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佐藤天平氏と伊藤賢治氏が届けたいメッセージとは?――iTunes Storeでチャリティアルバム「birthheart」を配信中の「W-NOTE」にインタビュー
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印刷2013/08/03 00:00

インタビュー

佐藤天平氏と伊藤賢治氏が届けたいメッセージとは?――iTunes Storeでチャリティアルバム「birthheart」を配信中の「W-NOTE」にインタビュー

対照的な人生を交差させたゲーム音楽


4Gamer:
 今回,お二人は震災で傷付いた方々の支えになろうと楽曲を制作されたとのことですが,これまでに,音楽が支えになった場面やエピソードなどはありますか?

佐藤氏:
 ご質問に対する答えとしてはちょっと違うかもしれませんが,阪神・淡路大震災が発生したときに,声優の神谷 明さんが「WITH YOU」という声優さんのユニットを立ち上げて,今回のような活動をされていたんです。
 私もそのお手伝いをさせていただきまして,その時に初めて「音楽はみんなを元気づける力を持っているんだ」ということを実感できたんです。

4Gamer:
 今回の活動も,それがルーツになっているかもしれない?

佐藤氏:
 私の場合はそうかもしれません。みんなで神戸まで行ってコンサートをやったり,その時はまだネットも普及していない時期だったので,20〜30人ほどの声優さんがリレーで歌うシングルCDを出したりしたんです。

伊藤氏:
 僕の場合は,ピアノにさんざん救われてきました。
 いろいろなところで言っているんですが,幼稚園の頃からいじめられっ子だったんですよ。ピアノを習っているだけで「オカマ」とか,「男のくせに」みたいなことを,中学生くらいまでずっと言われてました。
 身体が大きくて目立つのに,自分からは手を出せないタイプだったので,格好の餌食だったんでしょうね。

4Gamer:
 ちょっとした差異が,なぜかいじめの原因になってしまうんですよね……。

伊藤氏:
 ええ。それでも僕はピアノをやめませんでした。今思うと,ピアノって自分との対話のような部分があって,弾けばピアノが応えてくれるという感覚があったからなのかもしれません。高校生になって環境が変わってからは,ピアノや音楽を通じて新しい友人ができましたし,コンテストに応募したりといった形で,世界が広がったんですね。
 その後も専門学校,スクウェア入社と進んでいくうちに,自分の表現の方法が変わっていった部分があったんです。やがて「君の音楽,いいじゃないか」と受け入れてくれる人も増えてきました。こういうことを実感できるようになったという意味で,僕は音楽に救われているんだと思います。

4Gamer:
 そういえば,伊藤さんがピアノを始めたきっかけは……?

伊藤氏:
 当時住んでいた団地の一室が,たまたまピアノ教室だったんです。母と通りがかったとき,僕がじっとそこで立ち止まって音楽を聴いていたらしいんですね。
 それを見た母が,「あなた,ピアノをやりたいの?」と聞いてくれて,そこで「うん」と頷いたらしいんですよ。僕はまったく覚えてないんですが(笑)。

4Gamer:
 それは……運命的なものを感じずにはいられないですね。

伊藤氏:
 それで教室に通うことになったんですが,最初はエレクトーンに興味を持っていたらしいんです。でも先生から,「ピアノは楽器の基礎だから,ピアノから始めなさい」というようなこと言われて,ピアノを選びました。思えば,それも運命的でしたね。

4Gamer:
 その先生がいなければ,イトケンサウンドはこの世に無かったかも……。佐藤さんが音楽を始められたきっかけは,何だったのでしょう?

佐藤氏:
 僕の場合はもっと単純で,幼稚園の先生がすごく綺麗な方だったんです。卒業したら会えなくなるはずだったんですが,彼女はピアノ教室をやっていたので「そこに行けば会える!」……というところからスタートしています(笑)。
 ただ,いざ始めるとなったらその教室には空きがなくて,知り合いのところに行ってくれと回されちゃったんです。それがおばさんの先生で……。

4Gamer:
 あららら……。

佐藤氏:
 子供心に「話が違う!」と思いましたが,それでも中学を卒業するくらいまでは続けていました。
 ……でも,僕はピアノが理由でいじめられることはほぼありませんでしたね。

伊藤氏:
 それはかなり幸せなケースですね。

佐藤氏:
 小学生の頃からバンドをやっていたこともあって,キーボードが弾ける男の子があまりいないので,引っ張りだこだったんです。なので,むしろ良い思いをしていたくらいです。

4Gamer:
 小学校でバンドって,けっこう珍しいですよね?

