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Intel,従来比最大37%の性能向上を実現するという3次元構造「トライゲート・トランジスタ」を発表。「Ivy Bridge」から採用へ
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印刷2011/05/06 14:09

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Intel,従来比最大37%の性能向上を実現するという3次元構造「トライゲート・トランジスタ」を発表。「Ivy Bridge」から採用へ

3次元構造を採用した新型トランジスタを発表
配信元 インテル 配信日 2011/05/06

<以下,メーカー発表文の内容をそのまま掲載しています>

3次元構造を採用した新型トランジスターを実用化へ
〜 かつてない省電力とパフォーマンス向上を実現する次世代22nmプロセス技術 〜

ニュース・ハイライト
●マイクロプロセッサーの量産技術として、画期的成果と歴史的な革新となる世界初の“トライゲート”3次元構造トランジスターを発表

●3次元トライゲート・トランジスターへの移行によって技術の進展は維持され、今後何年にもわたってムーアの法則は継続

●かつてないパフォーマンス向上と消費電力削減により、小型携帯機器から強力なクラウド・ベースのサーバーまで、将来の幅広い機器において新たな革新を実現

●3次元トライゲート・トランジスター採用の最初の22ナノメートル(nm)プロセス技術で製造されたマイクロプロセッサー“Ivy Bridge”(開発コード名)をデモンストレーション

インテル コーポレーション(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ)は本日、電子機器の微細な構成要素であるトランジスターの進化において、革新的な成果を達成したことを発表しました。シリコン・トランジスターは、50年以上前に発明されて以来初めて、トライゲートと呼ばれる革新的な3次元構造を用いて量産されることになります。2002年に初めて公表された3次元の“トライゲート”トランジスターは、22nm(ナノメートル:10億分の1メートル)プロセス技術によって量産するマイクロプロセッサー“Ivy Bridge”(開発コード名)に利用されます。

今回発表された3次元トライゲート・トランジスターは、これまで何十年もの間、コンピューターや携帯電話、デジタル家電だけでなく、自動車、宇宙船、電化製品、医療機器をはじめ、日常的に使われる多様な電子機器を制御してきた2次元のプレーナー型トランジスターとは根本的に異なるものです。

インテル コーポレーション 社長 兼 最高経営責任者(CEO)のポール・オッテリーニは「インテルの研究者と技術者は、再度、トランジスターを“再発明”しました。今回導入したのは、3次元構造です。ムーアの法則を新たな領域へと導くこの発明をもとに、世界を変革する素晴らしい機器が創り出されることになるでしょう」と述べています。

研究者は、さらなる微細化にともない物理的限界が見えてきたムーアの法則を今後も維持させるうえで、3次元構造の利点を長い間、認識していました。今回の技術的ブレイクスルーによって、インテルは3次元トライゲート・トランジスターの量産化を確立し、ムーアの法則を次の世代へと継続することに成功するとともに、さまざまな機器にこの革新的技術を適用させることがきます。

ムーアの法則は、シリコン・テクノロジーの発展について予測したものです。およそ2年ごとにトランジスターの集積度は倍増する一方、機能や性能は向上し、コストは減少するとしています。この法則は40年以上にわたり半導体業界の基本的なビジネス・モデルになっています。

■かつてないほどの省電力とパフォーマンス向上

インテルの3次元トライゲート・トランジスターは、低電圧・低リーク電流のマイクロプロセッサーの動作を可能にし、これまでの最先端トランジスターでは考えられないほどのパフォーマンス向上と電力効率を同時に実現します。これにより、マイクロプロセッサーの設計者は搭載機器に合わせて、低消費電力向け、もしくは高パフォーマンス向けかを柔軟性に選択することができます。

22nmプロセス技術に基づく3次元トライゲート・トランジスターは、従来の32nmプロセス技術に基づくプレーナー型トランジスターに対して、低電圧で最大37%のパフォーマンス向上を実現します。大幅なパフォーマンス向上により、少ない消費電力で「スイッチ」のON/OFFを繰り返さなくてはならない小型携帯機器にとって、理想的なトランジスターといえます。反対に、この新しいトランジスターは、32nmプロセス
技術に基づく2次元のプレーナー型トランジスターと同等のパフォーマンスで実行した場合、その消費電力は半分になります。

