![]() |
プレイヤーが市長となり,一つの都市を発展させ,住民達のさまざまな要望に応えていくという都市経営シミュレーションゲームの金字塔「シムシティ」(SimCity)。そんなシムシティシリーズ最新作として,「SimCity BuildIt」(iOS / Android)が2014年末にリリースされた。読者の中にもすでにプレイしているという“市長”も多いことだろう。
さて,今回はそんなSimCity BuildIt初の大型アップデートとして実装された,「トーキョー・タウン」の情報をお届けしよう。また記事後半では,本作のやり込み要素や資金稼ぎ,都市の人口拡大についてスポットを当ててみたので,これから市長になろうという方にも,ぜひご一読いただきたい。
![]() |
![]() |
![]() |
新しく生まれ変わったシムシティ
楽しさはそのままに現代ナイズド
さて,トーキョー・タウンの説明の前に,軽く本作の特徴をまとめておこう。本作も従来のシリーズと同様に,道路を敷き,住宅地域を作り,電力や水道を確保し,工場や商業施設を建築するという一連のサイクルを繰り返して都市を発展させていくことになる。ただし地価や年月,需要と供給といった非常に細かなバランスによって成長していたこれまでの建造物とは異なり,特定の資材を投入することで直接的なアップグレードが可能になっている。
アップグレードに必要な資材は,工場や商業施設で生産することができ,これらは資材によってまちまちではあるが,定められた時間が経過することで入手可能。昨今の農場経営スマホゲームのトレンドをうまく取り入れ,シムシティの持つゲーム性と融合させているという点がポイントだ。本作をまだ触ったことがないという方は,昨年末の記事を参考にしていただきたい。
![]() |
![]() |
あなたの都市に新たな景観のスパイスを
個性抜群のトーキョー・タウンへようこそ!
さて,それではアップデート内容であるトーキョー・タウンの中身に迫っていこう。このトーキョー・タウン,要は従来の住宅施設の見た目がガラリと変わるというもので,特定の条件を満たしたあと,住宅を建設しようとすると,これまで同様の「住宅地区」に加え,「トーキョー・タウン地区」が建設できるようになるというものだ。建設条件は通常通り「道路に面している」「2×2マスの空き地がある」以外,とくに必要なものはない。
![]() |
なお,トーキョー・タウン地区はゲームを始めてすぐに建設できるわけではない。人口を26万人以上にしたうえで「国際空港」を開放し,その後利用可能となる「貨物空港」で資材を梱包することで,後述する「特別アイテム」を入手する必要がある。そのため,必然的に利用できるようになるのはゲーム中盤以降になるだろう。
国際空港は「貨物船用波止場」同様に解放することで貨物空港が利用可能になり,やはり貨物船同様,特定アイテムを梱包することで報酬として特別アイテムがもらえるという施設だ。このときもらえるアイテムは「灯篭」や「招き猫」といった,いかにも日本を意識したアイテムで,これらはトーキョー・タウン地区のアップグレードに必要なものとなっている。
モデルは新宿それとも秋葉原?
