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ついに発売された「Sid Meier's Civilization: Beyond Earth」を徹底レビュー。人気シリーズの最新作は,宇宙の果てで繰り広げられる惑星開拓の物語
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印刷2014/11/12 00:00

レビュー

遠い未来の惑星開拓は,何をどうやって進めていけばいいのか

Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth

Text by 徳岡正肇


 満を持して2Kからリリースされた「Sid Meier's Civilization: Beyond Earth」(以下Beyond Earth)。Civilizationシリーズの最新作にして,知る人ぞ知る名作「シド・マイヤーズ アルファ・ケンタウリ」(以下,アルファ・ケンタウリ)の精神的続編として制作されたこの作品は,リリース前から大きな注目を集めてきた。
 筆者自身,リリース前に2Kジャパンのオフィスで2時間ほどプレイさせてもらい,大いに楽しんだわけだが(関連記事),そのときも,ゲーム終了まではまだ相当かかる,という印象だった。

「Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth」公式サイト


 果たして,発売されたBeyond Earthはどんなゲームに仕上がっているのだろうか? とはいえ,なにしろ相手は底知れぬタイトル。締切を大幅にぶっちぎってなお,「ある程度プレイした」としか言えないのが悲しいが,それなりに遊び込んでみた印象をここでお伝えしたい。


基本は「Civilization V」


ゲームの設定は詳細に行える。慣れないうちはなるべく低い難度,狭いマップでプレイ推奨。宇宙を侮るべからず
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth
 Beyond Earthの根幹となるゲームシステムは,「シドマイヤーズ シヴィライゼーションV」(以下Civ5)のものを使っている。したがってCiv5をプレイしたことがあるという人なら,「とりあえず,あんな感じのゲーム」と把握しておけば,基本的に間違いはない。

 Civ5どころかCivilizationシリーズもプレイしたことがない,という人に紹介するなら,本作は……

・プレイヤーは「大いなる過ち」によって滅びつつある地球から脱出して恒星間移民をする集団の指導者になる。
・移民先の星で都市を建設し,技術を発展させ,軍隊を育て,ときに大自然の脅威と戦い,ときにほかの移民団と戦いながら,自分の勢力圏を広げていく。
・勝利条件はさまざまだが,基本的には,軍事力や科学力などで「一番」になれば勝てる。
・ゲームはターン制で,リアルタイム要素はない。もちろん一人で遊べるが,オンラインでの対戦も可能。


 ……というゲームだ。
 でもって,Civ5はプレイしていたけれど,Beyond Earthはどこが違うの? という点について説明すると

・ゲームの進行は全体的に軽やか。拡張パック全部入りのCiv5のように,ターン終了ごとにPCが「しばし休憩」するような展開には比較的なりにくい(PCのスペックと設定にも依存する)。
・ゲームの要素の名前が,いくつか変更されている。
・「クエスト」というギミックがある。
・人工衛星の打ち上げと,人工衛星をめぐる戦いがある。
・勝利条件が非常に複雑。
・なんといってもSFだ。


 以上,ゲームバランスも含めた細かなところを挙げていくときりがないのだが,大まかにはこんなところだろう。

 ともあれ,ざっくり言って「惑星開拓がテーマの,戦略級のターン制ストラテジーゲーム」ということになる。ゲームプレイはマウス操作のみでOKで,リアルタイム要素は皆無なのでショートカットキーを覚える必要はない。


総パターンは1000通り。入植者をデザインせよ


 さて,この手のゲームで最初に気になるのは,「どんな勢力が使えるのか」ということではないだろうか。Beyond EarthはSFであり,ゲームの舞台は未知の惑星だが,そこで戦うのは,ものすごく遠い未来の人類というわけではない。簡単にいえば,プレイヤーはある程度まで現代社会を引きずった勢力をプレイすることになる。
 以下,まずは勢力の種類を見てみよう。ゲームではこれらの勢力のいずれかを「スポンサー」として選択することになる。

入植者の特性を決定する基本となるスポンサーは8種類用意されている
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth

