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[CEDEC 2015]ドラクエならではのストーリーはどのように作られているのか。「ドラゴンクエストX」のイベントプランナーが制作のツボを公開
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印刷2015/08/28 20:17

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[CEDEC 2015]ドラクエならではのストーリーはどのように作られているのか。「ドラゴンクエストX」のイベントプランナーが制作のツボを公開

ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン
 CEDEC 2015の開催初日となる2015年8月26日,「MMORPGで感動のストーリーテリングを! 〜ドラゴンクエストXのクエスト制作のツボ〜」と題したセッションが行われた。
 本セッションでは,スクウェア・エニックス 第6ビジネスディビジョン(Smile-J) 開発職(プランナー) 田中瑞枝氏によって,MMORPG「ドラゴンクエストX」のクエスト制作におけるスタッフ間の連携やワークフロー,そして制作過程におけるポイントなどが紹介された。

スクウェア・エニックス 第6ビジネスディビジョン(Smile-J) 開発職(プランナー) 田中瑞枝氏
 ご想像のとおり「ドラゴンクエストX」チームは非常に大規模で,その中心となるのはゲームの世界観やシナリオを構築するゼネラルディレクターの堀井雄二氏,プロデューサーの齊藤陽介氏,ディレクターの齋藤 力氏の3名だ。
 さらに新しい遊びやコンテンツを作り出す開発チーム,プレイヤーと開発をつなぐ運営チームが存在する。

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 サービスイン以来,「ドラゴンクエストX」に実装されたクエストはメインストーリーに関わるものから,ちょっとしたお使いに至るまで400以上におよぶ。それらクエストの制作にはフィールドや地図,乗りものを扱うワールドプランナー,NPCや小物をデザインするキャラクターデザイナー,ムービーや演出を手がけるCS(カットシーン)デザイナー,モンスターやボスとの戦闘を担当するバトルプランナーといった,さまざまなセクションのスタッフが携わっている。
 さらに全編に関わるプログラマーとディレクター,そして全体をチェックする堀井雄二氏が加わり,クエスト制作においてチームワークは必須と言える。

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 この中で,田中氏がチーフを務めるイベントプランナーは,開発チームが作成したクエストやメインストーリーを,ゲームとして遊べる形で実装する業務をメインに行っている。
 その際,MMORPGである「ドラゴンクエストX」においても,従来の「ドラゴンクエスト」シリーズと変わらない感覚でストーリーを楽しんでもらえることを重視しているという。

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 クエスト制作におけるポイントは「スケジュール」「コスト」「クオリティ」「安定性」の4つ。
 スケジュールは,アップデートごとのメインストーリーおよびサブクエストの実装だけでなく,プレイヤーの動向やリクエストに柔軟に応えられるような形で進めていくことが求められる。
 コストは,コンテンツの優先度やバランスを考えて配分する。また既存のデータを流用して量産できるようであればコストを抑えるし,逆に新しい遊びを生むために必要であれば大きなコストを投じる判断をすることもある。重要な部分に関してはディレクターの判断を仰ぐこともあるそうだ。

 クオリティは,一般的に求められるであろう作り込みやブラッシュアップに加え,本作では「ドラゴンクエスト」らしさの追求も意味している。チーム内にも「ドラゴンクエスト」シリーズのファンが多く,「過去のシリーズタイトルはこうだったから,こうしたほうがいいのではないか」という話をすることも多いという。田中氏はこうした「ドラゴンクエスト」らしさについて,「一番重い部分であり,大切にしたい部分」とコメントしていた。

 安定性は,将来の拡張を見越して汎用的な設計をしておくことを指している。またサーバーダウンなどにより,プレイヤーキャラクターが予期せぬ事態に陥るという,万が一のケースに備えた設計も施している。
 そして最も重要なのは,プレイヤー各自のプレイデータを守ることである。田中氏は「MMORPGはさまざまな人が同時に遊ぶため,何が起きるか分からない」とし,プレイデータの保持にはとくに配慮していると語った。

 続いて,クエスト制作の過程が9つのステップに分けて紹介された。田中氏によると,ステップごとにクオリティを高めるツボがあるという。

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 クエストのシナリオは,テキスト形式とHTML形式でチーム全体に公開される。これらシナリオは厳密な書式ルールのもとで記されており,内部ツールによって簡単にゲームデータへと変換できるようになっているとのこと。このデータに基づき,一人のイベントプランナーが一つのクエストを責任を持って実装まで手がけていくこととなる。

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 田中氏は「ドラゴンクエストX」におけるシナリオを「仕様書である」と表現。したがってシナリオを一通り読んだ時点で,そのクエストの完成形がほぼ見えるようになっており,NPCのモーションの指定などもなされている。

 そうやってシナリオを精査したら,次は発注である。イベントプランナーは,どこでイベントが発生するのか,どんなNPCが登場するのか,あるいはどんな機能が必要になるのかなどを各セクションのスタッフと相談しつつ発注を掛け,進捗管理をしていくこととなる。
 田中氏は「イベントプランナーは,シナリオの最大の理解者であるべき」とし,「早い段階でクエストの完成形をイメージできているほど,発注のタイミングでさまざまな調整が可能となるため,結果としてリテイクが減りコスト軽減になる」と説明。