“超”がつくほど個性的な外観の住宅施設
トーキョー・タウン地区は「東京」を冠した住宅施設というだけあり,和風テイスト抜群の日本建築や,新宿歌舞伎町のようなギラギラとしたネオンや広告が踊る高層ビルといった,これまでにないテイストの外観が最大の特徴。
初期は長屋や庭園のある一軒家だが,アップグレードを繰り返すと広告だらけの雑居ビルへ変貌し,最終的にはネオンや電光掲示板,巨大広告が目を引く高層ビルへと変化していく。
初めて見たときはあまりに“東京らしさ”溢れる意匠に思わず笑ってしまったほど。良くも悪くも日本の繁華街らしい下世話で派手な外観は,実際に日本に住んでいる者からすればいろいろと複雑ではあるが,よくぞここまで観察したものだと感心せざるを得なかった。
![]() |
![]() ちなみにトーキョー・タウン地区の邸宅には,日本人風の家屋名が |
![]() アップグレードしていくと,画面奥の優雅な離れ風建築や,手前のお城を模した外観に |
![]() さらにアップグレードを続けると今度は雑居ビル風に。狭い土地に建ち並ぶ細い建物と,鮮やかな広告の対比が何ともミスマッチ |
![]() そして最大までアップグレードすると,超高層ビルに変化! ビルの横一面を埋める不釣り合いな巨大広告達は,実際に“よく見かける光景”で,思わず笑ってしまう |
ご覧のように,かなり独特な景観のため,従来の住宅地区と織り交ぜてしまうと浮いてしまう恐れがある。そこで土地の一角をトーキョー・エリアと仮想し,集中的にトーキョー・タウン地区を建設していったほうが,より“らしさ”が出るのでオススメだ。
とはいえ,見た目的な楽しさだけでなく,トーキョー・タウン地区は建設することで増税が見込め,税収アップが期待できるというメリットもある。写真のような繁華街にまで成長させるにはかなりの労力が必要だが,それに見合うだけの見返りや楽しさは間違いなくあるのだ。
![]() |
![]() |
![]() |
トーキョーというより,どちらかというとカブキチョー・タウンとでも名付けたほうが似合いそうだが,アップグレードには必ず招き猫や盆栽などの特別アイテムが必要。これは前述した貨物空港で要求される資材をすべて梱包し,離陸させることでしか入手できないという,かなりレアなアイテム。
また,貨物空港自体,一度飛行機が離陸してしまうと再度訪れるまでに実時間で18時間かかるため,トーキョー・タウンの育成には時間がかかると思っていいだろう。一気に育て上げてしまいたい気持ちも分かるが,住宅の外観にはさまざまなパターンが用意されているので,のんびりと眺めながら気長に待つのが正解だ。
トーキョー・タウン育成の片手間に?
本作に用意されたさまざまなやり込み要素をご紹介
本作ではこれまでのシリーズと異なり,「実績」というものが用意されている。多くのゲームと同様,「特定の条件を満たすことで獲得できる勲章」のようなもので,「人口を1000人にする」という簡単なものから,「175箇所の住宅に文化サービスを提供する」といった一筋縄ではいかないものまで,その種類はさまざま。実績を達成すると,シムキャッシュがもらえるという嬉しいメリットもある。
ゲームを進めていれば自然と達成できるものも多いが,あえて狙わなければ達成できないものもある。やり込み要素の一つとして,手が空いたときに実績を気にしながらプレイしてみるのもいい。
![]() |
そんな中でもとくに達成難度が高いのは,「主要都市」「船長」「マッドサイエンティスト」,そして新たに加わった「パイロット」あたりだろう。主要都市は特定の人口まで引き上げる必要があるのだが,最終目標としてはなんと100万人が必要となる。ちょっとやそっとのプレイでは達成できないような,高い目標である。
船長,マッドサイエンティスト,パイロットは,いずれも同じような性質を持つ実績で,船による貨物の出荷数,災害の発生数,飛行機による出荷数の累計数が問われてくる。船と飛行機は集める資材の難度や時間的な制限,災害は復旧難度の高さなどもあり,どちらも一筋縄ではいかない実績である。
一朝一夕で達成できるようなものではないが,腰を据えてじっくりと挑んでみたい。
![]() |
![]() |
![]() |
シム達の不満とともに襲い掛かる財政難
厳しい局面をいかにして切り抜けていくか?
