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印刷2018/10/16 20:34

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写真で見る新型ゲームPC「Trident X」。GeForce RTX 20&第9世代Coreプロセッサ搭載の薄型PCをじっくり眺めてみた

Trident X
画像集 No.025のサムネイル画像 / 写真で見る新型ゲームPC「Trident X」。GeForce RTX 20&第9世代Coreプロセッサ搭載の薄型PCをじっくり眺めてみた
 既報のとおり,中国時間2018年10月15日,MSIは,中国・深圳市の自社工場で開催したイベントで,2018年11月末に発売予定の新型ゲーマー向けデスクトップPC「Trident X」を披露した。
 容積にして10ℓというコンパクトな縦置き専用筐体に,GeForce RTX 20シリーズ搭載グラフィックスカードと第9世代Coreプロセッサを搭載するという,薄型でもハイスペックを追求したデスクトップPCだ。世界市場における発売時期は2018年11月末の予定で,最小構成時のメーカー想定売価は2699ドル(税別)となっている。

 本稿では,イベントで撮影した写真をもとに,Trident Xの特徴を細かく見ていきたい。


エアフローを最大限に重視した薄型ボディ


Trident Xのデザインスケッチ
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 まずは筐体の外観から見ていこう。
 Trident Xは,やや大きめのフットスタンド上に,縦に長い薄型のPCケースが直立したデザインとなっている。ボディ前面は,フラットな板の左右端を縦方向にそぎ落としたような形状をしており,埋め込まれた3つのLEDイルミネーションが光るという,かなり派手な見た目をしている。

Trident Xの外観におけるポイントを示したスライド
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 展示機の右側面には,一部がメッシュ状の開口部になった強化ガラス製パネルが取り付けられており,CPUクーラーを彩るLEDイルミネーションの光が目につくようになっていた。

ガラス製のパネルを取り付けた状態の右側面。吸気用の開口部がLEDイルミネーションの手前側にあるのが分かるだろう
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ガラスパネルは,ドアを開けるように開けられるので,内部へのアクセスは簡単だ
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 このガラスパネルは,筐体後部にある2つの蝶番で筐体に取り付けられており,パネルを閉じた状態では,筐体前方側に磁石で固定される。そのため,右側面パネルを開けるときは,ネジを外したりする必要は一切なく,ドアを開くように開けることが可能だ。
 また,Trident Xには半透明のガラスパネルだけでなく,不透明の金属製パネルも付属しているので,好みに応じて好きなパネルを使用できる。ただ,金属製パネルは,一般的なネジ止め式のパネルなので,ドアのように開けるギミックはない。

付属の金属製パネルと強化ガラス製パネルを並べて(左)。右のCGは,金属製パネルを付けた状態だ。金属製パネルでも,開口部からCPUクーラーのLEDイルミネーションは見える
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 一方,左側面は,不透明な金属製パネルで覆われている。こちらはネジ止め式で,ドアのように開ける機能はない。左側面パネルには,上側と下側にメッシュで覆われた開口部があり,上側はグラフィックスカードを,下側は電源ユニットを冷やす冷気を取り込む吸気孔となっている。

左側面パネルは不透明な金属製だ(左)。上部の大きな開口部はグラフィックスカードを冷やす空気の吸気孔で,グラフィックスカード上にあるLEDイルミネーションの光が漏れている。左側面パネルはネジ止め式なので,内部にアクセスするには,ネジを2つ外す必要がある(右)
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 筐体の天面側は,三角形の大きな電源ボタンがある程度で,ほとんどが開口部となっていた。この開口部からは,グラフィックスカードを冷やして温まった空気が排気される。なお,グラフィックスカードの排気は,上方だけでなく後方に排出されるそうだ。

Trident Xの天面は,メッシュの上にスリットが並んだ大きな開口部で占められていた(左)。右写真はTrident Xの背面側。下側にマザーボードのI/Oインタフェース部があり,その上に2スロットタイプのグラフィックスカードがある。グラフィックスカードの上にある開口部も排気口だ
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 冒頭でも記したが,Trident Xは縦置き専用PCであり,Trident 3のような縦置き,横置き両対応の筐体ではない。底面側は,ほぼ全体がメッシュで覆われた開口部となっており,CPUや電源ユニットから出た温かい空気を底面から排気する仕組みとなっているのだ。そのため,フットスタンドは筐体底面にガッチリと固定されている。