インテル コーポレーション シニアフェローのマーク・ボアは「3次元トライゲート・トランジスターによるパフォーマンス向上と電力削減は、かつてないものです。このマイルストーンは、単にムーアの法則を維持するだけにとどまりません。この低電圧と低電力による恩恵は、これまでのプロセス技術の世代交代で経験したものをはるかに超えています。この技術によって、現在の機器をさらに高機能なものにするだけでなく、全く新しい製品設計をも可能にする柔軟性を提供します。この技術革新により、インテルは半導体業界において、他社とのリードを一層広げることができると確信しています」と述べています。

■ムーアの法則による革新の維持

トランジスターはインテル共同創設者のゴードン・ムーアが提唱した経験則“ムーアの法則”に従い、小型化、低価格化、低消費電力化を継続します。これにより、インテルは革新と統合を維持でき、プロセッサーへの新機能やコンピューティング・コアの追加、パフォーマンスの向上、トランジスター当たりの製造コスト削減を実現してきました。

ムーアの法則を維持することは、22nmプロセス世代において一層複雑化しています。これを予見し、2002年にインテルの研究者が、3面あるゲートにちなんでトライゲートと呼ぶ新しいトランジスターを発明しました。本日の発表は、量産に向けインテルの非常に組織的な研究・開発・製造の連携により開発された成果です。

3次元トライゲート・トランジスターは、トランジスターの“再発明”と言えます。従来の平面的な2次元構造のプレーナー・ゲートの代わりに、驚くほど薄い3次元構造のシリコン“フィン”が、シリコン基板から垂直に立っています。電流の制御は、2次元のプレーナー型トランジスターの上面の1つのゲートだけでなく、フィンの3つの面(両側面に2つ、上面に1つ)のゲートによって行なわれます。この追加されたゲートの制御により、パフォーマンスを向上するトランジスター ON時の電流を大きくし、一方、OFF時の漏れ電流をできる限り小さくすることで消費電力を最小限に抑えており、トランジスターのON/OFF動作を非常に素早く行なうことができます。

都市設計者が利用可能な土地を最適化し高層ビルを建設するように、インテルの3次元トライゲート・トランジスター構造は、トランジスターの集積度を管理する方法を提供します。フィンはその3次元という構造的特質から、トランジスターを相互に近い位置に設置することができます。これは、ムーアの法則における技術的および経済的な恩恵を受けるために非常に重要な要素です。これからの世代においては、設計者はフィンを高くすることで、より高い性能と低消費電力を追求することができます。

インテル共同創設者のゴードン・ムーアは「この数年間、トランジスターの微細化における限界がささやかれてきました。この基本構造の革新は真の意味で革命的なアプローチであり、ムーアの法則やイノベーションの歴史的速度を、将来にわたって継続する礎となる発明です」と述べています。

■世界初の22nmプロセス技術に基づく3次元トライゲート・トランジスターをデモ

3次元トライゲート・トランジスターは、22nmプロセス・ノードと呼ばれるインテルの次世代製造プロセス技術に導入されます。22nmプロセス技術では、英文ピリオド1つの中に、このトライゲート・トランジスターを 600万個以上置くことが可能な大きさです。

インテルは本日、ノートブックPC、サーバー、デスクトップPCに利用される世界初の22nmプロセス技術に基づくマイクロプロセッサー Ivy Bridgeのデモンストレーションを行ないました。Ivy Bridgeベースのインテル Core プロセッサー・ファミリーは、3次元トライゲート・トランジスターを用いた初の量産マイクロプロセッサーです。インテルは今年後半に、Ivy Bridgeの量産を開始する予定です。

この半導体技術の革新は、また、より統合が進んだインテル Atom プロセッサー搭載製品の実現を推進します。これにより、インテル アーキテクチャーのパフォーマンス、機能性、ソフトウェア互換性が向上すると同時に、様々な市場セグメントのニーズにおける消費電力、コスト、サイズに関する要件を満たすことができるようになります。

インテルによるリリースページ

  • 関連タイトル:

    Core i7・i5・i3-3000番台(Ivy Bridge)

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