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【ミートたけし】当たり前はいつから当たり前なのか?
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印刷2024/06/30 10:00

連載

【ミートたけし】当たり前はいつから当たり前なのか?

ミートたけし /  川村 竜  / ベーシスト,作編曲家 ,ストリーマー

画像集 No.001のサムネイル画像 / 【ミートたけし】当たり前はいつから当たり前なのか?

ミートたけしの「世界の平和が俺を守る!」

ミートたけしYouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@meatalk


第9回:当たり前はいつから当たり前なのか?


 先日,「ストリートファイター6」PC / PlayStation 5 / Xbox Series X|S PlayStation 4)の追加キャラが発表された。


 ベガ,エレナはいいだろう。だがテリー,舞,お前達はどうなんだ? 過去シリーズからのキャラクター,主ににコーディーが実装されていないのに他社の別作品からのキャラクターが我が物顔で闊歩する(超偏見)なんて,許されるとでも思っているのだろうか?
 もちろん「餓狼伝説」も素晴らしい作品だしテリーも舞もキャラ自体はとても魅力的だ。しかし,それとこれは別で,やはりもっと過去シリーズからのキャラクター,主にコーディーを実装してからでも遅くはなかったのではないだろうか?

 とまぁ,これはコーディーがなかなか出ないことへの個人的ないら立ちからくる,ただの八つ当たりなのでどうでも良いのだけど。今回の他作品キャラ実装に対する感想をいろいろ眺めていると,今回の記事のタイトル「当たり前はいつから当たり前なのか」を考えるきっかけになった。
 どういうことかというと,テリー&舞の実装に対して僕のように否定的(主に過去作のキャラ,新キャラがそろってからでも良かった)な意見の方もいれば,もちろん肯定的な意見の方もいた。元から「餓狼伝説」をやりこんでいた方々,テリー,舞が好きな方々。そして一番ハッとさせられたのは「餓狼伝説」を知らない層,世代にとって,この2人は立派な「新キャラ」扱いになる,ということだ。
 世代や環境によって物事を見る視点は当然異なるわけだが,そんな当たり前のことを忘れていたなぁ,と思わせてくれる出来事だった

 これは最近の映画でも似たようなことが起きていると思う。今では過去作から10年や20年経って続編が作られるということも珍しくはなくなってきたが,それでも俺がびっくりしたのは「ピーターパン」「ゴーストバスターズ」「トップガン」などの続編だ。どの映画もリアルタイムで見ていたし好きな作品だったので,2000年代に入ってからこれらの作品の続編が発表される度に,凄まじい感動と興奮を抑えきれなかった。
 しかしこの感動は先ほどの“10年や20年経って”というのがポイントだ。よく「空腹は最高のスパイス」なんて言葉を聞くけれども,この話にもまったく同じことが言えるだろう。間に流れた時間が長ければ長いほど感動と興奮は増すのだ。

 と,ここで最初のテリー&舞の話にどうつながるかというと,先述の肯定派の中の過去作を知らない層,世代においては,これら続編達も“新作映画”と同じ扱いになるということだ。この立場の違い,受け止め方の違いは,それぞれにメリットとデメリットがある
 “続編”として享受する立場の人間にとっては,先ほども言ったとおり,前作から経過した時間がノスタルジーを呼び起こし,感動へとつながるだろう。
 “新作”として享受する立場の人間にとっては,その言葉のとおり新しい作品に対してフレッシュな感想を持つのは当然であり,それは“続編享受勢”は持ち得ない感情だと思う。
 しかし過去作からのオマージュであったりつながりであったり,そういう演出のすべてを楽しむのは“新作享受勢”には難しいだろう。


「スター・ウォーズ」シリーズから見る“当たり前”の齟齬


 僕で言えば「スター・ウォーズ」シリーズがそれに当たる。一応,旧三部作,新三部作,続三部作と「ハン・ソロ」「ローグ・ワン」「マンダロリアン」などスピンオフも観てはいるのだが,最初に見たのは新三部作からだった。いわゆるエピソード1〜3だ。

 一応「スター・ウォーズ」シリーズに明るくない方に説明すると……。え? そんなこといちいち説明するまでもないって? 甘い,甘すぎるよ。いつから君の当たり前が当たり前だと思っていた? そう,このような部分でも自分の中の“当たり前”が,すべての人間に通用すると思ってはいけない,という良い例なのだ。

 さて,気を取り直してもう一度。

 一応「スター・ウォーズ」シリーズに明るくない方に説明すると,このシリーズはナンバリングと公開の順番が異なる。1977年に公開された「スター・ウォーズ」の第一作は,ナンバリング的にはエピソード4となる。そこからエピソード5,6と順次公開され,その後16年の時間を経て,「スター・ウォーズ/ファントム・メナス(エピソード1)」が公開された。
 つまり時系列で言うと,4,5,6,1,2,3,7,8,9と言う順番で,「スター・ウォーズ」シリーズは公開された。

