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  • 任天堂
  • 発売日:2015/05/28
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【ヒャダイン】「Splatoon(スプラトゥーン)」に希望を感じた
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印刷2015/07/31 00:00

連載

【ヒャダイン】「Splatoon(スプラトゥーン)」に希望を感じた

ヒャダイン /  音楽クリエイター

ヒャダインの「あの時俺は若かった」

ブログ:http://ameblo.jp/hyadain/


第43回「『Splatoon(スプラトゥーン)』に希望を感じた」


 まず最初に,任天堂の岩田 聡社長のご冥福をお祈りします。僕から孤独を消し去って喜びを与えてくれた方の一人です。本当にありがとうございました。これからもたくさんゲームをします!

 さて。任天堂から発売中のWii U用ソフト「Splatoon(スプラトゥーン)」,はやっていますね! 僕もこの連載の担当さんにオススメされて買いましたよー。結論から言うと,めちゃくちゃ面白いです。どっぷりです。
 ゲームについての説明は,4Gamerにもレビューが載っているので軽く済ませるだけにしますが,基本,オンラインで4vs.4に分かれてステージの床をインクで塗りまくるゲームです。超シンプル。インクを発射する銃やローラーで相手を倒すこともできますし,イカに状態になるとインクに隠れて高速移動だってできる。以上! みたいな感じで,すごくシンプルなんですよね。
 しかし,シンプルだからこそ,一つ一つの要素が過不足なく丁寧に作られていて,ほほーっと思うこともたくさんあります

【ヒャダイン】「Splatoon(スプラトゥーン)」に希望を感じた

 まず,「レギュラーマッチ」の「ナワバリバトル」の加点方法が,敵を倒すことじゃなくて,塗った床面積の広さ。これってすごく任天堂らしい平和なジャッジだと思うんです。敵を倒してもそれによる直接的な加点はなし。やられたほうは少しの間操作不能になって,スタート地点に戻されるというペナルティのみ。何度倒されてもOK。
 となると,優先順位は敵を倒すことではなくて床を塗ることになるから,強そうな相手と遭遇したとき,「やられないことのほうが大切」となって,僕は逃げます。逃げて安全地帯で床塗りを再開します。もちろん,チームが勝つためには相手を倒して戦力を削ぐことも必要ですが,そこがメインじゃないんですね。

 さらに,オンラインでのバトルエントリー,いろんな腕前の人がいるのですが,一度エントリーしてからバトル終了までの間は,ソフトを終了でもさせない限り,離脱できないんですよ。これも任天堂っぽい! 要するに,マッチングしたときに自軍が弱いチームだったとしても,リタイアするのが面倒くさい。ほかのオンラインもののチーム分けで,こちらのレベルが低いせいでバトルが始まる直前にしょっちゅう露骨な離脱をされていた自分としては,差別がなくて嬉しいんです。強い人が足を引っ張る自分の面倒を見ながら戦ってくれる安心感たるや。

 武器(ブキ)や防具(ギア)も高レベル=強力,という考え方ではなく,プレイヤーランクが上がるにしたがって新しいものを買えるようになるけど,それぞれ一長一短があるんです。で,プレイヤーランクが高くないと買えないブキを持っていれば,強いかというと,決してそうではない。あとはテクニックだけの勝負。
 スマートフォン用ゲームのようにお小遣いをつぎ込みまくれば,時間をかけなくても強くなれる,といったものではないので,どんな環境の人も等しく扱われている感じがします。そもそも今のところ有料DLCもないのでみんな均等。

【ヒャダイン】「Splatoon(スプラトゥーン)」に希望を感じた

 これなんだよなあ。最近のゲームに何だか足りなかった質感。というか,さすが任天堂のユニバーサル感というか。国籍,年齢,収入,ゲーム歴,そういったものを取っ払って楽しめる間口の広さと細かい配慮。
 プレイヤー名がstevenとかmariaみたいな欧米っぽいものから,思いっきりアニメっぽい名前だったり,一方「まえやまだけんいち」みたいなひらがなフルネームの小学生的なものとか,「パパ」とか「ママ」みたいに家族間での名前だったり。いろんな環境の人が集まって,ほぼ均等な状況でチーム戦をする。こんな平和なことってほかにあるかしら。
 「ママ」とかが,すげえシューターでめっちゃ射撃してきたりする違和感も面白いです。バトル開始前や終了後に相手を罵ることに転用できるシステムも全部排除されているので,自分が足を引っ張ったとしてもその場限り。

 オフラインの1人用モード「ヒーローモード」も内容が充実していて,一個一個のスキルを磨くようなステージが満載で,それだけでもたいへん面白いです。さらに,ヒーローモードはクリア特典もあるので,挑戦しようという気持ちも沸いてきます。とにかく退屈させませんなあ。