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 発注がある程度済んだら,イベントプランナーは内部ツールとスクリプトを使ってクエストの仮組みを行う。この段階でクエストは最後まで遊べるようになるため,動作確認をしつつ,プレイヤーがつまずきがちな部分や違和感のある部分を発見し,担当セクションのスタッフと調整していく。もしも解決できない問題が生じたら,後述するディレクター確認会にて解決を図る。

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 仮組みが終わったら,QA(品質管理部)と開発スタッフに進捗をメールで報告。そのメールの返答で全体の進捗をまとめ,ディレクター確認会の予定を決める。なおイベントプランナーとQAスタッフは,チャットで気軽に相談できるような環境になっているそうだ。

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 ディレクター確認会は,制作したクエストを実際にディレクターに遊んでもらうステップで,田中氏はゲームをより良くするためには最も重要と説明。ディレクターのゲームプレイを,そのクエストを制作したスタッフ全員で確認するのだが,そのポイントとなる部分は4つある。

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 1つめのポイントは「人のプレイを見る」。これはディレクターのプレイを通じて,迷ったり分かりにくかったりする部分を確認し,その理由を考え,プレイヤーが陥りそうな問題を事前に解消するために必要となる。

 2つめのポイントは,「ディレクターの改善要望を聞く」。実際にプレイしたディレクターの気になった部分や改善提案,およびその意図などを聞いて,どう改修すればいいのか考えるというわけである。また開発スタッフがその場にいることで,改善タスクのコストや優先順位もすぐに確認できる。

 3つめのポイント,「気になった点を相談する」。ディレクター確認会は,誰でも意見を言えるようにしているとのことで,「こうすればストーリーに感情移入できそう」「遊びやすくなりそう」といった,開発者視点/プレイヤー視点のどちらの意見でも構わないという。

 4つめのポイントは,「全員で完成形をイメージする」。つまり,そのクエストに関わるスタッフ全員で,クエストがどう修正され,どんな演出が追加されて完成形になるのか,イメージを共有することだ。同時に,修正にあたって具体的に誰が何をするのかも明確にしておく。

 ディレクター確認会のあとは,仮組みで入っていなかったデータや要素をクエストに組み込んでいく。また,これまで生じた要望にも対応し,クエストの完成を目指す。仮に大きな修正やディレクターのこだわりによる指示があった場合には,その部分についてディレクターのチェックを受ける。
 あとはプレイヤー視点でテストプレイしてみて,プレイしやすさや見栄えの良さなどを時間の許すかぎり高めていく。田中氏は「お客様に自信を持ってお届けできるよう,最後の作り込みをする」「どうしたらクエストを一番面白い状態でお客様に届けられるかを常に考える」と説明した。

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 そのようにしてクエストが完成したら,QAと開発スタッフに連絡。ここでイベントプランナーの仕事はひとまず終了し,あとはQAスタッフにチェックを委ねることとなる。
 チェックで発見された不具合やバグは,プロジェクト管理ソフトに記録され,チャットルームにも報告がなされる。イベントプランナーはそれを見て,各セクションのスタッフに振り分ける。そして修正が終わったら,再びQAのチェックを受けるという流れだ。
 ちなみにQAではなく開発スタッフが発見した不具合やバグも,すべてプロジェクト管理ソフトに記録し,対応後はQAのチェックを受けている。これはクオリティ維持のために必須になっているとのことである。

 なお,不具合やバグの発生をチャットルームに報告するのは,クエスト制作に関わるスタッフ全員が情報を共有することにより,類似案件が発生したときに早期解決ができるようにするという狙いがあるとのこと。

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 最後は,完成したクエストの配信である。配信当日は,きちんとクエストを遊べるかゲーム内の動向を確認する。もし問題があるようであれば,すぐに情報が共有され,スタッフ間で原因を究明し,対応などを検討する。
 また開発スタッフが,一般のプレイヤーに交じって新しいクエストをプレイすることもあるそうで,田中氏は「お客様がどこでどんな感想を抱くのかを知ることで,今後に活かせるのではないか」と意図を語っていた。なお,ゲーム内のチャットなどが,そのクエストの話題で盛り上がっているとやはりホッとするそうだ。

 以上がクエスト制作の基本的な流れとなるが,メインストーリーなど重要なシナリオを制作するケースでは,ディレクター確認会のあと,多くの開発スタッフで遊ぶ「遊ぼう会」を実施するという。遊ぼう会は1日がかり,シナリオの規模が大きい場合には2日がかりで行い,意見やリクエストを集め,ディレクターを含めた開発スタッフ全員でどうすればゲームとして分かりやすくなるか,ストーリーを楽しんでもらえるかに着目して改善点を検討するとのこと。ちなみに先日実装されたばかりのバージョン3.1のメインストーリーで遊ぼう会を行ったときは,977件もの意見が挙ったそうだ。

セッションの終盤では,クエストがゲームになる過程におけるクオリティアップのツボがあらためてまとめられた
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 最後に,田中氏は「開発スタッフがテストプレイで感じた分かりにくさや,覚えた違和感は,お客様も必ず感じてしまうので,それを見過ごさないことが大事」とし,「『ドラゴンクエスト』の物語をお客様が楽しんでいただけるよう,最後は『どこまでやるか』というスタッフのこだわりにかかっています」として,セッションを締めくくった。

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