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PC版の発売から約10か月,待望のコンシューマ版の登場にあたり,開発を手がけるNIGOROの楢村 匠氏に新要素の見どころや今後の予定を聞いた。
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4Gamer:
いよいよコンシューマ版「LA-MULANA 2」が発売されますが,移植は順調だったのでしょうか。
楢村 匠氏(以下,楢村氏):
今回はPLAYISMさんから,移植からパッケージ販売まで一括でというご提案をいただいていたので,最初はすべてお任せするつもりでした。ただ,僕らにとっては初めてUnityを使った,それも大規模なゲームだったので,移植スタッフの手が足りず,お手伝いをさせていただきました。とはいえ,それも今年の年明けくらいまでです。
4Gamer:
思ったよりスムーズに作業が進んだようですね。
楢村氏:
ただ,1機種だけハードのスペックが低いというのもあって,Switch版の調整には時間をかけています。Switch版では,あるステージで動作が重くなってしまい,かなり大きく手を入れなければならない部分があったのですが,その修正のおかげで,PC版でもある時期からガラッと動作が軽くなりました。最終的には,Switch版でもTVモードと携帯モードの両方でスムーズに遊べるようになっています。
4Gamer:
今,PC版の話がチラッとありましたが,パッチがかなりの回数出ていますよね。
楢村氏:
これは本当に申し訳ない話なのですが,PC版は少しでも早く仕上げようと駆け足の状態で出してしまったため,発売後に遊んでいただくと「こんなところにミスがあった」というものが次々と見つかってしまいました。規模が大きく,複雑なゲームなので,1か所を修正すると別の場所で問題が発生したりといったこともあって,パッチの回数も増えてしまったんです。
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4Gamer:
コンシューマ版では,それらの不具合が解消された状態でプレイできると。
楢村氏:
ええ,そのとおりです。
4Gamer:
もう1つ,コンシューマ版の見どころとしては,ショップの店員として,さまざまなインディーズゲームのキャラクターが“友情出演”しますが(関連記事),これについて改めてご紹介いただけますか。
楢村氏:
前作「LA-MULANA」では,店やNPCの名前がレトロPCゲームのもじりになっていたりと,もともとパロディ要素の多いゲームで,「2」ではキャラクターの立ち絵がレトロPCゲームのキャラのパロディになっています。僕は以前デザイナーをやっていたので,パロディとして認められるラインとそうでないラインを自分の中で決めていたつもりなのですが,これがコンシューマへの移植にあたって,お叱りを受けるのではという意見が内部から出まして。
4Gamer:
なるほど。
楢村氏:
それで,服を変えて,髪型を変えてとやっていったのですが,誰を描いたのか分からないものではパロディの意味がないし,僕も乗り気になれず……。だったら,もっと乗り気でやれるものにしようと,これまで海外遠征などで知り合った開発者や,知り合いではないけれど共感できるゲームを作っている開発チームに声をかけて,最終的に7タイトルから8キャラクターが登場することになりました。なかでも「Owlboy」などは,開発に10年もかかったと聞くと涙なしには語れないというか,気持ちはすごくよく分かるので(笑)。
【友情出演ご紹介】
— LA-MULANA2@Switch/PS4/Xbox Oneで6/27発売! 予約お願いします! (@LaMulana) 2019年4月23日
『La-Mulana 2』家庭用ゲーム機版では、他のインディーゲームのキャラがショップ店員として友情出演してくれています。ということで、一部をご紹介いたします。こちらも現在PS4/Switch予約受付中の『VA-11 Hall-A』のベストボスです。#va11hallahttps://t.co/jMo5jIh8zu pic.twitter.com/GEaVDm7VfB
4Gamer:
インディーズゲーム界隈には,そういう話が多いですよね。
楢村氏:
PC版「LA-MULANA 2」の店員は数が多いこともあって,せいぜい目や口が動く程度だったんですが,ノリノリで設定資料をすべて送ってくれた開発者もいたりして,それに応えようと動きすぎるくらい動きまくるキャラになったものもありますよ。
4Gamer:
それはすごい。
楢村氏:
例えば「Hollow Knight」のキャラは虫がモチーフですが,かなりデフォルメされています。そのままではこちらの世界観に合わないので,体をもっとリアルな虫っぽくしてみたのですが,虫の足は関節がたくさんあるので,動かしやすいんですよ。なので,常に6本の手足がわしゃわしゃと動いて,触覚も揺れているといった具合です。それを見て,向こうの開発者も喜んでくれたので,大変でしたが頑張った甲斐があったなと。
4Gamer:
PC版でも,店員の新グラフィックスはパッチが当たるのでしょうか。
楢村氏:
店員の“友情出演”はコンシューマ版限定ですが,PC版を出すときには断念したオープニングアニメーションや,音にばらつきがあったBGMのバランス再調整については,PCにもパッチを出します。
4Gamer:
それが実装されたら,もう1回最初から遊び直したくなりますね。
楢村氏:
そうですね。PC版の発売直後にプレイした人は,その後にいろいろと演出が追加されたりしている部分もありますので,もう一度,遊んでいただけるとありがたいです。
4Gamer:
コンシューマ版に関しては,子供の頃にMSXのゲームを遊んでいた身として,BEEPとゲームショップ1983の店舗特典もすごく面白いと思いました。
楢村氏:
日本を代表するマニアックな2店舗ですよね(笑)。今回はショップさんのほうから「こういったことをやりたい」というご提案をいただいて,それならばと,僕がイラストを描きました。
