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「バイオハザード RE:2」を手がけるカプコンCS第一開発の目指すもの。キーマンであり同部署を統括する竹内 潤氏にインタビュー
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印刷2018/12/05 01:00

インタビュー

「バイオハザード RE:2」を手がけるカプコンCS第一開発の目指すもの。キーマンであり同部署を統括する竹内 潤氏にインタビュー

 2019年1月25日の発売が予定されているバイオハザードシリーズ最新作「バイオハザード RE:2」PC / PS4 / Xbox One 以下,RE:2)。本稿では,同作の開発を務めるCS第一開発を統括する竹内 潤氏のインタビューをお届けする。RE:2の話を中心に,11年振りのナンバリングタイトルとなる「デビル メイ クライ5」やスマホ向け新規IPの「囚われのパルマ」「BLACK COMMAND」にも話が及び,CS第一開発が持つゲーム制作へのこだわりやビジョンについて話を聞けたので,ぜひ一読してほしい。

画像(002)「バイオハザード RE:2」を手がけるカプコンCS第一開発の目指すもの。キーマンであり同部署を統括する竹内 潤氏にインタビュー

 なお,4Gamerでは,RE:2の最新インプレッション記事と,開発のキーマン3人へのインタビューも掲載しているので,併せてこちらにも目を通しておこう。

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 2019年1月25日の発売が予定されているバイオハザードシリーズ最新作「バイオハザード RE:2」。発売まで2か月を切ったこのタイミングで,最新ビルドをたっぷりと試遊できたので,そのプレイレポートをお届けする。初公開となるスクリーンショットとプレイ動画も掲載するので,併せて確認してほしい。

[2018/12/05 01:00]
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シリーズ最新作にして再:新作の「バイオハザード RE:2」ではゾンビに襲われる恐怖を再構築。開発の中核を担うキーマン3人に話を聞いた

 2019年1月25日の発売が予定されているバイオハザードシリーズ最新作「バイオハザード RE:2」。本作は,1998年1月にPlayStationで発売され,爆発的なヒットを記録した「バイオハザード2」のフルリメイクにあたる作品だ。今回開発の中核を担うキーマン3人に話を聞いたので,その模様をお届けしたい。

[2018/12/05 01:00]


ファンの声援に後押しされる形で開発はスタート


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。
 さっそくですが,RE:2のプロジェクトがスタートした経緯を聞かせてください。

竹内 潤氏
画像(003)「バイオハザード RE:2」を手がけるカプコンCS第一開発の目指すもの。キーマンであり同部署を統括する竹内 潤氏にインタビュー
竹内 潤氏(以下,竹内氏):
 CS第一開発として,最初のタイトルは「バイオハザード7(以下,バイオ7)」だったのですが,この時,バイオシリーズの置かれていた状況は決して順風満帆ではありませんでした。バイオシリーズはホラーとアクションの両方の側面を楽しめるタイトルですが,「バイオハザード4(以下,バイオ4)」から「バイオハザード6(以下,バイオ6)」までのナンバリングではアクションを前面に出していました。その流れを支持するファンも多くいたのですが,バイオ6を出すタイミングで純粋なホラーとしてのバイオハザードを望む声も大きくなってきていたんです。当時はプレイヤーが求めている潮流とうまくマッチしていなかったのも確かでして,ネットで「バイオは復活できるのか」といった内容のアンケートサイトも出現したほどです。

 そんな状況で,上司に「バイオを担当してほしい」と言われまして,これはなかなか大変だぞと当時は思いました。ただ,バイオ7で掲げていた「プレイヤーが求めていたホラーをしっかり作る」といったコンセプトに対しては,開発が進むにつれ,手応えを感じるようになりました。最終的に間違いなくプレイヤーのトラウマになるようなゲームを提供できたと思っています。

バイオハザード7 レジデント イービル
画像(009)「バイオハザード RE:2」を手がけるカプコンCS第一開発の目指すもの。キーマンであり同部署を統括する竹内 潤氏にインタビュー

4Gamer:
 自分もバイオ7は遊んで,バッチリトラウマになりました(笑)。ある種の原点回帰と言いますか,第1作のバイオハザードを彷彿とさせる要素も多かった気がします。

