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Fusion APU「E-350」ファーストインプレッション。位置づけからすると3D性能は確かに高い
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印刷2011/01/24 00:00

テストレポート

Fusion APU「E-350」ファーストインプレッション。位置づけからすると3D性能は確かに高い

Fusion APUのイメージ。E-Series&C-SeriesはBGAパッケージで提供されるため,単体で購入して,マザーボードに差すといったことはできない
AMD E-Series,AMD C-Series
 AMDは,CPUとRadeon GPUを1つのダイに統合するFusion APU(APU:Accelerated Processing Unit)を,日本時間2011年1月4日,正式に発表した。Fusion APU時代の幕開けを告げたのは,低価格PC向けプロセッサである「E-Series」「C-Series」の2モデル。発表に合わせてお伝えした記事にもあるとおり,開発コードネーム「Zacate」(ザカテ)と呼ばれていたE-SeriesはPentium 6000シリーズ,同「Ontario」(オンタリオ)ことC-SeriesはAtomシリーズのそれぞれ対抗製品とされている。

E350IA-E45
メーカー:MSI
価格:未定(※2011年1月24日現在)
AMD E-Series,AMD C-Series
 E-Series&C-SeriesのFusion APUは,BGAパッケージで提供されるため,エンドユーザーはノートPCか搭載マザーボードという形で入手する必要があるが,今回4Gamerでは,発表時点の最上位モデルとなる「E-350/1.6GHz」(※AMDによる正式名称は「AMD Dual-Core Processor E-350」)を実装するMSI製マザーボード「E350IA-E45」を入手したので,まずはそのポテンシャルを,ファーストインプレッションとしてお届けしたいと思う。


Brazosプラットフォームを

実機であらためて確認


第1世代Fusion APUの機能ブロック図。少々誤解を招きそうな図だが,DDR3-1066メモリコントローラはシングルチャネルだ
AMD E-Series,AMD C-Series
 第1世代のFusion APUは,「Bobcat」(ボブキャット)と呼ばれる新開発のCPUコアと,Radeon HD 6000シリーズのGPUコア,さらにDDR3-1066対応のメモリコントローラやPCI Expressインタフェースなどが1つのダイに統合されていることが大きな特徴となる。右に示したのはAMDが公開しているダイの機能ブロック図だが,GPUコアがダイの大部分を占めている一方,Bobcatコアは非常に小さいのが分かるだろう。

 アーキテクチャの詳細は1月4日の記事で本間 文氏が解説しているので,ぜひそちらを併せてチェックしてほしいと思うが,Bobcatコアの演算ユニットは現行のK8系やK10系に比べてもかなり少なく,「2命令発行のスーパースカラ」という点では,Atomに近いアーキテクチャとされる。In-Orderに命令を実行するAtomに対し,Out-of-Orderで命令を実行するので,Atomより(少しだけ)高級なCPUコア,といったところか。

 L1キャッシュは命令32KB+データ32KBの分離型で,Bobcatコアに統合。機能ブロック図から見て取れるように,L2キャッシュはBobcatコアごとに独立して持つ形となっており,容量は各512KBだ。

AMDの資料より,Bobcatコアの概要。Bobcatコアは2命令同時発行パイプラインで,現行製品だとAtomやVIA TechnologiesのC7系に近い発想だが,スライドに「Full OOO」(OOO:Out-Of-Order)とあるように,命令順を入れ替えて効率的に命令を実行できる点で,これら競合製品より“少し偉い”といえる
AMD E-Series,AMD C-Series

E-350。刻印は「EME350GBB22GT」となっていた。公称のダイサイズは75mm2で,実測でも9.3×8.1mmだった。ちなみにパッケージサイズは同19×19mm
AMD E-Series,AMD C-Series
 Fusion APUにおける主役となるDirectX 11世代のGPUコアだが,E-Seriesでは「Radeon HD 6310」(以下,HD 6310)というブランド名が与えられている。
 HD 6310は,80基の「Streaming Processor」を持つGPUコアで,スペック&性能的には「ATI Mobility Radeon HD 5430」相当とのこと。ただし,固定機能のビデオデコーダ「UVD」は,Radeon HD 6000シリーズということで「UVD 3」へと進化しており,CPU負荷ほぼゼロのMPEG-2・DivX・XviDデコードやBlu-ray 3D対応を実現している。