佐藤氏:
 そうですね。音楽の盛んな街だったらしく,小,中,高とバンド漬けでした。でも,私自身が目立ちたがりだったので「キーボードはもう嫌だ!」と(笑)。
 なので中学生からはギターと歌のほうにシフトしていきましたね。

4Gamer:
 音楽を職業にするまでには,どんないきさつがあったんですか?

佐藤氏:
 当時はバンドブームでしたから,バンドでプロデビューしたいと考えて,いろいろなところに曲を送っていたんですね。そのうちに,「バンドでは難しいけど,個人なら」という形でお声がけいただいたのがきっかけです。
 バンドと並行して芝居をやっていたのも大きかったですね。自分で劇団を持ってBGMも全部作っていたんですが,「芝居はイマイチだけど,曲は良いからウチの劇団や映画で書いてくれないか?」というお話をもらえるようになったんです。
 なので,歌はバンド,BGMは芝居の活動で培われたものだと,自分では思っています。
 
4Gamer:
 さまざまなことに挑戦したうえで,とくに見出されたのが音楽の才能だったんですね。

伊藤氏:
 天平さんには音楽の師匠のような方はいるんですか?

佐藤氏:
 これといった人はいないんですが,先ほど話したピアノ教室の先生がたまたま作曲活動もしていて,バンドをやっているという話をしたときに,アレンジの仕方や曲の作り方を教えてもらいましたね。

4Gamer:
 ゲーム音楽に携わるようになったのは,何がきっかけだったんですか? 伊藤さんはスクウェアに入社したというのが大きいと思うんですが,佐藤さんはちょっと違うような気がして。

佐藤氏:
 ええ。僕はバンド小僧でしたから,ゲーム音楽をやりたかったというわけではありません。たまたま紹介を受けて,日本テレネットさんで曲作りをすることになったのがきっかけです。
 当時の日本テレネットさんはすごく音楽に力を入れているゲーム会社で,とても楽しい環境でやらせていただけました。それから,どんどんゲーム音楽にのめり込むようになったんです。

4Gamer:
 な,懐かしい……!

佐藤氏:
 あの頃はPCゲームが人気で,専門誌のチャートで1位になったりしていました。「自分の作った曲が1位に!」と,よく舞い上がっていましたね。
 「夢幻戦士ヴァリスII」や「エメラルド・ドラゴン」は,今でもよくお会いした方に「プレイしていました!」と言われます(笑)。

4Gamer:
 “ミス優子コンテスト”なんかもありましたねぇ。
 それにしても,急にゲーム音楽を作るとなると手法や作法などの面で苦労はありませんでしたか?

佐藤氏:
 芝居や映画の音楽をやっていたので,絵が動いてそこに乗せるBGMを作るということ自体は慣れていました。それにバンド小僧でありながら打ち込みも大好きで,映画や芝居の音楽は打ち込みで作っていたので,大きな苦労はありませんでしたね。

4Gamer:
 ゲーム音楽以前から,打ち込みもやられていたんですね。

佐藤氏:
 ええ。当時は,まだ音楽を作る環境もあまり整っていない中,日本テレネットさんはツールをどんどん作ってくださって。頑張れば頑張るほどいろいろな表現ができる環境だったんです。なので,非常にやりがいがありましたね。
 同僚達も「自分達の作るゲーム音楽は日本一なんだ!」というプライドを持っていて,お互いに切磋琢磨する感じが刺激的で楽しかったですね。

4Gamer:
 でも,バンドサウンドとはだいぶ違いますよね……?

佐藤氏:
 ええ,まったくの別物です。ただ,そこにディストーションのギターを用意してリフから曲を作ったり,バンドサウンドの要素を入れてみるということもやりました。当時のゲーム音楽にはあまりない試みだったこともあり,けっこう好評でしたね。

4Gamer:
 おお,そんな実験まで!
 お話を聞いていると,まさに伊藤さんとは対照的な音楽人生だったんですねぇ。
 
伊藤氏:
 幼少期からして違いますもんね(笑)。

4Gamer:
 ゲーム音楽のお仕事を始められた時期は,お二人とも同じくらいなんですか?

