
インタビュー
「サモンズボード」の立ち上げから現在の動向,そして「ケロロ」コラボ(初出情報あり)や今後の展望まで,プロデューサーの荻原 智氏に話を聞いてきた
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10月3日に実施されたVer3.0.0アップデートでは,上級者向けコンテンツ「テクニカルダンジョン」が実装されるなど,コンテンツを一層拡大する流れに向かっている。
また,10月23日に発表されたように,フラッシュアニメーション「ケロロ」とのコラボレーションが発表され(関連記事),同タイトルの周辺は最近賑やかになっている。
今回4Gamerでは,「サモンズボード」プロデューサーであるガンホーの荻原 智氏にインタビューを実施。同タイトルの開発経緯からこの8か月の動向の振り返り,そして今後の展望に至るまで,たっぷりと話を聞いてきた。
「サモンズボード」公式サイト
iOS版「サモンズボード」ダウンロードページ
Android版「サモンズボード」ダウンロードページ
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出し惜しみなしでインタビューの前に初出情報を掲載してしまおう。 こちらが「ケロロ」コラボキャラ「くの一小雪」のステータス画面。リーダースキル「悪いケド実戦経験は私が上みたいね」は,HPタイプの味方のHPが毎ターン5%回復するというもの。スキル「東谷流 変異抜刀 氷解砕」はチェーンスキルで,十字列の敵に攻撃力×20倍の水属性ダメージ+2ターンの間十字方向バインドとなっている。 |
「サモンズボード」運営サイト内「ケロロ」コラボ特設ページ
フラッシュアニメーション「ケロロ」公式サイト
(10月22日よりアニマックスでリピート放送中)
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。4Gamerで「サモンズボード」のインタビューを実施するのは初めてなので,まずはこれまでの歩みから聞かせてください。「サモンズボード」の企画はそもそも,どういった感じで立ち上がったのでしょう。
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「サモンズボード」は,ガンホーがスマートフォン向けのゲームに全社を挙げて取り組んでいこうという中で生まれた企画です。まだ世の中に出ていないもので,これまでに触ったことがなく,かつガンホーらしいものという点を重視して,試行錯誤を繰り返す中,たどり着いたのが「将棋風のRPG」というテーマでした。
4Gamer:
「将棋風のRPG」というアイデアに決まったのは,どのようなところがポイントになったのでしょうか。
荻原氏:
子供から大人まで,幅広く楽しめるものは何かと考えていたところ,たまたま目に入ったのが将棋だったんですね。私自身,小学生の頃に将棋に慣れ親しんでいたこともあって,わりと入りやすくて奥が深い遊びだな,ということを思い出したんです。
そこで,将棋をベースにしたカジュアルな戦略ゲームはどうだろうと企画を作り,社内でプレゼンをしたところ,社長の森下※からも「面白くなりそうだ」と言ってもらえ,承認されました。
中でも,それまでのガンホーのスマホアプリによくあった,「制限時間内に何かしらのアクションをする」のと異なる要素,言い換えると,プレイヤーのリアルタイムなテクニックに頼らない部分については,「新しい面白さを提供できるのでは」という手応えを当時から感じていました。……そこから完成まで,かなり時間がかかってしまいましたが(笑)。
※ガンホー・オンライン・エンターテイメント 代表取締役社長CEO 森下一喜氏
4Gamer:
将棋に発想を得てからゲームとしての形に落としこむまで,どの部分が一番苦労しましたか?