E-350のGPUアーキテクチャブロックダイアグラム
AMD E-Series,AMD C-Series

こちらはFCH。ダイサイズは実測7.2×5.2mmだった。パッケージサイズは同23×23mm
AMD E-Series,AMD C-Series
 「UMI」(Unified Media Interface」でFusion APUと接続されるチップセットは,開発コードネーム「Hudson」(ハドソン)こと「FCH」(Fusion Controller Hub)。4レーンのPCI Express 2.0インタフェース,6ポートのSATA 6Gbps,14ポートのUSB 2.0,2ポートのUSB 1.1といったコントローラが集積されている。

 Fusion APUとFCHによるプラットフォームは「Brazos」(ブラゾス)と呼ばれており,今回,AMDの日本法人である日本AMDから入手したE350IA-E45も,このBrazosプラットフォームをベースとしたものということになる。フォームファクタはMini-ITXだ。

E350IA-E45。FCHレベルでも多機能なのだが,それらに加え,ルネサス エレクトロニクス「μPD720200F1」による2ポートのUSB 3.0や,Realtek Semiconductor製の1000BASE-Tコントローラ「RTL8111E」,アナログ7.1ch出力対応のRealtek Semiconductor製HD Audio CODEC「AL887」が搭載されている。なお,電源部とI/Oインタフェース部の間に見える四角いチップはFintek製のSuper I/Oコントローラ「F71808」である
AMD E-Series,AMD C-Series

※2011年1月25日11:30追記
 エムエスアイコンピュータージャパンから,「製品版」とされる画像データを入手できたのでお届けしたい。

AMD E-Series,AMD C-Series AMD E-Series,AMD C-Series

 クーラーユニットがE-350とFCHを覆うアクティブ型になっており,ぐっと“冷えそう”になっているのが分かる。一方ボード自体は,今回テストしたレビュワー向けサンプルから変わっていないようだ。なお,現在のところ国内発売日,価格はともに未定とのこと。


AMD E-Series,AMD C-Series
 マニュアルに記載はないのだが,コイルの数からすると,電源部は3+2フェーズだろうか。
 目を引くのは,40mm角のファンが載った高さ実測20mmのヒートシンクがE-350に取り付けられていることと,同12mmのヒートシンクがFCHに取り付けられていること。PCI Express x16スロットは内部でPCI Express 2.0 x4接続になっているが,これはFCHの仕様によるものなのでやむを得まい。
 4ポート用意されたSerial ATAコネクタは,いずれもSerial ATA 6Gbps対応だ。

I/Oインタフェース部には,HDMI×1,D-Sub 15ピン(アナログRGB)×1,USB 3.0×2,USB 2.0×6,PS/2×1(マウス&キーボード両対応),7.1chアナログサウンド出力,マイク入力,同軸&光デジタルサウンド出力が用意されている。DVI-Iがないのは惜しいところだが,Mini-ITXマザーボードということを考えれば十分すぎるほど充実しているといっていいだろう。なお,ボード裏面に追いやられたコントローラやコネクタなどはない
AMD E-Series,AMD C-Series AMD E-Series,AMD C-Series
Brazosプラットフォームの概要。FCHは「A50M」と「A45」が用意され,前者はUMIの世代がGen.1で,Serial ATA 6Gbp対応,後者はGen.2でSerial ATA 3Gbps&PCI対応になるとのこと。なので,E350IA-E45で搭載されているのはA50M FCHということになりそうだ
AMD E-Series,AMD C-Series

 BIOS設定画面を撮影してみたので,以下,参考までにいくつか掲載しておくが,設定できる項目はごくシンプルなもので,“Fusion APUならでは”といったものはとくになかった。一応,「Overclocking」というメニューもありはするのだが,メモリクロックとメモリ電圧,タイミングの設定ができるだけだった。
 もっとも,今回入手した個体だとBIOSはβ版だったので,製品版で設定が追加される可能性は残されている。

BIOSはUEFIベースだが,設定メニューにこれといった特徴はなく,グラフィックス周りでは統合型GPUの有効/無効を切り替える機能しか用意されていない。Overclockingメニューでも,設定できるのは基本的にDIMM周りだけだ。なお,PC3-10600モジュールを差したところ,メモリコントローラは当然のようにDDR3-1333で立ち上がった。仕様上はオーバークロック動作になるが,DDR3-1333であれば問題なく対応できる,ということなのかもしれない(※オーバークロック動作は自己責任です)
AMD E-Series,AMD C-Series AMD E-Series,AMD C-Series AMD E-Series,AMD C-Series
AMD E-Series,AMD C-Series AMD E-Series,AMD C-Series AMD E-Series,AMD C-Series


レビュワー向けのβドライバで検証

ノートPCならCCC2から電源管理が可能?