伊藤氏:
 僕は1990年の3月にスクウェアに入社したので,それからですね。

佐藤氏:
 僕が初めて日本テレネットで仕事をしたのが1988年でした。だから,だいたい同じくらいになりますね。

4Gamer:
 お互いの存在は,いつ頃お知りになったんですか?

伊藤氏:
 僕はスクウェア時代の中期以降ですね。確か「ロマンシング サ・ガ」を作っていた当時,ほかのメーカーさんがどんな作品を作っているのかリサーチしていた時期があって,その頃に天平さんのことを知りました。

佐藤氏:
 正確には覚えていませんが,僕も同じくらいの頃だと思います。
 ただ,担当のスタッフさんと好きな曲の話をする時に,伊藤さんのお名前がよく出るようになったのは,2000年代に入ったくらいからでしたね。

4Gamer:
 そして今では一緒に音楽をやるようになるとは,不思議なものですねぇ……。
 
佐藤氏:
 先ほども話したように最近になってニコニコ生放送で伊藤さんを見る機会があって,その時点で「仲良くなれそうな人だ」とは思っていたので,きっとご縁があったんです(笑)。


音楽の過去と現在に対する考え


4Gamer:
 ちょうどニコニコ生放送の話が出たのでお聞きしたいのですが,ちょっと前からニコニコ動画は音楽を発信する場としても注目されていますよね。あまり良くない使われ方をされることもありますが……。

佐藤氏:
 CDを発売した翌日に音源を投稿するのは,本当にやめてほしいんですけど……聴いてもらえるというところに嬉しさもあって,ちょっと複雑で,あと,技術的に未熟な20年以上の前の曲をアップするのは,恥ずかしいので勘弁してほしいんですけど(笑)。

4Gamer:
 著作権を侵害しようという強い意志があるわけではなく,好きなCDを学校に持って行って友達に聴かせるようなイメージでアップしてしまっている人もいるでしょうし。
 伊藤さんの曲の場合,いろいろなアレンジが加えられた動画なども投稿されていますよね。

伊藤氏:
 僕の場合,アレンジしたものは良いけど原曲をアップするのはNGだと考えています。そのスタンスは変わっていないんですが,最近はまたちょっと変わってきまして……。
 例えば僕が10年前に関わったゲームの曲をファンの方がアップするとしますよね? 曲の権利はゲーム会社にありますし,私も制作者の一人として諸手を挙げて賛成するわけにはいかないんですが,一度埋もれてしまった作品をそれによってまた思い出してくれるというのはけっこう嬉しかったりするんです。
 そういう面もあるだけに,とても複雑なところではありますね。


4Gamer:
 サントラが出ていないような作品の音源までもが,オンラインでアーカイブ化されているという面もありますよね。
 そのあたりを権利者がうまくコントロールして,多くの人が楽しめる形が実現すればいいんでしょうけど。

伊藤氏:
 とくにオンラインゲームなどの場合,サービスが終わってしまうとよっぽどのことがない限り,楽曲も二度と表に出ることはないので,さみしいですよね。

4Gamer:
 サービスが長く続くようなヒット作は,サントラがリリースされることもありますが。
 ところで,いろいろな曲を「イトケン風にしてみた」というような動画もありますよね。……どんな気持ちになるものなんですか?

伊藤氏:
 「これはちょっと違うな」と思うこともたまにはありますが,楽しみながら聴いているのがほとんどです。「なるほど。そういうとらえ方もあるのか」とか,「それはベタだけど面白いよね」とか,完全に第三者として聴いています。

4Gamer:
 そういう感じなんですね。しかし,よくよく考えると,「イトケン風にしてみた」曲を,伊藤さんご自身が聴いてしまう時代って凄い……。

伊藤氏:
 確かに(笑)。
 時代といえば,音楽に関して最近なるほどと思ったことがあるんです。今の若い世代,それこそ中高生も含めてだと思いますが,音楽を作る場合って,「初音ミク」が広く使われているんですね。オリジナルでもカバーでも,ミクのボーカルと打ち込みという。