荻原氏:
一番苦労したのはRPGとの共存です。
そもそも将棋は,最初から各駒の性能が決まっていますよね。だからこそプレイヤーの実力差がきちんと出るフェアな遊びになるのですが,RPGだとそういう訳にはいきません。キャラクターそれぞれの性格付けが必要ですし,最初はクリアできなくても成長させることで乗り越えられるような仕組みも求められます。
そうした中で,属性を含めた相性などをどうやって表現していくかという部分は,それこそ開発の初期から現在に至るまで,試行錯誤を繰り返しています。
4Gamer:
キャラクターの数は将棋とは比べ物にならないほど多いのに,盤面が4×4と将棋の5分の1以下という条件だと,確かに厳しそうですね。
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最近の「サモンズボード」では,強いキャラクターほど移動できる方向が多い傾向にあるんですけど,続けすぎるとどれも似たような移動特性になってしまいます。また,ボス戦では,4×4マスの盤面に2×2マスサイズのボスが登場することが多いのですが,キャラクターを動かす範囲が制限されてしまうので,戦略性が薄れて単調にならないように工夫するのに苦労しています。
4Gamer:
そのような制限があるのに,なぜ盤面を4×4マスにしたのでしょうか。
荻原氏:
主な理由は二つあって,一つは見た目の問題です。開発中は6×6マス,5×6マスなどいろいろなサイズを試してみたのですが,どうしてもキャラクターが小さくなってしまい,それこそ華やかさのない,地味な画面になってしまうんですね。
もう一つはテンポの問題です。たとえば将棋だと,9×9マスの盤面で駒同士がぶつかり合う局面まで,数手はかかりますよね。上手な方なら先々の展開を読んだうえで駒を動かしますけど,初心者の方は,とくに最初の数手について,テンポが悪いと感じるかもしれません。
そこで「サモンズボード」では,将棋で言うところの終盤戦,いきなりクライマックスから遊べるように,詰め将棋くらいの感覚で遊べるサイズにしようと考えたんです。
4Gamer:
そう言われてみれば,感覚としては近いかもしれませんね。完全に理詰めでないと投了まで持っていけない詰め将棋とは違って,もっとゆるい感じではありますけど。
荻原氏:
盤面が狭い分,戦略の幅がそれほど広がらないというデメリットはあるのですが,初期配置を変えるといった工夫をすれば,一手動かせば敵に接近できて,二手動かせばコンボにつなげられるというように,速いテンポでバトルに入ることができます。
また,ゲームの仕組みが分かってくれば,二手めでコンボにつなげたほうがいいのか,それとも敵を誘い込む配置にしたほうがいいのか,といった選択が生まれるのですが,そういう選択も,4×4マスだとコントロールしやすいんですよ。
さまざまな点から考慮してたどり着いたのが,4×4マスだったというわけなんです。
4Gamer:
荻原さんがおっしゃるように,キャラクターの配置を考えてコンボを決めたり敵を誘導したりといった,思考する部分が「サモンズボード」の楽しさだと思うのですが,4×4マスでも,見た目が地味だと感じるところもあります。その点については,どのように考えているのでしょうか。
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社内でもユーザーさんにも,「地味だ」とずっと言われ続けていますね(笑)。
開発中に,バトルでカットインなどの演出を入れるかどうか検討したことがあるのですが,演出面はある程度割り切って,思考する面白さをきちんと見せていこうと決めたんです。
バトル中にカットイン演出が入ると華やかに見えますが,プレイを続けるうちに,そういった演出ってスキップされがちになると思います。カットイン演出で処理が重くなったり,スキップの手間が入ってバトルのテンポが悪くなったりするくらいだったら,いっそのこと演出の類はなくていいだろうと考えたんです。
4Gamer:
「サモンズボード」では,ユーザーインタフェース(UI)も独特の雰囲気がありますよね。とくに「右手持ち」「左手持ち」で切り替えられるのが印象的でした。
荻原氏:
UIについては,スマートフォンを縦持ちしたときに画面下部にメニューが集中するのが開発当時の流行りでしたが,森下から「新しいUIを開発しよう」という話が出たのがきっかけなんです。
