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ハロー!Steam広場 第100回:あのアーリーアクセスは今
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印刷2016/02/23 12:00

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ハロー!Steam広場 第100回:あのアーリーアクセスは今

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「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam 広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,ステータスはとりあえずLUCKに全振りする上級Steamerにジョブチェンジできるかも。

 今回のハロー!Steam広場は,記念すべき第100回ということで,普段とは趣向を変え,過去に紹介したアーリーアクセス作品が今どうなっているのかを特集してみたいと思う。「あの人は今」的なコーナーではないが,アーリーアクセス作品は開発途中のゲームという性質上,以前紹介したときと今とでは仕様がまるっきり変わっているようなこともある。無事にローンチを果たしたゲームもあれば,開発がストップしてしまったゲームもあったりと,市場はとても流動的なのだ。

 この連載では少なくとも50タイトル以上のアーリーアクセス作品を取り上げてきたわけだが,これらすべてを振り返っていると筆者の骨という骨が折れてしまう恐れがあるので,今回は筆者の独断でピックアップしたものをさらにふるいわけた,極独断レベルの5タイトルを紹介しよう。



TitanQuestの開発者達が手掛けるハック&スラッシュRPG「Grim Dawn」


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 トップバッターは,本連載の第1回(2013年12月6日)で取り上げたCrate Entertainmentの「Grim Dawn」だ。開発を手掛けるのは,ギリシャ神話の地を舞台にした名作ハック&スラッシュRPG「TitanQuest」の制作チームであり,開発に使用されているゲームエンジンもTitanQuestで使われていたPath Engineの改良版ということで,いわば精神的続編というヤツである。

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 多岐にわたるスキルを自由に習得してキャラクターを強くしていくビルドシステムや,強力な敵を倒してレアアイテムを手に入れるトレジャーハントなど,ハック&スラッシュのツボがしっかりと押さえられており,TitanQuestとは一転してDiabloのようなダークファンタジーな世界を舞台にしているのも大きな見どころの1つとなっている。

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 2013年12月に紹介した時点では,アーリーアクセス作品としてロールアウトされたばかりだったので,ストーリーは第1章までとボリュームが少なめだった。ただ,そこから約15回におよぶアップデートを経て,現在ではほとんどのコンテンツが実装されており,あとは細かなバグ修正のみといった状況だ。今購入してもほぼ完成された内容が楽しめるので,購入を見送っていた人も,そろそろ手を出していいタイミングだろう。


「Grim Dawn」Steamストア(2480円)



テーブルゲームとアクションRPGが融合した意欲作「Hand Of Fate」


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 オーストラリアのゲームデベロッパであるDefiant Developmentの「Hand Of Fate」は,テーブルゲームとアクションRPGを融合した意欲作として,2014年7月にアーリーアクセス版が公開され,この連載では同じ月の第29回で取り上げている。

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 ゲームの内容は,道なりに並べられたイベントカードを1枚ずつ処理して進み,次の階層へ行くための「Stairs」カードの入手を目指すというもの。イベントには,テーブル上で解決するものから,別のフィールドに飛ばされてモンスターとバトルを繰り広げるものまであり,運はもちろん,アクションゲームに対するスキルも問われるという,テーブルゲームとしては一風変わったゲームシステムが特徴となっている。

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 そんな本作は,2015年2月17日に正式ローンチを果たしており,アーリアクセス版の公開から半年という短い期間で,Steamストアに顔を並べた。現在は日本語にも対応しており,イベントなどもすべて日本語で楽しめるので,ボードゲームやテーブルトークRPGが好きな人は,ぜひ遊んでみてほしい。


「Hand Of Fate」Steamページ



海の惑星でサバイバルを繰り広げるアドベンチャーゲーム「Subnautica」


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 本連載の第51回(2014年12月26日)で紹介した「Subnautica」は,サンフランシスコのUnknown Worlds Entertainmentが手掛けるオープンワールド型のアドベンチャーゲームだ。面積のほとんどが海という未知の惑星を舞台にした本作では,海面に浮かぶ壊れた脱出ポットを拠点とし,エイリアン達が泳ぎまわる海に潜って食料を確保したり,新しいアイテムを作るための素材を探したりすることになる。

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 プレイ時間の大半を海の中で過ごすという,ほかのサバイバルゲームでは見られないコンセプトがウリになっており,無理にマルチプレイを実装しないぶん,1人でじっくりとやり込めるゲームとして制作されているのもポイントだ。
 ゲームの舞台となる海の中は,発光する生命体が織りなす幻想的な光景が広がる一方で,巨大な口を開けて獲物を探すエイリアンが泳いでいたりなど,感動と恐怖が併存するとても刺激的な空間になっている。

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 本作は現在も開発中となっており,正式リリースの具体的な目処は立っていない様子だが,たびたび行なわれている大型アップデートによってゲームのクオリティが上がっているのがよく分かる。最近では若干ホラー寄りになっている気もするが,こういった変化が楽しめるのもアーリーアクセスならでは。すでにVRもサポートされているので,3月28日に発売となるOculus Riftを予約している人は,プレイする作品の候補の1つとして今のうちに購入しておくのもアリだろう。

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 また嬉しいことに,言語設定にJapaneseが追加されている。もっとも,現時点ではメニューの一部が日本語になるだけなので,正式リリースに向けて日本語化が進んでいくことにも期待したい。


「Subnautica」Steamページ(1980円)



