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ゲーマー向けスマホ「ROG Phone 7」登場。性能向上だけでなくサウンドや使い勝手にもメスを入れてゲームをより快適に
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印刷2023/04/13 21:31

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ゲーマー向けスマホ「ROG Phone 7」登場。性能向上だけでなくサウンドや使い勝手にもメスを入れてゲームをより快適に

 2023年4月13日,ASUSTek Computerは,ゲーマー向け製品ブランド「Republic of Gamers」(以下,ROG)の新型スマートフォン「ROG Phone 7」と「ROG Phone 7 Ultimate」を世界市場に向けて発表した。
 搭載SoC(System-on-a-Chip)にQualcommのハイエンド市場向け製品「Snapdragon 8 Gen 2」を採用するのに加えて,主要な内部コンポーネントを一新して,性能が向上したという。

ROG Phone 7
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ROG Phone 7 Ultimate
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 世界市場における価格は以下のとおり。なお,本稿執筆時点で発売時期は明らかになっていない。

●ROG Phone 7
  • メインメモリ容量12GB,内蔵ストレージ容量256GB,999ユーロ(約14万7000円)
  • メインメモリ容量16GB,内蔵ストレージ容量512GB,1199ユーロ(約17万6000円)
●ROG Phone 7 Ultimate
  • メインメモリ容量16GB,内蔵ストレージ容量512GB,1399ユーロ(約20万5000円)

 ROG Phone 7シリーズは,約6.78インチサイズで,解像度1080×2448ドット,最大リフレッシュレート165Hzの有機ELディスプレイを採用する。パネルのサイズや解像度は前世代製品の「ROG Phone 6」シリーズと変わっていないが,最大輝度が従来の800nitから1500nitへと大きく向上したのがポイントだ。明るい屋外でも映像を見やすくなるだろう。連打時の応答性に関わるタッチパネルのサンプリングレートは,720Hzとなる。

ディスプレイパネルのスペック。輝度以外は変わらないようだ
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 ディスプレイサイズが変わっていないので,ROG Phone 7の本体サイズも,ROG Phone 6とほとんど同じ77(W)×173(D)×10.4(H)mmである。スマートフォンとしての持ちやすさを考えると,妥当な範囲なのだろう。背面デザインは,ROG Phone 7の場合,背面パネルの半分がトランスルーセント仕様となった。

ROG Phone 7の背面パネル。中央か上にかけて,半透明で内部が透けて見えている。ROGのシンボルマーク部分に組み込まれたLEDは,8つのゾーンに分かれており,ゾーンごとに発光色を設定できるという
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 一方,ROG Phone 7 Ultimateの場合,ROG Phone 6シリーズの上位モデル「ROG Phone 6 Pro」と比べて,少しすっきりとしたデザインに変わった。小型ディスプレイの「ROG Vision」は引き続き搭載する。

ROG Phone 7 Ultimateの背面カバー。メカメカしいラインが入っていたROG Phone 6 Proから,スッキリとしたデザインへと変わった。本体カラーはStorm Whiteのみとなる
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 搭載SoCのSnapdragon 8 Gen 2は,動作クロックが最大3.19GHzとなっている。ASUSの検証結果では,Snapdragon 8 Gen 2は,ひと世代前のフラグシップSoCである「Snapdragon 8+ Gen 1」と比較して,CPU性能が15%,GPU性能が20%向上したという。その一方で,電力効率は15%改善したそうだ。

Snapdragon 8 Gen 2とSnapdragon 8+ Gen 1の性能比較
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 Snapdragon 8 Gen 2は,LPDDR5Xメモリや高速ストレージ用インタフェース規格「UFS 4.0」に対応したのも見どころである。LPDDR5Xメモリは,LPDDR5メモリと比べて33%,UFS 4.0はUFS 3.0比で2倍の性能向上を実現した。これにより,たとえばゲームの読み込み時間が短くなるといった恩恵があるかもしれない。

LPDDR5Xメモリは転送速度が大きく向上した
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UFS 4.0はUFS 3.0比で帯域幅が2倍に
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 ROG Phoneシリーズでおなじみのゲーム用動作モードである「X mode」にも新機能が加わり,一般的なゲームの処理だけでなく,個別の人気ゲームでもCPUの高性能コアや高効率コアに割り振る処理を最適化する。

