ハドソンのiPhone 3G用タイトル「BOMBERMAN TOUCH」「SUDOKU」「AQUA FOREST」で遊んでみた

　本日（7月11日），アップルの携帯電話iPhone 3Gが，日本ではソフトバンクモバイルから発売された。IT系のメディアのみならず，新聞やテレビのニュースでも取り上げられるなど，かなり大きな話題になっている。
　iPhone 3Gの発売に先駆け，昨日には，iPhoneおよびiPod touch向けのアプリケーション販売サービス「App Store」が一足早く公開された。ビジネス向けのものから，ちょっとした便利ツール，そしてゲームまで，合計500タイトル以上もここに登録されている。

　今回，そんなiPhone，iPod touch用ゲームのうち，ハドソンの「BOMBERMAN TOUCH」「SUDOKU」「AQUA FOREST」を実際にプレイできたので，簡単に紹介していこう。

個性の分かれた3タイトル。注目すべきは「AQUA FOREST」

「BOMBERMAN TOUCH」

　やはりハドソンの看板タイトルといえば，「ボンバーマン」。これほど一番槍を務めるにふさわしいタイトルは，ほかにないだろう。iPhone 3GやiPod touchはワールドワイドでリリースされ，当然App Storeも世界中から利用できる。となると，そこのコンテンツを提供するということは，世界中に販売できる可能性があるわけだ。
　そういったあたりを強く意識したということで，BOMBERMAN TOUCHは，映画最新作の公開で人気が再燃中の“インディ・ジョーンズ”リスペクトなキャラクターデザインや舞台設定が採用されている。

　さて，実際にプレイしてみた感想だが，ゲームシステム自体はボンバーマンシリーズの伝統をしっかり受け継いでおり，安心して遊べる。その半面，“おなじみ過ぎる”というか，目新しさをあまり感じられないというのも事実。
　しかし，操作感が非常に新鮮だ。動画を見てもらえれば分かると思うが，方向キーなどが備わっていないハードウェアなのに，タッチパネルを利用することで，まるでゲームパッドを握っているような形でプレイできるのである。
　ただ，十字キーを操作するような感覚で，キャラクターの移動を左手の親指で行うと，画面に当たる指の腹の面積が広いためか，入力ミスを起こしやすかった。画面のどこをタッチしても操作可能なので，人差し指をタッチペンのように使って移動を行うのが，個人的にはミスも少なく，安定していたように思える。

　ステージは全部で10以上存在し，途中でルート分岐もある。また，今回のプレイでは体験できなかったが，ステージを進めていくと，傾き検知機能を利用したアイテムが出てくるらしい。“傾きでボムを動かすことができる”というもののようだが，一体どのような場面で活用することになるのか。気になる人はぜひ試してみてほしい。価格は900円（税込）だ。



「SUDOKU」

　縦3×横3のブロックに，1〜9の数字を重複しないように入れていく推理型ロジックパズルゲーム。すでにさまざまなプラットフォームで発売されているため，「BOMBERMAN TOUCH」と同様にあまり目新しさは感じられない。
　しかし，タッチで素早く数字を選択，消去できるため，操作感は非常に快適。傾き検知機能で縦向きと横向き，どちらでも遊べるのも便利だ。また，オプションのフォント変更で漢数字も選べるようになっている。
　ちょっとした空き時間に遊べるパズルゲームは，携帯電話としての側面を持つiPhoneと，非常に相性が良いと思われる。数独というパズル自体の知名度は高いので，普段はゲームであまり遊ばない層にも強くアピールできるタイトルといえるだろう。価格は700円（税込）となっている。



「AQUA FOREST」

　そして三つめのタイトルが，“エコ”をテーマにハドソンとプロメテック・ソフトウェアが共同開発した「AQUA FOREST」だ。プロメテック・ソフトウェアが開発した，ゲーム開発用2次元物理エンジン「OctaveEngine Casual」が採用されており，タッチパネルで線を引いたり，本体を傾けたりして遊ぶパズルゲームである。のだが……こいつはとんでもない“異端児”だ。
　ゲームの魅力を紹介しようといくら言葉を尽くしても，実際にプレイしてみないことには，この面白さは理解しがたいのではないかとすら思える。百聞は一見にしかず。まずは動画を見てほしい。


　“炎”や“水”“木”など，さまざまな効果を表すアイコンを選択し，画面内に線を引いたり図形を書いたりすると，組み合わせによってさまざまな効果が発生する。火と水が接触すると，水が蒸発して水蒸気が発生するし，木と火を組み合わせれば，たちまち木は燃え上がってしまう。
　それからどうなるか？　いや……ただ“それだけ”なのである。これだけ聞くと，まるで化学の実験のようなゲームだが，“それだけ”のことが，なんだか無性に楽しく，無心になってあれこれ“実験”をしてみたくなるのだ。

　モードとしては，“フリー”と“パズル”が用意されているのだが，とくに目的のないフリーモードで適当にいじりまわしているだけでも，いつの間にかかなりの時間が経過してしまうほど，なぜだか夢中になってしまう。
　パズルモードには，さまざまなカテゴリの問題が用意されているが，全体的に難度は低め。本体を傾けて水をゴールまで誘導したり，家に火をつけて燃やしたりするといった，直感的な遊びを楽しめる。

　また，ゲーム中に流れるBGMや効果音も特筆すべきポイントだろう。基本的にヒーリング系の穏やかな曲調なのだが，ゲームプレイ時に流れる効果音（とくに水が流れる音）などと合わさると，なんとも涼しげで“癒し”を味わわせてくれる。

　正直なところ，あまりにも実験的すぎて，「これはゲームなのか？」と問われると，少々答えに詰まってしまうところはある。しかし，iPhone，iPod touchが持つゲームプラットフォームとしての大きな可能性を感じさせてくれるのは間違いない。こちらの価格は900円（税込）。


　以上，それぞれ異なる個性を持った3タイトルだったが，やはりAQUA FORESTの異色っぷりは別格。プレイしていて，ここまで生理的な気持ち良さを感じさせてくれる作品は珍しい。新しいモノ，変わったモノが好きな人には「AQUA FOREST」を強くオススメしたい。友人にiPhone 3Gを自慢するときにも最適な作品だ。また，BOMBERMAN TOUCHとSUDOKUは定番タイトルだけあって，安心して遊びたい人に向いているだろう。

　ハドソンは，iPhoneおよびiPod touch向けに20タイトル以上の“ネイティブアプリケーション”を開発すると表明している。まずはそのうちの3タイトルが先行して世に出た形だが，残りも年内に随時投入される模様。次は一体，どんなタイトルがリリースされるのか？　今から楽しみである。

「Do the Hudson!!（β）」