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「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3」の開発エピソードも語られた,「アメコミnight(noon?)vol.3」レポートを掲載
イベントでは,司会を務めるリタ・ジェイ氏のほか,“アメキャラ系ライター”の杉山すぴ豊氏,アメコミ翻訳家の柳亨英氏,そして,11月に発売予定のPlayStation 3/Xbox 360用ソフト「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3」(以下,UMvC3)のプロデューサーを務める新妻良太氏が登場し,アメコミに関するトークを繰り広げていた。
なお,イベントは二部構成となっており,第1部はアメリカ・サンディエゴで7月に開催されたComic-Con,第2部は,そのComic-Conで公開されたUMvC3の新情報をメインに展開された。本稿では,第2部の内容に重点を置きつつレポートしよう。
「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3」公式サイト
続いて,テーマはComic-Conに。ゲスト陣によると,今年のComic-Conでは,映画「スパイダーマン」シリーズの“仕切り直し”的な位置づけとして公開される「The Amazing Spider-Man」(アメイジング・スパイダーマン)が大々的にプッシュされていたという。
また,コスプレ衣装を身に着けた来場者が多く,クオリティの高いコスプレイヤーもたくさん見られたそうだ。
ちなみに,Comic-Conはファン寄りのイベントで,著名なイラストレーターや映画監督などが会場内を歩いていたりして,握手やサインにも気軽に応じていたとのこと。アメコミ好きの人にとって憧れのイベントといえるのではないだろうか。
第2部では,新妻氏により,UMvC3の「SPECTATOR MODE」(観戦モード)や,前作「MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds」(PS3/Xbox 360)に実装されている「X-FACTOR」モードの改良版,「X-FACTOR TWEAKED」モードが簡単に紹介された。
次に,Marvelからの新規参戦となる「ホークアイ」「ゴーストライダー」が紹介された。新妻氏曰く「Marvelからの大プッシュ」により参戦が決まったホークアイは,武器が弓ということで,前作にも登場している「タスクマスター」と被るという問題があった。
その問題を解決すべく議論が重ねられ,最終的には,ホークアイをより弓矢に特化したタイプにすることで,二人の差別化を図ることになったという。
ちなみに,ゴーストライダーといえばバイクが特徴的なキャラだが,UMvC3ではあくまでも必殺技の演出としてバイクが登場する。通常,ゴーストライダーは鎖を用いて攻撃を繰り出すそうだ。
続いて新妻氏は,各キャラのサイドコスチュームを紹介した。新妻氏によれば,Marvel側のキャラは,単に色を変えるのではなく,原作コミックを元に一から別のデザインが起こされている。非常に手間がかかったが,その甲斐あって,Marvelから「Good job!」との評価を得たとのこと。
また,カプコンキャラの一部もサイドコスチュームが一からデザインし直されているという。
これらは今のところ北米のみで提供される予定だが,もちろん,日本での展開も検討中とのことだ。
その後,フリートークをはさみつつ,質疑応答や,プレゼントが贈られるジャンケン大会などが行われ,イベントは幕を閉じた。
イベント終了後,新妻氏から少しだけ話を聞けたので,最後にその内容をお届けする。
今回のイベントに出演した感想を聞かせてください。
新妻良太氏(以下,新妻氏):
濃いアメコミファンの人達に対してUMvC3をアピールできたので,すごくよかったと思います。またComic-Conの終了直後だったこともあり,そこでのメッセージを日本のファンに伝えられたことを嬉しく思います。
4Gamer:
今回も前回同様,肩肘張らずに楽しめるイベントになったと思います。
新妻氏:
来場者とのあいだにある壁が取っ払われている感じがしますよね。閉鎖された場所で盛り上がるというのは,対戦格闘ゲームのノリに近い感じがします。
4Gamer:
Comic-Conに参加してどうでしたか?
新妻氏:
相変わらず熱量がすごいんです。日本のゲーム/コミック関連イベントを全部足して,それを倍にしたぐらいの熱量でした。ゲームやアニメといったコンテンツを扱う仕事をしている人ならば,絶対に勉強になると思いますし,僕らも今回,多くのことを学びました。そういう意味で,ほかとはちょっと異なるイベントです。
また,Comic-Conってファンとの距離がとても近いイベントなので,UMvC3を良い感じにアピールできたのではないかと思っています。
4Gamer:
カプコンのゲームはComic-Conで大人気だったそうですね。
新妻氏:
ありがたいことに,アメリカにもカプコンファンの方がいて,Marvelさんのファンに負けないくらいの熱量を感じました。そういうことが分かったのは,実際に現地に行ったからこそですね。
4Gamer:
海外のファンと交流して,どう感じましたか?
