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“死にゲー”なのに理不尽さはなし。独特の操作感ともどかしさがクセになる「Constant C」のレビューをお届け
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印刷2014/04/10 00:00

レビュー

重力と時間を操り,宇宙ステーションの謎に迫れ

Constant C

Text by Stemonitis


 2Dアクションゲームと聞いて「古臭い」というイメージを持つ人もいるかもしれないが,実はここ数年のインディーズゲームの盛り上がりにつれて,再びリリース数が増えているジャンルでもある。しかも,確立されたフォーマットを逆手に取ったような,独創的なタイトルも少なくないのだ。
 本稿で紹介する「Constant C」PC / Xbox 360。以下,CC)もそんな作品の一つかもしれない。「CC」は,時間と重力を操作しながらステージを攻略していく2Dアクションパズルゲームで,もともとは台湾の大学生らによってAndroid向けに開発されていたというインディーズ的な出自を持っており,同じく台湾のInternational Games System(IGS)によってPC版とXbox 360版が開発され,2014年3月12日に配信開始となった。
 筆者はPC版をプレイしたが,個性派揃いの2Dアクションゲームにあって,本作もまた相当に“尖った”作品に仕上がっていると感じられた。その魅力を本稿で詳しくお伝えしたい。

PC版の価格はSteamで9.99ドル,Magino Driveで1069円(税込)。Xbox 360版はXbox LIVEアーケードで1029円(税込)となっている
Constant C


宇宙ステーション危機一髪


 本作の舞台は無人の宇宙ステーション。とある実験の失敗によって,時間が止まってしまうという,とんでもない事態の渦中にある。そこに独り取り残された「レスキューロボット」が事態の収拾と事故原因の解明を目指す……というのが大まかなストーリーだ。

主人公のレスキューロボット。海外メーカーの作品だが,ゲーム内の表示はほぼ日本語化されている
Constant C

 冒頭でも紹介したように,ゲームはステージクリア型の2Dアクションパズルゲームである。ステージごとにさまざまな障害物やトラップ,仕掛けのほか,ゴールも配置されている。レスキューロボットが持つ時間と重力を操る特殊能力を駆使してトラップをかいくぐり,ゴールまでたどり着けばステージクリアだ。
 放棄された宇宙ステーションが舞台ということで,ゲームは全体的に薄暗い雰囲気だが,ぼんやりとした光の描写が美しい。さすがにロケーションの変化と言えるほどのものはないのだが,背景が丁寧に書き込まれていたり,パズルとは関係のない小道具が微妙に動いたりと,なかなか緻密に作られている印象を受ける。キャラクターも可愛らしく,動きがコミカルで,このあたりはいかにも「インディーズゲーム」という感じだ。

Constant C

 「時間と重力を操る」などと聞くとなにやら難しそうだが,基本的なギミックは物理パズルゲームとほぼ同じだ。とりあえず以下に記す“4つの法則”さえ頭に入れておけば問題ないだろう。

法則1:宇宙ステーション内は時間が停止しており,物体は動かない。レスキューロボットを包むように広がる「タイムサークル」の内部のみ,時間が正常に流れ,物体が運動する。

法則2:「タイムサークル」の内側にある物体は,重力の影響を受けて運動する。重力は常に画面の下方向(=床側)に働いている。

法則3:レスキューロボットが持つ特殊能力「重力転換」で画面を回転させ,重力の働く方向を変えることができる。

 “4つの法則”などとぶち上げておきながら申し訳ないが,法則4は複雑かつ独特なので,説明は後回しにさせていただく。ともあれ,法則の詳細を順に説明していこう。
 法則1は時間に関わるものだ。大前提として,ゲームの舞台となる宇宙ステーションは,謎の事故によってすべての時間が停止してしまっている。物体は落下せずに空中に静止し,リフトや回転ドアといった機械類も動かない,という状況だ。一部の即死トラップの類は普通に稼働しているのだが,それは見なかったことにしよう。
 「時間が止まっているなら,自キャラも動かせないのでは……?」と思うかもしれないが,心配無用。レスキューロボットは「タイムサークル」(「超絶対時空の空間維持」という仰々しい呼ばれ方をすることもある)という特殊能力を持っており,そのサークルの内側だけは時間が正常に流れているのだ。