・ARC(アメリカン・リクラメーション・コーポレーション)
指導者:CEOスザンヌ・フィールディング
アメリカそのものといえる超巨大企業。諜報や陰謀が得意。

・アフリカ連合
指導者:サマタール・ジャマ・バレー
COMESA(東南部アフリカ市場共同体)を母体とする,サハラ以南アフリカの連合体。食料生産にボーナスがある。

・カヴィサン保護領
指導者:カヴィサ・タークル
旧インドを中心とした新興宗教的サークル。都市の支配地域の拡大が早い。

・スラブ連邦
指導者:ワジーム・コズロフ将軍
旧ロシアを中心とした連邦国家。科学技術に優れ,とくに人工衛星技術に秀でている。

・パン・アジア連盟
指導者:ダオミン・ソチュア
中国と中央アジアを中心とした国家。ワーカーの作業が速い。

・ブラジリア
指導者:レジナルド・ドゥ・アレンカー
超大国として南米の盟主になったブラジルが母体。軍隊の戦闘経験が豊富で,近接戦にボーナスがある。

・フランコ‐イベリア
指導者:エロディ
EU崩壊後に成立した,フランスとスペインの合併国家で,北アフリカも勢力圏内。文化的発展が科学技術の向上につながる。

・ポリストラリア
指導者:フタマ
インドネシアからポリネシア諸島を中心とした海洋国家。とくに交易に秀でている。

 これら8つのスポンサーが,自勢力の基本になるのだが,これですべてが決まるわけではない。ゲーム開始時に,ここにさらに「入植者の職業」「宇宙船の装備」「貨物」という3つの要素(各5種類)が加わるのだ。

 入植者の職業は,都市のパラメータに影響を与える。科学者であれば科学技術の研究が加速されるし,技術者であれば生産力にボーナスが得られる。また貴族ならば収入(エネルギー増加)が大きいという具合だ。
 宇宙船の装備は,「宇宙から見たこの星」がどこまで見えるかを決定する。例えば「海洋調査」を選べば最初から海岸線がマップに表示されるし,「生命体センサー」を選べばエイリアンの巣が分かる。
 貨物は,最初の都市を建設したときに得られるボーナスだ。「水耕栽培」を選べば最初の都市の人口が増えるし,「兵器庫」を選べば最初から軍事ユニットを1つ持った状態でゲームを開始できる。

プレイヤーの選択によって,序盤の動きは大きく変わる
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth

 つまり,8種類のスポンサー,5種類の入植者,5種類の宇宙船装備,そして5種類の貨物で,都合8×5×5×5=1000通りの勢力があることになる。ゲーム的な最善手を詰めるにしても,「俺的ベスト移民団」を妄想するにしても,バリエーションに事欠くことはないだろう。


都市と健康度


 さて,ゲームを開始したらまず始めるのは,都市計画だ。Beyond Earthにおいても従来のCivシリーズ同様,都市にさまざまな施設を建設できる。施設は「クリニック」や「研究機関」といった容易に機能が想像できるものから,「遺伝子菜園」「バイオガラス溶鉱炉」といった,いかにもSFなものまで,さまざまだが,とりあえず建設したい施設にカーソルを合わせれば,その施設がもたらすメリットと維持コストが分かる。

 都市はマップに対して支配地域を持っており,その支配地域のいずれかのマスで住民が働くことになる。住民が配置されているマスからは,そのマスが発生させる各種資源(食料やエネルギー)を獲得できるというわけだ。
 住民を働かせる場所は必要に応じて変更できるが,ゲームに慣れないうちは自動的な配置にまかせておいていいだろう。一方,慣れている人は,再配置が可能であることを覚えておきたい。

都市での生産は,これまでとほぼ同様だ。市民の配置を自分で設定できるほか,設備やユニットを購入することも可能になっている
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth

 都市においては,施設建設のほかにユニットの生産ができる。施設にもユニットにも「生産コスト」が設定されており,その都市が発生させる生産力で,生産コストを割った数が,生産までに必要なターン数となる。

 都市に関して,従来作と異なるポイントとして注意しておきたいのは,次の2点だろう。まずは「健康度」で,これは「シドマイヤーズ シヴィライゼーション4」(以下,Civ4)やCiv5における「幸福度」とおおむね同じ概念であり,「クリニック」などの施設によって獲得できる。
 1健康度で市民1人の保持が可能で,健康度の値が市民の総数を下回った場合は,市民の健康が損なわれていることを示し,そのため,さまざまな効率が落ちていく。
 ただし,「幸福度」に比べると,たとえ健康度がマイナスになっても,即座に致命的な文明崩壊につながるという印象は薄く,ある程度までは「マイナスだけど,まあいいか」的な運用が可能だ。

