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PS4版「428 封鎖された渋谷で」プレイレポート。いまだ色褪せない名作サウンドノベルを,10周年の今だからこそ体験してほしい
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印刷2018/09/05 00:00

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PS4版「428 封鎖された渋谷で」プレイレポート。いまだ色褪せない名作サウンドノベルを,10周年の今だからこそ体験してほしい

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 スパイク・チュンソフトは,「428 封鎖された渋谷で」(以下,「428」)のPC版とPlayStation 4版を,2018年9月6日に発売する。

 「428」は,オリジナルとなるWii版が2008年12月に発売されたサウンドノベルゲーム。オリジナル版発売当時は,「弟切草」「かまいたちの夜」「街」「忌火起草」と,多くの良質な作品を生み出したチュンソフト(当時)の新作ということもあって,発表時からサウンドノベルゲームファンの注目を集めていた。
 発売後もその完成度の高さが評価され,のちにPS3PSP,スマートフォンなど多くプラットフォームで展開した「428」だが,オリジナル版発売10周年となる2018年にPC版とPS4版が発売される。今回,PS4版を発売前にプレイする機会を得たので,プレイレポートで本作の魅力をお伝えしたい。

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「428 〜封鎖された渋谷で〜」公式サイト



本当に止めどきが見つからない

ノンストップで駆け抜けるスピード感溢れるシナリオ


 渋谷の街を舞台に主人公5人の視点で進行する物語は,渋谷署の管轄内で起こった誘拐事件から始まる。5人それぞれ異なるイントロダクションで幕が開き,それが最終的に大きな物語へと収束していくのが本作の特徴だ。
 それらの物語をより緊張感のあるものにしているのが,序盤からノンストップで展開するそのスピード感だ。プレイ中は常にハラハラさせられ,止めどきを見失うほど没入度は高い。

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 とはいえ,常にシリアスで緊張感があるようなものではなく,物語にはコミカルな要素も含まれている。例えば後述するタマは,コメディ映画のような,思わず肩の力が抜けてしまうようなシーンや笑える展開も多い。このシリアスとコミカルの絶妙なバランスが,本作の魅力の一つとなっている。

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いつの間にか親しみを感じてしまう

個性的で魅力溢れるキャラクター達


 個性的なキャラクター達にも注目してほしい。若き熱血刑事の加納慎也をはじめ,渋谷のチームの元ヘッドだが現在は街の美化に努めている遠藤亜智,ウイルス研究の第一人者でちょっぴり変わり者の大沢賢治,大柄な態度が玉にキズだが,人情味あふれる敏腕フリーライターの御法川実,謎多き猫の着ぐるみタマと,主人公となる5人もなかなかくせ者ぞろいだ。主人公以外にもインパクトのあるキャラクターがたくさん登場し,彼らが物語を盛り上げることに一役も二役も買っている。

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 筆者は同じ職業ということもあり,御法川がお気に入りだ。その抜群の取材力と執筆力,そして,強引なところはあるが実は人間味に溢れているところが魅力的で,北上史欧さんの演技力もあっていつの間にか彼のファンになっていた。
 このように,ゲームをプレイして彼らの考え方や行動を見ていると,必ず1人か2人はお気に入りのキャラクターができるはずだ。

北上史欧さん演じる御法川。破天荒な物言いや行動がなんとも爽快だ
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バッドエンドを迎え,時間を戻りながら

5人の主人公の物語を追って良い方向へと導く


 ここからはゲームシステムを紹介していこう。小説のように物語を読み進めながら,ときおり出現する選択肢から行動を選ぶことでゲームが進行していくというのは,同ジャンルのゲームと共通するもの。本作ならではなのが,1人の主人公の選択が,本人だけではなくほかの主人公の物語にも大きな影響を与えるというところだ。
 選択肢を誤ると……というより,普通にプレイしていたら避けられないと言い切ってもいいくらい,本作ではさまざまな形でバッドエンドを迎えることになる。これを回避するため,時系列順でシナリオが表示される「タイムチャート」の画面から時間軸を戻して,主人公達の行動を選び直していく。
 この,自らの手で不幸な結末を変えていき,物語を正しい道筋へと修正していくという“ザッピング”が,本作の面白さであり大きな特徴となっているのだ。

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シリアスなものから,思わずニヤけてしまうコミカルなものまで……バラエティ豊かなバッドエンドが多数用意されている
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 物語を進めていくと「KEEP OUT」と表示されるときがある。“立ち入り禁止”とあるとおり,これは物語を先に進められない状態のことだ。KEEP OUTは,そうなった場面と関係がありそうな主人公の物語を読み進めて,赤く表示されたキーワードから「JUMP」することで解除される。
 また,「TO BE CONTINUED」と表示されることもある。これはゲーム進行上の節目となっている1時間ごとに表示されるもので,対象となる時間の物語をすべて読み進めることで解除され,次の1時間の予告演出が入って新たな物語に進んでいく。

 このように,ところどころで戻りながらも,5人の主人公の物語を同時進行で進めていくというシステムが,ゲームをより臨場感ある作品へと昇華していると感じる。主人公達の運命をプレイヤーが自らの手で良い方向へ導くという,ゲームならではのインタラクティブ性も本作ならではの魅力だ。

要所要所で登場するKEEP OUTやTO BE CONTINUED。続きが気になる! というシーンで差し込まれることが多いため,止めどきを失ってしまう。何ともニクイ演出だ
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実写だからこそ生まれる魅力

多くの人と思いを共有したくなる作品


 本作を象徴する表現といえば,なんといっても“実写映像”だ。まだまだゲームでは浸透しているとは言い難い手法ではあるが,本作は実写だからこそ魅力が生きているジャンルだと筆者は考えている。渋谷というメジャーな街を舞台にしているからこそプレイヤーは親しみを感じられ,同時に,そこで起こる事件の緊張感が,現実のことのように感じられるのだ。

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 また,これは「街」にも言えることだが,過去の渋谷の画像や映像を使用していることで,資料的な価値も高い。常に変わり続ける街なだけに,今はなき建物やお店なども多く,現在(2018年)の渋谷との違いも楽しめる。過去の渋谷の風景を,ゲームというフィルターを通して眺めることで,懐かしさや新鮮さなど,さまざまな思いが得られるはず。

風景だけではなく,使用する携帯電話や街行く人達の服装にも懐かしさがあるはず
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 今回プレイしてみて,10年前の作品でありながらゲームシステムに古さはまったく感じられず,むしろ洗練されたものであったことをあらためて実感できた。そのゲーム展開や無駄のないUIからも,そのスキのなさを感じたくらいだ。
 この楽しさを多くの人と共有したい――筆者はWii版をプレイした2008年当時,クリア後にゲームへの思いが抑えきれなくなり,友人と2〜3時間ぶっ通しで語り合ったのを覚えているが,「428」はそんな気持ちにさせてくれるゲームなのだ。未プレイの人にも,久しくプレイしていない人にも激しくオススメできる作品だと,自信を持って言いたい。

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「428 〜封鎖された渋谷で〜」公式サイト

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