 今回用いたドライバは,AMDから全世界のレビュワーに配布された「Brazos BETA driver」。ドライババージョンの記載は許可されていないが,「Catalyst 10.12」でプレビュー版が提供された新UI「Catalyst Control Center 2」が今回は標準でセットアップされているあたりから,何年何月版がベースなのかは推測してもらえればと思う。

CCC2。ぱっと見る限り,3DやAvivo周りの設定項目に単体GPUとの違いはなさそうだ
AMD E-Series,AMD C-Series AMD E-Series,AMD C-Series AMD E-Series,AMD C-Series
AMD E-Series,AMD C-Series AMD E-Series,AMD C-Series AMD E-Series,AMD C-Series

「CPU電源」メニュー。今回のテスト環境では何も設定できなかった
AMD E-Series,AMD C-Series
 さて,このCCC2だが,面白いのは,Windows側の設定と連動した「電源プロファイル」,そして,今回の環境ではまったく機能しない「CPU電源」という項目が用意されていたこと。後者は,「CPU速度範囲を管理し、システムのパフォーマンスと電力消費のバランスを調整します」(※原文ママ)とあるので,ノートPCにおいて,ACアダプタによる給電時と,バッテリー駆動時とで,動作クロックの増減範囲を指定できる項目なのだろう。

 また,GPUの省電力機能である「PowerPlay」に関する項目があり,こちらは設定を変更できたのだが,今回のテスト環境では,プルダウンメニューを変更しても,GPUクロックが変化したと,はっきりは確認できなかった。最も省電力寄りの設定にしてベンチマークアプリケーションを回せばいいのだが,今回はテストスケジュールが極めてタイトで,その時間が取れなかったのだ。この点は宿題とさせてほしい。
 なお,今回はドライバをインストールした状態のデフォルト設定である「PowerPlay有効」&「パフォーマンスを最大にする」で揃えることにしている。

左が「電源プロファイル」,右が「PowerPlay」のメニュー
AMD E-Series,AMD C-Series AMD E-Series,AMD C-Series

 さて,こんなBrazosプラットフォームを何と比較するかだが,マザーボードが筆者の手元にやってきたのが1月20日のこと。その状況から,一刻も早くテスト結果をお伝えするには,テスト対象を絞る必要があり,今回は基本的に,AMDのローエンドシステムとのみ比較することにした。具体的には,容量128MBの専用キャッシュメモリ「SidePort Memory」を搭載する「AMD 890GX」マザーボードに,「Athlon II X2 250e/3.0GHz」を組み合わせた,ローエンドのデスクトップPC(以下,890GX+X2 250e)を用意している。

 AMD 890GXに統合されるGPUコア「ATI Radeon HD 4290」のシェーダプロセッサ数は40基と,Radeon HD 6310の半分。一方,CPUの動作クロックは約2倍の開きがあることになる。

 また,ちょうど手元に「Atom D525/1.50GHz」搭載のIntel製Mini-ITXマザーボード「D525MW」があったので,直接の競合ではない――冒頭でも紹介したとおり,Atomへの対抗製品はC-Seriesとされている――が,参考までに比較してみたいと思う。D525Wには64bit版Windows 7をセットアップできないので,32bit版をインストールしているなど,横並びの比較にはあまり適さない。あくまでも参考と捉えてほしい。
 このほか,具体的なテスト環境はのとおり。先述のとおり,PC3-10600 DDR3 SDRAM DIMMを差したところ,そのまま認識されたので,今回は本設定でテストを行う。

お詫びと訂正
初出時,Atom D525の動作クロックと統合型グラフィックス機能のブランド名表記を誤っていました。お詫びして訂正いたします

 テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション10.2準拠。ただし,ローエンドクラスということで,今回はタイトルを「3DMark06」(Build 1.2.0)と「Battlefield: Bad Company 2」(以下,BFBC2),「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,Call of Duty 4),「Just Cause 2」「バイオハザード5」に絞った。
 このうち,BFBC2とJust Cause 2は「低負荷設定」でも負荷が高いと思われたため,「Sandy Bridge」のGPUコアを評価したレビュー記事と同じ「特別設定」を適用。ほかは「標準設定」「エントリー設定」を用いる点や,解像度を1024×768&1280×1024ドットに絞った点も,同レビュー記事と同じだ。


