」としかいいようがない色男(筆者観)。

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睦実 介(むつみ かい) / CV:笠間 淳
 クォーツの3年生。男性役の中でも主役格のジャックエースを任されており,“華”である更文を支える。いつも物静かだが周りをよく見ていて,悩む誰かにそっと手を貸すような人だ。「この人がいると安心する」と心から感じる存在。

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根地黒門(ねじ こくと) / CV:岸尾だいすけ
 クォーツの3年生にして組長であり,男性役も女性役も,果ては脚本から演出までも手掛ける天才。非常にトリッキーなキャラクター(セリフは必ずボイスありで!)なので,その心の中で本当は何を考えているのかを知りたくなってしまう。

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白田 美ツ騎(しろた みつき) / CV:梶原岳人
 美しく高い歌唱力を持ち,舞台ではトレゾール(歌姫)として存在感を示す。クォーツのメインキャラでは唯一の2年生で,他人のことはよく見つつもどこか一歩引いた態度を取っている。そんな彼がどう変わっていくのかにぜひ注目してほしい。

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織巻寿々(おりまき すず) / CV:内田雄馬
 希佐と同期のクォーツ生。出てくるだけで場が華やぐオーラがあり,人柄も(多少不器用ながら)真っ直ぐで気持ちのいいキャラクターだ。だからこそ,彼が悩みにぶつかったときの繊細な一面が胸を打つ。

画像集#026のサムネイル/「ジャックジャンヌ」に万雷の拍手と最大級の賛辞を贈りたい。人間の内面を深く描く物語,石田スイ氏の作家性に圧倒されるブロッコリー最新作

世長創司郎(よなが そうしろう) / CV:佐藤 元
 希佐の幼馴染で,小さい頃は希佐とその兄の継希と3人で演劇ごっこをしていた。希佐が女性であることを知っており,その穏やかな人柄で彼女をフォローする。どこか弱々しかった彼が“覚悟”を決める瞬間を目に焼き付けてほしい。

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■希佐たちと関わる,クォーツ以外のクラス
オニキス
 “勝利を目指すダンサー集団”こと,オニキス。男性役であるジャックが持つ力強いイメージのあるクラスだ。クォーツにとってはライバルだが,彼らにはスポーツマンに通じる潔さや爽やかさを感じる。きっと迫力ある舞台を観せてくれるのだろうなとワクワクさせてくれる集まりだ。

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公式YouTubeの「『ジャックジャンヌ』クラス紹介PV《オニキス》」


ロードナイト
 “絢爛たるジャンヌの歌声響く”ロードナイト。女性役であるジャンヌの美しさと歌声で観客を魅了するクラスだ。普段はまるで女子会か女系家族のように賑やかな彼らは,シリアスな展開でも,登場するだけでほっと一息つける癒やしの存在である。

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公式YouTubeの「『ジャックジャンヌ』クラス紹介PV《ロードナイト》」


アンバー
 “暗躍せし奇才集団”こと,アンバー。中でも組長であり,海外にも名を轟かせる天才役者・田中右宙為(たなかみぎ ちゅうい/CV:神尾晋一郎)の存在は,物語にも希佐自身にとっても重要なキーマンとなる。

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公式YouTubeの「『ジャックジャンヌ』クラス紹介PV《アンバー》」


 クラス単位で競い合うという設定上,クラスメイトはもちろん,クラス間のつながりも非常に重要だ。ほかのクラスは競争相手であり,みなライバルでありながら,「素晴らしい舞台を作り上げたい」という共通の夢がある。クラスメイト,同期,同じ役柄……それぞれ異なるつながり方があり,そのつながりがあるからこそ理解し合えるという描写も数多くあり,人間関係に深みを与えている。

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 その,クラス以外で印象的だったのは,同期とのつながりだ。たとえば希佐と同じ1年生である78期生は,まっさらなところから経験を積み,先輩たちから託されたものを受け取り,少しでも早く成長しなければならない。美ツ騎たち2年生の77期生は,田中右というとてつもない天才と戦い続けることを運命づけられ,かつ,遠くない未来には3年生が抜けた後のクラスを背負っていくことになる。
 そして,更文と介,黒門たちをはじめとする3年生の76期生は,立花継希という天才を見てきた世代で,そのうえで自分たちはどこまでいけるのか,後輩たちに想いや教えを残していくかを考えねばならない立場にある。