竹内氏:
 そう言ってもらえるのが目的でしたので,うれしいです。自分たちとしてはバイオ7で一定の目的を達成できたと思っています。ただ,次のタイトルをどうするかとなったとき,トラウマになるようなホラーゲームを2連続で出すのは少しキツイんじゃないかと思っていました(笑)。
 ただ,バイオ7で成功を収めた以上,次のナンバリングタイトルでもシリーズに恥じないものを作らないといけないなと考えていたのですが,なかなか考えがまとまりませんでした。そんな時期にですね,インディーズの人たちが「バイオハザード2(以下,バイオ2)」のリメイクプロジェクトを進めていたり,ネットでもバイオ2のリメイク希望の声をたくさん聞くようになってきていたんです。

4Gamer:
 バイオ2のリメイクを望むファンの声は凄かったですよね。自分も特に好きな作品なので,リメイクしてくれないかなとずっと思っていました。

竹内氏:
 バイオ2のファンは熱量が物凄いんですよね。第1作は「怖さ」をフィーチャーした作品でしたが,バイオ2では怖さだけでなく,アクションアドベンチャーとしての面白さも盛り込まれていました。それらの点が線になって,以降20年以上続いていくIPに成長したのです。
 話を戻しますが,そんなバイオ2のリメイクを希望する声を聞いて,バイオ7を継承するからと言って必ずしも次のナンバリングにする必要はないのではないか,と考えるようになったんです。昔と同じように点をつなげ線にして,バイオ2を自分たちのものとしてしっかりとリメイクする。ファンの声に後押しされる形で,「じゃあバイオ2のリメイクで勝負しよう!」と決まったのが,そもそもの成り立ちとなります。

バイオハザード RE:2
画像(010)「バイオハザード RE:2」を手がけるカプコンCS第一開発の目指すもの。キーマンであり同部署を統括する竹内 潤氏にインタビュー

4Gamer:
 竹内さんは,オリジナル版のバイオ2の人気をどのように分析されていますか。

竹内氏:
 「絶妙」だと思います。ホラーのテイスト,アクションの面白さ,エンターテイメントとしての完成度,これらがバランス良くまとまっている。そして,それをお客さんが求めている時期にリリースした。そういう意味では,内容だけでなく,タイミングともベストマッチしていたと思っています。

4Gamer:
 オリジナル版は世界的にも人気ですし,RE:2開発スタッフのプレッシャーも大きいものがあったと思います。統括する立場の竹内さんから見て,開発現場はどのように映りましたか。

竹内氏:
 やっぱり大変でしたね(笑)。「三人称視点でなければバイオじゃない!」とか,「オリジナルにあった階段1つでも,無くしてはいけない!」といった熱い議論がたびたび起こっていました。門井,安保など第1作から開発に関わっていたメンバーもいましたし,オリジナル版を大切に思う気持ちはすごく良く分かるんです。
 バイオシリーズのディレクションをするということは,20年続いているIPの重み,重責がのしかかってきます。そのため,どうしても消極的だったり保守的になったりしがちなのですが,今回はそうではありませんでした。統括するうえで念頭に置いたのは,「スタッフたちが作りたいバイオ2を開発させる」ということでしたし,それが自分にとって一番大きな仕事になったと感じています。

画像(004)「バイオハザード RE:2」を手がけるカプコンCS第一開発の目指すもの。キーマンであり同部署を統括する竹内 潤氏にインタビュー

4Gamer:
 スタッフの中には若い人も多いと思いますし,もしかしたらオリジナル版をプレイしたことのない人もいたかもしれません。スタッフ全員に対して,どのようにしてRE:2のコンセプトを浸透させたのでしょうか。

竹内氏:
 1つは「ゾンビ」です。ゾンビが潜んでいる恐怖やゾンビと対峙する恐怖を感じさせることができたら,このゲームは8割できたも同然だと伝えました。人を喰うこと,喰い殺すことに執着したゾンビを作ることをまっとうできれば,間違いなくいけるはずだ,といった話をした記憶があります。

4Gamer:
 今回の体験プレイでは,シリーズを通してもゾンビの存在感は群を抜いていたと感じました。

竹内氏:
 オリジナル版を当時プレイした人は同じ感覚を持っていたのではないでしょうか。あの当時感じた,ゾンビに対する恐怖心をもう一度呼び起こしたい。しかし,それは以前と同じものでは実現できなくて,今の若い人たちが怖いと感じるものを作らないといけない。ここのステップアップがスタッフとしては大変だったはずです。結果的に求めていたゾンビを届けることができたのではないかと思っていますし,良い仕事をしてくれたスタッフのみんなを褒めてあげたいですね。

