プレイレポート
諸君らが愛せばガルマは死なない! 「協力戦」の追加やシステム改善で遊びの幅が広がった「機動戦士ガンダムオンライン」α3テストプレイレポ
作品の情報が公開された直後の2011年12月にαテスト,続く2012年4月にα2テスト,そして2012年8月にはα3テストが実施されているのだが,10月下旬にはついに“α”ではなく“β”テストが行われるのだ。
「機動戦士ガンダム オンライン」公式サイト
本稿では,α2テストからの変更点/追加要素を振り返りつつ,本作の実力の一端に迫ってみようと思う。本作の基本的な情報やプレイフィールについては,α2テストのインプレッションに詳しいので,そちらもあわせてチェックすると,「機動戦士ガンダムオンライン」というゲームがどのような作品なのかが見えてくるだろう。CBTの機会に本作をプレイしてみたいと考えている人は,ぜひご一読を。
一年戦争のエピソードを追体験できる新要素「協力戦」
「機動戦士ガンダムオンライン」は,簡単に言うと“超多人数で遊ぶガンダムのTPS”だ。プレイヤーは「地球連邦軍」「ジオン公国軍」の2勢力のいずれかに所属し,一パイロットとして一年戦争に身を投じることとなる(大規模戦では指揮官としてのプレイも可能だ)。
操作方法は,PC向けのTPSをプレイしたことがある人にはおなじみの,W/A/S/Dキーで移動,マウスでエイミングを行うタイプ。右クリックがロックオンに割り当てられているなど,少々特殊な点もあるが,操作方法はチュートリアルモードでもしっかり学べるので,すぐに戸惑うことなくプレイできるようになる。
α3テストの段階で用意されていたゲームモードは,52対52で戦う「大規模戦」と,同じ勢力の仲間と協力してミッションをクリアしていく新モード「協力戦」の2つ。まずは新要素である「協力戦」の内容からお伝えしていこう。
協力戦モードでは,「敵の撃破」「拠点の制圧」「目標の護衛」といったミッションが発令され,それを順次達成していけばクリアとなる。大規模戦と比較して特殊なところは,「一定機数が撃墜されると任務失敗」というルールがあること。出撃できる回数が限られているので,大規模戦よりも慎重に機体を選択する必要がある。
協力戦では,ひとつのミッションを複数の人数で攻略できる。参加できる最大人数は6人だが,参加人数に応じて難度も変化するので,無理に6人を集める必要はない。
協力戦における最大の特徴は,原作にあった作戦や事件を,プレイヤー自身が追体験できることにある。またミッションによっては,原作にない“IF”の物語が楽しめる場合もあるようだ。
今回実装されていたマップは,「グレートキャニオン」と「ニューヤーク」の2つ。グレートキャニオンに関しては,出現する敵を倒すだけでクリアできるミッションだったが,ニューヤークでは原作でもおなじみの,ガルマの搭乗するガウが撃墜されるシーンに立ち会うことができた。
多人数でワイワイと攻略法を相談しながら戦える協力戦には,大規模戦とはひと味違った楽しさがある。ただ,出現するNPCは基本的にかなり弱く,すぐに密集してくるため,バズーカやミサイルを撃ちこめば簡単に撃破できた。
その一方で,アムロやシャアなど,一部のエースパイロットが搭乗するモビルスーツは,耐久力や攻撃力が異常に高く注意が必要だ。ただ,エースパイロットにだけ気を付けていれば,比較的簡単にクリアできてしまい,少々拍子抜けをしたのも確か。協力戦はあくまで,ストーリーや協力プレイを楽しむモードなのかもしれないが,個人的には,もう少し緊張感の味わえるゲームバランスでもよかったかな,と思えた。
この協力戦モードは,今回が初お披露目のモードということで,まだ未調整の部分が多いものと思われる。テスターの意見を受けてさらなる調整が施されるであろう,今後の協力戦に期待したいところだ。
細部に修正が施され,より洗練された戦いが可能となった「大規模戦」
新たに「協力戦」が追加されたといっても,メインのゲームモードとなるのはやはり,最大104人のプレイヤーが同時に参加する「大規模戦」である。このモードでは,すべてのプレイヤーが“相手勢力の本拠点を攻撃し,敵の戦力ゲージを削りきる”という一点のために行動することになる。
また,プレイヤーはパイロットとしてだけでなく,「指揮官」として戦闘に参加することもできる。戦場全体を見渡しつつ,51人の仲間を指揮し,勝利に導くのが指揮官の役割だ。臨時リスポーンポイントの設置や,戦況を有利に導く「戦術支援」などを実行できるのは指揮官のみ。直接的な戦闘は行えないが,広大な戦場になくてはならない存在と言えよう。
α3テストでは,敵の撃破スコアの全体的な増加や本拠点の耐久力強化など,多くの点に変更が加えられていたものの,ゲーム性そのものに大幅な変化は見られなかった。しかし,支援機体における戦闘能力の低下や,連邦軍が装備するビームライフル系武器の性能の見直しなど,全体的なバランスに関わる調整も行われていた点は見逃せない。自分の攻撃が味方にヒットした際にダウンが発生しなくなったのも,かなり嬉しい修正だ。これで,後方からは使いにくかったバズーカ系の武器もガンガン撃っていける。基本的に,よりアグレッシブなゲーム展開が楽しみやすくなったのではないだろうか。
それぞれのマップに大幅な変更は加えられていなかったものの,拠点の数が5つから7つに増加していた。これによって防衛しなければならない場所が増え,以前と比べてより戦略的な動きが要求されるようになったのは間違いない。また,ザクタンクやガンタンクが発射するミサイル系武器の威力がやや落ちた関係からか,直接的なぶつかり合いが若干増えた印象も受ける。
ニューヤークでは,中央の拠点をつなぐ地下通路を利用した,少人数での拠点制圧なども盛んに行われていた。数人で連携を取り合って戦闘を行うことに意義が生まれたため,チャットでの声の掛け合いや,フレンド単位での連携も少なからず行われていたようだ。これらの修正は細かい点ではあるものの,それぞれがしっかりと良い方向に向いており,プレイ感覚からもそれを実感できた。
8月に行われたα3テストでは,開始直後に若干のトラブルはあったものの,その後は安定した状態が維持されていた。運営側としては,テスターからの意見を含む,多数の有意義なデータが採取できたはずである。
なお4Gamerでは,のちほど「機動戦士ガンダムオンライン」の開発者インタビューを掲載する予定だ(インタビューはこちら)。そこでは,10月下旬に行われるCBTの内容だけでなく,誰もが気になるビジネスモデルに関する話題もお届けする。本作に興味がある人は,ぜひチェックしてほしい。
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