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BenQ,35インチ21:9アスペクト,湾曲の144Hzゲーマー向けディスプレイ「XR3501」を10月20日に約13万円で発売
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印刷2015/09/08 10:50

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BenQ,35インチ21:9アスペクト,湾曲の144Hzゲーマー向けディスプレイ「XR3501」を10月20日に約13万円で発売

 2015年9月8日,BenQの日本法人であるベンキュージャパンは,ゲーマー向け液晶ディスプレイの新製品「XR3501」を10月20日に発売すると発表した。メーカー想定売価は12万9800円(税込)。新モデルは,35インチでアスペクト比21:9,解像度2560×1080ドットで垂直リフレッシュレート144Hzの湾曲パネルを搭載するのが特徴だ。

XR3501
画像集 No.002のサムネイル画像 / BenQ,35インチ21:9アスペクト,湾曲の144Hzゲーマー向けディスプレイ「XR3501」を10月20日に約13万円で発売


横長大画面+湾曲液晶パネルで臨場感と見やすさを両立


 XR3501については,2015年6月のCOMPUTEX TAIPEI 2015に合わせて行われたBenQ本社での発表会レポートで詳しく紹介しているが,ここではおさらいを兼ねて簡単に説明しよう。

XR3501は,BenQのゲーマー向け液晶ディスプレイでもハイエンドに位置する製品で,北米での価格も1000ドル近い
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 「ゲームをより楽しく,リッチにプレイするための液晶ディスプレイ」とされるXRシリーズの第1弾であるXR3501は,BenQのゲーマー向けディスプレの中でも,ハイエンドに位置付けられる製品だ。
 最大の特徴でもある,35インチサイズで解像度2560×1080ドット,アスペクト比21:9という横長の液晶パネルは,同社のグループ企業であるAU Optronics(AUO)が開発・製造している「AVMA+」方式のもの。VA方式の一種であるこの液晶パネルは,中間調応答速度こそ4msと,TN方式と比べると応答性では一歩譲るものの,黒の“しまり”や階調表現の正確さ,ネイティブコントラスト比の高さには優れており,その意味で,ゲーム映像の表現に適した液晶パネルと言ってもいいだろう。

35インチでアスペクト比21:9の広い画面や垂直リフレッシュレート144Hz対応,深みのある黒を表現といった特徴により,臨場感溢れる映像を表現できるとアピールされている
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 大サイズの横長画面がもたらす臨場感や視野の広さといった特徴に加えて,BenQがアピールしていたのは,曲率の大きな湾曲液晶パネルがもたらす利点である。

 筆者は,29インチサイズでアスペクト比21:9のディスプレイを3年ほど前から使っているのだが,机の上に置いて中央付近に視線を向けた状態では,画面の左右端はコントラストや色味が正常に見えるギリギリの範囲だなと感じている。仮に,35インチサイズでフラット液晶パネルのディスプレイを同じ位置に置いたとしたら,画面左右端はコントラストが低くて見にくい映像となるのは確実だろう。
 その点,湾曲液晶パネルであれば,中央付近を見ながら時々左右端に視線を飛ばすような使い方をしていても,左右端のコントラストや色見に問題を感じることは少ないと期待できるわけだ。

フラットな液晶パネルに対する湾曲液晶パネルの利点を説明するスライド。「フラットだと,視野角が変わるため,情報の把握までの間に遅延が生じる」というBenQ側の言い分はさすがに大げさな気もするが,湾曲パネルのほうが両端まで見やすいのは間違いない
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 そのうえ,一般的な湾曲液晶パネルの曲率が3000R(=半径3000mmの円を描くカーブ)であるのに対して,XR3501の液晶パネルは曲率が2000Rと,カーブの曲がり具合が大きいという特徴を持つ。この大きなカーブによって,70〜120cm程度という,一般にPCユーザーがディスプレイを見るときの距離において,優れた視野角を実現できるというのが,BenQの主張だ。

湾曲は2000R(半径2000mmの円を描くようなカーブ)になっており,かなり大きく曲がっている
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他社製品で採用される3000Rに比べ,2000Rを採用したXR3501は,周辺部のコントラスト感に優れているという
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 製品発表会でBenQは,MOBAの「League of Legends」やレースゲームの「The Crew」,FPSの「Battlefield 4」,そして「World of Warships」を実際にXR3501で表示するデモを披露していたが,画面の前で左右に視線を向けてみても,左右端の色やコントラストに違和感はなかった。目に近い距離で設置されるゲーム用途向けのPCディスプレイにおいて,湾曲液晶パネルの採用は決してイロモノなどではないといえよう。

会場では,ステアリングホイールとフットペダル,ゲーマー向けレースシートを使って,レースゲームの「The Crew」をプレイするデモを披露していた。ただ,このセッティングだとディスプレイまでの視距離が長いこともあり,湾曲液晶パネルの利点はあまり感じにくかったように思う
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上はLeague of Legends,下はBattlefield 4をプレイしている様子。大画面ならではの臨場感という点では,MOBAよりも,FPSやTPS,オープンワールドタイプのRPG向きなのではないか
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BenQ製ディスプレイの画質調整機能は一通りカバー

