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ハロー!Steam広場 第280回:「はい,こちら112緊急コールセンターです」。プレイヤーの対応が生死を分けるシミュレーションゲーム「112 Operator」
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印刷2020/04/24 12:00

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ハロー!Steam広場 第280回:「はい,こちら112緊急コールセンターです」。プレイヤーの対応が生死を分けるシミュレーションゲーム「112 Operator」

画像集#001のサムネイル/ハロー!Steam広場 第280回:「はい,こちら112緊急コールセンターです」。プレイヤーの対応が生死を分けるシミュレーションゲーム「112 Operator」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,足止めに4面ダイスをばらまく上級Steamerにジョブチェンジできるかも。

 ハロー!Steam広場 第280回は,Jutsu Gamesが手掛ける「112 Operator」を紹介しよう。「911 Operator」の続編となる本作は,緊急電話を受けて車両を手配するシミュレーションゲームだ。プレイヤーは新米のオペレーターとなり,犯罪や人災だけでなく,自然災害にも対応していくことになる。



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緊急コールセンターのオペレーターとなって,街を犯罪や災害から守るシミュレーションゲーム「112 Operator」


 「はい,こちら112緊急コールセンターです」。あれは,緊急コールセンターのオペレーターとして働き始めてから5日目のことだった。「助けてくれ!車が線路内で動かなくなっちまった!」。声の主は30代くらいの男性で,かなり取り乱している様子。状況が状況だけに焦る気持ちも分かるが,こんなときこそ冷静にならなければならない。まずは落ち着いてエンジンをかけ直してもらい……ん?電話口から何か聞こえる。これは電車の警笛の音……,しかも少しずつ音が大きくなっている。「急いで逃げて!」と,その瞬間――。

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 今回紹介するのは,ポーランドのゲームデベロッパ,Jutsu Gamesが手掛ける「112 Operator」であり,上記の内容は実際にゲーム内で起きたことである。本連載の読者であればピンと来る人もいるかと思うが,本作は第148回で取り上げた「911 Operator」の続編であり,緊急コールセンターのオペレーターとなったプレイヤーが,自分の管轄する街で起きる犯罪・災害に対応していくというシミュレーションゲームだ。
 前作の911は主に北アメリカなどで採用されている緊急通報のための電話番号で,今作の112はEUなど,主にヨーロッパなどを中心に採用されている緊急電話番号である。Jutsu Gamesの拠点は前述の通りポーランド(EU加盟国)にあるので,今作では地元の番号を採用ということになる。

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 ゲームの流れは前作と同じで,112にコールしてきた通報者から「いつ,どこで,何が起きたのか(または起きているのか)」を正確に聞き出し,その事件に適したチーム(警察,救急,消防)を送る。内容によっては複数のチームが必要になるケース(交通事故など)もあるので,通報内容をしっかりと理解することが重要だ。

ユニットの活動は簡易ビューで確認できる。前作とは違い,簡易表示ながらも動きが見られるのは面白い
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 本作にはキャリアモードとフリーモードが用意されており,キャリアモードでは新米オペレーターが実績を積んで成長していく姿が描かれていく。フリーモードはプレイヤーの現在地に近いマップ,あるいは好きな都市でプレイでき,日本の都市データもいくつかある。プレイエリアを日本に設定すれば,実在する通りが登場したり,チームメンバーや通報者の名前が日本人名になったりするので,感情移入もしやすくなるだろう。

マップも3D化され,実際の地形に基づいてデータが作成される。このマップは池袋駅東口だ
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 本作のポイントはやはりエマージェンシーコールで,これを受けると肉声でのやり取りが始まる。基本的には交互に話す形で,こちらの返答は提示されるいくつかの選択肢から選んでいくことになる。通報内容はさまざまで,それこそいたずら電話が来ることもある。ただ,それが本当にいたずらなのかどうかは,話を掘り下げなければならず,実は思わぬ犯罪につながっていた,なんてことは前作でもあったので油断は禁物だ。

取り乱した通報者の声や周りの環境音も相まって臨場感が高い
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 個人的に印象的だったのは,冒頭で紹介した車が線路内で動かなくなってしまったというもの。コールを受けた時点では通報者はまだ車内におり,電車の警笛が迫ってきていた。悠長にやりとりをしていられる状況ではないので,すぐに車から出て逃げろと伝えると,次の瞬間,電車と車が衝突したと思わしき音が聞こえてきた。その後も通報者の焦る声だけは聞こえていたので,なんとか脱出できたようだ。

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 この間にも筆者は,消防車と救急車を向かわせており,即座の対応はできたのだが,果たしてこれで正解だったのかと考えてしまう。もしかするとエンジンをかけ直すための適切な方法を指示できていれば,大惨事にならなくて済んだのではないのかと。通報者の命,列車事故の損害,乗客への被害,そして時間。命を比べたときの取捨選択に正解はない。残された時間を推しはかり,できうる最善をひねり出して迅速に伝える。だからこそ選べなかった方の結果を気にしてしまう。
 あのときはこの選択肢しか思い浮かばなかった。それでもこれはプレイヤーの経験であり,何ができたか,できなかったかを考えることはきっと次に活かせるはずだ。

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 なお,本作では自然災害が発生するようになり,プレイヤーはその対応にも追われることになる。ゲームの性質上,通報者との会話内容が理解できないと厳しく,日本語が存在しない現時点ではハードルも高いが,前作ではあとから日本語が追加されているので,本作での対応にも期待したいところ。とはいえ,会話のやりとりは自体は結構シンプルであり,そこまでの英語力は要求されないので,興味があればぜひ遊んでみてほしい。



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