そこかしこに静止した物体が浮かんでいるステージもある。ロボットの周囲に表示されている円がタイムサークルだ
Constant C

 法則2は,この「タイムサークル」の使い方に関わってくる。空中で静止している物体にタイムサークルを接触させれば,物体は重力にしたがって落下する。これを利用して,物体を足場にしたり,障害物を破壊したりしてステージを進んでいくのだ。時間を操るといっても,好きなだけ進めたり戻したりできるわけではないので,結構地味かもしれない。

Constant C
障害物に阻まれて通れない場所でも……
Constant C
ブロックをタイムサークルで落下させれば通行可能に

 法則3は,重力の働く方向について。
 ゲームが少し進むと,「重力転換」という第2の特殊能力を使うことが出来るようになる。これは,ステージ内の重力の方向を切り替える能力なのだが,ゲーム的には画面を回転させるという方がしっくりくる。回転は90度ずつで,基本的にはジャンプで届かない地点に床や壁伝いで移動したり,先述の「タイムサークル」と組み合わせて物体を動かしたりするのに使う。

ジャンプでは届かない場所も,重力転換を使えば難なく踏破出来る
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 ちなみにゲームの終盤では,とある経緯から「2つ目のタイムサークル」を使えるようになる。これは,レスキューロボットから切り離せるタイムサークルで,オブジェクトを離れたところから操作できるようになるのだ。

画面下側,ピンク色の物体の周囲にあるのが第2のタイムサークル。重力転換を用いて,転がしたり飛ばしたりもできる
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 ともあれ,この「タイムサークル」と「重力転換」を駆使してステージを攻略していく,というのがゲームの基本的な流れである。一見すると「これはどうやって攻略するんだ」というステージを,画面を回して,オブジェクトを飛ばしながら攻略するのは,見た目にも楽しく,“頭を使っている”感じもする。パズルゲームとしての醍醐味は,きちんと押さえられている印象だ。
 「CC」には100以上のステージがあり,ボリュームは十分。最初のステージは事実上のチュートリアルで,ゲームが進むにつれて使える能力が増えていき,ステージのギミックやパズルの要素も複雑化していく。

いくつかのステージにはゴールとは別に,「記憶装置」が配置されており,これを集めると,なぜ今回の事件が起こったかが確認できる
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科学者の責任と倫理をテーマにしたストーリーで,事件に至るまでの経緯が描かれる
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記憶装置の回収はゴールへの到達よりも難しいことが多い。回収はステージクリアの必須条件ではないので,詰まったら先に進んでもよいだろう
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惰性を活用した「重力転換」の斬新なプレイフィール


 さて,だいぶ間が空いてしまったが,ここで後回しにしていた法則4を説明しよう。

法則4:動いている物体の運動の向きと速度は,「重力転換」が行われた場合や,「タイムサークル」の外に出て停止した場合でも保存される。

 少々分かりづらいかもしれないが,本作のキモはここだ。言葉を変えると「自キャラを含めた物体の運動には,強い“慣性”が働く」ということになる。例えば,自キャラが落下している最中に重力転換をしても,しばらくの間は,落下していた分の運動量が慣性となって落下していた方向に動き続ける。また,オブジェクトの場合,タイムサークルの外に出て静止してしまってもこの慣性は保存され(矢印で方向と速度が表示される),次にタイムサークルの内側に入ったときにはその方向へ向かって運動が再開されるのだ。

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やや分かりづらいが,左側のブロックの下に矢印が表示されている
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このブロックに飛び乗ると,矢印の通り,上方へ

 慣性は重力の向きに関係なく,しかも強めに働くため,うまく「重力転換」と組み合わせれば,上方や横方向への運動を作り出してクリアへの道筋を開ける。この,「重力に逆らってキャラクターや物体が飛び回る」感じが非常に斬新なのだ。
 この慣性のおかげで,本作には独特の浮遊感があり,操作に難儀することも少なくないのだが,慣れてくればある程度空中を自由に飛び回れるようになり,「ブロックと一緒に落下した後,重力を180度切り替えてそのブロック上に飛び乗り,惰性で上昇する」といった芸当も可能になる。

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重力転換だけで突破しなくてはならない局面も。タイミングが命だ

 2Dアクションゲームにおいて,「画面を回転させる」というアイデア自体はそれほど珍しいものではない。しかし,物体の物理的な挙動で「画面の回転」に説得力をもたせ,しかもきちんとパズルやアクションに落とし込んでいる作品というのはそれほど多くないのではないだろうか。


