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オンキヨー,新型サウンドカード「SE-300PCIE」を発表。2chアナログ品質を追求しつつ,X-Fi搭載で「ゲーム用途にも」
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印刷2011/04/08 15:00

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オンキヨー,新型サウンドカード「SE-300PCIE」を発表。2chアナログ品質を追求しつつ,X-Fi搭載で「ゲーム用途にも」

SE-300PCIEのイメージ
WAVIO
 2011年4月8日,オンキヨーは「SE-200PCI LTD」以来3年振りとなるサウンドカードの新製品で,同社初のPCI Express x1接続モデルとなる「SE-300PCIE」を発表した。4月末発売予定となっており,予想実売価格は3万4800円前後
 最大の特徴は,オンキヨーオリジナルの2chアナログライン出力回路と,同回路をダウンサイズしたヘッドフォン出力回路とを搭載し,「X-Fi Xtreme Fidelity」(型番:CA20K2,以下型番表記)サウンドチップと組み合わせていること。「WAVIO」(ウェイビオ)と名付けられたオンキヨーのPC向けサウンドデバイスはこれまで,音楽を楽しむことに特化した設計となっていたが,SE-300PCIEでは,CA20K2の搭載とヘッドフォン出力回路の充実から,「ヘッドフォンでゲームをプレイしたい人にも向く」と位置づけられている。

 今回は,報道関係者向け説明会の内容を中心に,その技術的なポイントをまとめてみたい。

説明会場に展示されていたSE-300PCIEの量産前サンプル。メインカードと,ミニピン端子が並んだドーターカードの2枚構成となる
WAVIO


Creativeのリファレンス+オンキヨーのアナログ段

アナログ回路にはオーディオメーカーらしいこだわりが


 さて,結論めいたことから先に述べておくと,SE-300PCIEというサウンドカードは,Creative Technology(以下,Creative)が持つCA20K2搭載カードのリファレンスデザインをベースに,オンキヨーがアナログ段の設計やそのほかの改良を行い,同時に,2chアナログ出力への最適化を行うべく,ドライバレベルの調整も行った製品だ。言い換えると,ハード&ソフトの機能面やデジタル出力&アナログ入出力周りはCA20K2の基本仕様を踏襲しつつ,2chアナログ出力の高品質化を推し進めた製品,ということになる。

WAVIO
外部インタフェース
WAVIO
オンキヨー 開発センター 第1開発課 主幹技師 吉田 誠氏
 製品はメインカードとドーターカードの2ピース構成で,メインカード上のインタフェースはライン出力用のアナログRCA×2とヘッドフォン出力用の3.5mmミニピン×1,光デジタルサウンド入出力用の角形×2,同軸デジタル出力用のRCA×1で,ドーターカード側に6個並んだミニピン端子は,ライン入力,マイク入力と,7.1chアナログ出力用だ。

 メインカードで目を引くのは,2種類のカバーが取り付けられている点で,オンキヨーは「セパレートシールド」と称しているが,これらの意義は後述するとして,まずはカバーを外した状態を見てみよう。すると,銅製カバーの下に,整然と並んだアナログ回路があるのを見て取れる。
 「DIDRC」(Dynamic Intermodulation Distortion Reduction Circuitry)と名付けられたこの回路は,オンキヨーでSE-300PCIEのアナログ段を設計した吉田 誠氏いわく,20万円クラスの同社製単体アンプ製品で採用されているのと同じレベルのものとのこと。OPAMP(オペアンプ)を使わず,トランジスタと抵抗,コンデンサによるディスクリートの回路設計になっているのがポイントだ。