4Gamer:
 中高生でもそうなんですか……。

伊藤氏:
 僕としては「若いうちに生の音を聴かないでどうする!」と思ってしまう部分もあるんですが,考えてみれば自分が子供だった頃もYMOのファンが多かったんですよ。YMOって基本的に電子音ですから,きっと我々の親も今の我々と同じようなことを考えていたんじゃないかな,と。
 だからいざ我々が上の年代になったときに,今は今で音楽の新しい形があるのだから,それを受け入れたほうがいいんですよね。まぁ,これは僕ではなくFacebookで見かけた意見だったんですが,すべてに賛成とはいかなくとも「なるほどな」とは思えました。

4Gamer:
 佐藤さんはボーカロイドについて,どう思われますか?

佐藤氏:
 実は,YAMAHAがボーカロイドの前身のようなソフトを1990年代に出していて,依頼を受けてそれでよく曲を作っていたんです。僕はDTM世代なので,ボーカロイドに限らず機械に人間が感情を吹き込むことで,冷たい機械をホットに鳴らしたり,歌わせたりすることが,すごく好きなんですよ。
 ただ,その当時にやりきった感があるので,最近はやっていないんですが(笑)。

4Gamer:
 では,今ボーカロイドを使っている人達に対しては,後輩を見ているような感覚ですか?

佐藤氏:
 偉そうな言い方になってしまうんですが,あの時に撒いていた種が芽吹いてくれたように思っています。
 データをひたすら打ち込んで生命を吹き込むという,DTMスピリッツを応援していきたいです。

4Gamer:
 ボーカロイドに対するスタンスも,伊藤さんとはだいぶ違いますね(笑)。
 それにしても,バンド活動をされていた佐藤さんが,DTMもバッチリ守備範囲だというのは,当時としては先進的ですよね。

佐藤氏:
 そうですね。その逆転は自分でも面白いと思います。
 最近でも,若手の人達が曲を聴かせに来てくれるんですが,データを見せてもらうと「何,この音符だけのスカスカなデータ!」となるんですよ。まぁ,「今はそういう時代じゃないから」と言われるんですけど(笑)。
 それでも,「大容量のリアルなソフト音源だって,さらにMIDIデータで煽りまくれば,最高の表現になるでしょ!」というようなことは,いつも言っています。

4Gamer:
 そのあたりには強いこだわりがあるんですね。

佐藤氏:
 1990年代にDTMブームが起きた頃,雑誌でDTMに関する連載をしていたんですが,「このブームを牽引するんだ!」という使命感を持ってMIDIのテクニックを紹介していたんですね。
 今ではすたれつつあるんですが,こういう職人技みたいな技術を少しでも後世に残せれば,と思っています。

4Gamer:
 当時のDTMの世界は,非常にマニアックな部分がありましたよね。PCの性能も今よりずっと低く,ソフトウェア音源も使い物にならず,とりあえず機材をそろえるところから始める必要がありましたし。

佐藤氏:
 そうそう。マニアックな世界でしたね。
 でもみんながネット上にアップした気合のMIDIデータを,SC-88proなんかで聴き合う文化がすごく好きだったので,今後もMIDIデータを駆使した表現には徹底的にこだわっていこうと思っています。まさに今,ニコニコ動画でボカロや2次創作を競ってアップする文化と同様ですね。

4Gamer:
 当時,ゲーム機を含む各種コンピュータは搭載している音源が貧弱でしたよね。だからこそ,匠の技みたいなものが生まれていった部分があると思うんですが,佐藤さんもやはりそこに面白さを感じていたんですか?

佐藤氏:
 そうなんですよ! 昔のゲーム音楽は内蔵音源だけでどうにか鳴らすしかなかったんですが,それが楽しくてしょうがなかったんです。どんなにチープな音源でも,いじればいじるほどホットになっていきますからね。

4Gamer:
 それはやはり,ある程度の制限があるほうが燃えるということでしょうか?

佐藤氏:
 ええ,燃えますね。その制限の中にMIDIデータをぶちこんで,いかにエモーショナルに表現するかというところに命を賭けていました。
 よく生演奏か打ち込みかという議論がありますが,どちらが良い悪いではなく,自分がどんな音を鳴らしたいのか,どのように表現したいのかが大切だと思っています。

4Gamer:
 伊藤さんもスクウェア時代は,そういう感じだったんですか?