有志による日本語化も実現したサバイバルゲーム「The Long Dark」


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 アーリーアクセス版が公開されてから約1年半が経過したHinterland Studioの「The Long Dark」は,本連載の第39回(2014年10月3日)で取り上げて以来,すにで75回以上ものアップデートが行われている。新しいエリアの追加や新ギミックの実装など,1年前と比べてコンテンツはかなり充実しており,現在も開発は続けられている。

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 本作は,食料の確保すら困難な極寒の地を舞台にしたアドベンチャーゲームであり,プレイヤーは,ライフラインを絶たれたこの地で何日生き延びられるかというサバイバルに挑むことになる。昨今のサバイバルゲームにはゾンビや恐竜などが付きものだが,The Long Darkにはそういった脅威が存在せず,プレイヤーの敵となるのは厳しい環境と,ときおり襲い掛かってくる凶暴なオオカミくらいだ。

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 ほかのサバイバルゲームと比べると食料や体調の管理がシビアに感じられるものの,緊張感の高いサバイバルゲームを求めているゲーマーからは高い評価を受けており,有志が作成した日本語化MODがSteamワークショップで配信されるなど,日本人プレイヤーからの人気の根強さもうかがえる。

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 本作は2016年春に正式リリースされるとのことなので,もう少し待てば完成品が遊べるようになるはずだ。まだストーリーモードは実装されていないものの,「Subnautica」と同じく,こちらも1人でじっくりと遊べるサバイバルゲームなので,興味のある人はウィッシュリストに入れておこう。


「The Long Dark」Steamストア(1980円)



食人族から生き延びるサバイバルホラー「The Forest」


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 5つ目は第25回(2014年6月6日)で紹介した,Endnight Gamesが手掛ける「The Forest」。本作は,飛行機の墜落事故から生き延びた主人公が,食人族が暮らす島でサバイバル生活を繰り広げるというホラーゲームだ。タイトルのとおり,ゲームの舞台である島のほとんどは森林であり,ここでは食人族達が昼夜問わず襲いかかってくるので,プレイヤーは木を切り倒してシェルターを組み立てたり,ロープを使って罠を仕込んだりしながら,彼らの襲撃に備えていくことになる。

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 食人族のAIはなかなか賢く,プレイヤーの背後を取るように動いたり,踏み台にできそうなものを使って飛びかかってきたりなど,いろいろなアクションを見せてくれるので,ほかのサバイバルゲームと比べて戦闘が非常に面白い。見え見えの罠に引っかかったり,自ら焚き火に突っ込んだりと,ちょっとお茶目な一面もあるが,それはそれで愛嬌(?)があって良い。

 倒した食人族の四肢を天日干しして食料にしたり,もぎ取った歯を武器にくっつけて攻撃力を上げたりといった,かなりぶっ飛んだゲームシステムも本作の魅力の1つとなっており,狂気に満ちた世界観をたっぷりと満喫できる作品ともいえるだろう。

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 そんな本作は現在も開発中となっており,アップデートも頻繁に行われている。ただ,連載で取り上げた当時は,挙げればキリがないほどのバグがあり,セーブ機能も未実装という,ほぼゲームとして成り立っていない状態だったものが,大半は改善され,マルチプレイも実装されている。
 次のアップデートが配信される時期をカウントダウンで教えてくれるというのも,なかなか良心的だ。

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 現在のバージョンはv0.33なので,本連載で取り上げてから30回以上のアップデートが行われた計算になる。上述したとおり,今ではゲームとして十分楽しめる内容になっているので,購入を見送っていた人は,そろそろライブラリに送り込んでもいい頃合いだろう。


「The Forest」Steamストア(1480円)




 今回紹介できなかった作品も含めてアーリーアクセス全体の話をすると,2年ほど前に公開された作品のほとんどが今もなお開発中であり,正式に発売されたタイトルはごく一部といった感じだ。
 アーリーアクセス版の公開から製品版リリースまでのスピードが早かった「Hand Of Fate」(約6か月)や「Ziggurat」(約2か月)は,アーリーアクセスの時点で完成度が高かったので,おそらくローンチ前のベータテスト的な意味合いで公開されたのではないだろうか。

「Ziggurat」
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 逆に,現在も開発が続いている作品は,初期段階のビルドから公開しているものがほとんどで,アーリーアクセスを利用しているデベロッパの多くがインディーズであるということも踏まえれば,2年やそこらで一本の作品を仕上げろというのは難しい話だ。タイトルこそ伏せるが,なかにはプレイヤーの声を聞き入れすぎて,あれやこれやと新要素を実装しているがために,まったく完成する気配が感じられない作品も存在する。

 そう考えると,やはり完成されてから購入するのが一番賢いようにも思えるのだが,「Subnautica」でも書いたとおり,少しずつ作品が完成していく様子をゲーム中から見れるというのはなかなか新鮮で,同時に貴重な体験でもある。アーリーアクセスとして公開されている作品は,開発者とユーザーの距離が非常に近いため,開発者に送った要望などが次のパッチで反映されていたりすると,デバッカーとしてではなく,1人と開発者として一緒にゲームを作り上げているという感覚になれるはずだ。

 開発途中のゲームである以上,その作品が今後どう転ぶか分からないので,なかなかアーリーアクセス作品には手が出せないという人も多いはず。ただ,完成されたゲームプレイして得られる体験とは違ったベクトルの面白さがあるので,少しでも気になるタイトルを見つけたら,運命の出会いだと思って購入して遊んでみてほしい。

「Steam」公式サイト

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