ゲームを中盤まで進めていくと,都市は慢性的な資金不足に悩まされるようになる。そんな市長の悩みも露知らず,シム達は「犯罪を防止しろ」「下水が臭い」「子供を学校に通わせろ」「渋滞を何とかしろ」など,あれやこれやと不満をぶつけてくるのだからたまったものではない。
それぞれの悩みを解決するためには,警察署や下水処理施設,学校といった専用の施設を建設してあげるのが最適だが,そうはいっても世の中は金(=シムオリオン)次第。突如湧いた不満を解消しようにも,お金がなければ施設が建設できず,結果廃墟に……なんて事態に陥らないよう,都市作りは計画的に行いたいところ。
![]() |
とはいえ,本作には一気に資金を回復できる夢のような手段は存在しない。基本的には毎日コツコツと資金を貯め,必要なときに都度消費していくという,現実生活にも似たある種の“我慢プレイ”が必要とされる。そもそも,こういったプレイスタイルが求められるのは,これまでのシリーズとも共通している。一気に攻略を進めるのではなく,のんびりと都市を育成していくのが,本シリーズの楽しみ方だということを理解しておきたいところ。急がば回れ,だ。
さて,それを受けたうえで本作の資金稼ぎだが,主に三つの手段に分けられる。
1.都市の税金を徴収
もっともオーソドックスな資金稼ぎ。時間に応じて少しずつ税金が貯められていき,町役場に浮かんだコインマークをタップすれば徴収可能。人口が多いほど税収も高い。
![]() |
2.住宅のアップグレードや貨物の梱包
住宅をアップグレードしたときや,貨物を梱包したときに得られる収入。税金などに比べると少なめだが,住宅のアップグレード,貨物の梱包による副次的なメリットといったところ。
![]() |
3.他プレイヤーとの貿易
筆者が最もオススメしたいのはこちら。「貿易センター」で資材を売り出すと,ほかのプレイヤーが買ってくれる可能性がある。ただし「広告」を出さないとフレンド以外のプレイヤーからは見られないので要注意。
![]() |
貿易を最もオススメとするのは,「自分で任意に価格設定ができる点」「需要の高いものはすぐに売り切れる点」「売れなくてもダニエルが買ってくれる点」という理由からだ。売れるものは多少高くても買ってくれるし,最悪ダニエルが買い取ってくれる。例えば,要求頻度の高い資材を溜め込み,それらを大量に貿易で売り抜けば一気に資金を稼ぐことができる。
もちろん,ある程度,市場の需要と供給を見抜く観察眼が必要となってくるが,“自分にとって必要なものは誰かにとっても必要なもの”,つまり今自分が必要としている資材は,誰かも同様に必要としているケースが多い,ということなのだ。
今,自分には何の資材が必要なのか,今後何が必要となりそうなのか,しっかりと都市と市場を見渡し,鋭く売りさばいていこう。
“住みたくなる都市作り”とは?
特化施設を活用した人口増加ボーナスを狙う
ゲームが進むほど,資金不足同様,“人口の頭打ち”という問題にもぶち当たる。本作は一つの住宅施設のアップグレードに限界があるうえ,土地も有限。そのため,限られたスペースに何を建築し,何を捨てるかという選択が非常に重要になってくる。人口の増加は本作のメインテーマでもあり,税収にもつながる重要な要素。ここからは効率的に人口を増やしていくためのポイントをお伝えしていこう。
![]() |
本作では無作為に住宅を建設し,アップグレードを繰り返せば延々と人口が増える……というわけではない。適度に娯楽施設,公園などを建てて土地自体の価値=地価を上げて住みやすくしていくと,一つの建物でもさらにたくさんの人々が住み着いてくれるようになるというのが本作,いや,本シリーズにおける人口拡大の大きな特色なのだ。
これまでの作品同様,マップに隙間なく住宅施設だけを配置しても,一定以上の人口は望めない。本作の住宅施設は地価に応じて外観や収容人数のグレードが変化し,当然地価が高ければ高いほど,ゴージャスで人口密度の高い建物(シリーズでいう「高所得/高密度」)へと変貌を遂げやすいのだ。
さて,地価の向上=人口の増加が望める特殊な施設(公園やカジノ,交通機関など)は「特化施設」と呼ばれており,つまるところ都市設計においては住宅施設と特化施設のバランスこそが,最重視すべき事項であるといってもいいだろう。従来のシリーズでも特化施設というものはあったが,それらとは違い,単純に“人口増加に特化した施設”と考えてもらって問題ない。
![]() こちらは地価が低い地域の最大グレードの住宅施設。中小規模のマンションやビル郡といった感じだ |