コロニストを使って都市を建設すると,しばらくの間は「前哨地」になる。この間は何もできないので,交易ユニットを使って発展を加速させたい
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth
 2点めは「コロニスト」「前哨地」。コロニストは独立したユニットであり,生産後はマップを移動させ,新しい都市を作りたい場所に「前哨地」を建設させられる。つまり,Civ5などの「開拓者」にあたるわけだが,Beyond Earthにおいては,即座に都市を作ることはできず,まず「前哨地」の建設が行われる(人口ゼロの都市と考えるとよいだろう)。前哨地が都市に成長するまで,事実上何もできない。


マップの探索


 最初の都市を建設し,生産物を決定したら,続いてマップの探索だ。
 Beyond Earthでも,プレイヤーはマップのすべてを見ることはできず,探索されていないマスは黒いままだし,探索によって地形が分かったとしても,実際にどんなユニットがいるのかは,そのマスが都市やユニットの視界に入っていなくてはならない。

エクスプローラーを用いての発掘作業。エクスプローラーを「自動索敵」にしておけば,発掘も自動で行ってくれる
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth

 本作でマップの探索を行うのは,「エクスプローラー」だ。斥候的な存在で,エクスプローラーに「自動的な探索」を指定しておけば,勝手にマップをどんどん探索してくれる。もちろん,軍事ユニットで探索を行うことも可能で,最初から軍事ユニットを持ってきている場合など,序盤の探索効率を上げるために活用することができる。

人工衛星を使って,索敵が可能。「瘴気リパルサー」のような安価で効果的な衛星は,索敵にとても向いている
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth
 さらに(それなりの技術開発が必要になるが)「人工衛星」を打ち上げるという手もある。人工衛星は,衛星からの効果範囲にさまざまなメリットを発生させるユニットだが,衛星の効果範囲内が同時に視界にもなるという部分も重要だ。

 なお,マップに「古代の遺跡」が見つかることがあるが,遺跡からメリットを得るには,単にその上を通過するだけではなく,エクスプローラーによって「発掘」する必要があることを覚えておこう。


テクノロジーウェブ


 探索と同時に開始されるのが科学技術の研究だ。本作において科学技術は,「テクノロジーウェブ」として表現される。中心に最も基礎的な技術があり,そこから放射状に特化された技術が広がっていくというシステムだ。

Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth

 テクノロジーウェブ上の新しい技術を研究する場合は,その前提となる技術が研究済みでなくてはならない。前提となる技術は,その技術の内側にあって,線で結ばれている技術のことだ。もし,内側に向かって線が2本あったら,その両方が開発済みでなくてはならない。
 また技術開発には,大項目小項目(枝)がある。例えば「生態学」という大項目があって,その下に「地質物理学」と「エイリアン生物学」があるという感じだ。上で述べた前提となる技術は,大項目の研究が済んだ段階で,“前提を研究した”とみなされるため,付属する小項目まですべて研究する必要はない。と,文章で書くと複雑に感じるかもしれないが,掲載したスクリーンショットを見れば一目瞭然だろう。

テクノロジーウェブでは,外に行けば行くほど高度な技術となるが,必ずしも「今の自分にとって必要な技術」とは限らないところが難しい
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth
 言うまでもなく,それぞれの技術には,開発によって得られるメリットが設定されている。メリットとして最も分かりやすいのは,新しい施設が建造できるようになったり,ユニットが生産できるようになったりすることだろう。人工衛星ユニットもまた,技術開発によってアンロックされるので,例えば「クエストでたまたまもらった衛星を自分でも生産して打ち上げたいんだけど,どうしたらいいんだろう?」という場合は,技術開発を急ぐべし。
 また,技術によっては,マップに稀に存在する「戦略資源」を発見,利用できるものがある。これら戦略資源は,強力なユニットや役に立つ施設を作るために必要になるほか,外交上の取り引きにも利用できるので,うまく活用しなければならない。