 退屈させないで思い出したけど,オンラインでチームの人数が集まるまで暇つぶし用に,手元のWii U GamePadでプレイできる初期ファミコンのような縦スクロールのミニゲーム「イカジャンプ」もなかなか楽しいんです。
 チーム戦にCPUが入ることがなく,8人そろうまで待たねばならないシステムなので,待ち時間が発生するとき,イカがひたすら上に登っていくという縦スクロールゲームを遊べるのですが,気付いたらそっちに夢中になっていて「本編始まってくれるなよ」と思ってしまうことがあるほど。
 俺ね,いつもこのミニゲームをWii U GamePadでやりながら想像しちゃうのが,客のつかないキャバ嬢設定。客が来なくて手元の単純なゲームをただひたすらプレイするんだけど,突然指名が入ったら「はーい」つって本来の仕事に戻るあの感じ。俺,イカジャンプやってる間はキャバ嬢なんです。キャバ嬢をやったことはありませんが。

【ヒャダイン】「Splatoon(スプラトゥーン)」に希望を感じた

 このゲーム,シンプルだからこそいろいろなことを学べると思うんだよなあ。とくにお子さんは。例えば「昨日の敵は今日の友」
 相手チームにめっちゃ強いやつがいてバカスカ撃たれて倒されまくったとしても,次の試合のとき,その強いやつが自分のチームにいることがあるんです。さっきまでの悔しさが一転,そいつの強さを知っているものだから,もう心強くって心強くって。また逆も然りで,「昨日の友は今日の敵」ともなり得る。この刹那。すべては永遠じゃないってことも学べるし,あと感情なんて環境でコロコロ変わるってことも学べますよ
 あと,このSplatoon(スプラトゥーン),レギュラーマッチの場合は1マッチあたり3分の時間制限があるのですが,最後の1分,とくに終盤15秒で戦局が大きく変わります。一気に逆転して優勢になったり,逆に劣勢に追い込まれたり。となると,最後の15秒でどれだけ床を塗れるかが重要になってくるのです。
 そうなると,さっきも書いたけど「やられないことが大切」。一度倒されると数秒を無駄にしてしまい戦力外。その間に逆転されることもしばしば。敵陣に乗り込んでやられるぐらいなら,自陣近くをきっちり塗っていくことが重要。ハッと気付いたらスタート地点の周辺が全然塗られていなかったり。灯台もと暗しじゃねえか!
 あと,一人一人の重要性も教えられますよ。通信エラーとかで自軍から脱落者が出て3 vs. 4になろうものなら,まず勝てない! そりゃそうですよね。4人が3人になったら戦力25%OFF。よほどスキルがある仲間がいない限り,勝ち目は薄いわけです。
 そこで実感できるのが,仲間一人一人の重要性,さらには自分がチームにいることの必要性まで感じられる。オンラインゲームあるあるとはいえ,ここまで幅広い層にこれを響かせられるのは,なかなか前例もないのでは。

【ヒャダイン】「Splatoon(スプラトゥーン)」に希望を感じた

 キャラクターデザインや音楽はかなりクールで,僕は勝手にアヴリル・ラヴィーン系と呼んでいるのですが,アヴリル系のゲームの中に詰め込まれた暖かい気遣いや優しさ。気付いたら,スマホゲームに毎日あんなにお金を使っていた俺,最近使っておりません。
 最近よく,ゲームメーカーから「ゲーム専用機よりスマホに主軸を」みたいな話を聞きます。そりゃ市場とか収益性とか,プレイヤーにとっての利便性なんかを考えると,それもうなずけるんです。でも,ゲーム専用機だって内容が面白かったら盛り上がるし,みんなソフトを買うし。
 時代に合わせて諦めなきゃいけないことってたくさんあると思うし,常に新しいことをしていきたいと自分も常日頃思っているんです。でもSplatoon(スプラトゥーン)を遊んでいて,温故知新という言葉があるように,任天堂って,昔っから守ってきたものを今の時代向けに変換してアウトプットしているんだな,と。そんな姿勢から,時代が変わっても諦めちゃいけないものもあるんだな,と痛感させられました。
 未来は明るい。希望はあるんだ。ありがとう,任天堂。そして,あらためてありがとうございました,岩田社長!!

■■ヒャダイン(音楽クリエイター)■■
50inchの4K REGZAでTVを見たりゲームをしたりしているヒャダイン氏。いつでも一週間分のTV番組を録画していて,連載を持つ「TV Bros.」の編集者にも驚かれるほど,オンエアチェックをしまくっているそう。ちなみに最近のお気に入りは,TBS系で放送中の「クレイジージャーニー」だそうです。
  • 関連タイトル:

    Splatoon(スプラトゥーン)

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