伊藤氏:
 いえ,僕の場合,そういう部分は担当の人に任せていました。当時のスクウェアは音楽一つとっても,効果音,作曲,プログラムと完全に分業制だったんです。今思うと珍しいシステムでした。

4Gamer:
 そうだったんですね。当時のお話は聞けば聞くほど,知らなかったことが出てきて興味深いです。

伊藤氏:
 我々の過去の活動を知りたい人は多いみたいですね(笑)。

4Gamer:
 ゲーム音楽のクリエイターが,どうやって作曲をしているのかといった情報は,なかなか表に出てきませんから,やっぱり興味はありますよね。それこそ,どんな機材を使っているんだろう? とか。

佐藤氏:
 音楽の専門誌なんかでも,昔は作曲家のスタジオに行って,機材の解説をするような企画が頻繁にありましたよね。食い入るように読んでいました。

伊藤氏:
 今だと,キーボードとPCがあれば十分ですからね。僕もかつてはラックいっぱいの機材に憧れたものですが,今はどれだけ機材を最小限にして部屋を広くするかのほうが大事で(笑)。

4Gamer:
 では今度は,作曲家が使っているPCのデスクトップを見せてもらう企画……は,やめておきましょうか(笑)。
 ちょっと話は変わりますが,これまでに影響を受けた,あるいは現在注目しているアーティストを教えてください。

佐藤氏:
 僕はQueenがずっと好きですね。かなり影響も受けています。
 最近のアーティストだと,きゃりーぱみゅぱみゅはキャラクターもサウンドも面白くて好きです。とても魅力的だと思いますよ。

4Gamer:
 また両極端ですね!

佐藤氏:
 以前,芸能山城組に所属していたこともあって,バキバキに尖ったサウンドが好きでした。

4Gamer:
 おお,民族音楽まで守備範囲ということですね。

佐藤氏:
 その一方で,普通の歌謡曲やアイドルの曲も聴いてきました。つまり,思いっきり芸術するか,ミーハーするかっていう両極端な音楽が好きなのかもしれません(笑)。

伊藤氏:
 僕は歌謡曲から始まって,ポール・モーリアだったりリチャード・クレイダーマンなんかがベースにあるんです。洋楽もそこまでマニアックなものじゃなくて,たまたまCMで流れたビリー・ジョエルの「Honesty」みたいに,ポピュラーなところから入りましたね。
 ニューミュージックブームが起きてからは,オフコースやCHAGE&ASKAをずっと聴いていました。

4Gamer:
 佐藤さんと伊藤さんで,そういう音楽の好みは重なるんでしょうか?

佐藤氏:
 僕はけっこう幅広く好きなので,部分部分が合うという感じですかね。

伊藤氏:
 ですね。全部ではなくて一部が重なるぐらいで。
 僕が知る限り,オフコースやポール・モーリアがメインで好きだという業界人はあんまりいないんですよ。あまりにもベタすぎて恥ずかしいらしくて(笑)。

4Gamer:
 本当はみんな好きなはずなんだけど,それを好きだと言ってしまうと浅く見られるんじゃ? みたいなことは,どの分野にもありますよね。
 伊藤さんは以前から,そのあたりを変に飾ったりせず,好きなものは好きだと公言されますよね。

佐藤氏:
 伊藤さんは本当に飾らなくて嘘がないんです。そこが魅力的で信頼感があります。
 自分の気持ちを自然に表現できる方なので,W-NOTEについて語る時も,できるだけ伊藤さんの言葉を大切にしています。


今後のW-NOTEが進む道


4Gamer:
 W-NOTEとしての活動に話を戻させてください。
 当初は震災などとは関係なく,お二人で音楽をやってみたいというところから生まれたレーベルですよね。今後の活動のご予定があれば,教えていただきたいのですが……。

伊藤氏:
 最初のアルバムがチャリティになったのは,震災という大きな出来事があったからなんですが,“癒やし”や“メッセージ”という要素は,これまでもそれぞれの活動でやってきたことなんですね。
 今後もチャリティアルバムをリリースするような機会はあるかもしれませんが,まずは「普段でもこういう気持ちで音楽をやっているんですよ」というのが伝わるような作品を出していけたら,と思っています。

4Gamer:
 W-NOTEとしては,チャリティであるかどうかといった枠を設けることなく,活動していく,と。

伊藤氏:
 ええ。曲の方向性や詩の世界観を一人ではなく複数人で協力して作りあげる“つながり”の大事さみたいなものは,今後も表現していきたいですし,そのために今後もW-NOTEは必要になってくると思っています。

4Gamer:
 では今後も,W-NOTEはお二人が中心となり,その都度ゲストを招き入れるという形で作品を作っていくということでしょうか?