バイオハザード RE:2
画像(011)「バイオハザード RE:2」を手がけるカプコンCS第一開発の目指すもの。キーマンであり同部署を統括する竹内 潤氏にインタビュー


RE:2のキャッチコピーである「“再”新作」に込められた想い


4Gamer:
 今回はクリーチャーの中でも特にゾンビにフォーカスしているように感じました。プロモーションに関しては,どのような戦略を行ってきたのでしょうか。

竹内氏:
 今回,キャッチコピーの1つに“再”新作という言葉があります。オリジナル版を遊んでいる人には「再び」の部分がフォーカスされますし,初めてバイオ2をプレイする人は「新作」がフォーカスされます。“再”新作は,平林がずっと考えてひねり出してくれた言葉で,本当にすばらしいキャッチコピーだと思います。また,これが自分たちがプロモーションしていくうえでのコンセプトであり,もう一度ゾンビに対する恐怖を思い出してほしいという思いでもあります。

4Gamer:
 オリジナル版は1998年にリリースされた作品ですので,オリジナル版をまったく知らない若い世代の人も多いと思います。そんな人たちにRE:2をアピールするため,こだわった部分を教えてください。

竹内氏:
 バイオ7のときも,若いプレイヤーにも遊んでほしいという思いはあったのですが,ホラーゲームという題材のハードルが高くて,日本では旧作のファンだったり,年齢が高めの人たちが購買層の中心でした。ところが海外を見ると,バイオ7で初めてシリーズに触れたという人も多かったんです。この国内と海外のギャップをいかに解消できるか? といった部分もRE:2の大きなテーマとしてありました。

バイオハザード RE:2
画像(012)「バイオハザード RE:2」を手がけるカプコンCS第一開発の目指すもの。キーマンであり同部署を統括する竹内 潤氏にインタビュー

4Gamer:
 なるほど。

竹内氏:
 ただ単に怖いだけのゲームではなく,エンターテイメント性が含まれていないとうまくいかないだろうと考えていまして。そういう意味で,RE:2はオリジナル版の時点ですばらしいバランスのゲームだったので,今回もいい形に結実するんじゃないかと思っています。

4Gamer:
 オリジナル版のバイオ2のエンターテイメント性はどういったところだと考えていますか。

竹内氏:
 オリジナル版を作っていたときにディレクターの神谷がハリウッド映画にハマっていて,ブロックバスター型(※)の映画をよく見ていたんです。一方でドがつくほどのマイナーな映画も好きで,その彼が持っていたフィロソフィー(※)をうまく汲み取ったゲームになっているのかなと思っています。

※ブロックバスター型:もともとは強力な爆弾の名称。そこから転じて,周りをふきとばすほどの超大作やベストセラーを指す言葉となっている

※フィロソフィー:ものの見方や考え方


竹内氏:
 また,先ほどオリジナル版はすばらしいバランスだったと話しましたが,そこについてはRE:2でもできる限り変化を与えたくないと考えていました。例えば恐怖という要素1つを見ても,ゾンビとタイラントに感じる怖さはまったく違いますよね。ふだんは慎重に探索しているのに,タイラントが現れると突然逃げ回るゲームになる。
 自分は「おしること塩昆布」に例えてスタッフに伝えています。甘いものばかり食べていると塩辛いものも欲しくなって「この塩昆布うまいな!」ってなりますよね。オリジナル版では,この調整が絶妙だと思っていて,RE:2を作るときもその塩梅を大事にしました。

4Gamer:
 オリジナル版をプレイしたときに,第1作と比べて,さまざまな要素がスケールアップしていて,まさしくエンターテイメントといった面白さを感じましたね。CM制作にゾンビ映画の第一人者であるジョージ・A・ロメロ監督が参加して話題になったこともよく覚えています。

竹内氏:
 当時は「映画のようなゲーム」という評価をいただいていました。であれば中途半端なことはせずに,エンターテイメント性も引き継いで,そのまま映画としての面白さを前面に出そうよってことで,ああいったプロモーションになったんです。

画像(006)「バイオハザード RE:2」を手がけるカプコンCS第一開発の目指すもの。キーマンであり同部署を統括する竹内 潤氏にインタビュー


RE:2を通して感じる音へのこだわり


4Gamer:
 RE:2ではVRへの対応は明言されていません。当初からVRには対応しない予定だったのでしょうか。

4Gamer:
 初めにカメラをどういった感じにしようかというのがあったんですけど,1つ前に発売したのがバイオ7でしたので,「一人称視点か?」といった話は現場で出ていました。ただ自分としてはそうではなくて,キャラクターの魅力もバイオ2のいいところなので,レオンやクレアをしっかりと見せられる三人称視点がいいんじゃないかと思ったんです。三人称視点でVRというのもありえない話ではないんですけど,ただ,自分たちが求めているVRの良さは,三人称視点では表現できないこともあって,今回は見送っています。