ローエンドのデスクトップPCと

同等の3D性能を発揮


 まずは3DMark06の総合スコアを見てみよう(グラフ1)。
 総合スコアで,E-350と890GX+X2 250eは,面白いほど横並びに近い結果となっている。1024×768ドットで890GX+X2 250eに対してスコアが1%低いE-350が,1280×1024ドットでは逆に7%高いスコアを出しているというのも興味深い。CPUパワーで勝る890GX+X2 250eが低解像度で,GPUパワーで勝るE-350が高解像度で,それぞれ強みを発揮しているというわけだ。
 なお,(当たり前といえばそれまでだが)Atom D525はまったく勝負になっていない。実際,ベンチマークテスト中は“紙芝居”“パラパラ漫画”といったところだった。


 低解像度と高解像度における力関係の違いを裏付ける証拠となりそうなのが,総合スコアから,CPU Scoreを抽出したグラフ2だ。CPU Scoreは原則として解像度設定に左右されない(※どの設定を選択してもCPU Testは同じ解像度で実行される)ので,今回は1024×768ドット時のスコアを見るが,1.6GHz動作のE-350が示した値は,3.0GHz動作するAthlon II X2 250eの44%。半分にも達していない。
 もっとも,冷静になってみると,Bobcatコアは極めて小さいわけで,それを踏まえると,1MHzあたりの性能でX2 250e比82%というのは,いい線ではないかとも思う。また,Out-of-Order実行の効果か,CPU ScoreでAtom D525より19%高いスコアというのも,悪くはない。


 グラフ1の結果から,Atom D525との比較は意味がないと思われるため,ここからはE-350と890GX+X2 250eのみで比較していこう。
 グラフ3〜7は,3DMark06のデフォルト設定である標準設定の1280×1024ドットで,Feature Testを実行した結果だ。

 「Fill Rate」(フィルレート)のスコアをまとめたグラフ3では,「Single-Texturing」よりもシェーダプロセッサの関与が大きくなる「Multi-Texturing」において,E-350が890GX+X2 250eに対し36%高いスコアを示した。80基のシェーダプロセッサを搭載するE-350の優位性が出た結果だろう。


 「Pixel Shader」(ピクセルシェーダ)は,シェーダプロセッサ数をほぼ素直に反映した結果となった(グラフ4)。さすがにきっちり2倍というわけではないが,E-350のスコアは,890GX+X2 250e比で76%高い。
 少々不思議な結果となったのがグラフ5の「Vertex Shader」(頂点シェーダ)で,「Simple」では890GX+X2 250eが優勢,「Complex」ではE-350が若干高いスコアにまとまっている。統合型GPUコアの世代が古いAMD 890GXでは,シンプルな頂点シェーダの実行に重点をおいた作りになっている可能性があるかもしれない。


 Shader Model 3世代の演算性能を見る「Shader Particles」(シェーダパーティクル)と「Perlin Noize」(パーリンノイズ)の結果はグラフ6,7のとおり。
 より深いシェーダプログラムの実行を測るPerlin Noizeで,E-350が890GX+X2 250eに対し71%高いスコアを示しているのは,ピクセルシェーダ性能の違いがそのまま反映されているのだろう。


 以上,全体として,統合されるGPUコア世代の違いとシェーダプロセッサ数の違いが現れている。GPU性能はE-350のほうが高そうだといえるが,これは実際のゲームアプリケーションを前に,どういった形で出てくるだろう。特別設定で実行したBFBC2のテスト結果がグラフ8だ。

 いずれもプレイアブルなフレームレートではないが,1024×768ドットでほぼ横並びのところ,1280×1024ドットでE-350が890GX+X2 250eに対して26%高いスコアを示している点には注目しておきたい。要するに,3DMark06の総合スコアと同じ傾向になっているわけである。


 標準設定で実行したCall of Duty 4は,テストした中では最も描画負荷の低い,DirectX 9世代のゲームタイトルだが,いずれの解像度でもスコアはほぼ横並び(グラフ9)。1024×768ドットなら,あと少し描画設定を下げれば遊べなくはない,といった平均フレームレートになっている。好意的に言うなら,いわゆる“軽い”ゲームタイトルに向けて希望を感じさせるスコアといったところか。