スタンドの機能やディスプレイ同期機能の非対応には物足りなさも


 液晶パネル以外の特徴も見ていこう。
 ディスプレイを支えるスタンドは,V字型に広がった脚を持つデザインで,背面中央にケーブルを通す孔が開いたものだ。残念なことに,可動範囲は上下回転(チルト)のみで,左右回転(スイーベル)や高さ調整機能は備えていない。VESAマウント用の孔もなかった。

本体背面のスタンド。チルト角以外の調整機構はないのがちょっと残念かも
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 ビデオ入力インタフェースは,本体背面の下側に,DisplayPort×1,Mini DisplayPort×1,HDMI 1.4×2の4系統が装備されている。また,ヘッドフォン出力とライン出力,ライン入力用の3.5mmミニピン端子もビデオ入力インタフェースの隣に並んでいた。なお,HDMI 1.4でも2560×1080ドットの60Hz表示は可能なのだが,垂直リフレッシュレート144Hzという仕様を活かすには,DisplayPortかMini DisplayPortでの接続が必要だ。
 PlayStation 4のような,1920×1080ドット表示までのゲーム機をHDMI接続したとき,表示がどうなるのか気になる人もいると思うが,ベンキュージャパンによると,画面左右に黒帯の入ったドットバイドット表示にはならず,横に引き延ばされてしまうとのことだった。基本的にはPC専用のディスプレイだと理解したほうがいいだろう。

いささか見にくい写真で恐縮だが,背面のI/Oパネル部分。左からHDMI 1.4×2,DisplayPort×1,Mini DisplayPort×1,ライン入力,ライン出力,ヘッドフォン端子が並んでいる。USBハブ機能は持たない
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流ちょうな日本で新製品を発表するMartin Moelle氏(左,Managing Director/Vice President Asia Pacific,BenQ)。BenQは,日本のゲーマー向けディスプレイ市場においてシェア25%程度で1位にあるそうだ。しかし,人口が2500万人程度というオーストラリアでも,ゲーマー向け液晶ディスプレイが月間4000台程度は売れているのに対して,日本は月間5000〜1万台程度とのことで,市場規模はさらに広がる余地があると見ているとのことだった
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 なお,XR3501は,G-SYNCやFreeSyncといったディスプレイ同期技術には対応していない。BenQでアジア太平洋地域担当副社長を務めるMartin Moelle(マーティン・モーレ)氏に,その理由を尋ねたところ,「対応しようとすると,価格が高くなりすぎる」という答えが返ってきた。ただ,同じサイズと解像度の液晶パネルを採用し,G-SYNCに対応するディスプレイをAcerが発表していることもあり(関連記事),将来的には,ディスプレイ同期技術に対応した製品もリリースしたいという意向はあるようだ。

 なお,ゲームジャンル別の画質調整プリセットや,暗部の視認性を高める機能「Black eQualizer」,色の鮮明さを補正する機能「Color Vibrance」,フリッカーフリーのバックライトといった,BenQ製ディスプレイの定番機能は,RG3501でも搭載されている。XLシリーズに付属するワイヤードのOSDコントローラ「S Switch」がないことを除けば,最近のBenQ製ゲーマー向けディスプレイの基本仕様を踏襲するという理解でいいだろう。

暗部の階調表現を自動で調節するBlack eQualizerも当然装備する
画像集 No.019のサムネイル画像 / BenQ,35インチ21:9アスペクト,湾曲の144Hzゲーマー向けディスプレイ「XR3501」を10月20日に約13万円で発売

 13万円という価格が人を選ぶのは確かであり,G-SYNCやFreeSyncに対応しないのも残念ではある。しかし,横長大画面の湾曲液晶パネルがもたらす臨場感は,見慣れたアスペクト比16:9の画面とはひと味違うものだ。FPSやTPS,レースゲームやオープンワールドタイプのRPGを好む人なら,XR3501は選択する価値のあるディスプレイではないだろうか。

●XR3501の主なスペック
  • パネル:35インチワイド湾曲,AMVA+方式,ノングレア(非光沢)
  • バックライト:LED
  • パネル解像度/最大垂直リフレッシュレート:2560×1080ドット/144Hz
  • 輝度(通常):300cd/m2
  • 表示色:約1677万色
  • コントラスト比:2000:1
  • 視野角:左右178度,上下178度
  • 中間調応答速度:4ms
  • 接続インタフェース:DisplayPort×1,Mini DisplayPort×1,HDMI 1.4×2,3.5mmミニピン×3(ヘッドフォン出力,ライン入力,ライン出力)
  • チルト(上下回転):対応(−5〜+15度)
  • スイーベル(左右回転):非対応
  • ピボット(縦回転):非対応
  • 高さ調整:非対応
  • 消費電力:51W(通常時),0.5W以下(スタンバイ時)
  • サイズ:852.8(W)×499.1(D)×205.6(H)mm
  • 重量:11kg
  • 保証期間:3年(※パネルおよびバックライトは1年)
  • 発売日:2015年10月20日
  • メーカー想定売価:12万9800円(税込)

XR3501 製品情報ページ

ベンキュージャパン公式Webサイト


  • 関連タイトル:

    XL,XR,RL

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