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【西川善司】「グランツーリスモ5」立体視プレイにあたっての設定指南
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印刷2010/12/20 00:00

連載

【西川善司】「グランツーリスモ5」立体視プレイにあたっての設定指南

西川善司 / グラフィックス技術と大画面とMAZDA RX-7を愛するジャーナリスト

画像集#009のサムネイル/【西川善司】「グランツーリスモ5」立体視プレイにあたっての設定指南

(善)後不覚

blog:http://www.z-z-z.jp/blog/


「立体視コンテンツの主役はゲームである」と,高らかに宣言するSCEJの河野 弘プレジデント
画像集#012のサムネイル/【西川善司】「グランツーリスモ5」立体視プレイにあたっての設定指南
 東京ゲームショウ2010で,ソニー・コンピュータエンタテインメント(以下,SCEJ)は,「世界に3800万台普及したPlayStation 3は,世界で最も普及した3D立体視プラットフォームであり,ゲームこそ,3D立体視対応テレビのメインコンテンツである」と声高らかに宣言しました。SCEJは率先して,立体視対応ゲームの投入に取り組んで行く方針も明らかにし,2011年3月までに20本の立体視対応ゲームをリリースすることもアナウンスしています。

 確かにSCEJは2010年6月から立体視対応ゲームを配信したりしていますし,パッケージタイトルでも,PlayStation Move(以下,PS Move)と3D立体視の両方に対応した「Me&My Pet」を出していたりします。本気度はかなりのもののようです。

 2011年2月24日に発売予定の「KILLZONE 3」もPS Moveと立体視両対応のようですが,2010年内発売されたタイトルで最も注目度の高い立体視対応ソフトといえば,なんといっても「グランツーリスモ5」(以下,GT5)になるでしょうね。

画像集#002のサムネイル/【西川善司】「グランツーリスモ5」立体視プレイにあたっての設定指南

 「え,そうなの?」なんて声も聞こえてきそうで,もしかしたらあまり知られていないかもしれませんが,GT5は3D立体視テレビに完全対応しているんです。なので,PlayStation 3(以下,PS3)と3D立体視テレビを接続すれば,特別なアドオンソフトなどを組み込まずとも,“素の状態”で立体視レース体験が楽しめます。
 今回は,このGT5の立体視について見ていきたいと思います。


PS3と3D立体視テレビを接続したときの注意点


 「3D立体視テレビを購入してPlayStation 3とつないだのに,3D立体視対応テレビとして認識されない」なんて困っている人がいるようですね。これはテレビの買い替え派に多く見られる“症状”ですが,PS3に立体視対応テレビを認識させるには,PS3に用意された「設定」メニューの「ディスプレイ設定」「映像出力設定」から「自動設定」を選択してみてください。これで,「前につながっていたテレビと違って,今度のテレビは3D立体視に対応してるんだ」と,PS3が気づいてくれます。

PS3が聞いてくる「3Dテレビの画面サイズ」に対しては正直に答えるのが吉
画像集#003のサムネイル/【西川善司】「グランツーリスモ5」立体視プレイにあたっての設定指南
 正常に3D立体視対応テレビを認識できた場合,対応解像度の認識を終えた後で,画面サイズの確認があります。これは“見栄を張らず”に,正直に答えてください。記録された3D映像をただ再生するだけとなるBlu-ray 3Dソフトを再生するだけなら,この値は何でもいいのですが,ゲームでは画面サイズに合わせた視差生成を行いますから,極端に変な値にすると気分が悪くなったり,立体感が得られなかったりします。

3DTVモードの設定
画像集#004のサムネイル/【西川善司】「グランツーリスモ5」立体視プレイにあたっての設定指南
 さて,GT5は3D立体視に対応しているとはいえ,初期状態では,この機能が無効になっています。
 なので,有効化してやりましょう。GT5の「オプション」メニュー内,「デバイス」設定の右のほうに「3DTVモードの設定」というのがあるので,これを選びます。このあたりはゲーム付属のマニュアル冊子には一切書かれていないので,見つけにくいかもしれません。

「3DTVモード」を有効化してもGT5の映像が立体表示にならない場合は,テレビ側の設定を見直そう
画像集#005のサムネイル/【西川善司】「グランツーリスモ5」立体視プレイにあたっての設定指南
 本項目に用意された「3DTVモード」を「オン」にすれば,ひとまずはOKです。これでも立体視表示にならない場合は,3Dテレビ側の設定を疑ってください。というのも,テレビは機種によって,立体視フォーマットの映像を受けても,標準ではあえて平面表示を行う設定になっているものがあり,そうした機種では,テレビの動作モードを明示的に立体視へ切り替えてやる必要があるからです。