 僕自信が「スター・ウォーズ」を見始めたのは,いわゆる新三部作と呼ばれるシリーズからだった。中学生の頃,超が付く程の「スター・ウォーズ」フリークだったS君から,16年ぶりに新作が公開される! と熱弁され,それをきっかけに見始めた。
 そのとき,S君はしきりに「今から見られる人は幸せ者だ!」と言っていた。それはナンバリング順にこの作品を見られるのからだ,と。しかしS君の作品への情熱が故に目を曇らせてしまうことがあった。

 前項で書いた「立場の違い,受け止め方の違いは,それぞれにメリットとデメリットがある」の,デメリットの部分が襲いかかってくる事になる。
 1,2,3の新三部作を見てから旧三部作4,5,6を観ると,どうしても映像の古さ,VFX技術のチープさ(16年で圧倒的に進化した裏返しでもある)が気になってしまって,映画全体への評価がS君達のそれと乖離してしまうのだ。
 作品に対する並々ならぬ愛情が“当たり前”になっているS君にとっては,映像の古さ,技術の低さは何も気にならないが,その時点での映像の新しさや技術が“当たり前”になっていて,かつ,S君ほどの情熱がない自分にとっては,その古さ,技術の低さは十分にマイナスに映るものだった。
 やはりここでもお互いの“当たり前”の齟齬,という問題が生じた。

「スター・ウォーズ」を語るもMARVEL派な筆者
画像集 No.004のサムネイル画像 / 【ミートたけし】当たり前はいつから当たり前なのか?

 と,ここまで考えてやっと,テリーと舞の加入を受け入れる準備ができた。準備ができただけで,まだ受け入れることはできないけどな!
 間違っていることに対して,間違っていてると指摘するのは大切なことだが,それでも否定的な意見というのはそれを発するのも受けるのもあまりいい気分にはならない。なので「スター・ウォーズ」を使って長々説明してきたが,テリーと舞を楽しみにしている人がいる限りは,なんとかして自分の中の否定的な気持ちを抑えたいな,という思いだ。

 でもカプコンさん。こんな気持ちもコーディーさんを出してくれれば一発で解消よ? しかしながら出ないものは仕方がない。とりあえずベガは触ってみようと思っているが,僕の中の“当たり前”だった若本さんの声じゃない!? という話もあるにはあるんだけれど“当たり前”に関してはもう十分書かせていただいたので,ここでは抑えようじゃないか。
 それよりもやはりスト6にあまり関われていない,と言う現状が
心の中に寂しさや焦燥感のようなものを生んでいるのも確かなので,何かプレイ以外の形でスト6を盛り上げられないか,関われないか……ということで,プロゲーマーのトラボをスポンサードすることにした。


トラボへのスポンサード! その理由とは?


 ここに来ていきなりまったく違う話題をぶち込むあたりに,自分のエンターテイナーとしての資質を感じたいのだが,単純に“当たり前”の話以外にお伝えしたいことがあるだけだ。

 6月27日に配信された,総師範KSK宇佐美典也さんの番組で,トラボへのスポンサードを発表した。元々はKSKが立ち上げたゲーミングチームLa VISIONへのスポンサードをお願いされたのが始まりで,前述のとおり,何らかの形でスト6に関わり盛り上げたいと思っていた自分にとっては,むしろありがたい打診ではあった。
 では,なぜトラボへのスポンサーを決めたか,というと。
 実はトラボとは何度か,いや一回だけかな? ご飯を食べに行ったことがあってその時に僕がいつものように,とってもいい話をしていたのにトラボはスマホをいじっており,隣にいた板ザン氏に「トラボ,さーすがにそれはないよ?」と言わせるくらいの大物っぷりが気に入った。
 とかではなく,選べる選手が三太郎とトラボしかいなかったので消去法だった。

La VISION プロデューサー総師範KSKと筆者(と大須 晶
画像集 No.002のサムネイル画像 / 【ミートたけし】当たり前はいつから当たり前なのか?

 しかしせっかくスポンサードするからには本当に頑張ってほしい! ほかにもいろんな形で,自分にしかできない形で格ゲー界には恩返しをしたいと思っているので,何かいいアイデアがあれば,皆さんからもじゃんじゃん募集したい

 やはり人生は楽しんでなんぼ。
 でも一人だと何にも楽しくないのも人生。
 いろんな“当たり前”があって当然!
 自分と違う“当たり前”も楽しんだもん勝ち!
 人の数だけ“当たり前”があっていいじゃない!
 つまり世界の平和が俺を守るのが“当たり前”ってわけ!

スポンサードすることになったトラボと泥酔してる筆者
画像集 No.003のサムネイル画像 / 【ミートたけし】当たり前はいつから当たり前なのか?

■■ミートたけし / 川村 竜(ベーシスト,作編曲家 ,ストリーマー)■■
ベーシストとして国内外各所でライブやコンサートで演奏活動をしつつ,配信活動も活発に行っているミートたけしこと川村 竜さん。現在は主にYouTubeチャンネル「ミートたけし-MEAT TAKESHI-」とTwitchチャンネル「ミートたけしの『太くてニューゲーム』」で,雑談配信をしたりゲーム配信をしたりと大忙しの様子です。
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