 なお,技術開発によって「アフィニティ」のレベルが上がることもある(それぞれの技術に明記されている)。アフィニティとは何で,どういう効果があるかは,後ほど説明しよう。
 また技術開発は,勝利条件にも密接に影響する。これについても,後ほど解説したい。

戦略資源はユニットの開発に必要になることもあり,特にチタンと石油は重要だ。ゲーム開始時の勢力カスタマイズで,戦略資源を最初から表示できる能力が選べるが,ゲームに慣れないうちは,かなり有用な選択になるだろう
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth


エネルギーと人工衛星


 さて,ゲームを進めていくと「エネルギー」というパラメータが次第に増えていくが,これは従来作の「ゴールド」に相当し,ゲーム的な概念は同じだ。

 エネルギーはいくらでも備蓄できる一方,施設やユニットは,1ターンごとにそれぞれエネルギーを消費する。そのため,エネルギーをある程度しっかりと収集できる仕組みを作らないまま都市と軍隊の拡大を続けると,やがて枯渇してしまうわけだ。

エネルギーを産出する施設があるので,有効活用したい。このほか,交易や美徳からもエネルギーを獲得できる
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth
 エネルギーの確保には,さまざまな手段が用意されている。最も簡単なのは,エネルギーを産出する所定のヘクスに住人を配置させることだ。これにより,エネルギーが自動的に入手可能になる。
 また,技術開発によって,新たに利用できるエネルギー源が増えることもある。「トリウムリアクター」「フィールドリアクター」といった施設が建設できれば,これらは効率的なエネルギー確保手段になってくれるだろう。

 これに加え,人工衛星「ソーラーコレクター」も重要だ。ソーラーコレクターの効果範囲内にあるヘクスはエネルギー生産が+1されるほか,その範囲内にある都市のエネルギー生産量が20%増大するというオマケつき。

 とはいえ,人工衛星には3つほど問題があることも,注意しておきたい。
 まず,人工衛星は時間とともに「脱軌道」してしまう(要するに地面に落ちる)。打ち上げたら,ずっとそこに居座ってくれるわけではなく,ソーラーコレクターのような衛星は,定期的に再生産して打ち上げ直す必要があるのだ。ちなみに,人工衛星が落下したヘクスに建造物があった場合,その建造物は破壊されてしまう。また,落下した人工衛星を拾うと,いくばくかのエネルギーになる。

人工衛星は,ほかの衛星の効果範囲と被るようには打ち上げられない。打ち上げは計画的に
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth

 2つめ。1つのヘクスは1つの人工衛星の恩恵しか受けられない。このため,例えば効果範囲内での戦闘を有利にする人工衛星と,ソーラーコレクターを同じ都市に同時に適用することはできないわけだ。

 3つめは,人工衛星といえども,所詮はユニットである点。人工衛星を攻撃できるユニットで撃墜される可能があり,実際に落とされることもある。技術レベルが上がってくると,こういった宇宙の戦闘が発生することもあるのだが,ともあれ,人工衛星によるエネルギー獲得には,それなりの難しさが存在する。


文化と美徳


 都市は「文化」も発生させ,この文化が一定の水準に達すると「美徳」を獲得できる。美徳は陣営全体に対するボーナスで,戦闘の効率が上昇したり,人口増加や研究速度を向上させたりする。イメージとしては,Civ5の「社会制度」と思ってもらえばいいだろう。

美徳は標準的なツリー構造。縦でも横でも一定数を達成するとボーナスがあるので,狙っていきたい
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth
 美徳には繁栄知識産業の4分野があり,それぞれの分野で15種類の小項目が,5個ずつ3階層に分かれて用意されている(この階層を「深度」と呼ぶ)。
 注意すべきなのは,相乗ボーナスだ。1種類の美徳の,1つの深度をコンプリートするごとに,それぞれ決まったボーナスが与えられ,また,同じ深度の美徳を一定数獲得すると別のボーナスが得られるという仕組みだ。
 つまり,1種類の美徳を深く掘り下げていっても良いが,4種類を広く薄く獲得していくことでもボーナスが得られる。