セパレートシールドを取り外したイメージ。写真左上の整然と並んだ回路に注目してほしい。集積度の関係から一部は手作業での実装になっているそうだ
WAVIO

DIDRC(上)とSE-300PCIEの基板。左右でシンメトリーなだけでなく,差動回路の上下もシンメトリーになっている。オーディオ機器メーカーらしい設計だ。「SE-200PCIのとき,ノイズの低減を図る『VLSC』回路を採用したが,今回は高周波ノイズを乗せないDIDRCで,より積極的なノイズ対策を行った。高周波ノイズに強いので,PCの筐体内にあってもノイズ面では問題がない」(吉田氏)
WAVIO
WAVIO
 組み合わされるD/AコンバータはTexas Instruments(Burr Brown)製の「PCM1798」×2。PCM1798は2ch出力に対応したD/Aコンバータだが,左右それぞれに1基ずつ搭載し,差動出力(=2chでそれぞれ逆相の信号を出力)することにより,サンプリング誤差で生じるサンプリングノイズを低減できるようになっている。吉田氏は基板も見せてくれたが,DIDRC回路で左右が対称構造になっているだけでなく,差動出力の上下分も対称構造になっているのは注目に値しよう(※OPAMPの場合,差動回路は上下対称でないことがほとんど)。

 吉田氏によると,OPAMPを使った場合,高級品であっても,可聴帯域外の高周波ノイズが混変調されて可聴帯域内で歪みとなる現象「ビートダウン」の発生が避けられないという。
 「ビートダウンは,OPAMPの追従性があまり高くないことや,差動回路の非対称性によって生じる」というのがオンキヨーの見解。その問題をクリアすべく,高周波特性を高め,差動回路の上下対称性を確保したDIDRCでは,OPAMPを利用した従来型のアナログ回路と比べてS/N比を大きく向上させられる,というわけである。

DIDRCのメリットを紹介するオンキヨーのスライド
WAVIO WAVIO
WAVIO WAVIO

 ライン出力段とまったく同じではないものの,ヘッドフォン回路もDIDRCとしてディスクリートで構成されている点も押さえておきたい。出力端子がミニピンなのは,「スペースの都合」(吉田氏)とされている。

セパレートシールドの外に置かれていたり,規模が小さかったりはするものの,ヘッドフォン回路もまたDIDRC構成になっている
WAVIO WAVIO

WAVIO
WAVIO
 また,アナログ段と関係する点として,電源部では,PCI Expressからの12Vと3V入力からカード上で±12Vと5Vをカード上で生成しているのも見逃せないところ。オンキヨーはこれを「絶縁型高レギュレーション±両電源」と述べているが,±12Vを生成し,差動回路にそれぞれ用いているあたりは,いい意味で「オーディオ屋さんらしいこだわり」と言えそうである。

 なお,先ほど後述するとしたセパレートシールドだが,DIDRCのアナログライン出力段を覆うのは,磁気歪みの発生を防ぐとする銅製のもの。一方,電源のDC/DCコンバータとデジタル回路用には,パルスノイズの拡散を防ぐべく,磁性体のものが採用されている。

電源周りやセパレートシールドなどに関するスライド
WAVIO WAVIO WAVIO


基本仕様はPCIe Sound Blaster X-Fiと同じながら

ドライバのルーティング周りには最適化も


CA20K2とその周辺。A/DコンバータはCirrus Logicの「CS5364」だった
WAVIO
 序盤で,Creativeのリファレンスをベースにオンキヨーがカスタマイズを行っていることと,同じく同社がドライバレベルの調整を行っていることを紹介したが,本稿の最後にまとめたとおり,基本仕様はCA20K2搭載版PCI Express Sound Blaster X-Fi Titaniumシリーズ(以下,オリジナルX-Fi Titanium)と共通だ。ハードウェアに関する部分だと,マイク入力周りの仕様は大きく変わっていないほか,デジタル入出力時のサンプリング周波数が最大96kHzになるという点も,オリジナルX-Fi Titaniumと同じである。
 また,ドライバソフトウェアの動作モードは「Game」「Entertainment」「Audio Creation」の3つで,定評あるバーチャルサラウンド機能「CMSS-3D」や,そのほか「X-Fi Crystalizer」などといったCreative独自機能も,もれなく利用できる(※ただし発表時点だと,「DTS Connect」「Dolby Digital Live」といったリアルタイムエンコード機能が利用可能かどうかは明らかになっていない)。