底面側の開口部が分かる写真を2枚掲載しておこう。CPUの排気は底面の奥側から,電源ユニットからの排気は底面の手前側から排気する
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 インタフェース類についても触れておこう。
 Trident Xは,前面の下側にUSB 3.1 Gen.1 Type-CポートとUSB 3.1 Gen.1 Type-Aポートが1つずつ,USB 2.0 Type-Aポートが1つ,そして3.5mmミニピンのマイク入力とヘッドセット出力端子を備えている。ただ,既存のゲーマー向け薄型デスクトップPCである「Trident 3」が備えていた前面側のHDMI出力端子「VR Port」は備えていない。やはりVRヘッドマウントディスプレイの接続以外では,使い道がなかったようだ。
 一方,背面側には,1000BASE-T対応の有線LAN端子や各種USBポート,CPUが内蔵する統合型グラフィックス機能用のDisplayPort 1.2出力やHDMI 1.4出力,サウンド出力端子などが並んでいる。ちょっと面白いのは,Trident 3が備えていなかったPS/2ポートがあることだ。MSI側に確認したところ,PS/2接続型の特殊な入力デバイスやセンサーなどがあるため,PS/2ポートにはニーズがあるのだそうだ。

前面下側のインタフェース類(左)。USBデバイスやヘッドセット接続用の端子類が並ぶ。筐体背面のI/Oインタフェース部には,一般的なUSBポートやサウンド用の3.5mmミニピン端子類が並んでいた(右)。PS/2ポートはキーボードやマウスよりも,特殊用途の入力デバイスを接続するためのものとのこと
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 外観を一通り眺めてみて分かるのは,Trident Xがエアフローを非常に重視した設計となっていることだ。
 MSI製のゲーマー向けデスクトップPCでは,大型の「Aegis Ti3」がそうであったように,グラフィックスカード,CPU,電源ユニットを3つの独立した区画に分けることで,エアフローを分離して冷却効率を高める構造を採用する製品が多い。筐体サイズの小さなTrident Xでも,その構造を踏襲しており,GeForce RTX 20シリーズや「K」型番の第9世代Coreプロセッサを十分に冷やせるようにと,至る所に開口部を設けてエアフローを確保しているわけだ。

Trident Xのエアフローを説明したスライド。青い流れが新鮮な空気で,赤い流れが熱を持ったホットエアである。側面から吸気し,背面と天面,底面から排気する構造だ
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 逆にいえば,これくらいの配慮をしないと,ハイエンドGPUとCPUを容積約10ℓの筐体に収めて安定的に動作させることはできないということだろう。


ユーザーによるパーツ交換を考慮した設計


 続いては,Trident Xの内部を見ていこう。
 MSIでは,Trident Xの主要なコンポーネント,つまりCPU,グラフィックスカード,ストレージ,メモリをユーザーが交換可能であると謳っている。

 たとえば右側面には,上側に2.5インチHDD,または互換SSDを取り付けられるシャドウベイが2つあり,ユーザーがストレージを交換,または増設することが可能だ。また,巨大なCPUクーラーを外せば――簡単ではなさそうに見えるが――,メモリスロットやCPU,マザーボードにアクセスできる。

Trident Xの右側面。上に2つの2.5インチHDD取り付け部があり,下にはSFX仕様の電源ユニットとCPUクーラーがある。容積10ℓのPCケースに電源ユニットまで内蔵するというのには驚かされた
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巨大なCPUクーラーの下には,Mini-ITX仕様のマザーボードが存在する(左)。CPUクーラーの左側に見える電源ユニットは,SFXタイプのものだ。メモリモジュールは,右写真で指さしているところ,すなわちCPUクーラーの下に装着されている。つまり,メモリモジュールの交換には,CPUクーラーを外さなくてはならない
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 ちなみに,マザーボードはTrident X専用のものではなく,Mini-ITX仕様の「Z370I Mortar」という製品を使っているそうだ。そのため,理論的にはマザーボードを交換することも不可能ではなさそうである。