 DirectX 10世代のJust Cause 2を特別設定で実行した結果がグラフ10だが,ここではいずれの解像度でもE-350が890GX+X2 250eに対して40〜50%高いスコアを示した。Just Cause 2はメモリ周りの性能がスコアを左右しやすいだけに,メモリコントローラと1つのダイに統合された効果か? とも思えるが,AMD 890GXのほうにもSidePort Memoryがあるわけで,何ともいえない。むしろシェーダプロセッサ数の違いがスコアを分けたような雰囲気もある。


 性能検証の最後はエントリー設定で実行したバイオハザード5。ここではE-350のスコアが解像度を上げても落ちていない(グラフ11)。バイオハザード5はCPU性能がスコアを左右しやすいので,1024×768ドットで,890GX+X2 250eはCPUパワーでスコアを稼いでいるのかもしれない。



ローエンドPCより圧倒的に低い消費電力

〜Atomと同等か?


 Brazosプラットフォームで,3D性能と同様に注目すべき要素が消費電力であることに,異論のある人はいないだろう。プラットフォーム全体のTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)がわずか21WとされるBrazosはどれだけ低いのか,気になるところだ。
 いつものように,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いてシステム全体の消費電力を計測してみたい。OSの起動後,30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を示した時点をタイトルごとの実行時として,結果をまとめたものがグラフ12となる。

 E-350と890GX+X2 250eの違いは一目瞭然。E-350はアイドル時に20W低く,アプリケーション実行時は半分弱〜半分強だ。もちろん,マザーボードの大きさそれ自体が異なる以上,横並びの比較はできないのだが,それでも衝撃的な結果だとはいえる。また,OSが異なるうえ,アプリケーション実行時のデータが少ないので,これも横並びの比較には適さないが,少なくともMini-ITXのBrazosマザーボードが,Atomマザーボードとそれほど変わらない消費電力であるとは期待してもよさそうだ。
 これだけ低ければ,ACアダプタでの運用も十分に可能だと思われ,個人的にはちょっとわくわくしている。


 なお,今回はCPU温度の比較を行っていないが,これはE-350のCPU温度を取れるツールを見つけられなかったためだ。おおまかには消費電力=発熱と見ていいので,Atomレベルの発熱には収まっていると見ても,見当違いということはないと思う。


カジュアルタイトル向け小型PC

&ノートPCの可能性を提示するFusion APU


 以上,E-350,そしてBrazosプラットフォームのMini-ITXマザーボードが持つポテンシャルを見てきた。890GX+X2 250eとほぼ同等か若干高い3D性能をどう捉えるかは意見が分かれそうだが,「ノートPC用のローエンド単体GPUと同等の性能」を持っているとはいえるかもしれない。
 DirectX 11対応といっても,DirectX 11世代の3Dゲームをプレイするのはまず無理。それどころか,DirectX 9世代であっても,グラフィックスの美しさをウリにするようなタイトルをマトモにできるとは期待しないほうがいいだろう。しかし同時に,Call of Duty 4のスコアからは,3Dオンラインゲームなら,全部とは言えないまでもプレイできそうな気配も感じるわけで,ゲーマーとしてBrazosに期待するとすれば,小型PC,あるいは小型ノートPCで,描画負荷の低い3Dオンラインタイトルやカジュアルタイトルをプレイできる可能性,といったところになりそうだ。

 ただ,Brazosプラットフォームには,“フレームレートに現れないもっさり感”があったことも,付記しておきたいと思う。
 今回のテストに合わせて,BFBC2のシングルプレイをしてみたりしたのだが,Brazosプラットフォームで目に付いたのは,マップの読み出しにかかる時間の長さだった。計測してみたところ,890GX+X2 250eと比べて約2倍の時間がかかっており,少しいらいらさせられる。

 また,トリガーを引いたときの印象も異なる。890GX+X2 250eでも画面描画はカクカクしているのだが,トリガーには素直に反応してくれている印象があった。これに対して,E-350ではややラグがあり,「CPU性能的には,Pentium 6000シリーズの競合製品というよりも,Atomの対抗製品と捉えたほうがいいのではないか」という気もする。ひょっとすると3Dオンライン&カジュアルタイトルでも,リアルタイム性の少ないゲーム向けかもしれない。
 このあたりはレビュー記事を待ってほしいが,そういう気配があったということは,憶えておいてほしいと思う。

Fusion APU公式紹介ページ(英語)


  • 関連タイトル:

    AMD E-Series,AMD C-Series

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