4Gamer:
 ゾンビのうめき声やタイラントの足音などが,同じ場所にいないにもかかわらず聞こえてきて,「音」の怖さを感じました。音作りに対するこだわりを聞かせてください。

竹内氏:
 うちの開発……といいますか,カプコンという会社自体,音に対してこだわりがあります。これはもう弊社の色になるのですが,音ってゲームでものすごく大事な要素だと考えていて,社内にフォーリースタジオ(※)も持っています。このフォーリースタジオでは,さまざまな材質の床を用意していまして,自分たちで実際に音を出して録音します。音の良し悪しでゲームの存在感はガラリと変わるので,弊社の作品は音作りには物凄くこだわっていますね。

※フォーリースタジオ:効果音を録音するスタジオ

バイオハザード RE:2
画像(013)「バイオハザード RE:2」を手がけるカプコンCS第一開発の目指すもの。キーマンであり同部署を統括する竹内 潤氏にインタビュー

4Gamer:
 RE:2では雨で濡れる表現だったり,服に付く汚れにもこだわりを感じますが,そのあたりはいかがですか。

竹内氏:
 環境による変化というのは,自分たちが以前からずっとやりたかったことです。ただ,これまでのゲーム機では制約があって,できなかったんですよ。現世代機のゲームでいろいろと表現できるようになったので,没入感やリアリティを重視して,ゲームの中に入り込むことを阻害しないようにしたいなと思っています。

4Gamer:
 バイオ7に引き続き,RE:2でも「RE ENGINE」が採用されています。開発もだいぶ熟練されてきたのではないでしょうか。

竹内氏:
 バイオ7のときは初めてのエンジンということで,ある一定の評価をいただいても,まだまだやれることあったかなくらいの気持ちでした。RE:2の開発ではだいぶ熟練されてきた感じですが,少し面白いエピソードがありまして。
 違うチームが開発している「デビル メイ クライ 5(以下,DMC5)」でも,RE ENGINEが採用されているのですが,DMC5のうっすらと笑うフェイスアニメーションを見て,RE:2の開発チームがものすごく悔しがっていたんです。
 わずかな口角の上がり方だけで,緊張感をやわらげたりできるのですが,ゲーム内であれをキチンと表現するのって,実はかなり難しいんですよ。これをDMC5のチームに先にやられて,それこそ地団駄を踏む思いでみんな悔しがっていました(笑)。DMC5とRE:2は兄弟作のようなものなんですが,お互いに切磋琢磨しているんだなとも感じましたね。

デビル メイ クライ 5
画像(015)「バイオハザード RE:2」を手がけるカプコンCS第一開発の目指すもの。キーマンであり同部署を統括する竹内 潤氏にインタビュー


CS第一開発の信念である,「一見の価値があるものを作る」ことの意味


4Gamer:
 竹内さんはCS第一開発の統括として,RE:2やDMC5だけでなく,「囚われのパルマ」「BLACK COMMAND」も手がけていらっしゃいます。パルマは比較的若いタイトルですし,BLACK COMMANDも近年のカプコンにはあまり見られなかったタイトルですが,こういった新しいIPを育てる際に,竹内さんが重視しているところはなんでしょうか。

竹内氏:
 自分たちはそんなに器用にゲームを作れるタイプだとは考えていなくてですね,そういった部分を加味して,CS第一開発ではいくつかのルールを決めています。その中の1つに「一見の価値があるものを作ろう」というものがあります。

4Gamer:
 一見の価値ですか。

竹内氏:
 「あのゲームすごかったよ!」「一回やったほうがいいよ!」って人に言ってもらえるようなゲームですね。なので,パルマもBLACK COMMANDも一見の価値を重視することを考えました。IPを立ち上げるときは,いろんな要素が入っているゲームも1つのウリなんですが,「ここぞ」といった部分があることがとても大切なんです。
 パルマは女性向けのゲームですので,プレイヤーは男性の色気というか,男性自身の魅力に価値を見出しているんですよね。ゲーム中,スマホにおでこをつけて,熱があるかどうかを診てもらうシーンがあるんですけど,こういう,魅力的な男性と触れ合うドキドキ感にすべてを注ぎ込んでいます。パルマは,「男性との距離のありよう」に一見の価値があるゲームですね。