新しいX modeではCPUコアに割り当てる処理を最適化する
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 X modeを有効にしたROG Phone 7は,Antutu BenchmarkやGeekbench 6といったテストにおいて,競合のハイエンドスマートフォンと比べて,高い性能を示したという。なお,X modeを無効化した場合のテスト結果は明らかになっていない。

Antutu Benchmarkの結果。SoCの動作クロックが高いGalaxy S23よりも高いスコアを発揮しているのは,ゲーマー向けスマートフォンの面目躍如といったところか
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Geekbench 6のテスト結果
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 ROG Phone 7が高い性能を発揮できるのは,SoCをはじめとする高スペックのコンポーネントが持つ力を引き出す強力な冷却機構あってのものだ。ROG Phone 7では,ROG Phone 6の冷却機構をベースとして細かな改良を加えて,冷却性能を高めているという。

ROG Phone 7の冷却機構。おおまかな構成はROG Phone 6と変わらない
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メイン基板と無線モジュールの基板(RF Board)の間にTIM(Thermal Interface Material)として,窒化ホウ素を充填する
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 まずは「Rapid Cycle 3D Vapor Chamber」の採用だ。ベイパーチャンバー内部にある冷却液の通り道「ウィック」の形状を改良したり,溝を新たに加えたりしたことで,SoCなどの熱源に冷却液が従来よりも素早く冷却液が届くようになったという。

Rapid Cycle 3D Vapor Chamberの概要
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 このほかにも,放熱用のグラファイトシートも形状を最適化しており,冷却性能が上がったとのことだ。

グラファイトシートの形状も見直したそうだ
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 ASUSが行ったテストでは,「原神」を30分プレイしたところ,競合製品よりも,安定した動作を実現するだけでなく,背面カバーの温度上昇も低く低く抑えたそうだ。

原神のフレームレート設定を60fpsにして,30分プレイしたときの端末の温度や消費電力
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 専用外付けクーラー「AeroActive Cooler」も最新世代へと切り替わった。新たな「AeroActive Cooler 7」は,空冷ファンとペルチェ素子を組み合わせた機構は変わらないが,ディスプレイ面にも風を送る仕組みを設けている。AeroActive Cooler 7を装着すると,背面カバーの表面温度を最大25℃,ディスプレイの表面温度を最大8℃下げられるそうだ。

背面パネルだけでなく,ディスプレイ面も冷却するAeroActive Cooler 7
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 さらに,上位モデルのROG Phone 7 Ultimateには,AeroActive Cooler 7による送風を,筐体内部に取り込む「AeroActive Portal」という通気孔を備えている。この開閉式通気孔は,ASUS製スマートフォン「ZenPhone 7 Pro」のフリップカメラで培った技術を用いており,4万回以上の開閉に耐えるそうだ。
 ROG Phone 7 Ultimateに,AeroActive Cooler 7を装着して,原神をプレイしてみると,背面カバーとディスプレイ面の表面温度は30℃台半ばに保てるそうだ。

ROG Phone 7 Ultimateには,AeroActive Cooler 7の風を取り込む通気孔がある
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筐体内部に風を直接送り込んで冷却する
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 AeroActive Cooler 7の役割は,冷却だけではない。クーラー内にサブウーファーを搭載しており,スマートフォンのスピーカーと組み合わせて,2.1chのスピーカーセットを実現できるのだ。クーラー内蔵サブウーファーを使うことで,低音域の音圧は77%向上するという。

サブウーファーによって,低音域の音圧が向上
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 スピーカーの話題が出たので,ROG Phone 7のサウンド面についても触れておきたい。スピーカーユニットのサイズなどは,ROG Phone 6と変わらない。ただし,筐体内部の設計を見直すことで,音量が50%増えたとのことだ。
 従来製品との大きな違いは,音響技術の専門企業であるDirac researchの空間オーディオ技術「Dirac Virtuo」による音質最適化を,本体に搭載するスピーカーだけでなく,ROG Phone 7と接続したヘッドフォンやイヤフォンでも利用できる点にある。さらにヘッドセットやイヤフォンの接続方式を問わない点もポイントだ。