“もどかしさ”がたまらない「タイムサークル」


 「重力転換」に比べて一見すると地味な「タイムサークル」だが,こちらも一癖あるシステムに仕上がっている。「タイムサークルの効果範囲はレスキューロボットの周辺のみであり,その効果を停止することはできない」というのは紹介した通りなのだが,実際にプレイすると,これが予想以上の曲者なのだ。特に「効果を停止できない」というのが実に厄介で,意図せずタイムサークルがオブジェクトをかすってしまい,動かすつもりがなかったリフトが動いてしまったり,頭上の箱を落下させて潰されてしてしまったりといったことがまま起きる。

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 なんとも中途半端で使いづらい「タイムサークル」の能力だが,逆にこの「もどかしさ」がゲームの面白さに一役買っているようにも感じた。
 プレイヤーはまず「余計なオブジェクトにタイムサークルが干渉しないようにする」ことを考えなくてはならない。込み入ったステージでは,レスキューロボットの一挙一動に気を使うし,移動ルートも慎重に考えなくてはならない。場合によってはそれがパズルの一部に組み込まれていたりもする。
 同時に「タイムサークルの外にある物体は動かない」という制約を利用した謎解きも必要になる。例えば,物体を空中に固定させてレーザーを遮ったり,回転扉の支えにしたり,といった具合だ

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このように,タイムサークルの外に浮かんでいるブロックは,足場として使うことが可能

 実は,本作で筆者が最も感心したのはこの点だ。多くのアクションパズルゲームでは,プレイヤーが動かせる「仕掛け」の部分と,動かせない「背景」がハッキリと分けられていることが多かった(と思う)。CCでは,この動く・動かないの境界が流動的で,仕掛けを「あえて動かさない」ことも求められるのだ。このあたりが,他の作品にない,本作ならではの魅力と言えるのではないだろうか。


「死にゲー」だが,不思議と理不尽さは感じない


 このように書いてしまうと,難度が高そうだと思うかもしれないが,実際,「CC」は端的に言うと「死にゲー」である。主人公のレスキューロボットは非常にもろくて,落下ダメージや即死トラップ,そして前述のようなタイムサークルの意図しない発動による圧死といった,多彩な死に方を見せてくれる。また,操作ミスによってステージ攻略が不可能になる,“詰み”もある。
 しかし,そのせいでストレスがたまるわけではなく,むしろ試行錯誤が楽しい。死亡するとステージの最初からやり直しにはなるが,ペナルティやゲームオーバーの要素はなく,ステージ自体も,パズルの解法が分かり,操作をミスしなければ数秒から数分でクリアでき,リトライしやすいからだ。ミスによってゲームのテンポが損なわれるのではなく,むしろ短い生死のサイクルすらゲームのテンポに組み込まれている感すらある。

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本作の凶悪なトラップの一部をご紹介。「触ると死ぬ床」にも複数の種類がある
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 パズルの傾向は「解法はすぐ分かるのに操作が追いつかない」「攻略法に気がつくまで大変だが,操作は楽」などステージによってまちまちで,飽きることはないだろう。全体としてパズルも操作も難度は高めだが,難しいパズルの前には,同じギミックを用いたよりシンプルな“練習”的パズルが用意されていたり,ステージの微妙な凹凸がヒントになっていたりと,理不尽さを感じないような配慮がなされている。
 ついでながら筆者の場合,「ここは俺の超絶アクションで切り抜けるしかないのか……?」と悩んでいるところでエレガントかつ簡単な攻略法が見つかるということがよくあった。アクション性が高い作品だからこそ,極力操作が楽なアプローチを探す,という楽しみ方もある。

「もう一体のレスキューロボット」も登場。ストーリーにどう絡んでくるのか
Constant C

 「CC」は「重力転換の惰性の効いた新鮮な操作感」と「タイムサークルの制約のもどかしさ」という独特の要素が,「試行錯誤が楽しい難しめのゲームバランス」によってまとめられている作品である。タイムサークルと重力転換にはクセがあるが,使いこなせるようになれば,ほかのゲームにない独特の操作感を味わえる。高めの難度の分工夫のしがいもあり,達成感も大きい作品であると言えるだろう。
 1000円程度というリーズナブルな価格で,しかもXbox 360版には体験版もあるので,アクションパズルが好きな人,インディーズゲームに興味がある人,「ちょっと変わったやり応えのあるゲーム」を探している人にお勧めの一作だ。

制限時間内に攻略したステージの数を競う「タイムアタック」モードも用意されている。難度は本編より上で,ステージの順番もランダム
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