美しい海を守れ。スマートフォン向け「湘南ゴミコレ」を紹介する「（ほぼ）日刊スマホゲーム通信」第297回

スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが，「じゃあ，どれが面白いの？」「そもそも，数が多すぎて好みのタイトルが探せない！」と思っている人も少なくないはず。　そんな問題を解決すべく，スタートした連載が「（ほぼ）日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで，スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして（ほぼ）毎日お届けする。

　「湘南」と聞いて，ほとんどの人はまっさきに「海」を思い浮かべるのではないだろうか。関東の海水浴場を代表する存在の湘南だが，シーズン中は人の多さゆえ，どうしてもゴミが目立ってしまいがち。
　本日の「（ほぼ）日刊スマホゲーム通信」で紹介する「湘南ゴミコレ」（iOS / Android）は，そんな湘南の海岸に捨てられたゴミを拾い，美しい海岸に戻すことを目的とする一風変わったゲームだ。

iOS版，Android版ともに無料でダウンロードできる。取り扱うテーマは少々重いのだが，ゲーム画面は妙に明るい雰囲気

「湘南ゴミコレ」ダウンロードページ（App Store）

「湘南ゴミコレ」ダウンロードページ（Google Play）

　本作ではゴミ拾いのステージとして，「大磯」「茅ヶ崎」「辻堂」「江ノ島」「七里ヶ浜」「由比ヶ浜」の6か所の海岸が用意されている。すべての海岸を綺麗にすることが最終的な目的だが，最初に選べる海岸は大磯のみ。ゲーム開始直後の海岸は雷鳴が轟き，海の色はドス黒く，そしてゴミが散乱するという目も当てられない状況なので，早速ゴミを拾っていこう。

　海岸には「やかん」「乾電池」「カン」といったゴミが転がっており，タップまたはスワイプすると拾うことができる。拾っても次々にゴミが沸くので，その都度綺麗に回収していこう。ゴミを回収するたび，左上の「汚染度ゲージ」が減少。これが一定量減るたびに海岸が徐々に美しくなり，ゼロまで減らせば見事次のステージが開放される仕組みだ。

ゴミはそれほど時間を置かずに沸いてくる。溜まったゴミをスワイプでササッと片付ける瞬間が，結構気持ちいい

　拾ったゴミは「コレクション」に陳列され，いつでも確認可能。ゴミごとの解説が全体的にやる気のなさそうなテキストで，これがシュールで面白い。ゴミをコレクションしている主人公は，一体どういう人物なのかという疑問が沸くが，あまり気にしないでおこう。

狙った……というより思いついたことをただ並べたという感じに近い解説文。「びん」の解説が「カンじゃない」だったり，「フライパン」の解説が「飛ぶパン」だったり，小学生か！　と突っ込まずにいられない

　なお，コレクションの中にはレアものも存在。レアものは基本的にゴミではなく魚で，「イシダイ」や「カレイ」などこちらもさまざま。魚たちは海岸が綺麗なほど出現しやすいが，汚染度ゲージは一定時間経過するとまた徐々に増加していくため，ゴミ拾いはこまめに行うことを心がけたい。

　ゴミを拾うと左下にある「ポイント」がどんどん増加。このポイントは「スロット」に使うことができ，スロットでは当たりが出れば「湘南の名所カード」がもらえる。これまた謎の設定である。

ゴミを拾うとスロットに使える「ポイント」が10溜まる。魚はなんと50だ

なぜスロットなのかはよく分からないが，フィーバータイムもしっかりあって，ちょっと射幸心を煽られる

　プレイ中，ゴミを撒き散らす悪いやつが現れたり，海岸ごとに回収できるゴミの種類が違ったりと，なかなか飽きさせない仕組みが好印象。とはいえ基本的にタップでゴミを回収するだけのゲームではあるので，この手の放置＆収集ゲームが好きではない人は退屈に感じるかもしれない。
　環境保護が熱く叫ばれる昨今，本作を通じて今一度，地球に対する接し方を考え直してほしい……なんて重いノリのゲームではないのは確かだが，海岸が綺麗になっていく様子が純粋に気持ちいいタイトルだ。

著者紹介：トリスター/目代将規
　ゲームやアニメの書籍企画，編集，シナリオライティングや広告制作なども手がける編集プロダクション「トリスター」所属。スマートフォンならではのゲームや，一瞬で遊べてしまうゆるいゲームが大好物。好きなゲームのジャンルはRPGとアドベンチャー。“モンハン”好き。

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