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 3年間という学校生活のなかでの,たった1年間の短い時間。けれどそこには,一生のうちに出会えるかどうかのかけがえのない絆がある。それはたくさんの生徒たちを受け入れて送り出し,何度も季節を繰り返す学校という特別な場所で咲く,いつまでも散らない花のようなものなのかもしれない。

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ストレスなく,とにかく先に進めたくなるシステム


 ここからは,ゲームの進め方とシステム面について紹介しよう。全体的な作りは「日常パート」「公演パート」に大まかに分けられる。

目指せクラス優勝!
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【日常パート】
 日常パートでは,1つの公演に向けて準備を行っていく。平日はレッスン(シミュレーション)をこなし,休日はキャラクターと触れ合いつつ,シナリオを進めていく形となっている。

・レッスン
 夏休みなどを除き,月曜日から金曜日までの平日はレッスンだ。全部で6種類あるレッスンは,選んだ内容に応じてパラメータが上がる。各パラメータは,クラスメイトであるキャラクターとのイベント進行にも関係するようだ。レッスンをさぼると公演結果にも影響するので,しっかりコツコツとこなしていきたい。

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・ストーリー
 仲間やライバルと交流しながら,1つの公演に向けて準備を行っていく。途中に選択肢が現れるが,選んだ回答はキャラクターとの親密度に影響する場合がある。ある重要な場面にて,仲間と団結してクラス優勝と自身の主役を目指す「立花希佐ルート」と,クラスメイトのうちの1人を中心に物語を追う「キャラクタールート」に分岐していく。

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・キャラクターとの交流
 土日はキャラクターとの親密度を自発的に上げていくチャンス。親密度とパラメータをバランス良く上げると親密度シナリオが発生,土日のマップに「!」マークが出現する。

キャラクターの親密度とパラメータは,メニューからいつでも確認可能だ
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【公演パート】
 5つの公演すべてに用意されている素晴らしい楽曲の数々。これらは「歌唱リズムアクション」と「ダンスリズムアクション」のいずれかでプレイすることが可能だ。
 公演本番では1回限りでやり直しがきかず,その結果が「クラス賞」と「個人賞」に影響する。この緊張感が舞台でのそれに通ずるというか,毎度手に汗握ってしまうのは筆者だけだろうか……。ただし,選ぶ難度は結果に影響されないことと,日常パートで土日に練習ができるエリアもあるのでご安心を。


ロードナイトの衣音とリズムアクションの練習ができる
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・歌唱リズムアクション
 キャラクターたちの歌声に乗せて,特別なミュージックビデオが流れる。ノーツとノーツを結ぶラインが上から降りてくるので,方向キーもしくは[L][R]ボタンで上手くラインをなぞろう。

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・ダンスリズムアクション
 3Dモデルのキャラクターたちが舞い踊る映像をバックに,リズムアクションを楽しめる。操作方法は,指定されたボタンをタイミングよく押し,高評価を目指そう。携帯モードなら,スマートフォンのリズムゲームのような画面タッチでの操作も可能だ。
 なお,ここで流れる映像の振り付け制作は,乃木坂46の「シンクロニシティ」や「インフルエンサー」などを手がけたSeishiro氏が担当しており,本格的なダンスを観ることができる。リズムアクションの背景で流れるMVは,クリア後にオプションから再生可能だ。素晴らしい映像ばかりなので,こちらもぜひ楽しんでほしい。

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クラス優勝と個人賞を獲得し,ベストなルートを目指そう
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 このように本作は,最初の春から次の春までの1年間,日々の準備(シミュレーション)を繰り返しながら5つの公演に臨んでいくのだが,UIが非常に分かりやすく遊びやすいので飽きがこない。
 進めることが面倒にならずストレスのたまらないつくりになっているが,これはもう「やれば分かる」としか言いようがない。物語としての素晴らしさはすでに語ったとおりだが,プレイを進めるほどに,「ジャックジャンヌ」はゲームだからこそ完成しうる作品だと気づくことができるのではないだろうか。

公演中は舞台上だけではなく,舞台袖の模様も交えながら,公演の成功に力を尽くすキャラクター同士の会話や心の内が描かれる。こちらの展開も目が離せない
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人生を彩る“恋愛”という要素