GT5の「視差」設定とは


 ところで,GT5の「3DTVモードの設定」には,オン/オフの切り替え設定以外にも,「視差」「輻輳点」という設定項目が用意されています。
 おそらく,大半のユーザーがなんのことか分からないと思いますし,「輻輳点」に至っては,読み方が分からない人のほうが多いかもしれませんね。順番に解説していきましょう。

「視差」の設定
画像集#006のサムネイル/【西川善司】「グランツーリスモ5」立体視プレイにあたっての設定指南
 「視差」の設定は,GT5では「立体感の強さ」として説明されています。
 これは漠然としていてイメージがしにくいですが,実際には,奥行き方向のダイナミックレンジ設定,という意味です。
 設定値は1〜10で,値が大きければ大きいほど,最遠部の情景が遠くに見えるようになります。つまり,値を大きくするとテレビの表示面から奥に向かって深い奥行き感が得られるようになるのです。

 なお,「視差」設定で大きな値を設定すると,飛び出して見えるオブジェクトがより手前まで飛び出てくるように描かれるので,飛び出し表現が多い3D映像では目が疲れやすくなります。GT5は奥行き方向の表現を重視した映像作りになっているので「5」くらいに設定してもそれほど目前がガチャガチャすることもないですし,値を小さくしすぎると,コーナーまでの距離感が掴みにくくなったりもしますから,見にくくならない程度で,最も大きな値に設定するのがよいでしょう。
 ちなみにこの設定,テレビ画面の大きさに依存するので,デフォルト設定が必ずしも奨励されないということは覚えておきたいところです。

「視差」設定のイメージ(イラスト:大鷹)
画像集#010のサムネイル/【西川善司】「グランツーリスモ5」立体視プレイにあたっての設定指南


GT5の「輻輳点」設定とは


 「輻輳点」は,「ふくそうてん」と読みます。
 漢字が難しいので,3D立体視の世界では「交叉点」という用語に置き換えて使うことも多いです。
 これは左右の目の視線が交差する点を意味していまして,立体視においては「飛び出てもいないし,引っ込んでもいない位置」――いわゆる原点的な位置を指します。

「輻輳点」(ふくそうてん)の設定
画像集#007のサムネイル/【西川善司】「グランツーリスモ5」立体視プレイにあたっての設定指南
 GT5で用意されている設定値0.00〜1.00で,値を大きくすればするほど,立体映像の基準位置を奥側へ移動させることができます。
 つまり,デフォルトでは飛び出し表現をしていなかった映像までを飛び出し表現として描けるようになるわけです。値を大きくすると飛び出し感重視の3D映像になりますが,実際のプレイ時には目がガチャガチャした感じになって遊びづらくなりますから,その点は要注意。
 基本的には「うまく立体視できない」といったときにいじればよいでしょう。ただ,リプレイ映像を見せるとき,この値をやや大きめにして来客に見せると「おお〜飛び出してるね〜」という歓声が上がりやすく,3Dテレビの評判もよくなります(笑)。

「輻輳点」設定のイメージ(イラスト:大鷹)
※2010年12月20日17:15,誤解を招きかねない表現をカットし,図を更新しました
画像集#011のサムネイル/【西川善司】「グランツーリスモ5」立体視プレイにあたっての設定指南


立体視プレイがゲーム性を増強してくれる


 立体視でプレイすると敵車の遠近感が捉えやすくなり,さらに車と車が創り出している隙間もイメージしやすいため,オーバーテイク(追い越し)するときに,「どう敵車の間を抜けていけばいいか」の動線を立体的に思い描けるようになります。
 また,コーナーまでの距離感も分かりやすくなります。平面表示だと,背景情報や路肩情報だけで,図形処理的に反応しがちだったブレーキングのタイミングを,実際の車の運転のように,コーナーまでの実感距離で反応できたりするのです。タイムアタック時は,確かに「図形処理的な判断」のほうがクールに走れますが,レース時の混走状態におけるコーナリングでは,この実感距離がとても有用な情報になるんですよね。

画像集#008のサムネイル/【西川善司】「グランツーリスモ5」立体視プレイにあたっての設定指南

 GT5における立体視は「ただ物珍しさを誘うだけの演出要素」ではなく,ゲーム性を盛り立てる要素として機能していると思います。
 GT5ファンの皆さん。ステアリングコントローラを買ったら,次にゲットすべきは3D立体視対応テレビですよ!

■■西川善司■■
テクニカルジャーナリスト。4Gamerの連載「3Dゲームエクスタシー」をはじめ,オンライン/オフラインのさまざまなメディアに寄稿したり,バカゲーを好んでプレイしたり,大画面にときめいたり,観切れないほどBlu-rayビデオを買ったり,オヤジギャグを炸裂させたりして毎日を過ごしている。
  • 関連タイトル:

    グランツーリスモ5

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