囚われのパルマ Refrain
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4Gamer:
 以前,パルマのイベントを取材したことがあるのですが,ファンの皆さんの物凄い熱量にビックリしたのを覚えています。実際のゲーム部分も,既存の女性向け作品とは一線を画す内容でしたし,確かに「一度やってみたほうがいいよ」ってオススメしたくなるというのも分かります。

竹内氏:
 BLACK COMMANDは,逆に,ミリオタに「よくここまで作ったね」って言ってもらえるものを目指しています。スマホゲーでありながらもニッチなものにチャレンジしていくことが,自分たちのテーマにもなっているんです。

BLACK COMMAND
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4Gamer:
 竹内さんは女性ゲームファンが占める市場について,どのように捉えていますか。

竹内氏:
 昔は,女性はあまりゲームをしないと言われていたのですが,ただその中でもバイオシリーズって女性プレイヤーが多いゲームだったんですよ。当時の営業に聞いたのですが,お酒を呑むような店に行っても意外と女性陣がバイオを遊んでいるって言っていましたね。

4Gamer:
 女性がバイオシリーズと言われると少し意外な気はします。

竹内氏:
 女性は決してゲームをしないわけではなく,遊びたいゲームがあれば遊ぶんですよね。今は国民一人ひとりがスマホを持っていますけど,こんなに普及しているハードはほかにないんですよ。ということは,機会があれば,スマホを持っているみなさんがゲームユーザーになってくれる可能性があるので,そういうところには積極的に挑戦していきたいですね。女性ゲームファンのマーケットは大いに可能性があると思っています。

4Gamer:
 スマホゲームの市場についてはいかがでしょうか。数年前とは状況も変わってきていると思いますが。

竹内氏: 
 スマホゲーム自体,グローバルで見ればしっかりとしたマーケットが形成されてきていると思っています。ただ,スマホゲーに限ったことではないですが,マーケティング優先でゲームを作るのは,個人的にあまり前向きにはなれません。当然,うちもマーケティング調査はしますし,自分も参考にするのですが,マーケティングというのは後追いなんですよ。今あるものに対して,それがどう受け入れられているか,どうなのかということはマーケティングできる。

 ただ,これから生まれてくるものに対してはできない。自分はそういう,潜在的にある需要に対してゲームを提供したいと思っています。先ほども言いましたが,一見の価値ありという考えもそういうところからきています。スティーブ・ジョブズ氏がiPhoneを作られたときにおっしゃっていたんですが,「出てきたものを見て,これが欲しかったというユーザーはいくらでもいる。ただ出てくる前にこれが予見できるユーザーはいないんだ」と。その言葉が自分にとても刺さっています。

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竹内氏が持つ「純粋なアクションゲームへの想い」はDMC5へつながる


4Gamer:
 DMC5についても聞かせてください。「デビル メイ クライ4」から11年ぶりのナンバリングとなりますが,続編を待っていたファンも多い作品です。発表がこのタイミングになった理由は何かあるのでしょうか。

竹内氏:
 DMCの出自は元々バイオ4なんですよね。バイオ4を作ろうとしているとき,アクションに寄り過ぎてしまって,「これはもう違うゲームでいいのでは?」という話になり,そこからDMCが生まれました。
 個人的にも思い入れの強いIPなんですが,昨今なかなかマーケティングから需要があると言ってもらえなかったんです。あの手のアクションゲームであれば,「バットマン:アーカムシリーズ」のようなオープンワールドにしなければいけないという空気もありまして……。

4Gamer:
 最近ですと「Marvel’s Spider-Man」もありますよね。

竹内氏:
 旬なものだとまさしくそうですね。ただ自分的としては少しオープンワールドアクション全盛の今に疑問もあって,「オープンワールドではない,純粋なアクションゲームを遊びたいし,需要もあるはずだ」と考えていました。