佐藤氏:
 おそらく,そうなっていくのではないかと思います。というのも,この企画を立ち上げたとき,「私にもやらせてほしい」という声を非常に多くいただいたんです。
 それほど共感していただけるのであれば,みんなで集まった方が楽しいし,より良い物もできるかな,と。
 テーマを限定するのではなく,音楽というものを広くとらえて,みんなで作った最高の歌を聴いていただきたいというスタンスですね。

4Gamer:
 では,W-NOTEでのライブなどは?

伊藤氏:
 いつかはやりたいですが,僕はまだイメージが固まっていないですね。

佐藤氏:
 僕はライブが好きなので,いつか実現させたいです!

4Gamer:
 というと,今後の活動予定については,まだはっきりとは決まっていない感じでしょうか?

佐藤氏:
 一つ言えるのは,チャリティだけではなくいろいろな挑戦をしてみたいということです。もっと大きく広い活動を,という希望はあります。

4Gamer:
 では,それがある程度具体的になってきたら,ぜひ教えてください。
 ……そういえば伊藤さんにインタビューするときにはすっかり恒例(?)になっているんですが,最近はアニメ観てますか?

佐藤氏:
 そんな恒例があるの!?(笑)

伊藤氏:
 いつの間に恒例化してたんですか(笑)。
 ……リアルタイムではそんなに観られませんが,最近では「直球表題ロボットアニメ」をゲラゲラ爆笑しながら見ていました。主役3人のバランスが面白かったですね。貧乳ネタになると,「コラ―!」って怒る子とか(笑)。

4Gamer:
 やはり伊藤さんは目の付け所が違う……。毎度「それなの!?」ってなります(笑)。

伊藤氏:
 ほかには「血液型くん」とか「戦勇。」も観ましたね。

4Gamer:
 お忙しいからということもあるのでしょうけど,ショートアニメが好きなんですねぇ(笑)。
 ちなみに……佐藤さんはアニメを観たりします?

佐藤氏:
 知り合いが出ているのを観るくらいですね。最近だと本多真理子ちゃんが出演している「生徒会の一存」を全話観ました(笑)。

4Gamer:
 伊藤さんが以前,どハマリしていた「けいおん!」なんかはご覧になりました?

佐藤氏:
 観てました! そういえば,けいおん!の楽曲で作詞を担当されている大森祥子さんに,「スィーツカフェに連れていってほしい」と熱くお誘いを受けています(笑)。

4Gamer:
 なんと,そんなつながりが(笑)。
 ちょっと変な話も挟んでしまいましたが,最後に読者へ向けてW-NOTEとしての今後の抱負をお願いします。

伊藤氏:
 今回,W-NOTEの理念のようなものをお話しさせていただきましたが,今後もそういったベーシックな部分をちゃんと感じてもらえるような楽曲を届けていきたいと思っています。

佐藤氏:
 今回お届けした2曲は,どちらもさまざまな想いを込めて生み出したものです。歌詞の一行一行,メロディの一つ一つ,ボーカルのワンフレーズワンフレーズ,すべてに込められた想いを感じながら聴いていただければと思います。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。


 伊藤氏と佐藤氏という,ゲーム音楽界のビッグネームがそろって立ち上がったW-NOTE。お二人の音楽性が非常に色濃く出ているのに加え,未知の相乗効果が期待できるという点で今後とも要注目だ。
 音楽が被災者を支えるものになり得るかについては,人それぞれの考えがあるだろう。しかし少なくとも筆者は,「birthheart」に収録された2曲から,とても純粋な“希望”のメッセージを受け取ることができた。そんなメッセージが,一人でも多くの人に届くことを願う。

「W-NOTE」公式ページ

「birthheart」配信ページ(iTunesが起動します)

 
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