もちろん,便利なものを捨てる必要はないという考えもありましたが,似たようなものばかりだとユーザーさんも見飽きてしまうでしょうし,我々もゲーム会社として新しいものを提示していくべきだろう,ということですね。
そこで世界観なども含めて模索した結果,UIを手帳っぽくアレンジしたらどうだろうかというアイデアが出て,現在の形になりました。
4Gamer:
それでメニューを縦に配置するスタイルになったんですね。
荻原氏:
はい。ただ,そうなると,端末をどちらの手で持つかによって,メニューのタップしやすさに差ができてしまいます。UIのスタイルは私達の都合で縦配置にしたわけですから,せめて左右のどちらかに配置するかは,プレイヤーさんが選べるようにしようという話になり,配信直前のギリギリで実装したものです。
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4Gamer:
ほかにも,「戻る」の位置がメニューの一番下にあるのも独特ですよね。
荻原氏:
多くのスマートフォンアプリでは,「戻る」ボタンは左上か右上にありますよね。ただ私達としては,今後スマートフォンの画面がどんどん大きくなると予想していたので,「戻る」が画面の上にあると片手持ちでは指が届かなくなるだろうと。
iOS端末ではSafariの「戻る」が画面下ですし,Android端末も「戻る」キーが端末下部にあるので大丈夫だろうと考えたのですが,配信当初はあまり類を見ないUIだったためか,けっこう否定的な意見をいただいてしまいました。
4Gamer:
左手持ちもそうですが,最初は戸惑いましたけど,慣れるとすごく使いやすいと思います。タッチする頻度も高いので,「戻る」がちょっと大きめなのもいいですね。
荻原氏:
そう言っていただける方が一人でもいれば嬉しいです。
新コンテンツ「テクニカルダンジョン」は今後の拡張への足がかり
4Gamer:
10月3日に実装されたテクニカルダンジョンでは,5×5マスの盤面が使われているステージもありますよね。今のお話で,4×4マスが適正なサイズだという結論に至ったのに,なぜマス目を拡張したステージを実装したのでしょうか。
荻原氏:
基本的に,なるべく多くの方に「サモンズボード」を遊んでいただきたいという思いがあるので,基本の盤面は4×4マスが適正だと考えているのは変わっていません。
一方で,バトルの最中に敵の増援が来たり,戦況によって盤面が変化したりといった要素を以前から入れたいと考えていたのですが,4×4マスでは表現しきれない部分があるので,盤面が広いステージを作りたいという想いも以前から持っていたんです。
一部のユーザーさんからも,「4×4じゃ狭い」という意見を配信当初からいただいていましたし,より高い戦略性を求める方のために,5×5マスのステージ,ターン数や編成制限のあるテクニカルダンジョンを別に用意した,という形になります。
4Gamer:
実装されたテクニカルダンジョンには手応えを感じていますか?
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まだすべての要素を盛り込むことはできていませんが,私達がやりたかったことのいくつかは実現できたので,可能性は感じています。
たとえば,敵味方ともに動ける範囲が広がったので,敵全体に効果のあるスキルや,ユーザーさんのアイデアを基に実現した「氷龍妃ステラデンドライト」のトラップ設置型スキルも,今までとは異なる意味を持ってきます。
また,5×5マスのステージでは盤面が広がったことで,ボスを2体配置したり,ボスの取り巻きを出したりできるようになりました。新ギミックの毒沼もそうですね。
今後,テクニカルダンジョンではそういった部分を強化していく予定で,現在はギミックの種類を増やせないか,いろいろと検討している段階です。
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4Gamer:
ちなみに,正方形以外のステージが登場する予定はないのでしょうか?
荻原氏:
端から端まで突き抜けられない,十字型のようなステージをやってみたいという気持ちはあります。ただ,私個人のこだわりとして,スマートフォンのゲームで1つの操作領域に2つ以上の異なる操作を要求するようなことをしたくないので,今のところ実現は難しいかなと思っています。
4Gamer:
もう少し具体的に教えてもらえますか?