ヘッドセットやイヤフォンでもDirac Virtuoが利用可能に
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 ROG Phoneシリーズではおなじみの,ゲームの操作を割り当てられるタッチセンサー「AirTrigger」も,引き続き採用している。ただ,新しい機能はとくに加わっていないそうだ。ROG Phone 6までで9種類もの操作をできるようになっているため,とくにつけ加える必要はなかったようである。

AirTriggerで可能な操作
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 このほかにも,ハードウェアで注目したいのは,次世代無線LAN規格「Wi-Fi 7」(IEEE 802.11be)への対応だ。Wi-Fi 7は,現行規格の「Wi-Fi 6E」(IEEE 802.11ax)と同じく,データ通信に周波数6GHzの電波も用いる規格だ。また,帯域幅が従来の最大160Hzから320Hzへと倍増することで,理論値最大40Gbpsのデータ通信が可能になるという。

Wi-Fi 7に対応
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 日本国内では,2022年9月に,総務省が6GHz帯を利用する無線LANを認可した。ただし,これは160Hzの帯域幅を使った通信にとどまり,320Hzの場合は認可を待たなければならないようだ。Wi-Fi 6Eの導入時ほど長く待たされることはないかもしれないが,ROG Phone 7の発売時期によっては,Wi-Fi 6Eに機能が制限されるかもしれない。
 
 最後にソフトウェアの強化を紹介しよう。
 ROG Phoneシリーズに搭載するゲーム向け機能群「Game Genie」に,ゲームプレイを支援する「X Sense」と,録画機能「X Caputure」が加わった。どちらも機械学習を活用している。X Senseは,画面内の情報を認識して重要なアイテムの出現といったイベントを通知する機能だ。なお,X Senseの対応ゲームは明らかになっていない。さらにASUSによると地域によって,利用できるゲームも変わるとのこと。たとえば,対応ゲームの例で挙げられていた「アリーナ・オブ・ヴァラー」の場合,台湾とタイ,ベトナムでしかX Senseは利用できないという。

ゲーム内のイベントを通知してプレイヤーを支援するX Sense
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 一方のX Caputureは,敵を倒した瞬間や勝利したときなど,ゲーム内で起こった重要なイベントを自動的に録画するというものだ。NVIDIAのPC向け自動録画機能「NVIDIA Highlights」に似た機能と言えるだろう。

X Caputure
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 さらに「Background Mode」という新たな動作モードも備える。その名のとおり,バックグラウンドでもゲームの動作を維持するという機能で,たとえば,裏でゲームの自動周回をしつつ,表では動画やSNSを見られるという。

Background Mode
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 このほかにも,ROG Phone 7には,本体の振動を設定する「Vibration Mapping」も搭載しており,タッチパネルの領域ごとに,異なる振動の強さを割り当てられるという。

タッチパネルの領域ごとに振動を設定できるVibration Mapping
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 ROG Phone 7シリーズは,ROG Phone 6をベースとしたマイナーチェンジモデルに見えるが,内部は思った以上に変更点が多い。SoCだけでなく,メインメモリやストレージ部分にも手が入り,これまで以上の性能向上が期待できるかもしれない。本稿執筆時点では,日本国内での販売予定は明らかになっていないが,通例どおりなら,国内での販売も期待できるだろう。

表 ROG Phone 7シリーズの主なスペック
メーカー ASUSTeK Computer
OS Android 13
ディスプレイパネル 約6.78インチ有機EL,解像度1080×2448,最大リフレッシュレート165Hz
プロセッサ Qualcomm製「Snapdragon 8 Gen 2」
・CPUコア:Kryo(最大3.19GHz)
・GPUコア:Adreno 740
メインメモリ容量 最大16GB
ストレージ 512GB
アウトカメラ 3眼式
・標準:約5000万画素
・広角:約1300万画素
・マクロ:500万画素
インカメラ 約1200万画素
対応5Gバンド 未公開
対応LTEバンド 未公開
対応3Gバンド 未公開
無線LAN対応 Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)
Bluetooth対応 Bluetooth v5.3
バッテリー容量 6000mAh(3000mAh+3000mAh)
待受時間 未公開
連続通話時間 未公開
USBポート USB Type-C×2
公称本体サイズ 77(W)×173(D)×10.4(H)mm
公称本体重量 約239
本体カラー ROG Phone 7:Phantom Black,Storm White
ROG Phone 7 Ultimate:Storm White

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