 冒頭で「『ジャックジャンヌ』は人間ドラマだ! 青春群像劇だ!」と書いたが,やはり恋愛要素についてもぜひ語っておきたい。

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 すでにお伝えしているとおり,本作のストーリーは,最終公演で主役を目指す「主人公ルート」と,クラスメイトのうちの1人に注目した「キャラクタールート」に分岐する。希佐は女性であることを隠して過ごしているため,序盤ほとんどの相手キャラクターは希佐が男性として接している。
 しかし,そうした時間を過ごしたうえで芽生える特別な感情だからこそ,むしろ非常に説得力があるようにも思える。どのキャラクターも夢や願いを背負って懸命に生きていて,物語ではその人となりや成長がしっかりと描かれているため,彼らが希佐に心を寄せていくことに「分かるよ……」と深く納得してしまうのだ。

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 石田氏は,本作の制作発表会のときに「少女漫画を作るつもりで関わった」とコメントしていた。実際にキャラクタールートをラストまでプレイしてみたところ,希佐との1対1の関係性が描かれた部分で,少女漫画かそれ以上のときめきを感じてしまった。なんというかもう,キュンキュンを通り越してギュンギュン(?)するほどである。参った。
 「本作の恋愛要素はどんな感じなの?」と気になる人がいるなら,「しっかりとした人間描写あってこその,極上の恋愛ドラマがある」とお伝えしておきたい。筆者は1つのキャラクタールートを終えたとき,その相手のことばかりを考えるようになってしまって,なかなか「よし,次のルート!」と先に進められなかったほどだ。

画像集#047のサムネイル/「ジャックジャンヌ」に万雷の拍手と最大級の賛辞を贈りたい。人間の内面を深く描く物語,石田スイ氏の作家性に圧倒されるブロッコリー最新作

 恋愛部分を楽しみたいという人は,「まずはお気に入りのキャラクターのルートから!」と「主人公ルート」をやらずに終えてしまうかもしれないが,これはぜひ,いや,必ず……いやいや,何が何でもプレイしてほしいとつけ加えておく。「ジャックジャンヌ」というゲームを語るうえで,主人公ルートは絶対に欠かせないものだから。
 例えば,まずは主人公ルートで希佐とクォーツクラスの物語を知り,それから各キャラクターのルートを体験すれば,物語はもちろん,それぞれの人間性や内面に抱えたものも深く知ることができるはずだ。あるいは,各キャラクタールートを終えた最後の締めにするのもアリだろう。

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このままでは書き終わらないのですが,まとめます


 つらつらと「ジャックジャンヌ」愛を文章に綴ったが,簡潔にまとめるなら最も言いたいことは2つ。1つ目は,ゲーム作品に対する一番の賛辞である「最っっ高に面白い!」という一言だ。

画像集#049のサムネイル/「ジャックジャンヌ」に万雷の拍手と最大級の賛辞を贈りたい。人間の内面を深く描く物語,石田スイ氏の作家性に圧倒されるブロッコリー最新作

 本作をプレイし,物語や人物描写の深みやち密さに触れた人は,きっと「どこが面白かったか」を語りたくなるだろうし,周りの人にこの感動を知ってほしいと思うはず。あまり先入観を与えてしまうのも良くないし,書ける内容にも限りがあるが(と言いつつ,かなりの長文になってしまったが),もしこれから「ジャックジャンヌ」をプレイするのなら,終わった後にまたこの記事のことを少しだけ思い出してほしい。「そりゃ語りたくもなるよね」と共感してもらえるのではないかと思う。

画像集#007のサムネイル/「ジャックジャンヌ」に万雷の拍手と最大級の賛辞を贈りたい。人間の内面を深く描く物語,石田スイ氏の作家性に圧倒されるブロッコリー最新作

 本作をプレイして,本当に「なかなかこんなに素晴らしい作品にはお目にかかれないだろうな」と何度も驚かされた。「大げさでは?」と思う人もいるかもしれない。でもきっと,プレイすれば必ずこの衝撃と感動をわかってもらえるに違いない。

 それでは最後に,言いたいことの2つ目を――「『ジャックジャンヌ』をプレイしてほしい。きっと,生涯忘れられない一作になるはずだ」

画像集#020のサムネイル/「ジャックジャンヌ」に万雷の拍手と最大級の賛辞を贈りたい。人間の内面を深く描く物語,石田スイ氏の作家性に圧倒されるブロッコリー最新作

「ジャックジャンヌ」公式サイト

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