美徳の効果はストレートなものが多い。これは,前哨地をより早く都市に発展させる美徳
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth
 美徳は維持費が要求されることもなく(文化を発生させる施設には維持費がかかるので,投資しているともいえるのだが),一度達成してしまえば恒久的なボーナスとなる。
 健康度が上がったり,エネルギー収入が増大したりなど,非常にストレートなボーナスが多いので,初心者こそ文化と美徳に注目したプレイをするほうが良いかもしれない。慣れ親しんだ単純なツリー構造というのも,分かりやすくていい感じだ。


アフィニティ


 アフィニティは,前作などで言うところの「思想」的な立ち位置の存在(「宗教」にも近いが,勝手に伝播したりはしない)。簡単に説明すると,これから人類はいかなる方向に進むべきか,というものだ。
 後述するようにアフィニティには3種類あり,それぞれのアフィニティごとに経験値が設定されていて,クエストを通じて経験値を獲得し,レベルアップさせていくことになる。よりストレートな方法としては,「アフィニティレベルを獲得できる技術」があるので,それを研究するのもいい,というか,おそらくこちらがメインになるはずだ。

アフィニティの方向性が違うと,当然ながら外交にも影響を与える
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth

一定以上のアフィニティがないと建設できない施設もある
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth
 ゲームにおける重要さという観点に立てば,アフィニティはトップクラスの重要さを持つ。まず,アフィニティレベルを上げることで戦闘ユニットのアップグレードが可能になり,戦闘ユニットはアップグレードによって劇的に強まっていくため,アフィニティレベルの獲得は急務中の急務なのだ。また,アフィニティレベル上昇によって特典が得られたり,一部の都市施設は所定のアフィニティレベルがないと建設できなかったりするので,この点においても重視すべきだろう。

 そんなアフィニティには,調和至高純血の3種類がある。
「調和」アフィニティを進めると,こんな都市になる
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth
 調和は,「せっかくだから,オレはエイリアンを含めたこの星との共存を選ぶぜ」という,エコでロハスな方向性(たぶん)だ。調和とはいえ,やってることは割と過激で,遺伝子レベルでエイリアンと融合するなど,最終的に「俺は人間をやめるぞ!」的な状況になっていく。
 調和のアフィニティを獲得していくと,「瘴気」ヘクス(人類にとって有害な何かがたちこめるヘクスで,普通,そこにいるユニットはダメージを受ける)でも平気になったり,強力なエイリアンを敵対的な都市に誘導したりできるようになる。

こちらは「至高」アフィニティに偏らせた都市。メカメカしい
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth
 続く至高は,エイリアンではなく,機械との融合を目指す基本方針だ。「地球のモラルにしばられるのはもう古い。これからは宇宙時代の輝きを目指してサイバー化する。オレは超人類になる」というのが,おおむね至高の生き方となる。こちらもまた,別の意味で人間をやめちゃっているわけで,至高のアフィニティを獲得していくことで,交通インフラ(道路など)の維持費がかからなくなったりする。

「純血」アフィニティを進めた結果。新しいフロンティアだ!
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth
 そして純血は,これら2つとは根底から異なり,「たとえ宇宙に出たとしても,我々は変わらず人類であり続けねばならない」という方向性だ。当然それは,新しい惑星に順応するのではなく,新しい惑星を自分達に順応させるという未来を夢見る。
 純血のアフィニティを獲得していくと,エイリアンとの戦闘が全体的に有利に進められたり,人工衛星の利便性も向上したりする。

 さあ,あなたはどれを選ぶ? という感じだが,実のところ,どれか1つだけを伸ばし続けねばならないというルールはなく,極端な話,どのアフィニティも平均的に伸ばしていってもかまわないのだ。実際,どれか1つのアフィニティを決めたとしても,それ以外のアフィニティも少しは伸ばしたほうが,全体として有利にゲームを運ぶことができる。ユニットの中には,2種類のアフィニティが一定以上のレベルにならないとアンロックされないものもある。

アフィニティによってユニットのアップグレードに差が発生するが,序盤ではユニットアップグレードに分岐はない。アフィニティを上げないとエイリアン相手でも苦しい戦いが続く
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth

 ただし,特定のアフィニティを一定レベル以上(レベル13)に上昇させると,アフィニティ固有の勝利条件への道が広がる。これについては,またしても,詳しい説明を後で行いたい。