4月11日追記:
オンキヨーに確認が取れた。DTS ConnectおよびDolby Digital Liveには対応していないとのことだ。

説明会場のデモ機ではAudio Creationモードに設定されていた。将来的には,SE-300PCIEで音楽を聴くのを前提としたプリセットのドライバソフトウェアを提供する計画もあると吉田氏
WAVIO
 つまり,ドライバ周りを中心とした,カードとしての使い勝手はオリジナルX-Fi Titaniumと変わらないわけだが,なら,「ドライバレベルの調整とは何か」というと,マルチチャネル出力を強く志向したオリジナルX-Fi――正確には「PCI Express Sound Blaster X-Fi Titanium HD」を除く――とは異なり,アナログ2ch出力を最重要視する形で,ルーティングの最適化がなされているという。
 なお,Sound Blasterでは伝統的に,主にゲームを対象とするさまざまなエフェクトがオンになっていて,音楽試聴時に悪影響を及ぼすことがあるが,Creativeのコントロールパネルをそのまま使うSE-300PCIEでも,この影響からは逃れられない。そこでオンキヨーでは,「音楽を聴くにあたって設定すべきドライバソフトウェアの項目」を,マニュアルに記載することにしたのだそうだ。吉田氏いわく「例えば,Audio Creationモードにして,こことここをオフにする,といったようなことが書いてある」とのことで,それに従えば,SE-300PCIEの実力をフルに発揮できるようになるという。


SE-300PCIEのポイントまとめ(上)と,使い方のイメージ(下)
WAVIO
WAVIO
 ……昨今,PCにおける数万円クラスの音質向上策としては,D/Aコンバータユニットなど,USB接続の製品が花盛りだ。ただ,USB接続の製品は,レイテンシや機能面の制約から,ゲーマーの選択肢にはなかなかなりにくい。その点で,「オンキヨーのオーディオ回路を,ゲーマーにも使ってほしい」(吉田氏)というメッセージとともに登場してきたSE-300PCIEは,ゲーマーとしても,大いに注目しておきたいところだ。

 ところで,オリジナルX-Fi Titaniumに搭載されていたCA20K2は高性能なサウンドチップだが,サウンドチップが音質を決定するわけではないので,この点は押さえておく必要があるだろう。
 アナログ出力に関していうと,D/Aコンバータ以降の完成度を中心とした全体の設計こそが重要であり,サウンドチップが音質に与える影響は,ほとんどの場合,無視できるレベルだ。従来のSound Blaster製品がオーディオ的な観点からだとそれほど高い評価を受けないことが多かったのは,「CA20K2を搭載していたから」ではなく,「アナログ段の設計がゲームや映画,圧縮音楽再生を中心とした,マルチユースを志向するものになっていたため」である。
 ここにきて,アナログ回路で高い評価を持つオンキヨーが音質にこだわった製品を発表してきた。これでCA20K2の実力も正当に評価されるようになるのではないだろうか。「X-Fi(CA20K2)だから音楽には向かない」なんて思い込んでいる人がいたら,4月末に向け,一度頭をリセットしておくのが正解かもしれない。

オンキヨーのPCサウンド製品紹介ページ


●SE-300PCIEの主なスペック
  • 搭載サウンドチップ:X-Fi Xtreme Fidelity(CA20K2)
  • 接続インタフェース:PCI Express x1
  • キャッシュメモリ容量:64MB
  • S/N比:120dB(2chアナログ出力,22kHz LPF A-Weighted)
  • ライン出力レベル:2Vrms
  • マイク入力感度:20mVrms
  • デジタル出力:16・24bit / 32・44.1・48・96kHz
  • デジタル入力:16・24bit / 44.1・48・96kHz
  • ヘッドフォン対応インピーダンス:32〜600Ω
  • 出力端子:アナログRCA×2,光角形×1,同軸RCA×1,ミニピン×5(ヘッドフォン×1,フロントLR×1,サラウンドLR×1,サラウンドバックLR×1,センター/サブウーファ×1)
  • 入力端子:ミニピン×2(ステレオライン×1,ステレオマイク×1),光角形×1
  • メインカードサイズ:181(W)×126.5(D)×25(H)mm
  • ドーターカードサイズ:43.5(W)×126.5(D)×21.5(H)mm
  • 対応OS:32/64bit版Windows 7・Vista
  • 関連タイトル:

    WAVIO

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