荻原氏:
たとえば十字型のステージなら,今の正方形よりもマス目の総数は増えますから,全部を画面に収めようとすると,キャラクターの表示が今以上に小さくなってしまいます。
現状,「サモンズボード」を遊んでいる方のほとんどがスマートフォンを使っていますから,大きくても5インチ程度の画面では,これ以上表示を縮小するのはなかなか難しいです。そうなると,スムーズにプレイするためには,スクロールや拡大縮小などの機能を使う必要が出てきます。
4Gamer:
なるほど。
荻原氏:
キャラクターをタップしてスライドするだけ,という今の「サモンズボード」の移動操作を行うのと同じ領域に,画面のスクロールやピンチイン・ピンチアウトといった異なる操作が加わるのは,プレイをスムーズにするという意味でも,誤操作を防ぐという意味でも,好ましくないと思っているんです。「そんなこだわりは捨てちまえ!」と言われてしまう部分かもしれませんが(笑)。
拡大・縮小ボタンをつけるなど,手段はいろいろ考えられますが,盤面をきちんと表示できて,誤操作も防げるより良い手段を見つけて,いつかは実現したいです。
4Gamer:
「サモンズボード」と言えば,下村陽子さんが音楽を手がけていることもポイントの一つですよね。これはどういう経緯で実現したんですか?
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そもそも私が下村さんのファンというのが発端です(笑)。「サモンズボード」のバトル画面イメージを仮で作ったときも,下村さんが音楽を手がけた某RPGを意識して作ったりもしていましたし。
ですが実際のところは,仕事とは全然関係ないのですが,ある方の紹介で下村さんとお話する機会があったので,「今,作っているゲームの曲を作ってもらえませんか」とお願いしたのがきっかけなんですよ。しかも,どんなゲームかも説明していなかったのに,快諾していただけたんです。
4Gamer:
まさにトントン拍子だったんですね。
荻原氏:
後日,あらためて説明する機会をいただいたのですが,実は下村さんがシミュレーションRPG好きだと判明して,以後は本当にスムーズに話が進みました。
4Gamer:
下村さんは「サモンズボード」をプレイしていらっしゃるんですか。
荻原氏:
今,私のランクが200ちょっとなのですが,もうすぐ追い付かれるんじゃないかと思うほどの勢いでやり込んでいただいています。
現在,「サモンズボード」用の新曲を4曲お願いしているのですが,実際にゲームを遊んでいただいているおかげで,ざっくりとした説明でも上手に意図を汲んでくださって,イメージに合う楽曲を制作していただけているという感じです。
さらなるプレイヤー増と継続率アップの施策も展開
4Gamer:
せっかくなので,ゲーム内の傾向についての話も聞かせてください。「サモンズボード」もサービス開始から8か月が経過して,キャラクターが500体を超えるまでに拡張されてきましたが,現在プレイヤーの間では,どんな編成やモンスターが人気なのでしょうか。
荻原氏:
最近の構成だと,バランスタイプの編成が人気ですね。最大火力で言うとナンバーワンではないのですが,ダンジョンを安定して攻略できるからだと思います。それと,テクニカルダンジョン攻略に有利ということで,火力が高い攻撃タイプのパーティが注目されています。
モンスターでは,属性別に1体ずつ挙げると「炎竜王・レプティアス」「水霊使ウィンディーネ」「碧天の大狼フェンリル」「魔神バロール」「残酷の女神ヘル」あたりが人気ですね。
「顕現」以外のイベントダンジョンで入手できるモンスターだと,「エンリル」や「ゴリアテ」が,HP増加やHP回復と攻撃倍率増加が合わさったリーダースキルを持っているので人気が高いです。