新妻氏:
「(UMvC3を)作ってくれてありがとう!」とか「新キャラはいいね」といった言葉をたくさんもらいました。また,「ここはこうしてほしい」とか「俺の好きなあのキャラは出ないのか」といった意見もありました(笑)。やはり,ファンと直接話ができるのは嬉しいです。
4Gamer:
ところで,前作MARVEL VS. CAPCOM 3の全世界でのセールスが200万本を突破しましたね(関連記事)。
新妻氏:
200万本という,決して容易ではない目標を達成できたので,ひと安心しています。スケジュールを守るだけでなく,内容をきちんとしたものにする必要もあるなか,200万本という答を出せたことはとても意義深いと思います。
この目標を達成できたからこそ,UMvC3を作ることが可能になったので,その意味でファンの皆さんに感謝しています。
4Gamer:
最初からUMvC3をリリースすることを想定し,MARVEL VS. CAPCOM 3を開発していたわけではないんですか?
新妻氏:
当初,MARVEL VS. CAPCOM 3のDLCとして提供する予定だった要素に,さまざまなコンテンツを追加し,UMvC3という1本のパッケージとして販売することになりました。
4Gamer:
なるほど。開発は順調に進んでいますか?
新妻氏:
今,まさに佳境ですね。
4Gamer:
Marvelとのやり取りが大変そうですが,まだまだ残っているんですか?
新妻氏:
むしろ今が一番大変です。
私としては,これまで考えていた以上に,前作でファンから寄せられた意見を反映させられていると思っています。ですから今は,残りの時間でできること/できないことは何か,計算しながら作業を進めています。
4Gamer:
Marvel,カプコンからそれぞれ6人ずつ新キャラが登場しますが,このボリュームについては最初の段階で決まっていたんでしょうか。
新妻氏:
本当はもう少しあとにリリースするスケジュールにして,もっと多くのキャラを出したかったんですが,諸般の事情からキャラを少し削ることになりました。
もともと,MARVEL VS. CAPCOM 2を超えるボリュームにしたいと考え,58人登場させるつもりでした。その後,スケジュール的な理由で56人となり,さらに大きなスケジュール変更が生じたことから今の人数に決まりました。「50」という数字は超えたかったので,DLC込みではありますが,何とか実現できてよかったと思います。
4Gamer:
ちなみに,カプコン側のキャラのチョイスはすんなり進んだんですか?
新妻氏:
「MARVEL VS. CAPCOM 3の次を作るならこのキャラを入れて」という意見は社内から寄せられていました。そのあたりも考慮しつつ,選択しました。
4Gamer:
未発表のキャラは,東京ゲームショウなどのイベントで随時発表されるんでしょうか。
新妻氏:
ええ。大きなイベントが行われるとき,キャラ紹介ムービーと合わせて公開していきたいと思います。
4Gamer:
今まで発表された新キャラのうち,一番反響が大きかったのはどれですか?
新妻氏:
ストライダー飛竜じゃないでしょうか。「よくぞ出してくれた」という声をたくさん耳にします。
4Gamer:
ファンの一人として,その気持ちは分かります。
ところでUMvC3では,すべてのキャラのバランス調整が行われているんですか?
新妻氏:
ええ,変更されていないキャラはいません。
4Gamer:
一番大きく変更されたキャラは何ですか?
新妻氏:
最も大きく変わっているのはリュウです。リュウは,キャラとして埋もれがちなところがありますが,カプコンの顔ですし,日本においてもアメリカにおいても「格闘ゲームの魂」ともいえる存在なので,埋もれさせたくないと考えました。
ちょうど,そろそろネジが一本外れたような変化があってもいいかなと思っていたので,かなりバランスをいじりました。前作で使っていたという人も,相当楽しめると思います。
4Gamer:
リュウがどんなふうに変わっているか,確かめるのが楽しみです。そういえば,今回のイベントでは,アメリカでの販売店別予約特典が紹介されていましたね。
新妻氏:
もちろん,日本でもこれらの特典を手に入れられるようにしたいと思っていますが,どのように展開するかは未定です。
4Gamer:
続報を待っています。それでは最後に,読者へのメッセージをお願いします。
新妻氏:
現在,UMvC3の最終調整を進めています。11月の発売を楽しみにしてください。
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