遺産,諜報,交易,クエスト


 さて,読者もそろそろ読み疲れてきた頃であるはずだ。だが,もう一息なので頑張っていただきたい。ここで,重要ではあるが比較的シンプルなギミックをまとめて紹介しよう。

シリーズおなじみの遺産。世界に1つしか建てられないのもこれまでどおりだ
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth
 「遺産」は,Civ4やCiv5でいう「文化遺産」だ。これを建設することで,陣営は大きなボーナスを得ることができる。一方,これを建てた都市が占領されると,そのボーナスごと侵略者に持っていかれることになる。アフィニティごとの特殊な勝利は,特別な遺産の建設と防衛が重要なポイントになる。

 「諜報」は,読んで字の如く,スパイ活動のことだ。他国の都市にスパイを侵入させて政情不安を煽ったり,テロ活動を行ったりできるし,逆に工作員を自分の都市に配置して,そういった作戦から都市を守ることも可能だ。工作員は,美徳などでその数を増やすことができる。諜報を攻撃的に用いると,ときに絶大な効果を発揮するが,面倒くさい,もしくは分かりにくいと思ったら,とりあえず自陣営の都市を防衛するように配置しておけばいいだろう。

交易の効果は非常に大きい。なるべく早い段階での交易ルート確保し,さらに交易ユニットを守る技術の確立も急ぎたい(具体的には「生態学」を研究し,「超音波フェンス」を建設することで発生するクエストで「極性を反転」を選択)
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth

 「交易」は,Beyond Earthにおいて非常に重要なファクターだ。
 交易を行う場合,実際に「交易団」や「交易船」(海上)といったユニットが必要になるほか,交易のためのステーションも都市に必要になる。もちろん,防衛策も講じなければ,交易ユニットがエイリアンに攻撃されることもある。
 だがいったん交易が機能し始めると,これがもたらすメリットは大きい。交易団は,エネルギーだけでなく,文化や技術の輸送も行えるのだ。

 マップには「ステーション」と呼ばれる,いわば中立の都市も存在する。これらの都市と交易を行えば,ほかのプレイヤーを利することなく,自分だけが交易によるメリットを享受できる。もちろん,その相手プレイヤーに勝てる(ないし,このままでは両者とも負ける)という確信があるなら,ほかのプレイヤーと交易することも効果的だ。
 また,自分の都市間で交易することもできる。この場合,生産力や食料の移動が可能になるので,作ったばかりの都市には,積極的に食料と生産力を送り込んで,発展を促進したい。
 交易は,するとしないでは効率が大きく変わるので,積極的に行っていこう。

クエストには連続したものもあれば,技術開発と設備建設によって発生する「技術のカスタマイズ」もある。個人的には,後者のほうが影響は大きい気がする
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth

 「クエスト」は,荒っぽく分ければ2種類ある。1つは,アフィニティを得たり,勝利条件に近づいたりするためのもので,これらは基本的に指示に従っていれば大丈夫だ。 もう1つは,技術の特化に関するもので,技術を開発した直後,「その技術をどう適用するか?」がクエストの形で提示されることがある。これをクリアすることで,開発した技術をより現状に(あるいは理想の未来に)沿わせた形にカスタマイズできる。


最大の鬼門,勝利条件


 と,ここまではなんのかんので,Beyond EarthはCiv5の変形バージョンといえるだろう。だが最後の最後,まさに「ゲームにどうやって勝つか」という点において,Beyond Earthは非常に特徴的な要素を数多く有する。

 とりあえず,最も簡単な勝利は,以下の2つになるだろうか。

・制圧による勝利:ほかの陣営を,全部叩き潰す。実に簡潔明瞭,ラストマンスタンディングだ。厳密に言えば「敵対的なすべての都市の破壊」は必要なく,「自分以外のすべての陣営の首都を占領」でかまわない(自分の首都を保持している必要もある)。

制圧による勝利。簡単,シンプル,分かりやすい。ひたすら殴れ!
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth

・時間による勝利:500ターンプレイし,終了した段階で最も点数が高いプレイヤーの勝利。

 問題は,これ以外の勝利だ。

 まずは,アフィニティに関係なく達成できる勝利がある。これが「未知との接触」である。
 このためには,4段階の手順を踏む必要がある。

「未知との接触」勝利へのレシピ

(1)シグナルの発見:以下の3つのうちから2つを達成する。
・必須:「超越方程式」を完成させる(「コンピューティング」→「超越数学」技術でアンロック,都市で「生産」)。
・「深宇宙望遠鏡」を打ち上げ,数ターン(ランダム)待つ。
・「先人の遺跡」(マップ上にある)をエクスプローラーで調査。

(2)シグナル解読
・都市で「シグナル解読」を「生産」すればOK(先に「超越方程式」を「生産」していないと,「シグナル解読」はアンロックされない)。

(3)ビーコンの建設
・都市にビーコンを建設する(「シグナル解読」によりアンロック)。ビーコンは建設するだけでなく,起動させる必要があり,このとき1000エネルギーが必要となる(起動のためのエネルギーを失念しがちなので要注意)。

(4)ビーコンの起動
・1000エネルギーを払って起動すると,その後も陣営が生産する余剰エネルギーはすべてビーコンに注ぎ込まれる。これによってビーコンが必要エネルギーを獲得したら,勝利。

(左)「深宇宙望遠鏡」の建設だが,これには技術開発だけでなく,チタン,石油,フィラクサイトが必要。フィラクサイトは比較的なんとでもなるが,チタンと石油は意識的に確保,保持しておかないと,最後の瞬間に「あっ!」ということが,まま,ある。(右)ビーコンの起動で,個人的に最大の鬼門だったのがコレ。ビーコンを選択し,一見してデザインにしか見えないボタンをクリックすると,ビーコンが起動する。分かんねーっす
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 うーむ,分かりにくい。
 だがこれはあくまで「共通の勝利条件」の1つでしかない。ここにさらに,アフィニティごとの勝利条件が1つずつある。順番に解説しよう。

超越による勝利(調和アフィニティ専用)のレシピ

(1)惑星意識との接触
・「遺伝子組み換え技術」「群知能」「ナノロボット工学」の研究を完成させる。

(2)「マインドフラワー」建設
・調和アフィニティのレベルを最低でも13以上にし,「マインドフラワー」を建設する。

(3)マインドフラワー守備
・一定時間,マインドフラワーを守りぬくと,惑星と同化して勝利。この必要時間は,「ゼノ庇護区」「マインドステム」を数多く建てることで短縮できる。

超越勝利。「マインドフラワー」を建設すると,エイリアンが一気に押し寄せてくる。この頃にはエイリアンなどまず問題にならないが,長距離攻撃をしてくるヤツらにマインドフラワーを割られないような注意は必要
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解放による勝利(至高アフィニティ専用)のレシピ

(1)地球との連絡
・「コンピューティング」→「通信」→「軌道ネットワーク」を研究,レーザー通信衛星を打ち上げる。

(2)解放ゲートの建設
・「コンピューティング」→「人工知能」→「ハイパーコンピューティング」を研究すると「解放ゲート」がアンロックされるので,都市でこれを建設。

(3)解放軍の転送
・解放ゲートに,軍事ユニットを投入する(1ターンに1ユニットしか投入できない)。投入したユニットの強さに比例してポイントが貯まり,1000ポイントに到達すると地球は「解放」されて勝利する。

解放勝利。地球に軍隊を送り込み,遅れた地球人達を解放してやろう。ちなみにこの勝利の前提となる「レーザー通信衛星の打ち上げ」だが,レーザー通信衛星を作るには石油とチタンが必要になる。この点には注意が必要
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth

約束の地での勝利(純血アフィニティ専用)のレシピ

(1)地球との連絡
・「コンピューティング」→「通信」→「軌道ネットワーク」を研究,レーザー通信衛星を打ち上げる。

(2)脱出ゲートの建設
・「ナノテクノロジー」を研究すると,「脱出ゲート」がアンロックされるので,都市でこれを建設。

(3)地球人開拓者の召喚
・脱出ゲートを使用すると,1人の地球人開拓者が出現する。これを既存の都市,ないし新しい都市に移住させる(1都市最大6人)。20人迎え入れれば勝利。