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「サモンズボード」って,モンスターに対する着眼点がほかのゲームとひと味違いますよね。神話や伝承をモチーフにしていても,「エレシュキガル」とか「アナーヒター」とか,調べないと元ネタが分からないキャラクターが多い気がします。
荻原氏:
メジャーどころの神様は,ほかのタイトルでよく使われていますから,それなら「サモンズボード」では,メソポタミア神話とかゾロアスター神話とか,別のネタを使おうと。ただ,ネタにも限界があるでしょうし,そのうちメジャーな神様も増えてくるかもしれません(笑)。
4Gamer:
「サモンズボード」には,擬似PvPの「ランキングバトル」,レイド戦の「モンスター討伐」といったコンテンツも用意されていますが,これらの参加状況はどんな感じになっているのでしょうか。
荻原氏:
まずランキングバトルの概要をご説明すると,VSチケットを使用することで,自動(AI)で動く他プレイヤーの編成と対戦することができる,非リアルタイムの対戦型コンテンツとなっています。ランキングバトルに勝利してBPを獲得すると,さまざまな報酬を得ることができます。
実装当初の仕組みに改善の余地が多かったので,1か月いただいて大幅にリニューアルをしました。そのほかにも,VSチケットを最大100枚まで一気にBETできるようにして,プレイ時間があまり取れないユーザーさんも参加しやすくしたり,日々の驚きを演出するマンネリ化対策として「師範代乱入」を入れたりもしました。
その結果,今は「良くなってきた」という声が多くいただけるようになってきています。ただ,またすぐにマンネリ化してしまうと思っているので,今後も新しいバリエーションを追加し続けていく予定です。
4Gamer:
「モンスター討伐」についてはどうでしょうか。
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「モンスター討伐」はランキングバトルと異なり,同じギルドのメンバー達が協力してボスに少しずつダメージを与えていく,ギルドvsボスモンスターの協力コンテンツです。ギルドメンバーが持っているモンスターを,自分の編成に組み込むことができます。
皆で楽しめる部分と,突き抜けたダメージ量が出せることが評価されていて,人気の高いコンテンツなんですよ。「ギルド貢献度」で1位になるために熱心に遊んでくださる方も多いので,もっと大きな枠を用意しようかと考えているところです。
もともと「モンスター討伐」は,友達と一緒にモンスターをボコボコに殴って最大ダメージを出して,お互いに「じゃあ,このキャラ貸してくれよ」となるように作っていますので,そういう意味では成功していると言えます。
「モンスター討伐」はバランスのチューニングがすべてですから,今後,より一層力を入れていきます。
4Gamer:
レイドのようなコンテンツがあるタイトルの中では,「サモンズボード」はわりと気軽に参加できる印象ですね。
荻原氏:
「モンスター討伐」については,全プレイヤーのランキングをあえて出していないので,ギルドの中だけでランキングが決まり,報酬がもらえると言うところがいいのかもしれませんね。
4Gamer:
報酬といえば,「ランキングバトル」の上位報酬が1万位までというのは,今後緩和される予定はないのでしょうか? プレイヤー総数が増えてくると,今後ますますランクインしにくくなっていく気がするのですが。
荻原氏:
「ランキングバトル」で上を目指すモチベーションを失ってほしくないので,ある程度の上位に限定はしますけど,キリ番で報酬をもらえるなどといった対応は,随時行っていくつもりです。
「ケロロ」とのコラボが実現したのはプレイヤーアンケートの結果が発端
4Gamer:
6月には,「ケリ姫スイーツ」とタイトル初のコラボ企画が実施されましたが,そのときの反響はどうでしたか?