4Gamer:
 昨今は,多くのアクションゲームがオープンワールドですし,オープンワールドにしなければならないといった風潮も感じます。

竹内氏:
 そうすることがすべての正解ではないですし,今あるオープンワールドのゲームも,あの形が完成系ではないと思うんですよ。そういったなかで,DMCのようなアクションゲームを望む層が絶対にいるんだから,その人たちにゲームを届けよう! というのが始まりでした。それでもE3の発表時はバイオ7以上にドキドキしていました(笑)。本当に大丈夫かなって。
 あと,少し前に「NieR:Automata」が大ヒットしましたが,あれにも勇気をもらいましたね。「ほら,こういうゲームも需要あるじゃん」って(笑)。純粋にいいゲームを作れば,アクションゲームで遊びたい一定数の人は必ず歓迎してくれます。ですので,E3でものすごい反響をもらえて,本当にうれしい気持ちになりましたね。

デビル メイ クライ 5
画像(014)「バイオハザード RE:2」を手がけるカプコンCS第一開発の目指すもの。キーマンであり同部署を統括する竹内 潤氏にインタビュー

4Gamer:
 国産タイトルが海外タイトルに水をあけられているという空気がここ数年ありましたが,最近は国産タイトルも元気が出てきたなと感じています。そのあたりはどう考えていますか。

竹内氏:
 正直に言うと,依然として差はあると思っています。やはり海外の超大作クラスのゲームと比べて,国内のゲームが使える予算はまだまだ足りていないですし。ただ,だから国内のゲームはすべてダメかと言われるとそうではなく,足りていないのであれば,足りていないなりにお客さんが受け入れてくれる作り方はいくらでもあると思うんです。
 そういうところに目を向けて,しっかりとしたゲームを作る人たちが出てきて,本当に面白いゲームを提供し始めたのは自分も勇気づけられていますし,いい傾向ですよね。

4Gamer:
 バイオ7のときもDMC5のときも,E3での反響はものすごかったことを覚えています。

竹内氏:
 バイオ7のときは発表時にだいぶ仕掛けましたしね。「なんだろう? このホラーゲームは。VII? バイオ!?」って(笑)。
 逆にDMC5は直球でしたね。「DMC is back」っていうそのままの意味で,DMCが帰ってきたことをお伝えしました。直球が刺さってくれたので,こちらとしてもうれしい発表になりました。ちゃんとDMCをどういうゲームか理解してくれたうえで迎えてくれたのは本当にうれしかったです。

画像(008)「バイオハザード RE:2」を手がけるカプコンCS第一開発の目指すもの。キーマンであり同部署を統括する竹内 潤氏にインタビュー

4Gamer:
 DMCシリーズはあまり似たようなゲームが思い浮かびませんね。そこが望まれる理由なのかもしれません。

竹内氏:
 ああいったスタイルをDMC以外でやると少しキザになったりするのですが,DMCの場合,世界観がすべてを丸めてくれる。ほんと稀有なゲームだと思います。自分たちは「厨二の極み」って言っているんですけどね(笑)。あそこまで厨二的なことを真っ正面からやって,プレイヤーが「かっこいい!」って言えちゃうゲームは,ほかにないんじゃないかなって思います。

4Gamer:
 厨二って少し扱いが難しくて,違う方向にいくとあまり共感されないことも多いんですけど,DMCの場合は自分もこうなりたい,ダンテを操ってみたいと素直に感じられますよね。ところで,DMCのダンテ,ネロ,バイオ2のレオン,クレアなど,カプコンのIPには印象的なキャラクターが多いのですが,キャラクター作りにおいて,何か念頭に置いていることはあるのでしょうか。

竹内氏:
 ゲームに出てくるキャラクターって現実には当然いませんし,クセもめちゃくちゃ強いんですよ。でもゲームの世界観をひっくるめて,そのキャラクターの存在を許せる環境を作り出すのがウチ流だと思っています。もちろん,現実には絶対に存在しないキャラクターですから,それが違和感にならないように,ゲームの世界観ごとひっくるめてキャラクターを作るわけです。

4Gamer:
 世界観ごとひっくるめてキャラクターを作る,ですか。

竹内氏:
 バイオにはバイオの世界がありますし,DMCにはDMCの世界があります。キャラクターのデザインからにじみ出るイメージを世界観に合わせるのと同時に,世界観からにじみ出るイメージをキャラクターのデザインに合わせています。互いが互いに影響を与えることで印象的なキャラクターや世界観が生み出されているのではないかと思っています。

4Gamer:
 最後にCS第一開発の今後の展望についてお聞かせ下さい。

竹内氏:
 CS第一開発は,これからも一見の価値あるゲームをみなさんに,滞ることなくお届けしていきます。バイオシリーズ以外も仕込んでいますし,「こんなものも作るんだ!」といった反応が返ってくるようなゲームを今後も提供したいですね。ぜひ注目していてください。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

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