約束の地での勝利。地球人入植地を作る条件が,実は微妙に厳しい(ほかの都市や入植地から3ヘクス以上離すなど)。このため,この勝利を狙うなら土地の確保と,場合によっては邪魔な都市を破壊する軍事力が必要になる
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面白いことは間違いない。しかし……という部分について


 さて,勢い余って猛烈に長くなってしまったが,ここからまとめだ。簡単に言って,Beyond Earthはとても面白いゲームだ。
 プレイ感は独特であり,ただ軍事的,戦略的な最適解を探すのではなく,1つの大きな物語を楽しんでいるような気持ちになれる。これはコンピュータを使ったストラテジーゲームとしては非常に異色だ――そしてこれこそが,アルファ・ケンタウリを,知る人ぞ知る傑作たらしめていた要素でもあるだろう。

 だが,この複雑な勝利条件は,理想が高過ぎるようにも思う。筆者は何度も「突然勝てなくなった」状況に陥り,しかもその理由が分からないという,アルファ・ケンタウリの記憶がなければクソゲー認定しかねない体験を繰り返した。実際,今でも「あれ? 何が足りなかったっけ?」が起こる。

戦闘はCiv5とほぼ同じ。相変わらず戦闘結果予測は結構あてにならないので,戦力の予備は大事
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth

 また,テクノロジーウェブという新機軸が,勝利条件の分かりにくさというか,取り返しのつかなさを加速している。
 例えばCiv4で科学技術による勝利(宇宙船勝利)を実現したければ,とにかくテクノロジーツリーを先に進めていき,宇宙船のパーツを建造できる技術を次々に開発していけば良い,という分かりやすさがある。
 だが技術が平面化した結果,プレイヤーは「自分が目指す勝利にフィットした『先』」を目指さなくては,気づいたときにはもう研究の方針を変えても手遅れになりかねない。慣れと言えば慣れだが,「やりすぎ」という印象もある。
 加えて,Civ5の弱点を引きずっている部分も散見され,とくに戦闘AIは「またか」と思う挙動を示すことがある。

難度が低ければ,最強ユニットと衛星砲でだいたいなんとかなる! ファイア!
Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth
 というわけで,Beyond Earthは,その特有の面白さが堪能できる反面,弱点もあるわけだ。
 弱点のいくつかはプレイヤーの慣れと,UIの改善(テクノロジーウェブで,「どれが勝利条件に直接絡む技術か」は,強調表示されてもいいと思う)などによって解決可能だと思うが,多段階に分かれたプロセスを要求する勝利条件は,「本当にこのディテールで作る必要があったのか?」という疑問もある。

 とはいえ,繰り返しになるが,面白いか面白くないかで言えば,本当に面白いゲームなのである。熱中するあまり,原稿の締切なんかまったく気にならなくほどだ。というわけで,勝利条件の問題については以下のステップでゲームを進めると比較的早く慣れることができると思うので,最後にそれを紹介したい。

・ゲームをなるべくコンパクトにする
 ターンの進行は最速,マップは最小,難度を最低にする。はっきりいえば,敵はAIではなく,勝利条件を把握しきれない自分にあるわけで,この「最も簡単なモード」で,勝ち方の練習をする。

・超越による勝利を目指す
 AIが複数いる場合,もしかすると最も簡単な勝利条件は,超越による勝利ではないかと思う。必要な技術を研究したら,遺産を建て,守るだけ。かつてCivシリーズで何度も繰り返した勝利条件だ。

・1vs.1でプレイする
 上の条件でも,最初のうちは突然勝てなくなることがある。勝てなくなった状態で延々とターンだけが過ぎていくのは苦痛なので,対戦相手は1勢力にしておく。
 こうしておけば,たとえ狙った勝ち方ができなくなった(気がつかない理由でクエストが進まない,など)としても,アフィニティを上げて最強の軍事ユニットを並べ,衛星砲と一緒に敵の首都を粉砕すれば勝ちだ。

 Beyond Earthは,世界の最果てまで到達しながら,なおも繰り返される人類の悲喜劇を,半分主人公として,そして半分は観客として楽しめる,稀有な作品だ。独特のハードルの高さは否定しがたいが,それでもなお,筆者としては同好の士に強くプッシュしたい作品だ。

Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth

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