 一方,左側面側のパネルを外すと,上側にはグラフィックスカードが,下側にはマザーボードの裏面側と電源ユニットのファンがあった。

左側面のパネルを開けた状態。上側にグラフィックスカードがあり,下の背面側にマザーボード,前面側に電源ユニットがある
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グラフィックスカードを拡大したところ。カード長は約269mmで,厚みは約50mm。高さ方向には余裕があるものの,カード長は約300mm弱が限界で,厚みの余裕はない
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 デモ機に装着されていたグラフィックスカードは,国内でも販売中の「GeForce RTX 2080 VENTUS 8G OC」であるという。
 一見すると,グラフィックスカードの周囲には余裕があるようで,より大型のカードを取り付けられそうに見えるが,巻き尺で大雑把に測ってみたところ,カード長は約300mm弱――取り付けの難度を考慮すると290mm程度が無難――,カードの厚みは約50mmが限界のようだ。また,Trident Xに取り付けられるのは,外排気仕様のクーラーを搭載するグラフィックスカードの必要があるそうで,なんでも取り付けられるというわけにはいかない。

M.2 SSDの表面に,熱伝導シートが貼り付けてあり,シートはさらに左側面パネルに貼り付いて,熱を外に逃がすという仕組みである
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 左側面側でちょっと面白かったのは,マザーボードの裏面に取り付けられていたM.2タイプのSSDに,ヒートシンク代わりの熱伝導シートが貼り付けられていたことだ。このシートは,左側面パネルを閉じた状態では,パネルの内側に貼り付くようになっており,つまりはパネル全体を巨大なヒートシンク代わりにして放熱できるようになっているのだという。
 Mini-ITXタイプのマザーボードでは,背面側に取り付けたM.2 SSDをいかにして冷却するかが課題になるもの。その点,Trident Xは,シンプルかつ合理的な仕組みで問題を解決しているわけだ。

そのほかの特徴を示したスライド。LEDイルミネーションは,MSI独自のカラーLED同期技術「Mystic Light」に対応する(左)。また,オンオードのサウンド機能は,サウンドプロセッサスイート「Nahimic 3」に対応しており,バーチャルサラウンド再生が可能だ(右)
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 MSIでは,Trident Xと,ASUSTeK Computer製の小型ゲーマー向けデスクトップPC「ASUS G21」を比較して,性能とコンパクトさ,見せる要素のすべてで勝っているとアピールしていた。容積約10ℓの筐体に,ハイエンドのGPUとCPU,さらに電源ユニットまで内蔵してしまったというのは,現状では唯一無二の特徴と言っても間違いないだろう。

Trident Xと,ASUS G21を比較したスライド。ASUS G21は,容積13ℓでACアダプター方式であるが,Trident Xは10ℓでありながら,電源ユニットまで内蔵しているとアピール。性能面でも大きな差がある
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 問題は,最も安価なモデルでも2699ドル(税別)という価格である。Trident Xは,ある意味で「いつかは欲しい,憧れの省スペースハイエンドPC」といった位置付けの製品となるかもしれない。

●Trident Xの主なスペック
  • CPU:第9世代Coreプロセッサ
    ・Core i7-9700K(8C8T,定格3.6GHz,最大4.9GHz,共有L3キャッシュ容量12MB)
    ・Core i9-9900K(8C16T,定格3.6GHz,最大5GHz,共有L3キャッシュ容量16MB)
  • チップセット:Intel Z370
  • メインメモリ:PC4-21300 DDR4 SDRAM×2,最大32GB
  • グラフィックス:GeForce RTX 20シリーズ搭載カード
    ・GeForce RTX 2070(グラフィックスメモリ容量8GB)
    ・GeForce RTX 2080(グラフィックスメモリ容量8GB)
    ・GeForce RTX 2080 Ti(グラフィックスメモリ容量11GB)
  • ストレージ:SSD(M.2接続,最大1基),HDD(Serial ATA接続,最大2基)
  • 無線LAN:IEEE 802.11ac+Bluetooth 4.2(※「Intel Dual Band Wireless」とされる)
  • 有線LAN:1000BASE-T(Intel「I219-V」)
  • 外部インタフェース:USB 3.1 Gen.2 Type-A×1,USB 3.1 Gen.2 Type-C×1,USB 3.1 Gen.1 Type-A×2,USB 2.0 Type-A×2,DisplayPort 1.2出力×1,HDMI 1.4出力×1,3極3.5mmミニピン×5(※ヘッドフォン出力,およびマイク入力用),角型光デジタル出力×1など
  • 電源:内蔵 450W 80Plus Bronze,650W 80Plus Gold
  • 公称本体サイズ:129.74(W)×382.73(D)×396.39(H)mm
  • 公称本体重量:6.55kg(通常型サイドパネル時),9.5kg(ガラスパネル時)
  • OS:64bit版Windows 10 Home

MSIのTrident X製品情報ページ(英語)

  • 関連タイトル:

    G Series

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