![]() そしてこちらは地価が非常に高い地域。上の写真に比べ,施設の外観,グレードの高さが一目瞭然だ |
さて,ではどのようにして地価を上げるか。それは単純明快,住宅施設の周囲に特化施設を配置すればいい,それだけだ。例えば,最も手軽な特化施設「小さな噴水公園」は,設置すると周囲8×8マスの住宅施設に対し,5%の人口増加ボーナスを与えてくれる。特化施設は基本的に重複しないので,細かく公園を点在させていけばその範囲内の住宅施設は恩恵を受けられるのだ。
特化施設にもいくつかのカテゴリがある。「公園」「教育」「交通機関」「娯楽」「ギャンブル」「ランドマーク」という6種類がそれだ。外観や費用,設置面積は施設によってさまざまだが,いずれも“人口増加ボーナス”が設定されており,基本的に設置にあたってデメリットはほとんどない。
逆に住民から「もっと公園を」「頭が良くなりたい」といった要望が出ることもあり,そうした不満解消の受け皿としても機能してくれる,まさに一石二鳥な施設群なのだ。
![]() |
従来のシリーズと比較して大きく異なる点は,交通機関が渋滞解消の役割を持たないという点と,カジノが犯罪の発生に影響しないという点。シリーズ経験者ならば驚くかもしれないが,本作ではそもそも駅や列車が登場せず,「バスターミナル」を設置しても渋滞は改善されない。あくまで特化施設であるため,周囲に人口増加ボーナスを与えるだけなのだ(街中をバスが走るという見た目的な変化はある)。
逆に,これまで犯罪の温床となっていたカジノはまったくデメリットが存在せず,カジノの真横に住宅が建っていてもシム達は平気で生活してくれる。それどころかむしろ喜びの声を上げるシムも。この辺りはシリーズ経験者ほど戸惑うかもしれないが,そういうものだと割り切ったほうがいい。
![]() |
ざっくり言うと,本作は人口増加ボーナスが多く与えられているエリアほど地価が高い,ということになる。また,人口増加ボーナスは特化施設のカテゴリごとに別々に計算される。そのため,ある地域に対する公園の増加ボーナスがMAXだったとしても,別のカテゴリとなる交通機関や娯楽といったカテゴリで人口増加ボーナスを稼げば,さらに人口の増加が見込めるのだ。
全カテゴリでボーナスをMAXにするのは至難の業だが,人口が増えなくなったと感じた場合は,一度各カテゴリの増加ボーナスを見直してみるといいだろう。
![]() |
ちなみに人口増加ボーナスは,特化施設を設置した瞬間に恩恵があるので,すでにアップグレードが終了した住宅施設に対してももちろん効果がある。一度全体を見直し,特化施設が薄いと感じたエリアがあれば,あえて住宅施設を1〜2個ほど撤去してでもスペースを作り,そこに別の特化施設を配置……というのも有効な手段だ。
ただし特化施設の中には「シムキャッシュ」や「黄金の鍵」といった,通常プレイではなかなか入手しづらいものを要求されることもあるので,施設を建てるにあたって何を消費するのかは,しっかり把握しておこう。
![]() ちなみにシムキャッシュは課金で入手するほか,運営からのお知らせや実績の達成で入手できる |
![]() 黄金の鍵はブー・タワーの災害チャレンジをクリアするか,貨物船で要求されるすべての資材を梱包すると入手可能。貨物船のほうがクリアしやすく,ちょっとした資金調達にもなるので非常にオススメ |
さまざまな手段で人口を増加させることによって税収も上がり,それにより新たな施設や領土の拡張,貿易など多彩な遊び方が積極的に楽しめるようになる。ただし記事中でお伝えしているように,本作は一気に攻略してしまえるようなものでなく,毎日こつこつのんびりと遊ぶタイプのゲームなので,ぜひじっくりと100万人都市目指していただきたい。
Maxis閉鎖というショッキングなニュース(関連記事)が報じられて間もないが,人気IPである本シリーズは今後もまだまだシリーズを重ねていってくれるはずだ。
今回のアップデートでは,住宅施設のテーマが増えたというそれだけながら,想像以上に楽しく遊ぶことができる印象だった。ぜひ今後はパリ・タウンやチャイナ・タウンといったバリエーションにも期待したいところ。あとは商業施設で「コンビニ」なんかがあっても良かったかもしれない。
トーキョー・タウンでまた新たな“自分だけの都市作り”が可能となった本作,この記事を見て興味を持った方も,すでにプレイしているという方も,ぜひ存分に“東京の髄”を遊び尽くしてほしい。


















