4Gamer:
あのデザインを見て,「うおおお,魔城伝説だ!」と思う人は,30〜40代以上の世代だけですよね(笑)。
楢村氏:
確かに(笑)。最初にお話をいただいたのがゲームショップ1983さんのほうで,「LA-MULANA」のインスパイア元である「魔城伝説II ガリウスの迷宮」風に,BEEPさんのほうはメガROMになる前のパッケージデザインがいいという要望だったので,それの前作にあたる「魔城伝説」風のイラストになっています。
ゲームショップ1983さんの限定パッケ元絵です。
— 楢村匠 (@naramura) 2019年5月30日
この手の作業はお手の物になってしまった。
こういうお仕事あればいいのに。#LaMulana2 pic.twitter.com/2axlBvnU77
BEEPさんの特典で私が描いたのは絵の部分のみ。その他の再現はお店の人がやってます。元ネタは魔城伝説。
— 楢村匠 (@naramura) 2019年5月29日
この絵は他で出す予定がないのでBEEPのみの限定だ。#LaMulana2 pic.twitter.com/4thf84g9To
4Gamer:
メガROMになる前というのが,いいチョイスですよね。
楢村氏:
パカッと開けるんじゃなくて,白いスリーブから中箱をスライドして引き出すという。
4Gamer:
そうそう,僕も「ツインビー」とか「グーニーズ」を持ってました(笑)。
さらに6月末からは,セブン-イレブンのネットプリントで「LA-MULANA 2」の白地図が印刷できるようになるということですが。
楢村氏:
ええ。これには,さりげなくラ・ムラーナ数字が書かれていたり,ついつい忘れがちな古文書の絵が載っていたりと,攻略のヒントにもなっているんです。
4Gamer:
余白に自分でメモを書き込むことができて,便利そうですね。
楢村氏:
ただ,全部ネタバレすると面白味が減ってしまうので,後半のマップは形だけ分かるようにして,名称までは書いていません。それと,最後に大きな余白があるんですが,そこにはラストダンジョンを描き込んでいただければと。
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4Gamer:
さすがに,そこは自分の力でやってほしいと。
楢村氏:
PC版のときは,前作を遊んだ人が飛びついてくれた部分もありますが,コンシューマ版では新規の人が増えてくれればと考えています。こちらからは,万人向けではない,人を選ぶゲームですよと発信してはいるのですが,全員にそれが届いているわけではないので,遊んでみたら面食らう人も多いと思います。そんな人達のために,少しでも役立つものになればと。
4Gamer:
うーん,しかしこれがヒントになるかと言われると,正直まったく足りない気がします(笑)。
楢村氏:
それは間違いないです(笑)。ただ,古文書の絵などはものすごく重要であるにも関わらず,つい忘れがちなので,それらがすぐに見られるのは便利だと思います。ゲームのヒントを難しめにしているのは,もともと自分が誰かと情報交換しながらゲームを攻略するのが楽しかったという体験があったからです。現在はゲーム実況という形で情報を共有しながら遊ぶことができるので,どんどんやってほしいですね。
4Gamer:
自分の体験から言うと,このゲームを初見でなるべく自力で解こうと思ったら,クリアまで30〜40時間くらいでしょうか。
楢村氏:
こちらの想定では30〜50時間ですが,実際には100時間を超えている人もいます。PC版では当初,プレイ時間を2桁しか用意していなかったので,アップデートで3桁に増やしたりもしました。
4Gamer:
これで安心して(?)999時間遊べますね(笑)。
コンシューマ版の発売をきっかけに本作を遊び始めようと思っている人へのアドバイスなどはありますか。
楢村氏:
あまりこちらから「あれをしよう,これをしよう」と言うと作業のようになってしまうので,予備知識なしに体当たりで遊んでほしいと思っています。ただ,心構えとして「最近のゲームだと思わないこと」は重要です。ボス部屋に入る前に「本当に入りますか?」と聞いてくるような,親切にガイドしてくれるゲームではないですから。
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4Gamer:
国内の次は海外でのコンシューマ版が発売されますが,その後の予定についてはいかがですか。
楢村氏:
これまでずっと「LA-MULANA」シリーズを作り続けてきて,それ専門みたいになっているところもありますが,今後はもう少し効率よく動ける体制にしていきたいですね。まだ具体的には言えませんが,新作がようやく動き出したところです。次は新しいものを作りたいと考えていて,サイドビューのアクションではありません。2Dゲームであることは変わりませんが,メンバーと見下ろし型のゲームにしようという話をしています。
4Gamer:
なんと,それは驚きです。
楢村氏:
「LA-MULANA」ほどの規模のゲームではないので,そこでがっかりされる方もいるかもしれませんが,もしステージクリア型のゲームになったとしても深く遊び込めるものにするつもりです。どんな内容のものになるかを発表できるのはもう少し先になりますが,まだインディーズゲームの熱があるうち,PS4やSwitchで1〜2年くらいのうちに出したいですね。
4Gamer:
続報を楽しみに待ちたいと思います。
では最後に,「LA-MULANA 2」のコンシューマ版を楽しみにしていた人達に向けて,メッセージをお願いします。
楢村氏:
PC版でたくさんのバグ報告を送ってくださった皆さんのおかげもあり,コンシューマ版の発売をずっと待ってくれていた人達に,最初から「これが完成版だ」と呼べる「LA-MULANA 2」を遊んでいただけるようになりました。まだまだ,このゲームのことを知らない人も大勢いるので,ぜひ自分が楽しみながら,苦しみながら遊んでいるところを,どんどん広めてほしいと思います。
4Gamer:
ありがとうございました。


