荻原氏:
「ケリ姫スイーツ」とのコラボを発表したのは「ガンホーフェスティバル 2014」だったのですが,その直後は,一部のユーザーさんからかなり反対されたのを覚えています。というのも,当時「サモンズボード」はモンスターらしいモンスターの人気が高く,「人型キャラ」が入ることに抵抗を感じる方が多かったんですよ。
……まあ,実装してみたら評価が良かったのでほっとしました。
4Gamer:
そして今度は,フラッシュアニメーション「ケロロ」と初のアニメコラボが実施されるそうですが,これはどういった経緯で選ばれたのでしょうか。
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事の発端は,100万ダウンロード達成時に行ったアンケートでした。そこで「コラボしてほしいコンテンツ」という項目の中に「ケロロ」を入れたのですが,こちらの想像以上に人気が高かったんですよ。
「サモンズボード」の運営チームにも「ケロロ」の熱心なファンが多かったので,サンライズさんに企画を提案させていただいて,今回のコラボを実現することができました。
4Gamer:
「サモンズボード」プレイヤーと「ケロロ」のつながりは,少し意外かもしれません。
荻原氏:
「サモンズボード」のユーザーさんは20代が中心なんですよ。おそらく子供の頃から「ケロロ」の作品に親しんでいた方達が投票してくださったのかな,と思います。
4Gamer:
「ケロロ」コラボは,どのような内容になるのでしょうか。
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まず,「ガルル小隊」を倒すのが目的のコラボダンジョンを配信させていただきます。コラボガチャも提供予定で,こちらではケロロ軍曹をはじめとしたケロロ小隊のメンバー,日向夏美,アンゴル=モアといったキャラが出現します。ダンジョンでドロップするキャラクターを含めると,全部で27体のキャラクターがユニットとして登場します。
注目していただきたいのが,キャラクターのイラストが,実際の「ケロロ」のアニメーターさんの公式描き起こしだという点です。ダンジョンの中にコマとして出てくるSD化されたバトルアイコンはガンホー側で作っていますが,「ケロロ」のファンの方にも喜んでもらえるよう,テイストや動きにかなりこだわりました。
ダンジョンもスペイシーな感じで,ボス登場時のアラート演出からBGMに至るまで全部新たに作っていますので,どっぷり「ケロロ」の世界に浸っていただけると思います。いつもの「サモンズボード」とは世界観が大きく異なるダンジョンですが,どこかサモンズらしさは感じていただけるように工夫していますので,ご期待ください。
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![]() プロデューサーにダメ出し |
![]() 飽きてきたらしい |
![]() 自分で説明し出す |
![]() 「ケロロ」コラボ遊んでね! |
2014年内に新たな進化システムや新ダンジョンの追加実装を予定
4Gamer:
それでは,Ver3.0.0アップデート以後の展開について,話せる範囲でかまわないので教えてもらえませんか?
荻原氏:
2014年内の話で言うと,まずは,テクニカルダンジョンでフロア追加を予定しています。ただ,それぞれどのくらい追加するかはまだ決まっていません。それと,限界突破のような新システムの導入を,2014年内に実装する予定です。
既存キャラクターの進化解放がまだ十分にできていない状況なので,進化解放も並行して実装していく予定です。直近でいえば,人気モンスターである「激昂獣ヘルキマイラ」と「ナイトメアカオス」の進化解放が,10月29日のアップデートで実装されます。
もう一つ,これは年内に実現するのは難しいのですが,ネットワークを使ったリアルタイム制ダンジョンの開発を考えています。
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4Gamer:
リアルタイムというのは,どんな形になるのでしょうか。
荻原氏:
ギルドメンバーと一緒に遊ぶ形になるのですが,複数プレイヤーで一緒にダンジョンを攻略するPvEになります。ゆくゆくはギルドメンバー以外のプレイヤーとの協力プレイ,あるいは対戦などの実現も視野に入れて開発しているところです。
4Gamer:
それは面白そうですね。スマホでは,リアルタイムのマルチプレイに対応したタイトルは,MMORPG以外のジャンルではまだまだ少ないですし。
荻原氏:
そうですね。とくにRTSを除くシミュレーションゲームでは,協力プレイを楽しめるタイトルはあまりありません。せっかく提供するのであれば,あまり前例がない体験にしたいですから,うまく実現したいと考えています。
4Gamer:
リアルタイムダンジョンは,どのようなプレイスタイルになるのでしょうか。
荻原氏:
まだ検討中の事項が多いので,はっきりとは固まっていないのですが,リアルタイムダンジョンでは基本ルールを見直さないといけないだろうな,とは考えています。
たとえば,参加プレイヤー全員がキャラを動かして1ターンとするのか,それとも一手ずつ交代で動かすのか,といった部分だけでも大きく変わってきますから。マップについても,砦を占領する攻城戦のようなスタイルにするかもしれません。
対戦についてもいろいろアイデアはあるのですが,解決すべき課題があって悩んでいるところです。特殊な形状のステージにするのがいいか,あるいはキャラクターごとの個性を出せるようにさまざまなステージを用意したほうがいいのかなど,今はいろいろと企画を検討している段階です。
少し話は逸れますが,「ガンホーフェスティバル 2014」のときに,試遊していた6〜7歳のお子さんに「このゲーム,対戦できたら絶対面白いのに」と言われたんですよ。初めて触ったお子さんが,そういったビジョンを持ってくださるくらいですから,対戦は絶対イケると思っています。
4Gamer:
ちなみに,将棋の「成り」のようなシステムは,「サモンズボード」に実装される予定はないのでしょうか。
荻原氏:
もちろん考えています。ユーザーさんからもよく「成りの実装はいつだ」と言われていますから(笑)。
ただ現状では,私達自身が,将棋のように「成ったほうが有利になる」というシチュエーションをまだつかみきれていません。明確なビジョンがないと,「成るよりも普通に囲んだほうがいい」「成りの条件を満たすよりも,普通に戦ったほうが早い」という事態に陥りかねませんし,せっかくの成りが“捨てコンテンツ”になってしまう可能性もあります。
実装すること自体を目的とせず,どうすればユーザーさんにより楽しんでいただけるかに焦点を絞って,検討を続けています。
4Gamer:
成り自体は,システム的に実現できるんですね。
荻原氏:
はい。実装自体は可能です。今はどういう形で実現すれば良い形になるかを議論している段階で,たとえば,成りアイテムがハートのように戦闘中にランダムで出現するのはどうか,進化の一つとして成れるようになるのはどうかなど,さまざまな方向で検討を進めています。
また,すでに強いキャラも多数いるので,差別化のために発動条件を付けるとか,成ると強くなる代わりに移動方向が減るとか,トレードオフなども考慮に入れています。
4Gamer:
そういったトレードオフがないと,行き着くところは全方向二重矢印で3回攻撃になってしまいますもんね。
荻原氏:
ええ。成ったら攻撃力が極大になったりスキルが2種類使えるようになったりする代わりに,矢印を減らすことなどでメリハリをつけたいですね。
4Gamer:
ついでと言っては何ですが,毎月月末には新モンスターが追加されていますよね。10月末はどんなモンスターが追加されるか,教えてもらえませんか?
荻原氏:
今回は原点回帰と言いますか,初心者の方にも使いやすい属性寄りのモンスターです。詳しくは,正式なアナウンスがあるまでお待ちください。
4Gamer:
ちなみに,これまでイベントなどで登場したダンジョンの再配信は,どのくらいのペースで実施していくのでしょうか。
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図鑑を埋めていくことを楽しんでいるユーザーさんもいるので,場合によってはボスラッシュのような形にまとめることもありますけど,基本的にはすべて定期的にリピート配信する予定です。
たとえば,イベントダンジョンの「災獣」シリーズは,初心者の方でも使いやすいキャラクターなので,ゲームを始めたばかりのときは勝てなくても,再配信の際にまた挑戦していただければと思います。
4Gamer:
それでは最後に,「サモンズボード」のプレイヤーに向けて,メッセージをお願いします。
荻原氏:
これから年末に向けて,イベントが目白押しになります。新しい遊びの導入やアップデートなど,日々精進して開発運営を続けていきますので,今後ともよろしくお願いします。
4Gamer:
今後の展開にいちプレイヤーとして期待しています。本日はありがとうございました。
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